10月7日(日)開催のりょなけっと10にてスペースいただきました。
当日は過去に単発で配布した短編集の製本版と16枚のイラストサンプル、16枚のイラストのフルサイズダウンロードコードをセットにしたものを配布予定です。
よろしくお願いいたします。

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LWFsample1モザイク

LWFsample2モザイク

LWFsample3モザイク


※サンプルのためモザイク処理しています。
当日配布するイラストサンプルはモザイク処理なしです。

 冷子が床に手をついたまま激しく咳き込んだ。
「大丈夫ですか?」と、蓮斗が冷子を振り返って言った。声色にはやや馬鹿にしたような響きがうかがえる。
「……うるさいっ。邪魔するんじゃないわよ」
「負けそうだったところを助けたのに随分だなぁ……。冷子さんがあそこまで追い詰められるなんて意外ですよ。多分僕が来なかったら一分も経たずに──」
 薄笑いを浮かべたまま話し続ける蓮斗の眼前に、冷子の軟体化した腕が目にも留まらぬ速さで伸びて、鞭のような音を立てた。濡らしたタオルを弾いたような湿った破裂音に蓮斗の体が一瞬固まる。蓮斗は、ひひ、と笑いながら両手を上げて後ろに下がった。
 シオンは今まで写真でしか見たことがなかった蓮斗という人物を把握しようとつとめた。ボリュームのある服を着ているせいもあるだろうが、写真で見た印象に比べややがっしりとした体型に見える。おそらく数回にわたり整形手術を受けているのだろう。肥満体系の頃の面影はほとんど無い。そして過剰に目が潤んでいて呂律もわずかに怪しい。薬物依存症によく見られる様子だ。
「悪かったわね、横槍が入って」と、冷子がシオンに言った。「これは負け惜しみではなく事実として言うけれど、貴女はあのまま勝ってはいなかった。私が手を打っている途中にこいつに邪魔をされただけ……この後それを証明してあげるわ。さっきの落とし前はこれで許して頂戴」
 冷子は右手で左の二の腕を掴むと、唸り声をあげながら右手に力を込めた。めりめりという音がして、指が二の腕の筋肉に食い込む。
「なっ……何を……や、やめてください!」
 シオンが頭を振って駆け出そうとするが、その前に冷子が一層低い声で唸る。ブチブチという何本もの繊維がちぎれる音と共に、腕が肩関節から脱臼する重い音がはっきりと響き、シオンは耳を塞いでしゃがみ込んだ。冷子の左腕が肩から抜け、おびただしい血液がロビーの床にぶちまけられる。蓮斗が背後でひゅうと口笛を吹いた。
「な、なんて……なんてことを……」
 あまりの光景にシオンは目に涙を浮かべ、口に両手を当てながら震えている。
「……そんなに大袈裟なもんじゃないわよ。腕一本再生するくらい訳ないわ」と、冷子が肩で息をしながら言った。左肩の傷口はナメクジの様な粘液質の表皮に覆われ、既に止血されている。冷子は主を失った左腕をシオンの目の前に放り投げる。シオンは「ひっ」と悲鳴をあげながら肩を震わせた。
「へぇ……調べた通りだなぁ」と、蓮斗が言った。「人が傷つくところが極端に嫌いなんだっけ? シオンちゃんの闘っている映像を何本か見たけどさ、基本的に大振りで一撃必殺狙いな感じだよね? 性格的に理詰めや搦め手を使ってじわじわと追い詰める頭脳戦の方が得意なはずなのに、実際の戦闘スタイルは脳筋かよっていうほど大雑把だからなんか変だなぁと思ったんだよ。なるほど、苦しめる前に勝負決めちゃおうって魂胆ね。僕とは正反対だなぁ。そうなったのもやっぱりアレかな? 君のことは色々調べさせてもらったけどさ、昔──」
 蓮斗が言い終わる前に、玄関の方で轟音が響いた。玄関扉の蝶番が壊れ、扉の一枚板がゆっくりとロビーの床に向かって倒れる。開けっ放しになった扉から風に舞った雪が吹き込む。雪の光を背負って巫女服の袖を揺らしながら、美樹がブーツの底をごつごつと鳴らしながらロビーに入ってきた。三人の視線が美樹に集まる。
「扉を壊してすまないな……驚かすつもりは無かったんだが──」と言いながら、美樹が蓮斗を睨みつけた。「お前の声が聞こえたので、少しイラついてしまった」
「美樹さん……」と床に座り込んだままシオンが言った。美樹がシオンの側まで来て手を差し伸べる。シオンがその手を引いてた立ち上がった。シオンは足元を確かめるように靴底を何度か踏みしめ、ツインテールを手櫛で梳く。「大丈夫です、大丈夫……」と床を見ながらシオンが言った。美樹が勇気付けるようにシオンの肩を叩く。冷子が蓮斗を睨みつけた。
「ちょっと……なんでこいつが生きてるのよ? 始末したからこっちに来たんじゃないの?」
「いやぁ、その手違いというか……実は寸でのところで逃げられまして、あの双子もいつの間にか消えていて誰も捕まえることができず──」
