case:ZIONももうすぐ終盤です。
今回はギャラリーのシオンの絵を見ながら読まれますと、イメージしやすいかもです。

少し長くなりましたが、どうぞ↓







「ははははっ!お前、本当に変態だな!こりゃあすげぇ」

 

「こんなの思い浮かばねぇぜ!?一体どうなるんだ?」

 

ボクシング部とサッカー部が口々に軽口を言い合う。シオンは気絶している間に壁際に背中を付けた状態で膝立ちにされ、両手を相撲部が恋人同士が手を握り合うように指を絡めた状態で壁に押し付けていた。極端に背の低い相撲部の股間が、丁度シオンの鳩尾の正面に来ていた。

 

「お…起こしてもらっていいかな…?」

 

「もちろんだ。しかしお前、本当に大丈夫なのかよ?海綿体骨折なんてシャレになんねーぜ?」

 

「だ、大丈夫だよ…。は、早く…!」

 

ボクシング部がシオンの肋骨の切れ目に指を押し込むと、シオンの身体がビクリと跳ね上がり、再び悪夢という現実に引き戻される。

 

「くはああっ!?……あ…あぅ……あ…何…これ…?」

 

シオンは自分の前に突き出された相撲部の性器を一瞬理解出来なかったが、直後に真っ赤に赤面して首を振る。

 

「や…やあっ…!そ…それ……し…しまって下さい…」

 

「だ…ダメだよ…。ぼ、僕たちこれから愛し合うんだから…。き…今日のためにとっておいたんだよ。か、会長のために…!」

 

「え…?あ…愛し合う……?そ…それって……」

 

シオンの顔からさっと血の気が引き、頭の中には最悪の事態がリアルな映像として想像された。シオンには過去にも現在も特定の恋人はおろか、特別な存在として好意を抱いている相手もいなかった。そんな暇は無かったし、博愛主義ではあっても、男女間の恋愛にそこまで興味が無かった。

しかしそんな彼女でも、やはりヴァージンは好きな人へという想いは当然ながらあるし、いつか来るべき日を想像したことだってある。こんな訳の分からない状況で訳の分からない薬を打たれた訳の分からない状態になっている相手に奪われるほど恐ろしいことは無い。

 

「や……嫌……それだけは……お願いですから……」

 

「あ…か…勘違いしないでよ?そ、そりゃあ僕だって会長としたいけど…僕も経験無いし…だ、だから別の方法で会長の中に入るよ…」

 

シオンには相撲部の話す内容が理解出来なかった。別の方法で自分の中に入る?どういうことだろうか?しかし次の瞬間、シオンの鳩尾に熱い塊が押し付けられた。見ると、相撲部がシオンの胸の真下に、自らの男根を押し付けていた。

 

「えっ…?なっ…?こ…これ…?」

 

「あっ…あぁ…すごい…スベスベして……い…いくよ…」

 

恍惚とした表情で相撲部が呟くと、ゆっくりと自らの腰を突き出した。ズブリと亀頭の先端がシオンの鳩尾に飲み込まれる。

 

「あっ…ぐっ!?…う……うぐぅっ!?」

 

筋肉の殆ど無く、故に鍛えようの無い鳩尾は抵抗する術を持たず、素直に男根を受け入れた。あたたかく滑らかなシオンの皮膚が周囲の腹筋を巻き込みながら男根を包み、さながら女性器と同様の快感を相撲部に与える。

 

「あっ…ああぁ…す…すごいぃ…。こ…これが会長の中なんだ…」

 

一旦相撲部が男根を引き抜くと、シオンの鳩尾と男子部員の男根が先走りの糸で繋がり、再び勢いを付けて突き込まれる。

 

「はっ…はっ…うぐっ!?…くはっ…あぁ…ぐむっ!!…う…うぐ……ぐふぅっ!?」

 

断続的に突き込まれる槍はリズミカルに加速してゆき、微妙に突く場所を変えながらシオンを責め立てる。もはや腹筋は弛緩しきり、鳩尾に限らず臍の上や横隔膜まで突きまくられてシオンの胸の下は先走りの粘液でぬめぬめと光っていた。

 

「あうっ!あぐっ!ぐふっ!うっ!ぐぶっ!うぐっ!がはあぅっ!!」

 

まるで本物の性交のようにピストンを繰り返し、シオンは息継ぎをすることも出来ず責め立てられ、飲み込む暇のない唾液はだらしなく口から下がった舌を伝い巨乳の谷間に溜まっていった。
苦痛によりシオンは本能的に相撲部に絡めた指を強く握る。それは相撲部員はおろか見ていた男子部員達をも興奮させた。

 

「す…すげぇ…本当にヤってるみてぇだ!」

 

「見ろよ、会長のあの顔。めちゃくちゃアヘってるぜ…」

 

「エ…エロ過ぎだろこんなの…」

 

最初は相撲部の変態的な行為を冷笑していた部員達も、予想外に淫靡な光景に自然と手が自分の性器に伸びて一心不乱にしごいていた。玉の汗を浮かべながらシオンを突きまくっていた相撲部員も限界が近いことを悟る。

 

「あっ!あっ!あっ!ああっ!で…出る!!もう出るよ!!会長の中で出るよ!!」

 

相撲部がひときわ大きく腰を引くと、一気に男根をシオンの鳩尾に突き込んだ。半ば意識を失っていたシオンはその衝撃で覚醒し、自分の身体の奥で灼熱のマグマが弾けるのを感じた。

 

ズブュウッ!!

 

「あっ……あぐううっ!!?………も…もう…あっ…ああっ!?あ……熱いいぃっ!?」

 

男根はドクドクと脈打ち。突き込んだ隙間からごぼりと溢れた。相撲部はガクガクと膝を振るわせながらもドクドクと長い射精をし、精液は滑らかな腹筋の筋を伝ってミニスカートに溜まっていった。

 

「あ…お…お腹の中で…、で…出てる…。す…すごい量…。あ…熱いのが垂れて…」

 

シオンはうわ言のように呟きながら、無意識に相撲部を上目遣いで見上げていた。その表情はさながら絶頂を迎えた余韻に浸ってるようで、この上なく淫靡だった。今まで味わったことの無い最上級の快感に浸っている相撲部員を、他の男子生徒が押しのける。

 

「ど…どけよ!俺もやべえんだ!!」

 

「はぁ、はぁ…こ、こんなの見せられたら…またどろどろにしてあげるよ…」

 

「お…俺たちも多少楽しむかぁ?」

 

既に破裂寸前の怒張を突き出し、シオンを取り囲む。サッカー部がシオンの長いツインテールを手でたくし上げると、さらさらと手からこぼれ落ちた。

 

「い…いつか触ってみたいと思ってたけど…す…すげぇ…。これ本当に人の髪の毛かよ…?キラキラして…すごく細くて…こ…これで…」

 

おもむろにテニス部はシオンの髪の毛を自分の男根に巻き付け、しごき始めた。シャリシャリと言う小気味いい音と共に、極上の快感がテニス部に送られる。

 

「あ…あっ?やぁっ!?か…髪の毛で……」

 

女性の命とも言える髪の毛で男根をしごく背徳感。それがシオンのものとなればなおのことだ。いつまでも味わいたい快楽だったが、10回ほどしごいた後、サッカー部は限界に達した。

 

「ああぁっ!!勿体ねぇ…もうダメだ!!気持ちよすぎて…。くっ…出るっ!!」

 

「あっ…と…透明なのが…出て……あっ?き…きゃああぁ!!うぶっ…ぷぁぁ…、ああああぅぅ!!」

 

テニス部はシオンの顔に狙いを定めると、一気に精を噴出した。透き通る様な白い肌が、さらに白い背徳で汚されていく。悲鳴を上げたと同時に勢いよく白濁が口の中に入り、シオンの上唇と下唇が白い糸で繋がる。

ボクシング部とテニス部も同時にシオンを取り囲み、欲望の限りを尽くす。

 

「へへへ…また汚されちまったなぁ?でも、まだまだこれからだぜ?へへ…前からこの胸で…してみたかったんだよなぁ…」

 

ボクシング部はそう言うと、シオンの胸を隠しているブラジャー型のトップスをわずかに持ち上げ、下乳の谷間に自らの男根を挟み込んだ。ぬちゃあっと卑猥な音が響き、ボクシング部の男根をその巨乳がすべて飲み込む。トップスが自動的に男根を挟んだまま胸を締め付け、先ほどの相撲部の行為で溜まったシオンの唾液が潤滑油代わりとなり、ボクシング部がピストンを開始すると、ぬちゃぬちゃといやらしい音を立てながら極上の快楽を送り続ける。

 

「おおっ!?お…おおおおおお!!こ…これはすげぇ…!!そこいらの女と生でするのよりも気持ちいいぜ…。おら…会長…こっち見てくれよ…エッチな顔でさぁ…」

 

「あ…あああっ!?やらぁっ…お…おっぱいでこんな…。な…中で…暴れてる……」

 

ボクシング部がシオンの顎をくいと上に持ち上げると、 よほどショックだったのか、 涙目になったシオンと目が合った。顔を上気させ、口は半開きで目は泳ぎ、見ようによっては熱に浮かされているようにも見えるし、もっと精液をくれとねだっているようにも見える。
 

「すげぇ…やらしい顔しやがって…そのエロ顔にまたすぐぶっかけてやるぜ…」

 

「やっ…だめぇっ…。だ…出さないで…。も…もう…白いの……かけないでぇ…」

 

シオンの必死の訴えも、男の射精感を煽るスパイスにしかならなかった。シオンの男根をすべて隠してしまうほどの胸の谷間から、リズミカルに悪魔の様な赤黒い亀頭が見え隠れし、その天使の様な白い肌と見事なコントラストを描いていた。

 

「会長…これ見て…」

 

気がつくと、シオンの右肩に当たるくらいの距離で、テニス部が男根をしごきあげながら立っていた。無我夢中でパイズリを味わっているボクシング部を尻目に、猫なで声でシオンに呟く。

 