 蓮斗が言い終わる前に、冷子が変形させない状態の右腕を蓮斗の顔面に向けて払った。蓮斗の首が折れたのではないかと思うほど顔が真後ろに倒れるが、蓮斗は悲鳴をあげることもなくバランスを崩した程度で持ち直す。ゆっくりを顔を戻すと、両方の鼻からは大量の血が垂れていた。
「あら?」と冷子が言った。蓮斗の顔を覗き込む。
 蓮斗の瞳孔は冷子のそれと同じ様に縦に裂けていた。
 瞳孔の内部が微かに赤みがかって見える。それを見ると冷子はジャケットの内ポケットから鏡を取り出し、蓮斗に手渡す。蓮斗は自分の目を覗き込むと、首を振りながら「やった……やったぞ」と静かに言った。
「最終段階ってとこかしら……違和感は無い?」
「違和感どころかすこぶる順調です。痛みや疲労は日が経つにつれてほとんど感じなくなってきていますし、射精の回数や量も増えました。昨日まで久留美ちゃんと遊んでいる時はお腹を殴りながら一晩で八回も射精しましたし、睡眠欲もほとんど無くなりました」
 蓮斗が興奮で所々声を上ずらせながら冷子に捲したてる。
「ここまでくれば成功でしょうね。拒絶反応も無いみたいだし。あと数時間もすれば粘膜同士の接触で栄養素を吸収出来るし、老廃物もほとんど生成されなくなる。分泌する唾液や精液などの体液は異性を魅了する効果がある、いわゆるチャームに変化する。食事も排泄も必要無いし、疲労物質やわずかに生成される老廃物は体液と同時に体外へ排出されるから睡眠も必要無い。ようこそ、こちら側へ」
「ありがとうございます……ようやく人妖になれるんですね……。食事の必要がなくなるのは少し残念ですが」
「おい、なんの話だ……。人妖になれるだと? どういうことだ?」
 美樹が幽霊を見るような顔で蓮斗と冷子を見ながら言った。シオンは地下で見た資料を思い出し、背中がゾッと粟立った。
「そのまんまの意味さ。俺は人間という存在が心底嫌いなんだ。あれこれ気にしながら、人の顔色をうかがってせこせこと生きている卑屈なクズども──」と言いながら、蓮斗が息を荒げながらカーゴパンツのポケットからシガーケースのようなものを取り出した。中を開く。注射器が一本入っている以外は何も入っていない。蓮斗はその一本を取り出して、震える手で鎖骨のあたりに針を打ち込んだ。雑に中の薬液を注入すると、ケースごと注射器を床に叩きつけて壊した。「冷子さんが開発したこの薬を定期的に打つだけで、人間はより高位の存在の人妖になれるのさ……。将来的には飛沫でも効果があるようになるし、適性がない奴でも強制的に人妖化できるように冷子さんが調整してくれている」
 蓮斗の瞳は紅い光を放ちはじめた。冷子がその背後で興味無さげに頭を掻いている。
「俺はこいつを大量生産して、まずは日本中の人間を全員人妖にする。日本は理想郷になるのさ。だってそうだろう? 飢えが無くなり、ただセックスしていれば生きられる存在に全員が進化するんだ。いまの世の中を見てみろ。容姿や収入、生まれや育ちで一生が決まっちまう世界だ。クソッタレな親の元に産まれちまったら、泥水をすすりながら惨めな劣等感に怨霊みたいに取り憑かれながら、一生をジメジメとした日陰で過ごさなきゃならない。俺はそんな世界をぶち壊してやりたいのさ。人間がもっとも恐怖する飢えが無くなり、価値観が全部ひっくり返る。童貞とか処女とか、金持ちとか貧乏人とかで差別されなくなる世界だ。最高じゃないか」
「そ、そんな……」
「そんなことさせるか!」
 言葉に詰まったシオンの横で美樹が叫んだ。蓮斗を矢で射抜く様に真っ直ぐに睨みつけた。
「日本中の人間を人妖にするだと……? 貴様、人間を何だと思っている?」
「身勝手で自分勝手な最低の屑さ。街を歩いてると、色んな奴がいるよな? 俺はそいつら全員が何を考えてるのか想像するだけで、頭がおかしくなりそうだよ。でもさ、結局は全員何を食うか、誰とヤルかしか考えてないんだよ。それが満たされないから、自分より下の奴を作って、そいつを貶めて自尊心を保とうとするのさ。だったら、その不安を取り除いてしまえば良いだろう? お前らの仲間だったあの双子の生い立ちを聞いたことはあるか? 可哀想に、変態趣味の馬鹿親のせいでサイコになっちまった……。あいつらがいまだにソーセージと生卵を食べられない理由を考えてみろよ。チンポと精液が大嫌いなんだよ」
「屑はお前だろ?」と、美樹が冷たく蓮斗に言い放った。「人妖になれば人間全員が平等になれるだと……? ふざけるな。人間という存在自体をかなぐり捨てて、何が平等だ。そんなもの、化け物になれと言っているようなものだ」
「俺から言わせれば人間の方がよっぽど化け物だ。少しでも他人と違うってだけで平気で傷付ける。俺はお前とは違うってだけで、平気で嫌悪の対象にして攻撃する」
「それは違います。自分らしく精一杯生きていれば──」