「会長がすごくエッチだから、こんなになっちゃったんだよ?責任取ってよね…?」

 

「あっ?なっ………ど…どうすれば…?」

 

テニス部が亀頭の先がシオンの唇に触れるほどの距離まで、ぐいと腰を突き出す。その先は透明な先走りでぬらぬらと光っていた。

 

「………舐めて?」

 

「えっ…?…こ…こんなの……なっ…舐められません……」

 

「酷いなぁ……こんなのなんて…。僕…会長がもっとエッチになるとこ見たいのに…」

 

「なぁ……舐めてやれよ…アンタのせいで苦しんでるんだぜ?可愛そうだろ…?」

 

ボクシング部がビストンを続けながら、シオンのトップスの中に手を入れ、胸の先の蕾を指で転がす。慎ましげな乳首を弄られ、シオンの身体は電気が走ったようにびくんと跳ねる。

 

「んはあっ!?はうぅぅっ!!あ…らめぇ!!そ…そこはぁ……」

 

「なんだよ?会長の乳首もコリコリじゃねぇか?チ○ポ挟んでて興奮したのか?」

 

「会長も気持ちよかったんだね…じゃあ…みんな一緒に気持ちよくなろうか?」

 

目を瞑って快感にビクビクと身悶えるシオンの口を目掛け、テニス部の男根がぐいと突き出される。突然口内に侵入してきた異物の感触に、シオンは涙を浮かべながら目を大きく見開いた。
そこにはもはや凛とした清楚な生徒会長の姿は無く、
際どいメイド服を着たまま精液まみれでパイズリし、乳首をいじり回される快感に身体を震わせながら、別の男根に奉仕する巨乳の金髪美少女の姿しか無かった。男なら誰もが夢見る様な光景が目の前に広がっていた。


 

「むぐっ…んくっ…んんんぅ……。ぷはっ!あ……ああぁん!!さ…先はダメ…弱いから………んぐぅっ!?…んむっ…んちゅうぅっ……」

 

シオンは喉奥まで男根を突き込まれないように右手でその根元を押さえていたが、それは白手袋を隔ててシオンの細い指が織りなす極上の手淫となり、テニス部の頭を真っ白にした。男子生徒達の呼吸に徐々に獣の気配が漂い始め、目の前に差し出された獲物をどう狩ろうか考えを巡らせているようだった。シオンもその気配を察知し、泳ぐ目で交互にボクシング部とテニス部を見上げながら、まるで何かを訴えるように首を振る。

その許しを請う様な様子を見た2人は一気に昂り、テニス部は失神しそうな快感から勢いよく男根を引き抜いた。粘ついた唾液が男根とシオンの口に橋を架け、薄暗い室内でキラキラと輝いている。

 

「むぅっ…!?ん…んぐっ…んぅっ…?ん…んんんんぅ…ぷはぁっ!!…はぁ…はぁ…はあぁっ……」

 

「ああっ……くそ……もう限界だ!!おらっ!口開けろ!!たっぷり飲ませてやるぜ!!」

 

「あ、あああっ!!い…イクよ!!会長がエロすぎるのがいけないんだからね!で、出る!そ、その可愛い舌に出すよ…出る出る出る出るぅ!!」

 

男根を引き抜かれた衝撃で開きっぱなしになった口を目掛け、ボクシング部が最後のピストンを突き込んだ。ぱちゅんと肉同士がぶつかる音がした後、胸の谷間からわずかに顔を出した亀頭の先端からものすごい勢いで精液が飛び出し、シオンの顔中に降り注いだ。ほぼ同時にテニス部もオルガスムに達し、勢いは無いものの、ドクドクと音が聞こえそうなほど大量の白濁をシオンの口内へピンポイントに落とした。

 

「あぅ………あ…で…出るの?……白いのいっぱい…出しちゃうの……
?…あ…あああっ!!?ぷあぁっ!?あぶっ……ああぁぁぁぁ………。え?こ…こっちも…?お…おおおぉっ…!!?あがっ…あがうぅっ!?あ…お……おぼれ…おぼえふぅ…!?」

 

ボクシング部はシオンの顎を押さえ、口を閉じるのを許さなかった。あまりに大量の精液を口内に注がれ、呼吸がままならず溺死しそうになり、白目を剥きかけた所でやっと解放した。シオンがゆらりと地面に倒れ込むと同時に、男子生徒2人もその場に座り込んだ。

 

精液特有のむっとする臭気と湿気が充満する部屋の中、冷子の拍手する音だけがいやに乾いて響いた。

「さて、それじゃあ俺も楽しませてもらおうかな?」

 

さっきまでシオンを後ろ手にロックしていたテニス部がシオンの眼前に佇んでいる 散々至近距離でシオンの苦悶する様子や声を聞かされ、いわば生殺し状態にあった彼の目は血走り、呼吸は極度の興奮のためか不規則に荒く、唇はわずかに震えていた。

 

「へへ…正面から見ると反則的に可愛いな…」

 

テニス部はシオンの顔に自分の鼻先がくっつきそうなほど近づき、シオンの顔を仔細に観察した。目の形や鼻筋から眉に至まで見事にシンメトリーに整い、「怖いぐらい」という表現が誇張ではないほどの容姿の上での、あどけなさの残る童顔。反則的。彼の表現は確かに的を得ていた。

 

「この顔が苦痛に崩れるんだぜ?まぁ、崩れてもすげぇ綺麗だけどな…。綺麗なものを汚す快感ってやつか?」

 

「それに、腹を殴ったあの感覚、すごく良かったな。セックスみたいに相手の身体の深い所で繋がっている気がしてさ…」

 

ボクシング部とサッカー部が口々に感想を言い合い、テニス部を煽る。シオンは強制的に覚醒させられた頭のモヤがやっと晴れ、自分の置かれる状況を理解する。今はサッカー部がシオンの腕をがっしりと閂で固め、口元を伝う唾液を拭うことも出来ない。

 

「はぁ…はぁ…じ…じゃあ…いくぜ…!」

 

シオンの唇が「や…やめ…」とかすかに声を発した瞬間、ズブリという音と共にテニス部のゴツゴツとした拳がシオンの腹部に侵入していた。

 

「か……かふっ……!」

 

体中の空気がすべて抜けきったような感覚の後。襲ってくるあの鈍痛と苦痛。空気が抜けた身体から、無理矢理内蔵がせり上がってくるような感覚がシオンを襲う。

 

「ぐっ!?うぐぅあぁぁ!!」

 

ガクンと身体がくの字に折れるが、後ろから閂締めにされているためダウンすることもままならない。

 

「甘めぇな…ボディーはこう打つんだよ。当たった瞬間捻るんだ…おらぁっ!!」

 

ボグリュゥッ!!

 

「ぐぶっ…!?ご……ごぶえぇぇぇぇっ!!?」

 

普段人を殴り慣れているボクシング部の打撃は、他のそれとは大きく様相を異なっていた。拳は長年の練習でタコが出来、石のような硬度に変化していた。さらに人に苦痛を与えるツボをピンポイントに突く技術、当たってから更なる苦痛を与える技術はシオンの思考を苦痛一色に染め上げるのに十分だった。

シオンのへそを中心に打ち込まれた拳は、周囲のなめらかな肌を巻き込むようにねじ込まれていた。恐ろしい悲鳴が口から漏れ、同時に口内に溜まっていた唾液が衝撃で一気に吐き出される。普段はアーモンド型の目は大きく見開かれ、緑色の瞳の半分が上まぶたに隠れる。舌が限界まで露出し、いわゆるアヘ顔に近い状態だ。普段の穏やかで清楚なシオンからは想像出来ない声と表情に、男達の興奮は昂って行った。

 

「あ…あうぅ……うあぁ……」

 

もはや何も考えられない状態なのだろう。目は泳ぎ、小刻みな痙攣は金髪をかすかに振るわせた。

 

「すごいな…会長の顔がこんなに崩れて…。俺も、サーブのつもりでやればいいのか…」

 

テニス部はアンダーサーブの要領で腕をしならせながら、シオンのくびれた脇腹をえぐる。ピンポイントでのレバーブローに肝臓が悲鳴を上げ、反射的に胃の内容物がせり上がった。

 

「うふぅぅぅっ……!!あっ……かはっ……!!?」

 

軽い呼吸困難陥るシオンを、ボクシング部の非情なボディーブローが突き上げる。

 

スボグッ!!

 

「ぐぅっ!?むぐぅっ!!?あ…ああ……」

 

「ほぉら…捕まえた」

 

顔中を苦痛に歪ませ、もはや悲鳴すら上げることの出来ないシオンの姿にサディスティックな笑みを浮かべるボクシング部。突き上げられた拳は抜かれずに数秒感苦痛を与え続けた後、捻るように胃を押しつぶした。

 

グギュルゥッ!!

 

「ごぷっ!?ぐ……ごぶぅぅっ!!」

 

シオンの喉から水音が響いたと思うと、空っぽになった胃から透明な胃液が強制的に排出された。身体はビクビクと痙攣し、一瞬顔を上げようとした後、ガクリと糸の切れた人形の様に失神した。

 

「あーあ…またやっちまった。さぁて…そろそろおっきする時間ですよっと」

 

「あ…あの…そろそろ僕もやっていいかな…」

 

ボクシング部が再びシオンを覚醒させよとすると、おずおずと後ろから見ていた相撲部が声をかける。眼前で繰り広げられた光景で彼の股間は既に破裂せんばかりだったが、驚いたのはその大きさだった。周囲の男子生徒達の2周りほど大きい。

 

「おお、もちろんだ。それにしてもお前…でけぇなぁ…。それで使ったこと無いなんて宝の持ち腐れだぜ?じゃあ、また眠り姫を起こしてやっか」

 

「それじゃあ、俺が押さえててやるか。せいぜい強烈な張り手を見せてくれよな」

 

ボクシング部とテニス部がシオンに近づく中、相撲部はもじもじしながらまるで遊んでいてガーデニングの壷を割ってしまった事実を母親に報告する時の子供の様な声で言った。

 

「ちょ、ちょっと待って!あの…僕…やってみたいことがあるんだ…」


「は…はぅぅ…こ、こんな…ひどい…。うっ…、すごい臭い…」

 

シオンは自分の身体にぶちまけられた白濁に呆然自失となり、初めて体験するその味と臭いに顔をしかめていた。学園に咲いた高嶺の花のシオンが、挑発的な格好で精液にまみれ涙ぐんでいる。学園中の男子生徒、果ては教員までもが夢にまで見た光栄が眼前に広がり、取り囲んだ男達の心を劣情の炎が包んでいた。

 

「お、おい…どうする…?」

 

「どうするって…や、ヤっちまうか?」

 

「ええっ!?ぼ…僕…経験無いよ…」

 

「いや…この様子だと…会長も経験無いだろ…?やらねぇなら、俺からやるぞ…」

 

「いや…さすがにレイプはマズいだろ…?」

 

男子生徒達の間にわずかに残った理性が一線を踏みとどまらせる。シオンもショック状態から抜け出せず、かすかに震えるばかりで男達の声は届いていない様子だった。男子生徒が全員すがるように鑑を見た瞬間、入り口のドアからその空間に不釣り合いな柔らかい声が響いた。

 

「あらあら、か弱い女の子を泣かした悪い子は誰かしらぁ?」

 

篠崎冷子がまるで喜劇舞台を見ているような表情で佇んでいた。鑑を含め、男子生徒が一斉に振り返る。カツカツとハイヒールをならして集団に近づき、一直線に鑑に声をかける。

 

「どうかしら?この子達の様子は?」

 

「ええ、皆さんいい感じに欲望に忠実になってますが、ギリギリで理性は残っているようですね」

 

「そうみたいね。てっきり今頃如月さんが滅茶苦茶に犯されてる頃だと思って来たけれど、まだ理性の方が消しきれてないみたい。誰も動こうとしないんでしょ?」

 

「黙って見てましたが、皆さん尻込みするばかりで…。やはり人間を人間たらしめる理性を無くすのは容易では無さそうですね。この地上で最も欲深く暴力的な人類の本能を解放し野生に放てば、簡単に互いに殺し合って全滅してくれると思ったのですが、まだまだ研究が必要ということです」

 

「あまり無くしすぎるとあの野球部員みたいに馬鹿になっちゃうしね。何事もバランスを取ることが一番難しいわ。ところで、身体の方はそろそろいいみたいよ?」

 

「ほぅ、それはありがたい」

 

冷子と鑑がまるで男子生徒などそこに存在しないかのように会話し、2人してパソコンの前まで移動すると冷子が端末で何やら操作をはじめた。直後、試験管を逆さまにしたような入れ物の中が青白い光でライトアップされ、その液体で満たされた容器の中に、かつて綾と対峙した涼の姿が浮かび上がった。脇腹にナイフを刺した傷痕が見えるが、すでにほとんど周囲の皮膚と変わらないほど回復している。

 

「すばらしい。もう傷はほとんど消えていますね」

 

「見た目を気にしなければ、すぐに使えるわよ?死体を蘇らせるのも魂を切り離せるようになってからはかなり簡単になったわ。今までは肉体が死んでしまったらそれに同化している一魂まで一緒に死んでしまって、たとえ肉体を蘇らせても空っぽの器しか残らなかったけれど、変わりの器に転移させているうちに肉体を修復すれば、また元に戻すだけで済むもの」

 

「すぐにでも戻りたいですね。人間の身体はスペックが低すぎて堪え難いので…」

 

「それなら隣のカプセルに入るといいわ。操作はこっちでやるから」

 

「久しぶりの自分の身体ですよ、懐かしい…。それに、生気もかなり減っているでしょうから、すぐに補給しないといけませんね。幸い、いい補給元が近くにあることですし…」

 

鑑はそう言うとシオンを横目で見ながら涼の身体の隣のカプセルに入って行く。冷子が端末を操作し始めると、再びカプセルが暗転して中の様子が分からなくなった。

 

取り残された男子生徒達は呆然と2人のやり取りを見ていたが、すぐに視線を目の前のシオンに移した。シオンも徐々に目に光が戻り、いつもの責任感の強い生徒会長の顔になり、震えがちな声で男子生徒に話しかけた。

 

「み…皆さん。どうか、間違ったことは止めて、すぐに寮に帰って下さい。このことは誰にも話しませんから、皆さんに不具合が及ぶことはありません。人間ですから、誰でも間違うことはあります。今日のことは反省していただければ、それで十分ですから…」

 

最高級の絹糸のような長い金髪がかすかに震え、同じく金色の長い睫毛にはうっすらと涙が浮かんでいる。 芸術的な身体をキャンパスにして白いアートを施されたシオンはまるで淫靡な前衛芸術の彫刻のようだった。 それでもシオンは男子生徒達を責めること無く、健気に間違いを正し、諭そうとする。

全員誰も言葉を発すること無く、下唇を噛んでシオンを見つめていた。しんとした静寂が、透明な塵のようにシオンと男子部員を包み込んでいた。

 

「ぼぼ…僕…。会長に本当に憧れてて…。ああ、何てことを…ご、ごめんなさいぃ…」

 

とうとう相撲部員の男子生徒が泣き崩れた。他の男子生徒も全員神妙な顔をしている。茶髪も口を開いた。

 

「いや…その…何というか…俺達、とんでもないことし……………」

 

突如、茶髪の動きが止まった。不審に思った他の生徒も茶髪を見るが、次々に全員が怪訝そうな顔から無表情に変わって行く。シオンの顔にさっと不安な表情がよぎる。無表情になった相撲部員の巨体の影から、冷子が姿を現した。その両手の指の股には人数分の注射器が握られていた。

 

「うふふふ…、皆ダメじゃない、お薬を飲み忘れたら…」

 

何が行われたのかは火を見るより明らかだった。一瞬のうちに冷子は薬の効き目が切れかけ、理性を取り戻しそうになった男子生徒全員に再び薬剤を注射したのである。

 

「あなた本当にすごいわぁ…。ここまで汚されてもまだ相手を信頼して説得しようとするんだもの。危うく薬の効き目が予定より早く切れそうになったじゃない。でも、それもオ・シ・マ・イ。夜は長いんだから、せいぜい楽しんでね」

 

そう言うと、冷子はパチンと指を鳴らした。男子生徒達が古い操り人形のようにぐりんと首だけをシオンに向け、その後ゆっくりと体全体の向きを変え、シオンを取り囲んだ。

 

「あ…あの……あの………」

 

シオンも思わず目が泳ぎ、声がうわずる。茶髪が再び座り込んでいるシオンの背後に回り興奮した様子で荒く息を吐きながら口を開く。

 

「…変かもしれないけど、俺さ…さっき腹殴られてる時の会長の顔、すごくエロく見えたんだけど…」

 

「あ…ぼ…僕もそう思う!なんか普段は見れない切羽詰まった表情が何とも…」

 

「じ、実は俺も…やべ…思い出したら勃っちまった…」

 

「何言ってんだよ?最初からガチガチじゃねぇか。なぁ…俺らも…殴ってみないか?さすがにレイプはマズかもしんないけど、それくらいならいいだろ?」

 

「じゃあ…決まりだな……」

 

茶髪が背後からシオンの腕を掴んで無理矢理立たせると、シオン両肘の間に自分の腕を通し、まるで閂を通したように固定する。プロレス技で言うチキンウィングの形に極められ、無理矢理腹と胸を正面に突き出された形になった。

 

「あ…あぐっ…い、痛い…!や…止めて下さい。目を覚まして…」

 

童顔で涙目になっているシオンに、ミスマッチなほど挑発的な身体。胸を突き出された拍子に、ぶるんという擬音が聞こえそうなほどの勢いでシオンの巨乳が上下に波打つ。男達の生唾を飲み込む音がはっきりとシオンの耳に届いた時、槍のような膝がシオンの下腹部に突き刺さっていた。

 

ドグジュッ!!!

 

「がっ…!?ごぶぅ!!う……うぐぁぁぁぁ!!!」

 

シオンはガクガクと痙攣し、膝がめり込んでいる自分の腹部を見つめた。痛々しいほどにへその位置に膝がめり込んでいる。

 

「へへ…やわらかいな…。普段蹴ってるサッカーボールより蹴り甲斐がある…」

 

「あ……あぅ……ぐぷっ…!…あ……はぁぅ………」

 

シオンは声を発せない状態だったが、「どうか馬鹿な真似は止めてほしい」という気持ちでサッカー部を上目遣いで見た。しかし彼には、まるでシオンが責め苦を受けながらも許しを請うような表情に見え、そのサディスティックな情欲の炎に油を注ぐだけだった。

 

「へへ…こいつはやべぇ…。フェラしてるときの女の表情にそっくりだ…。いや、それ以上にそそる…。お前もやってみろよ…ボクシング部だろ?」

 

見るからに鍛え上げたれた丸刈りの男が興奮した様子で近づいてくる。やられる…、とシオンは本能的に思った。

 

「言われなくてもやるに決まってんだろが!へへへ…こんなやべぇ身体見せられたらたまんねぇよ。それに、実は普段から女を殴りたいって思ってたんだが、こんな最高な形で叶うとは思っても無かった……ぜっ!!」

 

ゴギュウゥッ!!ズブゥッ!!!