「お前らみたいに! お前らみたいに……最初から生まれや容姿や学力に恵まれた奴らが、綺麗ごと言っても説得力ねぇよ!」
 シオンの言葉を蓮斗が遮る。シオンの眉間に向けて指を指しながら声を荒げた。「余裕ぶっこいて上からほざいてんじゃねぇぞ! あ? 自分らしく精一杯生きるだと? なんだお前? 生まれや顔や頭にたまたま恵まれて、周りからちやほやされてるからくだらねぇ奉仕精神とか博愛主義とかでいられるんだろうが? あ? 何がメイドだよ。お前が家柄に恵まれず、金に困っていて、顔や頭が今みたいに良くなくても、今と同じことをしてたのかよ!?」
「ただの僻みにしか聞こえんな」と、美樹が静かに言った。「知った風な口で自分だけが不幸だと喚くな。私もこいつも、道楽や人を見下すためにへらへらしているように見えるか? そんなくだらないことで命を張れるものか。いいか、命を張るってことはな、それなりに理由があるんだ。他人を妬んで、黙って寝ているだけで頭や身体が鍛えられるか? ろくな努力もせずに薬物や他人の力に頼っているお前には何も言う権利は無いぞ」
 水を打ったような沈黙が流れる。
 雪は相変わらず壊れたドアから吹き込み、シャンデリアの灯りは揺らめきながらロビーの黒檀の床を照らした。
 誰も何も発しない時間は一瞬だったが、凍りついた空気は永久凍土の様に重苦しく無慈悲にその身を横たえていた。
「……もういいわ」
 蓮斗の背後から声が響く。
 冷子がつまらなそうな顔をして全員を一瞥した。
「蓮斗……あなた、もういいわ……」
 冷子が冷たく言い放ちながら指を鳴らす。蓮斗の身体が震えるほど大きくどくんと脈打つと、腹の辺りが恐ろしい勢いで膨張した。ライダースのジッパーが音を立てて壊れ、中に着ていた薄手の赤いカットソーが限界まで伸びる。
「……え?」
 蓮斗は自分の膨張する腹を呆然と見下ろす。腰に巻いていたベルトが音を立てて千切れ、カーゴパンツのボタンフライ弾け飛んだ。身体はどくどくと脈打つ度に膨張する箇所が広がり、膨張は胸から腕、指先へと面積を広げた。
「ああああああああああああああああ!」
 太ったカブトムシの幼虫の様に変形した指を顔の前に掲げながら、蓮斗はこの世の終わりの様な悲鳴を上げた。そのまま頭を抱えてうずくまる。
 シオンが手を口元に当てて無意識に後ずさった。
「な……何ですかこれは……?」
「わからん……あの女が何かしたらしいが……」
 美樹も震える声を隠せずに、ただ呆然と蓮斗の変形を見守った。
「厭だぁぁ……これじゃあ……あの頃に戻っちまう……。もう太りたくない……また皆から……虐められ……」
 膨張は既に全身に広がっていた。既に蓮斗の顔は二倍ほどの大きさに膨らみ、声は倍音を伴って不明瞭になっていた。綺麗に染められた金髪は膨張した頭皮で隙間が空いて、所々地肌が見えている。
「なんで人間ごときを自分と同じ存在にしなきゃならないのよ。自分は特別な存在だとでも勘違いしていたのかしら?」
 冷子の声に蓮斗は顔を上げる。その顔は直視できないほど無惨になっていた。目は恐ろしいほどの量の脂肪で膨張した瞼で塞がり、口や鼻も膨らんだ頬に押しやられ、ただの小さな穴になっていた。
「おおおおお…………!」
 何か言葉を発したらしいが、口腔が脂肪で押しつぶされて呻き声にしかならない。冷子は気にせずに薄笑いを浮かべている。
 すっと、蓮斗の狭まった視界の隅に緋色の布が映った。蓮斗は何とか顔の角度を変えて見上げようとするが、よくわからない。
「こいつを治す方法を教えろ」
 美樹の声だ。
 視界のピントがわずかに合う。
 自分に背を向けて、冷子に立ち塞っている美樹の姿が目に入った。緋色のスカートや襦袢に走る緋色のラインがやけに鮮やかに見えた。
「無理に決まってるでしょう。その姿を見てもわからないの?」
「貴女なら出来るはずです」
 蓮斗の視界に別の影が映る。
 白いガーターベルトの付いたストッキングに、フリルの付いた黒いスカート。二つに纏めた長い金髪。
「人間をここまで作り替えることが出来るのなら、逆に治すことも出来るはずです。お願いします」
 シオンの声にはすがる様な雰囲気があった。冷子がふんと短く息を吐く。
 蓮斗の思考はまだはっきりしていたが、身体は四つん這いのまま動かすことが出来ず、かつて顎であった場所を床に着けたまま身じろぎするだけだった。その蓮斗をまるで庇う様に二人が背を向けて立ちはだかっている。
 美樹の長い綺麗な黒髪が揺れて綺麗だった。
 印象に残っている、綺麗な長い黒髪。
 そして強気で凛とした性格。
 あの時、いじめられていた小学校の頃に助けてくれた女の子も、長い黒髪だった。
 まさか……な。
 そんな都合のいい話がある訳が無い。
 でも、もしそうだとしたら……。
 蓮斗の身体が脈打ち、瞼が更に膨張する。そして蓮斗の視界は完全に塞がり、何も見えなくなった。

先日発売した [ANOTHER(sic)]_013 をアップデートし、イラストを3枚追加しました。
双子のイラストについては描き下ろしとなります。
DL済みの方はお手数ですが再DLをお願いいたします。
※サンプルはネガ調ですが、製品版は通常のフルカラーになります。


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【過去記事】
過去に製本版として発売した[ANOTHER(sic)]_013のDL販売を開始しました。
最下部のリンクから購入できますので、興味のある方はよろしくお願いいたします。

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DL.site様
[ANOTHER(sic)]_013


BOOTH様
こちらのサークルページからお願いします。

本編続きのラフが書けましたので公開します。
雑ですが、お時間のある時に読んでいただけると幸いです。



 いま何時だろうか……と、シオンは思った。
 この施設に侵入したのが零時をまわったあたり。五本の鎖が不自然に垂れ下がったブランコのそばの入り口からこの研究所に入ってから一時間と少し。夜明けまでは、まだかなり時間がある。
『あれはやはり……』と、シオンが暗い目をしたままロシア語でポツリと呟いた。『ブランコなどではなく……』
 ──絞首台なのだろうか。
 最後の言葉は恐ろしくて声にならずに、シオンの腹の底に落ちていった。
 いったいこの施設は何なのだろう。
 人妖に関わる実験が行われていたのは間違いない。人間を人妖化する実験も行われていたのかもしれない。だが、いったい誰が主導していたのか。目的は何なのか……。冷子はこの施設を「私の庭」と呼ぶと同時に「利用価値がある」と言った。つまり冷子自身もこの施設の所有者ではないのだ。
 考えられる可能性のひとつは、人妖自身がこの施設を作ったということだ。人妖は社会のアッパークラスに入り込むことが珍しくない。大きな権力と財力を持った人妖がこの施設を作り、ほかの人妖と共に仲間を増やしていたと考えることが自然に感じるが……。
 考えがまとまらないうちに、シオンの目の前に研究所に似つかわしくない細工の施された大きな木製のドアが現れた。
 扉を開け、階段を急ぎ足で昇る。
 想像するより、冷子を倒して色々と聞き出した方が確実だ。
 シオンは警戒しながら突き当たりのドアを開けると、孤児院の玄関ホールの中に出た。今しがたシオンが出てきたドアは隠し扉になっているらしく、シオンの背後で閉まると同時に壁と一体化して、開ける方法がわからなくなった。
 広いホールの黒檀の床にシャンデリアの淡い光が反射しいている。孤児院にしては豪奢な造りで、円形の間取りに、中央から昇って壁に沿うような形の大きな階段がある。おそらく少し前に美樹が立ち回ったのだろう、玄関のドアがわずかに開いて雪が吹き込み、床や壁の一部が破損していた。   
 床を踏む音が頭上から聞こえた。
 シオンがロビー中央に移動すると、階段の上に人影が見えた。スタッズの付いた黒い生地のスーツがシャンデリアの暖かい光を反射して柔らかく光っている。
 篠崎冷子が、口元だけでうっすらと笑いながら立っていた。
「久しぶりねぇ如月会長? 相変わらず、はしたない痴女みたいな格好が似合っているわよ」
「こちらこそご無沙汰しております」と、シオンも笑みを浮かべながら答えた。「そちらのスーツ、ジョルジオ・アルマーニの新作ですね。私も同じものを持っています」
「あなたと服のセンスが被るなんて複雑ね……。あれから会長職は順調かしら? 夏からずっと休暇を取っているから、あなたの活躍がわからなくて残念だわ」
「ええ、お陰様で。あなたが居なくなってから失踪事件も起きなくなりましたし。今回の久留美ちゃんの件を除いて……ですが」
 シオンが皮肉を込めて冷子に言い放つと、冷子は、ふふ、と笑いながら階段を降りた。
 冷子もシオンもお互い微笑みを浮かべたまましばしの沈黙が流れる。冷子が人差し指で耳の後ろを掻いた。シオンが細めていた目を開くと、緑玉の様な瞳がシャンデリアの淡い光を浴びて暗く光り、顔に貼り付いていた笑みが消える。
「久留美ちゃんを返して下さい」
 滑らかだが普段よりもトーンの低いシオンの声は、ゆっくりと黒光りする床を広がって冷子の足に絡まった。