 

「うぐうぅっ!!あ……げぶぅっ!?ごぶっ……う………あぅ………」

 

正確無比に、洗礼されたパンチは見事にシオンの両胸の間にある鳩尾を貫き、立て続けに胃袋を押し潰した。強制的に舌と黄色い胃液が吐き出され、シオンの緑色の瞳孔が小さな点になる。数瞬ビクビクと身体を痙攣させた後、一瞬で意識が谷底の暗い深淵へと突き落とされ、ガクリとシオンの頭が落ちた。

 

「お…おい!?まだ俺殴ってないぞ?」

 

「そ…そうだよ?ぼ…僕だって!」

 

すぐさま残りの2人から不満の声が上がる。特に後ろからチキンウィングを極めていたテニス部の茶髪は不満そうだ。しかし、ボクシング部は手をひらひらをさせながらシオンの肋骨が終わるあたりに親指を付ける。

 

「まぁ慌てんなって…。落ちた相手を起こす方法なんて簡単なんだよ。ボクシングでもよくあることでな、気ぃ失ってもこうすれば…」

 

ボクシング部が押し当てた親指を強く押し付けると、シオンの身体はビクリと電気ショックを受けたように跳ね上がり、一気に意識が覚醒した。

 

「ぷはぁっ!?はぁ…はぁ…あ……え…?」

 

一瞬気絶してたことにも気付かなかったのか、軽いパニック状態になり、状況が飲み込めずに辺りをきょろきょろ見回した。視線に入ったのはニヤニヤと笑う男の顔ばかりだった。

 

「こいつはいいや……」

 

「な?遠慮するこたぁねぇぜ?気絶してもまた起こしてやるよ」

 

「長い夜になりそうだな、会長さん」

 

シオンの前には別の男が拳を握って佇んでいた。

燻製ねこ様率いる大樹のほとり様と相互リンクをしていただきました。

ジャンルはやや違いますが、文章力の高さは本当に感心します。

勢いで書き始まった私としては、色々な作家さんを見させてもらって勉強して行くしか無いですね。 

徐々に様々な方と交流していけたら嬉しいと思います。

「う…うぐっ…はぅぅ…はっ…あぁ…」

 

シオンは肩で息をしながら腹部を押さえ、片膝を付く。そのミニスカートから覗いた白い下着を部屋にいる男全員が凝視していた。口元からは一筋の唾液がすらりとした顎に向かって流れ、表情にえも言われぬ色香を漂わせていた。

 

「くくく…これは失礼しました。あまりにも責め甲斐のある身体だったものでつい力が入ってしまいまして。しかし…これからが楽しみですよ」

 

鑑は口元に手を当て、含み笑いをしながらシオンに呟く。他の男達からは息をのむ音が聞こえるようで、今この場から鑑がいなくなればすぐにでもシオンに襲いかかることは想像に難くない。犯し尽くす?精液まみれ?いくらこのようなことに疎いシオンとはいえ、言葉の意味することはさすがに理解できる。

鑑の姿を借りた涼を見上げながら、シオンは考えを巡らせる。涼も「身体を借りている」というくらいだから、おそらく本調子ではないだろうし、鑑の身体は人妖のそれとはちが人間である。他の運動部員達も数は多いがシオンの敵では無いだろう。

 

 

「不意打ちは食らいましたが、次はこうはいきません。絶対に倒します!」

 

「くくく…お手柔らかに…」

 

「はああああっ!!」

 

シオンの動きに合わせ、金髪のツインテールが流星のように美しくなびく。鑑は最初こそ余裕を持ってシオンの攻撃をガードしていたが、それでも慣れない身体のせいか徐々に苦しそうな表情になってくる。

 

「くっ…これだから人間の身体というのは…おごっ!!?」

 

シオンの放った膝蹴りが鑑の鳩尾にヒットし、下がった顎を掌底で跳ね上げ追撃する。もんどりうって鑑は倒れ、すぐに起き上がるが既に目の前にはシオンが仁王立ちで立ちふさがっていた。

 

「くぅぅ…い…いいんですか?こんなことをして…」

 

「私だってこんなことしたくありません。ですが、降伏しないのでしたら、さらに攻撃します!」

 

毅然とした態度を保ち、シオンには珍しく大きな声で鑑に言い放つ。しかし、鑑は不敵に笑いながら上目遣いでシオンを見つめた。

 

「おやおや…こわいですね。このまま痛めつけられれば鑑君が目覚めた時にどれだけ後遺症が残っているか。私は自分の身体が完全に回復すれば元に戻るだけですが、鑑君はそうはいかないでしょうねぇ?」

 

「なっ!?そ…そんなこと…」

 

「いいのですよ…好きなだけ痛めつけてくれれば…。鑑君の身体をね」

 

「ひ、卑怯者!それじゃ…攻撃できないじゃないですか…」

 

鑑はゆらりと立ち上がりながらシオンに一歩ずつ近づく。シオンは何もできずに後ずさるが、すぐに壁際まで追いつめられ、鑑との距離はもはやお互いの打撃が届く距離まで近づいていた。

 

「ほら、どうしたんですか?早く攻撃して下さい」

 

「あぅ…うぅ…くぅぅ…」

 

大げさに両手を広げてシオンに身体を開くが、シオンは全く動けずにいた。冷子の取り巻きの野球部員のように格闘に対して素人であれば、それなりの手加減をして行動不能にすることも出来たが、涼に乗っ取られた鑑に対してそれは通用しない。シオンも全力で攻撃しなければ歯が立たないが、果たしてそれに鑑の身体が耐えられるかと思うと疑問が残る。もしものことがあってはならない。

 

「くくくく…ではこちらから行きましょうか?あぁ…ついでに攻撃をガードしたら後ろで待機している男子生徒にも危害が及ぶかもしれませんので、お気をつけて」

 

鑑はサディスティックな笑みを浮かべると、ゆっくりしたモーションで拳を引き絞り、シオンのくびれた腹に狙いを定めた。

 

「ほら…行きますよ!!」

 

ドグッ!

 

「ぐっ…!ぐぅぅ…」

 

「ほう…これはこれは…」

 

ガードすることを禁じられたシオンは咄嗟に腹筋を固めて鑑の拳を受け止める。一見華奢そうに見えるが引き締まった体にはそれなりの筋肉が付いており、ダメージはあるものの致命的な衝撃からは守られていた。

 

ガッ!ガスッ!ドッ!

 

「ぐっ!うぅっ!くっ!……はぁ…はぁ…」

 

「ほとんど効いていないようですね。さすがはアンチレジストの上級戦闘員だ……そこのあなた」

 

鑑がテニス部部長の茶髪を呼び出した。呼ばれた茶髪は無表情で2人の所に近づく。

 

「ふふふ…相変わらずギンギンになってますね…もう我慢できないんじゃないですか?」

 

「あ、ああ…こんな格好してる会長見てたら、我慢なんて出来ねぇよ。ちょっと…トイレで一発ヌイて来てもいいか?」

 

「せっかちですねぇ…もうすぐ思う存分ぶっかけられるというのに…。シオンさんが少し強情なので、後ろからこの大きな胸を揉んであげて、緊張をほぐしてあげて下さい」

 

「マ…マジかよ!?いいのか!?」

 

後ろにいた男達もざわめき始める。茶髪は興奮して息を荒げながら鑑とシオンを交互に見ていた。

 

「もちろんですよ。あなたがこの中では一番慣れてそうですからね。全身の力が抜ける位丁寧にほぐしてあげて下さい」

 

「はぁ…はぁ…も、もちろんだ」

 

茶髪はいそいそとシオンの背後に回ると、その首筋に舌を這わせゆっくりと腹部の辺りをなてまわし始めた。

 

「あ…あふっ…!?や…やめ…なっ……く、首は……」

 

「あぁ…あぁ…すげぇいいにおいだ…」

 

腹部をなでさすっていた手が徐々に上へと上って行き、ある一瞬から一気に胸をも揉みしだき始めた。もにゅもにゅという擬音が聞こえそうなほどシオンの豊満な胸は茶髪の手によっていやらしく形を変えて行った。

 

「あ…あうっ!?や…やらっ…やらあぁっ…!お…おっぱい……いや……いやぁ……あふぅぅ……!」

 

ほとんど初めて感じる刺激と、茶髪の巧みな技巧でシオンはすぐに全身の力が抜けて行った。頬は赤らみ、目はとろんと蕩け、歯を食いしばって快感に耐える姿は誰もが劣情を抱き得ないほど卑猥なものだった。

 

「くくく…これは予想以上の反応ですね。私も興奮してきましたよ…。さぁ、皆さんもこのエッチなシオンさんを見てあげなさい」

 

待ってましたとばかりに5~6人の男がシオンのそばに殺到する。既に目は血走り、それぞれの男性器は限界寸前まで昂っていた。おのおのが生唾を飲みながらシオンの痴態を凝視する。

 

「うわぁ…会長めっちゃ敏感じゃん」

 

「エ……エロいな……」

 

「やべぇ…ちくしょう!俺も触りてえ…」

 

シオンは快感に耐えるのに必死で、鑑が攻撃しようとしていることなど既に頭の中から消え失せていた。その上自分のこんな姿を見知った男子生徒達に見つめられていると思うと、身体の奥の方が徐々に熱くなって来た。右腕はわずかに抵抗するためか、首筋に吸い付いている茶髪の頭を抱くように回され、左手の白いロング手袋を噛んで快感に耐える姿は男達の興奮を煽るだけであった。

 

「だいぶ効いてきたみたいですね…では…そろそろ…」

 

既に心ここにあらずのシオンは鑑に対し無防備に身体を開いていた。鑑はゆっくりと狙いを定め、ちょうどヘソの中心を目掛け突き刺した。快感により弛緩しきった腹筋に鑑の拳を受け止めることは当然出来ず、ズブリをいう音とともに拳が手首まで埋まると、先ほどとは比にならない衝撃がシオンの身体を駆け巡った。

 

「あ…やっ…見ないで……はぁん……ごぶうぅぅっ!!?」

 

性的な刺激で大量に分泌された粘度の高い唾液が、糸を引いて口から飛び出た舌を伝い、地面に落ちた。一瞬で快感という天国から苦痛という地獄にたたき落とされ、シオンの頭は半ばパニックに陥った。

 

「くくく…そう…その表情ですよ…!」

 

ズギュウッ!!ドブッ!!ズブウッ!!