「いきなり核心を突くわね。交渉のセオリーを知らないの?」
「これは交渉ではなく警告ですので」
「警告? ふふ……いつから生徒会長は教師に警告できるほど偉くなったのかしら?」
「生徒に不利益を与える者を教師と認めることは出来ません。あなたに教師として復帰する気があるのであればの話ですが」
「それで?」
「久留美ちゃんを返して下さい」
「本人が帰りたがらないかもしれないわよ?」
「それは本人から直接聞きます」
「もう返したって言ったら?」
「証拠を見るまで信用することはできません。仮に久留美ちゃんを解放したことが事実であったとしても、あなたが危険因子であることに変わりはありません。すみませんが……」と、言いながらシオンは手袋を引いて位置を直した。「アンチレジストの戦闘員として、あなたを拘束します」
 冷子の射抜く様な視線がシオンの笑みの消えた顔を真っ直ぐに捉える。冷子は身に付けていたスーツの上着の肩口を掴むと、中に着ていたシャツごと袖を引き千切った。裏地のキュプラが、鼠が絞め殺された様な耳障りな悲鳴を上げる。両袖とも引き千切り、ジャケットがノースリーブの形になる。
「あなたと会うたびにスーツが台無しになるわ。あなた、そのふざけた格好で来たって事は、夏みたいに無様に負ける覚悟はできているんでしょう? 破廉恥なメイドさん?」
「ええ、もちろん。しかし負ける覚悟はできていても、負けるつもりはありませんが……」
 冷子は口を三日月のように歪めると右腕をぶらぶらと振った。右腕の振れ幅が大きくなると同時に徐々に振れ幅が増し、骨が無い軟体動物の触手のようにぐにゃぐにゃと変形したまま伸びる。肌の色が徐々に褪せ、ぬめぬめと粘液に濡れたなめくじの様なまだらな灰色へと変色した。手のひらが肥大化して指の股が消え、先端が丸みを帯びたソフトボールほどの大きさの塊になる。
「どうかしら? 少し改良したのよ。見た目は少しグロテスクになってしまったけれど、威力やスピードはかなり向上しているわ。試してみる?」
 シオンが無言で構え、冷子の攻撃を待つ。風を切る音。シオンの鼻先に冷子の右手の先端が迫る。シオンは中国拳法の様に前後に開脚して身体をかがめて攻撃を避けると、そのまま起き上がる勢いを利用して冷子に向かって距離を詰めた。反動で戻って来た冷子の腕を避け、シオンは膝を冷子の腹部に埋める。
「ふぐッ!?」
 冷子の整った顔が歪む。
 そのまま流れる様に背後に回り込み、膝の裏を蹴って跪かせる。冷子の身体の影から鎖分銅の様に右手の先端がシオンの顔面に迫る。とっさに避けて直撃は回避したが、頬をかすった時に触手の粘液が僅かに頬に付いた。本能的に手の甲で拭う。
 冷子が背後のシオンをタックルの要領で突き飛ばしてバランスを崩させると、左手をシオンの脇腹に埋めた。
「んぐぅッ?!」
 腕を伸ばさない状態での攻撃は凄まじい威力だった。
 砲丸が腹に落ちた様な感覚を憶え、一瞬シオンの身体から力が抜け落ちてよろける。そこに触手の様になった右腕がシオンの首に巻き付いた。
「あうっ! ぐっ……」
 シオンはとっさに腕を触手と首の間に挟み込み、締め上げられるのを防いだ。ぬめぬめとした粘液が白い手袋を汚す。冷子は残った左腕を円を描く様に回して、遠心力を使って先端をシオンの顔面に向けて飛ばした。シオンは不自然な体勢から必死に飛んできた先端を蹴って方向を変えて防ぐと、蹴りの回転の力を使って触手から頭を抜いた。
 お互いに間合いを取り、二人の呼吸音が静まり返ったホールに響く。
「ふふふ……楽しわねぇ。あなたのことは大嫌いだけど、簡単に死なない相手というのは面白いわ」と言いながら冷子が腕を軽く振ると、水分が抜ける様にして腕が元の形に戻った。汗で貼り付いた前髪を整えながら、赤く、蛇の様に縦に割れた瞳孔でシオンを上目遣いに見る。「あなた人間のくせに本当に面白いわね。学院にいる時から見ていたけれど、ヘタな人妖よりも優秀だわ。人妖の中にもたまに愚鈍な奴がいて……私そういうの許せないからすぐに殺したくなっちゃうのよ。ねぇ、何のために産まれてきたのか分からない存在なんて殺してもいいと思わない? 人妖としての特徴や特殊能力でもあれば実験材料として使えるんだけど、そういう奴らって総じて何も持っていないのよ。せめて運動がわりに楽しんで殺そうと思ってもあっさり死んでしまう、最期まで役立たずのクズ達……。あなたもそう思うでしょう? きっと周囲の人間に対してとても歯痒い思いをしているんじゃないかしら?」
「存在価値の無い人なんていません……」と、シオンがツインテールの片方を手櫛で梳きながら言った。「仮にそう見えたとしても、それはまだその人の価値に本人も周囲の人も気がついていないだけです」
「買ってるのよ、あなたのことは。その胸糞悪い性格以外はね。ねぇ、あなた人妖になってみない? その顔と身体なら別にチャームなんて使わなくても餌には困らないでしょうし、その姿が保てて食事の必要も無くなり、人間では絶対に得られない身体能力や特殊能力を得ることができる。デメリットは全く無い話だと思うけれど?」
「……私が人妖に?」と、シオンは動揺を抑えながらいった。やはり人間の人妖化は可能なのだろうか。
「簡単よ」と冷子が言った。「身体と頭の仕組みをちょっとイジるだけで、ベースは一緒だもの。ここに来るまでにちらっと見てきたでしょう? もともとここはそのための実験施設で、過去からの研究を引き継ぐと同時に適正のある人間の保護と人妖化も行われてきたの」
「凄惨な事件を起こした子供達を集めていたのも、それが目的ですか」
 蓮斗の犯行調書が脳裏に蘇り、シオンの頭にチリッとした痛みが走った。微かな吐き気も込み上げる。
「そうよ。自分のためなら平気で人の命を奪える──言い換えれば自分のためなら他人をどの様な形でも躊躇いなく利用できる、自分と他人との境界をはっきりと線引きできる人間。あなたみたいに下らない博愛主義なんて持っていると、人間を餌だと割り切れずに人妖化した後に面倒臭いことになるのよ。人妖の中にも餌に情が移ってしまう出来損ないがいて、餌と一緒に駆け落ちみたいなことを試みた奴もいたわ。あなたを人妖化する時はそのあたりの処置も必要ね」
「……そんな利己主義の塊の様な存在になってまで、特殊な能力を得たくはありません」と言いながらシオンは片足を引き、両手でスカートの裾を軽く摘んだたまま深くお辞儀をした。「──失礼いたします」
 けたたましい音を立ててシオンの立っていた場所の床が割れる。シオンはお辞儀の姿勢から強く床を踏み込んで跳躍し、前方に宙返りしながら冷子の脳天を目掛けて踵を落とした。冷子は背後に跳躍して避ける。シオンの踵がぶつかった床が割れる。シオンは踵を叩きつけた勢いを利用してそのまま前方に突進して冷子を追う。冷子は右腕を軟体化させ、鞭の様に横に弾いた。シオンは低空の姿勢になって躱し、そのまま独楽の様に回転して冷子の足を横に薙いだ。
「ぐぅっ?!」
 くるぶしの部分にシオンの踵が当たり、冷子が呻く。体勢を崩した冷子にシオンが膝を抱える様にして飛び込み、冷子の喉に脛を当てて後方に倒した。後頭部を打ち、「がっ」と冷子が短い悲鳴を上げる。シオンは冷子の喉を自分の左の脛と床の間にギロチンの様に挟み、右膝を冷子の胸に乗せて固めた。衝撃で元の状態に戻った冷子の両手首も、冷子の頭の上で床につけて押さえ込む。冷子は重心を押さえられているため容易には立ち上がれず、シオンは肩で息をしたまま冷子を見下す。顎から垂れたシオンの汗が冷子のシャツに落ちて染みを作った。
「あなた、本当に強いのね──」と冷子が微かに笑いながら言った。「その性格の甘さでいつも力を出しきれないんでしょう? リミッターが無くなったら恐ろしいわね」
「……あなたが恐ろしいという言葉を使うなんて意外ですね」と、シオンは言った。「このまま失神してもらいます。なるべく苦しまないようにしますので、アンチレジストの本部でまた会いましょう。聞きたいことが山ほどあるので……」
 シオンは冷子の重心を極めたまま、喉を押さえている足をずらして冷子の頚動脈を締めた。冷子は平静を装いながらも歯を食い縛る。効いている。シオンが左足に更に体重をかけた瞬間、視界が一気に横に流れた。同時に、顎から頭にかけて、顔の右部分に強い衝撃が走る。
「ぐあッ?!」
 一瞬体が宙に浮き、左肩から床に着地した。不意打で受け身が取れず、体全体に痛みが走る。
「へぇ……実物は初めて見るけれど、本当に人形みたいだな」
 金髪をオールバックに撫で付けた真っ黒い格好をした痩身の男が、蹴りの姿勢から直りながら言った。
「……あなたは」とシオンが上体を起こしながら言った。「蓮斗……さん」
「初めまして──と言ってもお互いもう知ってるから、初対面って感じがしないね」と言いながら、蓮斗は口角を吊り上げた。