 

「ぐぼあぁっ!?あぐうぅ!!うぐあぁぁ!!」

 

シオンの目が大きく見開かれ、瞳孔が収縮し四白眼の様になる。周囲の男達も突然の事態に目を丸くするが、シオンの苦しむ顔を見ると別の表情が浮かんできた。

 

「なぁ…会長の腹殴られてるときの顔…なんかエロくないか?」

 

「ああ…イッた時に女が見せる表情っつーのかな?あれに似てね?」

 

「え…えぇっ!?シ…シオンさんイクとあんな顔するんだ…す、すごい!」

 

「な、なんか…俺も殴りたくなってきたな…」

 

「やべぇ……こんなエロイ表情見せられたら俺もう……出そうだ……」

 

口々にそう呟きながら、シオンの腹と表情を交互に見つめる。それを横目に鑑が満足そうにうなずいた。

 

「皆さんもう限界そうですね。私ももう我慢できそうもありませんよ…。そろそろ…フィニッシュしましょうか?タイミングを合わせますよ」

 

待ってましたとばかりに男達は一斉に男根をしごき始める。シオンの胸をこね回していた茶髪も既に男達の側に回って、今まで味わっていた感触を思い出しながらものすごい勢いで男根をしごいていた。

 

「これで…最後ですよ!!」

 

鑑はシオンの肩を掴むと身体を下に向けさせ、巨乳の中心にある鳩尾を容赦なく突き上げた。肺の中の空気がすべて出され、胸骨がめきりと嫌な音を立てる。

 

「はぁ…はぁ……ぐぼあぁぁぁぁ!!!……あぅぅ……」

 

何度目かの攻撃を受け、シオンは舌先から唾液を滴らせながらがくりとうなだれた。膝立ちになりながら肩で息をし、喘ぎながらうなだれる姿はとても卑猥で、鑑が無理矢理顔を起こしていつの間に取り出したのか男根をシオンに突きつけた。

 

「うぐっ…!……はぁ…はぁ……え?……な……なんですか?」

 

シオンは状況が掴みきれず、目の前に突き出された数時間前に初めて見たばかりの男根をしげしげと見つめてしまった。鑑はシオンの頭を両手で固定すると、その半開きになっているシオンの口に勃起しきった男根をねじ込んで上下に頭を振り立てた。

 

「え…?か…鑑君…?むぐぅ!!?んむっ…!?んっ…んぐぅぅぅ!!」

 

「お…おおおっ!!キツい唇だ…しかし、ねっとり蕩けて……チャームは出ませんが、鑑君の精液を味わわせてあげますよ!」

 

「む…むぐっ……んっ…んっ…んっ…んむぅ………むぐぅっ!?ぐ…ぐむぅぅぅぅぅ!!?」


「おおおおっ…!!ま…まだ出るぞっ…!」

シオンの口内をかき回していた鑑の男根がビクリと跳ねたかと思うと、その直後に今まで味わったことの無い味の熱い粘液が口中に広がった。男根は定期的にドクドクと脈打ち、シオンの口内に大量の白濁をぶちまけ、嚥下しきれない分は唾液と混ざり合ってボタボタとシオンの巨乳に落ちた。

 

「むぐっ…う……むぅぅ……ぷはっ!!はぁ…はぁ…はぅぅ………な、何ですかこれ?ま、まずい…」

 

長い射精が終わり、ようやく鑑の男根が口から抜かれたかと思うと、すぐに数本の別の男根がシオンを取り囲みんだ。今までの人生で想像すらできなかった口内射精のショックから立ち直れず、胸や手のひらに落ちた精液を呆然と見つめているシオンに向け一斉発射を開始する。


「ああ…あああ…あ、あのシオンさんのフェラチオが見れるなんて…」

 

「ぐぉぉぉぉ…!会長エロ過ぎだぜ!もっとドロドロにしてやるよ!」

 

「口の周り真っ白だぜ、それに胸も…ああっ!……イク!!」

 

ほとんど同時に、男子学生達が一斉に精を放った。興奮の度合いが高すぎたせいか、おのおの数回分に相当する大量の白濁をシオン一人に浴びせ、シオンの体中はたちまち真っ白染め上げられて行った。

 

「え…?あっ…み、皆さん…何を…?…あ…きゃあっ!?なっ…?いやぁぁ……!うぶっ…口に入っ……あ…えうっ……いやぁぁ…!!」

 

黒を基調としたメイド服に白い精液がコントラストとなり、大量の白濁を強調していた。周囲にはむっとする精臭が漂い、その中心でシオンが呆然と佇んでいたが、それを取り囲む男達の男根は寸分も萎えていなかった。

「何…ここ…?」

 

 

エレベーターを出ると、空調が効いているのか、ひやりとした空気がシオンを包み、火照った体が一気に冷めるのを感じた。がらんとした空間は所々防犯用の薄暗い蛍光灯に照らされ決して明るくはなかったが、それでも部屋全体を把握するのには困らなかった。

部屋には床も壁もコンクリート打ちっぱなしの殺風景な部屋には、様々な大きさのケージや檻があり、それぞれ何らかの動物が入れられていた。犬や猫のほか、猿やゴリラのような大型の霊長類までいる。ある一角には小さめのケージが天井近くまで積まれ、そのひとつひとつにネズミのような生き物が入れられていた。つい最近まで多くの動物達がいたのか、コンクリートの床はうっすらと汚れており、所々に引きずったような傷がついていた。

異様だったのは、様々な動物達がいるはずなのに物音が一切しなかった。眠っているのかと思いシオンが一番近くにあった4つほど積み重なった猿の檻に近づくと、 檻の中の猿は濁った目を開けたままシオンを見つめ返した。事態が飲み込めずにしばらくその場を動かずに檻の中を凝視すると、猿は両腕と足の一部を欠損していた。シオンの背中に冷たいものが流れた。よろよろと隣にあったゴリラや犬、ネズミのケージを覗くも、既に事切れている動物ばかりだった。しかもその殆どが身体の一部を欠損し、生前に想像するに耐えない行為を受けたことが伺えた。

 

「ううっ…」

 

シオンは思わず口を抑える。多くの死に囲まれた言いようの無い気味の悪さと、何も出来ない自分への無念さ。

 

「な…なんですかこれは…なんて酷い…。どうして…」

 

シオンはコンクリートの床に、文字通り両手で頭を抱えて膝をついた。長い金髪がはらはらと肩から流れて床に垂れる。このような場所が自分の学校にあったという受け入れがたい事実。シオンは頭を抱えていた手を自分の顎の下で組み直し、静かに動物達の冥福を祈った。

5分ほどそうしていただろうかシオンが隣の部屋から聞こえてくるかすかな物音に気付いた。

 

「足音…?それも複数いる…。関係者でしょうか…?」

 

ネズミの檻の壁をすり抜け、コンクリートの壁と同色に塗られたドアをそっと音を立てずにわずかに開け、その隙間に鏡を差し込んで中を見る。その光景を見た瞬間にシオンは息を飲んだ。

 

「!!?な、何ですかこれは!?」

 

部屋全体の作りはあちら方が広いが、壁際には複数のコンピューターやワークステーション、もう一方の壁には中は暗くて見えないが、試験管を逆さまにしたような形の、人間が1人くらい軽く入れるようなガラス製かアクリル製の大型の入れ物が4つ設置され、コンピューターと大小様々なケーブルで繋がっていた。その横には同じような大きさの檻が2つ置かれ、今は空になっていた。様々な機材のため、実際に歩けそうなスペースはそんなに広くはないだろう。

しかし何よりも異常だったことは、部屋の中には、全裸の男性が5~6人がうつろな表情でうろうろと歩き回っていた。中には知っている顔もあり、おそらく全員がアナスタシアの生徒であろう。一番シオンの近くにいるのは長髪を茶髪に染めた男子テニス部の部長だ。3月に行われた生徒会部費予算会議に彼が出席していたことを覚えている。その当時、はつらつとインターハイ出場の夢を語っていた彼だが、今ではそのぼさぼさの髪と落ちくぼんだ目からまるで麻薬のジャンキーのような風貌になっている。少し奥には相撲部の部長もいた。

 

「な…え…?これは…?なぜ彼らがここに?この部屋は一体…?」

 

「おやおや…やっとメインゲストのお出ましですか。さぁ、こちらですよ」

 

「え…?きゃああ!」

 

事態が飲み込めず、震える手で鏡を使い部屋の様子を観察していたシオンの手を、突然何者かが掴んで強引に部屋に引きずり込んだ。鏡が派手な音を立てて割れ、シオンも強引に引っ張られた反動でコンクリートの床に前屈みに倒れる。シオンがゆっくり振り向くと、部屋中の男達が血走った目でシオンを凝視していた。

 

「はぁ…はぁ…マジで会長じゃん…」

 

「本物!?本物の如月さん!?本当に本物!?」

 

「すっげぇ、マジで可愛いな…」

 

「ふひひひひ…綺麗な髪だなぁ…これが夢にまで見た…」

 

「シオンちゃん、すごい格好してるな…何のコスプレだよこれ…?誘ってんのか…?」

 

ぎらついた目でシオンとその身体を舐めるように見つめる男達。先ほど冷子と一緒にいた野球部員とは様子が違うが、全員普通の状態ではないことは確かだった。全員が全裸で、男性器を隆々と勃起させている。

 

「あ…あぁ…。 み…皆さん…な…何してるんですか…?」

 

突然複数の全裸の男性に取り囲まれるという異常事態に、震える声で男子生徒達に声をかけるが、当然返答はなかった。

 

「私が変わりに話しましょうか?」

 

ドアのそばから先ほどシオンを引っ張った男がこちらへ歩いてくる。ドアの影の暗がりから蛍光灯の下へ出るとシルエットだった男の像が鮮明に浮かび上がる。先ほど引っ張られたときの声にも聞き覚えがあったが、その姿を見て確信した。

 

「あ…あなた…副生徒会長の鑑君!?な…なぜこんな所に…?」

 

全く事態が飲み込めず、困惑した声を向ける。シオンを引っ張った男は、3人いるアナスタシアの副生徒会長のうちの1人だった。眼鏡をかけた知的な生徒だったが、今ではどこか野性的な、というよりも別人のような雰囲気を全身から漂わせている。

 