こちらの続きです。
間が開いてしまい申し訳ありません。
ラフの状態で読みにくいと思いますが、製本の段階で清書します。


 美樹の突進に蓮斗は一瞬早く反応し、久留美のシャツの襟をつかで真横に跳んだ。蓮斗の異様な素早さに美樹は少しだけ目を見開いた。美樹の手甲をはめた拳が鋭い音を立てて空を切る。視界の隅で蓮斗と目が合った。蓮斗は軽く口角を上げると、久留美の背中を押す。自分の胸に飛び込んできた久留美を美樹はとっさに受け止める。
「久留美!」と、美樹が久留美の顔を覗き込みながら叫んだ。
「えっ? あ……? は、蓮斗さん、なんで……?」
 久留美は熱病に冒された様なぼうっとした視線で蓮斗を追う。
「時間だ……」と、美樹を見ながら蓮斗が言った。口だけで笑っている様な表情をしている。「ようやく、夢が叶うんだ……」
 蓮斗は美樹の方を向いたままジリジリと扉の方へ移動しながら、ポケットから茶色い瓶を取り出して静かに床に置いた。
「……チャームの解毒剤だ。久留美ちゃんに使ってあげてくれ」
「なっ? そんなもの誰が信じるか!」と、美樹が吠える。
「だったらそのまま放っておけよ……。久留美ちゃんが今後まともな人生を送れなくなってもいいならな」と、蓮斗が言った。「俺は俺を好きになってくれるものが好きなんだ……。こいつは経口摂取で大丈夫だ。すぐに効く」
 蓮斗は薬瓶を蹴って美樹の方に転がすと、扉から素早く出ていった。部屋には美樹と久留美だけが忘れ物の様に残された。
「久留美! しっかりしろ!」
 美樹はハッと気がつき、久留美に再度声をかける。
「あ……先輩?」と、久留美がゆっくりと美樹の顔を見ながら言った。定まらなかった瞳の焦点がようやく美樹の顔で定まる。「先輩……蓮斗さんは……? もっとお腹……苦しくしてほしいんです。先輩でもいいです……私のお腹……ぐぽぐぽして虐めて下さい……」
 さっと顔に寒気が走った美樹の太ももに、かつん……と薬瓶が当たった。ラベルが貼られていない栄養ドリンクの様な茶色い小瓶。
 美樹は迷ったが、意を決して瓶を手に取った。
「久留美……これを飲め……」と、美樹は瓶のキャップを開けて久留美に差し出した。もう迷ってはいられなかった。今まで人妖に敗北した戦闘員やオペレーターが後遺症に苦しむ様子を何人も見てきた。後遺症は薬物である程度は抑えられるとはいえ、対症療法でしかなく、身体への負担も少なくはない。久留美にあの様な辛い思いはさせられないし、仮にもしこの解毒剤が本物であれば、分析すれば後遺症に苦しんでいる人々も助かるかもしれない。
 美樹はキャップに少しだけ中身を移し、瓶を久留美に差し出した。久留美は素直にこくこくと中身を少しずつ飲み込んでゆく。飲み終えたところで美樹は瓶の口を拭き、キャップに注いだ薬液をビンに戻して蓋を閉めた。
「……あ」
 久留美の瞳に光が戻ってくる。寝ぼけた子供の目が完全に醒める様に、不思議そうに美樹の姿を見た。
「久留美?」と美樹が聞いた。
「あ……先輩? 私……何を……? 私……病院で……それから……私……先輩……先輩!」
 久留美が美樹の首に腕を回す。胸に顔を付けて泣いている久留美の頭を、美樹がゆっくりと撫でた。
「大丈夫だ……落ち着け……」
「私……何してたんですか……? 怖い……」
「説明は後だ……とにかく今は避難するぞ」と、美樹が言いながら久留美の手を引いて二人で立ち上がる。久留美がぎょっとした様に美樹の全身……正確には戦闘服姿の美樹を見た。
「……先輩……あの……何ですかその格好?」
「……その説明も後だ」
「いえ、かっこいいです……なんだかすごく強そうで……」
 久留美がうっとりと溜息をつきながら言った。どうやら本心から言っているらしい。どうやって状況や戦闘服について説明しようかと悩みのタネは増えたが、少なくとも戦闘服のシオンがここにいなくて良かったと美樹は思った。
 久留美の手を引いて地下室を出て一階に上がる。
 玄関ホールに蓮斗の姿は見えない。
 開けっ放しの玄関からは雪が吹き込んでいた。
 二階に人の気配がして、美樹は身を屈めながら壁伝いに出入り口の扉へと向かった。久留美を連れて再び戦闘になるのはまずい。滑り込ませる様にして出入り口を出て、石畳を走った。正面には背の高い剣先の様な門が見える。
 ふと、門の外に小さな灯りが見えた。
 車のポジションランプだ。
 警戒しながら近づくと、黒塗りのレクサスから初老の男性が降りてきた。
「鷹宮様?」
 初老の男性は驚いた様に声をかけた。美樹も知った顔で、シオンの運転手をしている男性だ。
「……山岡さん? なぜここに?」と、美樹が聞いた。
「お嬢様をここまでお送りしたのです。ちょうど二時間ほど前になりますが……お嬢様からは帰るように言われたのですが、心配で居ても立っても居られず……」
「シオンも……」来ている、と美樹は思った。自分がここに来ることは伝えてはいないが、シオンの異様に鋭い勘はごまかせなかったらしい。美樹が建物を振り返る。この中のどこかにシオンもいるのだ。
「山岡さん……すみませんが、久留美を預かっていただけませんか? あと、これを……」美樹は久留美に飲ませた薬瓶を山岡に手渡した。「もし私が戻らなかったら、組織の人間に渡してください。その際に『チャームの解毒剤』と伝えていただければ」
「……承知しました。さ、こちらに……」
 山岡が後部座席のドアを開けて久留美を促す。久留美は戸惑いながらも「先輩」と美樹を振り返って声をかけた。「あの……私、何もわからないですけど……先輩たちのこと、本当に好きですから! シオン会長も、美樹先輩も!」
 久留美は泣いていた。
 強いな……と美樹は思った。訳のわからない事件に巻き込まれ、本来であれば全てを恨んでもいいはずなのに。いつの間にか後輩は大きく成長していたらしい。美樹はポケットからショートホープとジッポーライターを取り出して一本に火をつけた。
「預かっておいてくれ……」と、美樹はタバコの箱とライターを久留美に渡して、二人に煙がかからない様に雪の降る空を見上げて煙を吐き出した。「戻ったら吸う」と言って、美樹は建物に向かって走った。