「ふふふ…まぁまぁ慌てずに…」

 

鑑が大げさな身振りで両手を広げる。

 

「まず、彼らを責めないで下さい。私の同僚が作った薬で少しばかり欲望に忠実になっているだけです。以前の薬はやや知能が低下してしまいますが、今回のはその改良型ですから意思の疎通は出来るはずです」

 

鑑が今にも飛びかからん勢いの男子生徒を手で制すと、生徒は一瞬不服そうな顔をした後、素直に従った。他の男達も同様に男の一歩後ろに下がるが、荒い息を吐きながら粘つくような視線をシオンに向けている。

 

「同僚…?まさか、篠崎先生のこと…?か…鑑君が…どういうこと…?」

 

「ふふふふ…驚かれているようですね。まぁ無理もありませんか。今はこの身体を借りているだけですからね…。私の名は桂木涼。以前あなた方の組織の神崎綾さんに大変お世話になりましてね。お陰様で今は本来の身体が思うように使えないので修復中なんですよ。変わりにこの学園の副生徒会長の鑑君の身体が、私の元の身体に近いことが分かりましてね、拝借しているわけです」

 

シオンはあまりの事態に次に出てくるべき言葉がいくつも頭の中に渦巻いて、何も喋ることが出来なくなっていた。目の前にいる副生徒会長の鑑は、自分よりひとつ年下の男子学生だ。普段はもの静かだが、冷静沈着で何が起きても常に物事に対し最善の判断を下すことのできる数少ない人物で、シオンもかなりの信頼を置いていた。それに加え家系の伝統らしく幼少の頃から様々な武道を学んでおり、華奢そうに見えるが身体はかなり鍛え上げられ体力測定でも常に好成績をキープしていた。

その鑑を、以前綾と対峙した人妖が乗っ取ったと言うのだ。身体を借りる?そんなことが現在の医学で可能なのか?そもそも綾が涼と対決したのは1ヶ月ほど前ではなかったか。ではその頃から既に涼は鑑と入れ替わっていたのか?

 

「それにしても…ここにいる男達が夢中になるのもうなずけますね…」

 

不意に涼に乗っ取られた鑑が声をかけて来た。鑑はシオンの身体を先ほどの男子生徒同様つま先から頭まで舐めるように見回している。視線は足首からむちむちの太ももを伝い、挑発的な黒いミニスカートとそれに合わせたエプロンドレスの巻かれた腰を舐め回した後、キュウッとくびれた素肌の露出している腹部を凝視し、そのくびれた腹部に不釣り合いなほど豊満な胸と、それ引き立てる黒地に白いフリルの付いたブラジャータイプのトップスを視姦した。

 

「なっ……ど…どういう意味ですか…?」

 

「くくくく…どうやら噂通りの天然娘のようですね。なら教えて差し上げましょうか?」

 

油断したとシオンは瞬間的に思った。無理も無い。つい最近まで一緒に生徒会の仕事をしていた姿が、自分の身体をいやらしい目つきで見回しているのだ。その混乱に乗じて鑑は素早くシオンの目の前に移動し、耳元で囁いた。

 

「私を含め全員、可愛くてエッチな身体をしたあなたを、滅茶苦茶に虐め犯し尽くして、精液まみれにしてやりたいと思っているんですよ…」

 

「なっ…そ…そんな…うぐぅっ!!」

 

耳元で囁かれた悪魔のような言葉に困惑した瞬間、シオンのくびれた腹部には鑑の小さめの拳が手首にまでめり込んでいた。

 

「ほぅ…綾より華奢なお腹ですね。これは虐め甲斐がありそうだ…」

 

鑑はシオンの腹部に埋まったままの拳を強引に開きながら、さらに奥へ腕を沈めた。内蔵がかき分けられ、身体の内側から来るダメージがシオンを襲い、後方へ弾かれるように吹っ飛ぶ。

 

「がっ…あぁぁ……ぐぶうっ!?ごぶあぁぁ!!」

 

飲み込みきれない唾液が強引に吐き出され、鑑の腕に飛沫が飛ぶ。鑑はハンカチを取り出してそれを拭き取ると、赤く光る縦長の瞳孔でシオンを見つめた。

暗闇の中のコンクリート打ちっぱなしの壁は、外の蒸し暑さを忘れ、すべての熱と音を吸収するように冷たく静まり返っていた。ポツポツと付いた頼りないオレンジ色の非常灯と、緑色の非常口を表すライトに赤い非常ベル。昼間の生徒達で活気あふれる空間とは対照的に静寂の空間が広がっていた。

シオンは入り口から最初の角を曲がった所で尻餅をついたまま壁にもたれかかり、呼吸と体調が回復するのを待った。幸い、冷子が入ってくる気配はない。

 

「はぁ…はぁ…。なんで追ってこないんですか?それにしても強い…。私で勝てるの…?はぁ…はぁ…」

 

汗で額に貼り付いた金髪をかき上げながらシオンが呟く。シミュレーション訓練では最高難易度も軽くクリアするシオンだが、冷子との戦闘では野球部員が3人いたとはいえ、ほぼ一方的な展開であった。未だに攻撃された腹部から鈍い痛みが響いてくるが、いつまでもこうして休んでいるわけにはいかない。冷子を倒す方法を見つけるか、アンチレジストのオペレーターに連絡を取って応援を要請するか…。

 

「そもそも…何で研究棟が施錠されてないんですか。おかしいです。こんなことがバレたらアナスタシアの信用はガタ落ちのはず…誰かが故意に開けた?でもなぜ…?」

 

シオンが考えを巡らせていると、不意に甲高い、ポーンと間の抜けたような電子音が響いた。シオンが咄嗟に身構えるが、何も無い。辺りを見回すと、廊下の遥か奥の方に、先ほどまで無かった非常灯とは違う蛍光灯の明かりが漏れている部屋があることに気付いた。

シオンが近づくと、それはエレベーターだった。さっきの電子音はエレベーターの扉が開く音だったのだ。エレベーターの上にある停止階のランプを見ると、2階から5階まではすべて「・」で表されてあり、その上には赤地に白抜きで「生徒使用厳禁」と書かれたプレートが貼付けられていた。

 

「民間企業用のエレベーターがひとりでに…?そんなわけない…誰かが操作しているはず…」

 

シオンは考えを巡らす。どう考えても罠に違いない。そもそもこの時間に研究棟に自分が入れたこと自体がおかしいのだ。その上このエレベーター。明らかに敵の手中に追い込まれて行ってることは明白である。しかし、シオンは一度深呼吸すると、ためらい無くエレベーターに乗り込んで行った。

 

「日本のことわざに、虎穴に入らんずばってのがあります。このまま逃げていても、皆を…アナスタシアを救うことは出来ません。私の好きな場所は、私が取り戻します!」

 

 

 

 

モニターの中では、シオンがエレベーターに乗り込む姿を廊下から映した映像と、エレベーターにシオンが入ってくる姿をエレベーター内部から写した映像が別角度で映っていた。人影がボタンを操作すると、エレベーターの扉が閉まり、指定した階に向かって上昇を始める。

 

「入っちゃったね」

 

「罠と知りながら乗ってくるとは…」

 

「さすがは責任感が強いな。学校と生徒を守るためには自分の身も犠牲にするか。この娘が生徒会長になってから問題が激減したのもうなずける」

 

「それ以上にファンがすごく多いんでしょ?ここまで顔もスタイルも良い上に性格も良い人なんて最近いないよ。告白も何十回されたか分からないらしいよ。まぁ本人にその気は全く無いというか、天然入ってるから告白しても気付かないんだって」

 

「会長に迷惑はかけられない…って感じで学校がまとまってるのかな?」

 

「それにしても良い人材を見つけてくるものだな、アンチレジストは。その人間の持つ人徳が高ければ高いほど、我々が得るエネルギーも大きい」

 

「そのためにはたっぷりと苦痛と屈辱を与えないとね」

 

「そうだな…あいつらの様子は?」

 

「もう大変。冷子の作った薬のおかげで暴走寸前だよ。拘束して抑えてるけど、この娘…シオンだっけ?見たらどうなるか分からないよ?」

 

「そうか…楽しみだな…」

 

楽しみだと言った1人が席を外し、部屋から出て行った。部屋の中の1人が別のボタンを操作すると、モニターには病院の大部屋のような部屋に5~6人の男性がベッドに寝かされている映像が映った。全員運動部の学生か、鍛え上げられた体をしていたが、その全員がベッドに両手両足を拘束され、衣服も毛布類も身につけていなかった。それだけでも異様な光景だが、全員酷くうつろな表情をしている反面、股間が大きく隆起していることとがその異様さに拍車をかけていた。

 

 

 

シオンがエレベーターに入ると、自動的に扉が閉まり、軽い衝撃とともに速いスピードで上昇を始めた。エレベーター内部の停止階ランプはどこも点灯していない。とうに生徒の使用する特別教室の階層は過ぎ、民間企業用の研究施設の階層に入ったが、まだ上昇は止まらなかった。かなり上の階に行くようである。

ポーンと再び間抜けな電子音が聞こえ、エレベーターは停止した。扉が開くと、薄暗い蛍光灯に照らされた広い空間に出る。シオンは意を決してエレベーターから一歩進み出た。

コメントで小説の書き方に付いて質問をいただきましたので、紹介します。


僕の場合はかなりギャンブルなやり方で、書くというよりはスケッチに近いです。順番で言うと

 

・ある程度詳しくストーリーを決める

・登場させるキャラを強く思い浮かべる

・キャラを登場させたい場面(ステージ)を強く思い浮かべる

・その場面にキャラクターを登場させる

・当初決めたストーリーに沿って演技してもらう(自分で動かすのではなく)

・そのうち自然に動き出しすので、ひたすらスケッチ

 

 

うーむ、我ながらかなり特殊なやり方ですね。

ちなみにキャラクターや場面は殆どアニメ調で出てきます。勝手に動き出してからはこちらはスケッチするだけなので、当初思い描いていたストーリーにならなかったり、予定外のキャラが乱入して来たりすることもしばしばです。

そういえば北野武氏も映画を撮る際は台本を殆ど見ず、その場で浮かんだことを役者に口頭で伝え演技させるらしいです。セリフを覚えても殆ど意味がないとか。

逆に他の方がどう書いているのか気になります。



追伸
case:ZIONの研究棟編は明日UP予定です

「ほらほらぁ…いくわよぉ…スゴいのがいくわよぉ…」

 

冷子はギリギリと拳を引き絞り、シオンの引き締まった腹部に狙いを定める。冷子のサディスティックな満面の笑みとは正反対に、シオンの顔は青ざめ、あきらめの色がにじむ。

 

「あ…ああ……や……やめ………」

 

 

胃を握りつぶされ、鳩尾を膝で突き上げられ、散々虐められて未だに痙攣の収まらない腹部に更なる打撃を加えられれば一体自分はどうなってしまうのか。不妊、内臓破裂、最悪…死亡。まだまだ若いシオンにとっては残酷すぎる現実が、目の前の冷子の拳から自分の身体に突き入れられると思うと、恐怖と絶望でいっぱいになった。

 

「ほらぁ…どこを狙ってほしいの?鳩尾?お臍?それとも子宮のあたりかしら?あはぁ…どこを攻撃しても、もしかしたらイっちゃうかもぉ…」

 

「わ………私は………」

 

「んふぅ~?なぁにぃ?」

 

度重なる衝撃によって、口内には唾液が通常よりも多くあふれるが、シオンはそれを飲み込むことが出来ず、唇の端を伝って地面や豊満な胸に落ちる。ただ喋るだけでも内蔵が悲鳴を上げるが、シオンは力を振り絞って冷子に語った。

 

「私は…げふっ……こ…この学校が好き……学校の…皆も……先生も………も……けほっ……もちろん……篠崎先生だって……」

 

「ふぅん……それで?」

 

「せ……先生と…この人たちを……す…救えなかったことが…心残りです…。絶対に……綾ちゃんや……他のみんなが……来てくれるはずですから……げほっ……先生も…酷いことはやめて……改心して下さい……」

 

「ふふ……ふふふ……あははははは!それがあなたの最期の言葉!?私を救いたいって?人妖の私を!?どこまでお人好しなのかしらぁ!?」

 

「お…お人好しでもいい……それでも…私は……皆に…幸せになってほしい……」

 

絞り出すようなシオンの言葉。もはや声は途切れ途切れの弱々しいものになっていたが、その目には意思の光が宿っていた。

 

「ふぅん…。おめでたい人ね。そんな考えではこの先利用されるだけよ?まぁ、ここで死んじゃえば関係ないけどねぇ…。それじゃあ…さようなら」

 

唸りを上げて冷子の拳がシオンの下腹に向けて放たれる。シオンは無表情で自分の腹部に吸い込まれて行く拳を見つめた。 骨同士がぶつかり、軋む音が石畳の上に響く。

 

メギィィィィ!!

 

「が……が……」

 

「!!?お…お前!?」

 

シオンの太ももに頬擦りしていた眼鏡が瞬間的に頭を持ち上げ、冷子の拳をその頭で受け止めていた。ミシミシという音が眼鏡の頭からシオンの耳に届く。

 

「くっ…はぁっ!!」

 

「あぐっ!?」

 

脳が考えるよりも先に、瞬間的にシオンの体が反応した。自由になった右足で冷子の顎を蹴り上げ、振り上げた足が戻るのを利用し、背後から羽交い締めにしている帽子の金的を蹴り上げた。自由になった手で手刀を作り、未だに左足に頬擦りをしているひげ面の首に振り下ろし、悶絶している帽子の鳩尾を突き上げた。

わずか数秒。体に染み付いた全く無駄のない動きで、一瞬のうちに冷子は蹴り飛ばされ、帽子とひげ面は失神して地面に伸びていた。シオンはあわてて冷子の全力の一撃を受け、石畳の上でビクビクと痙攣している眼鏡に駆け寄った。

 

「だ、大丈夫ですか!?な…なぜこんなことを…!?」

 

「あ…ああ……会長のお腹…スベスベだったなぁ……」

 

拳が離れた瞬間から、眼鏡の鼻や耳から大量の血が吹き出していた。シオンは無理に抱き起こさずに、小刻みに痙攣している眼鏡のズボンのベルトを緩め、横向きに寝かせてやる。

 

「そんな…大変…すぐ病院へ…」

 

「し…幸せだぁ…会長に…触れられて………会長も……幸せに……なってく…れ……」

 

眼鏡は糸の切れた人形のように全身の力が抜け、ぴくりとも動かなくなる。シオンは目に涙を浮かべ、何度も首を横に振る。

 

「あ……ああ……嘘……嘘ですよね…?」

 

「失神しているだけよ」

 

背後から冷子の声が聞こえ、シオンは素早く振り向く。冷子はまるで汚いものに触れたかのようにハンカチで拳を拭いながら近づいてくる。

 

「まったく、最後の最後まで使えないゴミ虫共だわ。利用価値のない奴らは全員死ねばいいのに…残念ながら頭蓋骨も折れてないし、あなたの取った行動は応急処置としては完璧ね。その姿勢なら血や吐瀉物が喉に詰まることも無い。医者の私が言うから間違いないわ」

 

「先生…!!」

 

今まで抱いたことの無いほどの黒い感情が、シオンの中を駆け巡る。全身の細胞がこいつは敵だと伝えてくる。絶対に倒さなければならない。気付いた時にはシオンは冷子に向かって突進していた。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「あらあら…らしくないわね…」

 

ゴギュッ!!

 

「うぶぅっ!!?……し…しまっ…」

 

冷子の「伸びる腕」が、我を忘れ突進していたシオンの腹に突き刺さる。一瞬で勢いを止められ体がぐらついた所を、冷子がじりじりと距離をつめながら攻撃する。

 

ヒュヒュン!!…ドギュッ!ズムッ!グジュッ!!

 

「あ…がぶっ!うぐうっ!ごぶっ!!……あ…ああ……」

 

「うふふふ……つかまえたぁ」

 

気がつくと、冷子はシオンの目の前まで迫り、がっしりと髪を掴まれ、無理矢理顔を上げさせられる。

 

「あうっ…!痛…」

 

「んふふ…さっきのお返しよ…」

 

伸びる腕の何倍もの破壊力のある直接の攻撃。小振りだが石のように固い拳がシオンの滑らかな腹部に吸い込まれた。布地の一切無いむき出しの生腹に手首まで拳が埋まり、背骨がメキリと音を立てる。

 

ズギュウウッ!!

 

「ぐぼああぁぁぁ!!!」

 

2つに纏められた長い金髪をなびかせながら、シオンは数メートル後ろへ跳ね飛ばされ研究棟の外壁へ背中を痛打し、腹を両手でかばうようにしながら地面に両膝をつく。

 

「ああぐっ…げぶっ!?……うぁぁ……」

 

腹部と背中への衝撃から、たまらずこみ上げたものを地面へ吐き出す。その間もまるで苦しむシオンを楽しげに観察するように、ゆっくりと冷子が近づく。

 

「ま…まずい……、離れないと……」

 

力の差は歴然であった。このままでは劣勢になる一方と悟ったシオンは一度体勢を立て直すために、何とかこの場を離れようと、よろよろと立ち上がる。冷子の近づく速度は変わらない。壁に手をつきながら建物に沿って移動すると、鉄製の、装飾の施された研究棟の入り口があった。下層階は生徒達の特別教室になっているが、当然今は施錠されているはずである。

 

「あははは!如月さん、今度は鬼ごっこかしら?そんなに遅いんじゃすぐ捕まえちゃうわよ?」

 

まるで傷ついた獲物をじわじわと追いつめる残酷なハンターのように、背後から冷子の声が近づく。追いつかれるのもこのままでは時間の問題である。シオンは祈るような気持ちで研究棟の扉に手をかけると、意外なことに軽く扉が開いた。

 

「えっ!?な…なんで?開いてるわけが……?で、でも…チャンス…なの?」

 

この研究棟は下層階はともかく、上層階には民間企業や外部研究所のトップシークレットの研究が数多く行われている。仮に夜中に不心得者が侵入しデータなどを奪われでもしたら、アナスタシアの信用はガタ落ちになるため、この研究所のセキュリティは特に厳重との話だった。鍵を閉め忘れるなんてことはあり得ない。

シオンの頭に様々な考えが浮かんだが、このまま闇雲に逃げ回っているよりはいくらかは事態が好転するはずである。シオンは意を決して研究棟の中に入った。

 

「あらあら…やっぱり入ったわね。うふふふ…如月さん、罠というのはね、奥に行けば行くほど脱出が難しくなるのよ?」

 

冷子は満足げにシオンを見送ると、携帯電話でどこかに電話をし始めた。

「げふっ……あ…ああ……」

 

腹部に定期的に波打つ鈍痛。身体の奥からこみ上げてくる不快感。シオンは腹を両手でかばうように押さえながら人妖、冷子を見つめた。月の光を後方から浴びて青白いシルエットの中に、赤く光る目だけが異様な存在感を放っていた。

 

(何なのあれ?私、何で攻撃されたの?)