DL.siteさんでも [ERROR CODE: AYA -ASPHYXIA-] _006が 発売開始されました。
内容はBOOTHさんのものと同じになります。
よろしくお願いいたします。

※過去に発売したものの再販になります


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現在発売中の[DOPE]にウニコーンさんがゲスト原稿を描いてくださいました!
購入されている方はお手数ですが再ダウンロードをお願いいたします。

ゲスト



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[DOPE] _017

DL販売第2弾として、総集編 [GHØSTS] が登録されました。
これを機に製本版(完売)の時はモノクロだった挿絵をフルカラー版に差し替えております。
※価格は据え置いております

興味のある方はよろしくお願い致します。

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[GHØSTS] _011

本日は天候が悪い中、スペースまで来ていただきありがとうございました。
久し振りの腹パンオンリーイベントでしたが、リョナケットとは違うゆったりとした雰囲気の中で楽しむことができました。
よろしければまた次回のイベントでもよろしくお願いいたします。

本日配布した新刊のイラスト16枚、および既刊のイラストについては下記の手順でDLをお願いいたします。


_(DOPE)
こちらからDLして下さい。


_ [CASE:YUKA_2]
こちらからDLして下さい。


_ Lest we Forget : short stories
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パスワードは下記、例の通り【あとがきの段落の頭3文字をローマ字に直したもの】を入力して下さい。
※大文字で入力して下さい

【例】
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以前からご要望をいただいていたDL販売を開始させていただきます。
取り急ぎ前回の「りょなけっと」で配布した新刊を登録しました。
既刊も随時登録していく予定ですので、興味のある方はよろしくお願い致します。

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[DOPE] _017

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