 

「あらあら、まあまあ…口から涎垂らしちゃって、すごくエッチな顔になってるわよ?そんなに痛かったかしら?これでも加減したつもりだったんだけれど…。まぁいいわ。少し眠って頂戴」

 

再び空気を切り裂く音が聞こえてくる。シオンは咄嗟に右方向へ転がるように離脱する。

 

「あははは!ほらほら、逃げてるだけじゃどうにもならないわよ?」

 

冷子の攻撃方法が分からない以上、不用意に近づくのは危険だ。連続して襲い来る攻撃を右へ左へと何とかかわすが、このままでは無駄に体力を奪われるだけである。シオンが噴水を背にした所を攻撃され、必死によけると噴水の水が勢いよくはじけた。

 

「あら、惜しかったわねぇ。もう一回あなたが嘔吐く所が見たかったのに…」

 

「くっ…まずい…このままじゃいずれ当てられる…。ん…あ、あれは…?」

 

シオンは意を決し、空気を切り裂く何かをサイドステップで紙一重でかわすと、重りの付いた鞭のような物体が一瞬目の前で静止した。シオンは機敏な動きでそれを掴む。

 

「えっ…う…な…何これ!?」

 

「あら…凄い反射神経ねぇ…」

 

それは、腕だった。形状こそ腕だったが、それはまるで軟体動物のような気味の悪い固さになり2mほど伸びており、先端にはしっかりと拳が握られていた。反射的にシオンが手を離すと、冷子の「腕」はまるで伸びたゴムが縮むように一瞬で元の形状に戻った。

 

「もうバレちゃったわね。さすがは上級戦闘員ってとこかしら?戦力が未知数の相手に不用意に近づかずに攻撃できるように、ちょっと骨やら筋肉やらを弄ってみたんだけど、攻撃力がガタ落ちなのよね。やっぱり直接攻撃するに限るわ」

 

どこをどう弄ればこういう風になるのかわからないが、人妖の強靭な身体と冷子の医師としての才能がこのような腕を作ったのか。

 

「攻撃で噴水の水がはじけた後、篠崎先生の腕が濡れていたのでまさかと思いましたが…こんなことって…」

 

シオンは改めて目の前に存在するものが化物であることを認識する。今まで幾分なりとも世話になった先生が人妖であることを心のどこかで否定していたが、その人外そのものの腕を見た瞬間に心は決まっていた。

 

「篠崎先生…いえ、篠崎冷子!対人妖組織アンチレジストの戦闘員として、あなたを退治します!」

 

「うふふふ…勇ましいわねぇ…。美しい…とても気高くて美しいわぁ…。でもね如月さん。こちらとしても簡単に退治されるわけにはいかないのよ………あなた達!いつまで寝ているの!?」

 

その声にびくりと反応し、先ほど倒したはずの野球部員達がヨロヨロと起きだした。帽子にいたってはまだ気を失っていたが、ゾンビのようにフラフラとシオンに近づいてくる。

 

「なっ?こ…これは一体…?」

 

「凄いでしょう?意思の力は時々肉体を凌駕するのよ。この子達に施したチャームの力は絶対。何があっても私の命令通りに動くわぁ」

 

「チ、チャーム?チャームって、男性型の人妖の…た、体液のことじゃ…?」

 

うっすら赤くなりながらシオンは冷子に言う。男性型人妖の唾液や精液には人を魅了する力があるというが…。

 

「あらあら、如月さんはそんな挑発的な身体しておきながら結構ウブなのねぇ…。女性型でもチャームは使えるのよ。それも男性型より強力な…ね。粘膜を触れ合わせて相手に直接送り込むからかしら?まぁ、この子達みたいに童貞君の相手は結構疲れるけど」

 

「なっ…そ、そんなことを……」

 

シオンは耳まで赤くなりながら冷子の話を聞く。綾の話ではチャームはせいぜい「相手を魅了する」程度のものだ。安定的にエネルギーを補給するためだろう。しかし、冷子の行っているそれは洗脳や傀儡に近い。

シオンと冷子が会話している間に、野球部員達はのろのろとした動きで冷子の後ろに跪く。冷子は満足げに3人を見下ろすと、3人にそれぞれディープキスをしたり、手で股間をまさぐったりした。

 

「うふふふ。素直でいい子よ…。あらあら…こんなにしちゃって。まぁ目の前に憧れの如月さんがあんな格好でいるのだから無理も無いわねぇ。さぁみんな…お注射の時間よ」

 

冷子は足で部員達の勃起した股間を小突きながら、胸ポケットから白いケースを取り出し、中の注射器を3人の部員達の首筋に突き刺した。

 

「な、何してるんですか!?もうこれ以上その人たちに危害は…」

 

「うふふ…大丈夫よ。もう終わったわ。さぁ、如月さんを取り押さえなさい。手は出しちゃダメよ」

 

目の前の痴態に思わず固まってしまったシオンだったが、はっと我に帰り冷子に向かって叫ぶ。注射を打たれた3人は再びシオンに向かって歩き出していた。

 

「なっ…こ、来ないで!来ないで下さい!」

 

「だめよぉ…この子達はあなたを捕まえるまでは止まらないわ。どうしても止めたかったら殺すか、さっきみたいに気絶させるしかないわよ?」

 

冷子は喜劇舞台でも見ているような様子で首を傾げ胸の下で腕を組みながら呟く。その間にもシオンと3人の距離は徐々に詰まっていく。

 

「くっ……し、仕方がありません…。なるべく傷つけずに…」

 

眼鏡が抱きつくようにシオンに両手を広げて迫る。相変わらず隙だらけだ。シオンは相手が迫る勢いを利用し、右手を眼鏡の腹部に突き出す。

 

ドギュウッ!

 

「が…が………」

 

「ごめんなさい…どうか眠って…」

 

「が……が……へへ………へへへへへ………」

 

「!?な、なに?」

 

「会長ぉ……会長がこんな近くにぃ……」

 

シオンの攻撃は確かにクリーンヒットした。しかし、相手は怯むどころかまるで攻撃など無かったかのように抱きつこうとするのをやめない。残りの2人もシオンのすぐそばまで迫っていた。

 

「な…なんですかこれは!?どうして…?」

 

「ちょうどあなたの裏に建っている研究棟。そこには最新鋭の設備があることはあなたも知っているでしょう?私はそこで様々な薬を開発したの。チャームの効果を爆発的に上昇させたり、ここにいる子達みたいに大脳新皮質の働きを弱めたり。痛覚神経と脳を遮断したり…ね。身体能力も少しだけ強化してあるわ」

 

「そ…そんな…そんなこと…。あっ、や…やめ…。くっ……」

 

冷子が会話している間にも、3人の野球部員はシオンを押さえ込もうと体にまとわりついてくる。シオンも必死に抵抗するが、顎を跳ね上げようが脇腹に膝を入れようが相手は全く怯まず、ついには両足をひげ面と眼鏡に、両腕を後ろから帽子に羽交い締めにされ、全く身動きが取れない状態になる。

3人はそれぞれ荒い息を吐きながら、眼鏡とひげ面は抱きすくめたシオンの太ももに頬擦りしたり、帽子はシオンのうなじを舐めたりと思い思いの行動をとる。

 

「やめ…んあぁっ!や…やめて下さい!あうっ…!う…動けな…い」

 

「あらあら、愛されているわねぇ…顔が真っ赤よ。うふふふ…そういう顔はとても好き…。でもね、私は美しい女性が苦しんでる顔の方が、もっと好きなの…」

 

気がつくと、冷子はシオンの目の前まで来ていた。男子部員は冷子の命令通り手は出してこないが、がっしりと体を押さえ込まれ振りほどくことができない。

 

「うふふふ…今度は直接だからもっと苦しいわよ?頑張って耐えてねぇ…?」

 

「な…何をする気で……ぐぼあぁぁっ!!」

 

シオンの腹部には、手首まで冷子の拳が埋まっていた。先ほどの腕を鞭のようにした攻撃でも十分な威力であったが、今回のは桁が違いすぎる。シオンのなめらかな腹部は無惨につぶれ、内蔵が悲鳴を上げていた。

 

「げぶっ…!?あ…あぁ……うぐっ……」

 

「あらあら…こんなに目を見開いちゃって…あはぁ…とっても素敵。美しい顔が苦痛に歪むのはね…。でも、まだ一撃目よ?」

 

ズギュウッ!!ドギュッ!!

 

「ごぶっ!?ぐふあぁぁ!!……あ……す……すごい…力……」

 

「うふふ……私も身体強化の薬を使っているの。なかなかの威力でしょう?…それにしても如月さん、綺麗な足してるわねぇ…汚い虫が2匹付いてるのが気になるけど…私の足も見てくれる?」

 

グギィィィッ!!

 

「うぐうっ!!?…は…はうぅ……」

 

冷子の膝が、シオンの華奢な鳩尾へ吸い込まれるように突き刺さった。肺の中の空気が強制的に排出され、一瞬窒息状態に陥る。

 

「が…かはっ…!あ……はぁっ……!!」

 

「どうかしら?私のもなかなかでしょう?ほらぁ……もっとよく見て…」

 

グギュッ!グギュウッ!!ドギュウッ!!

 

「ごふうっ!?あぐうっ!!うぶあぁぁっ!!……え……えぐ……」

 

「うふふ…いい…いいわぁ…凄く感じちゃう……」

 

冷子はうっとりとした表情でシオンを責め立てる。シオンは何とか反撃の隙を探るものの、度重なる重い攻撃に一瞬で意識が飛ばれされ失神と覚醒を繰り返すが、朦朧とした中でも何とか意識を保とうとする。

 

「あらあら、顔色が悪いわよ?悪いものが溜まっているときは、一度全部出すとスッキリするわよ」

 

スブウッ!!

 

「ごぶうっ!!ああぁ……そ……そこはぁ……」

 

「あらぁ…如月さん、ずいぶん胃が小さいのねぇ…?それじゃあ………治療してあげるわぁ!」

 

グギュウゥッ!!

 

「うぶぅっ!?…う…うう……うぐぇぇぇぇぇぁぁ!!!」

 

冷子が力任せにシオンの胃を握りつぶすと、シオンの口から強制的に逆流させられた胃液が勢いよく飛び出し、地面にびしゃりと落ちた。あまりのサディスティックな猛攻にシオンはビクビクと痙攣し、慎ましげな口からは舌が垂れ下がり、瞳は半分が上まぶたに隠れ白目を向いている。

 

「あははははは!最高よぉ、あなた!!凄くいい顔してるわぁ!!私ももう感じすぎてて…。死なないように頑張るのよ!!」

 

冷子が、もう何度目分からないが拳を脇に引き絞り、シオンの華奢な腹部に狙いを定める

。シオンは薄れ行く意識の中で、諦めに近い感情を抱いていた。

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