update_information

_2017.02.21  GALLERYを更新しました(シオン1枚)
_2016.11.11  GALLERYを更新しました(綾2枚)
_2016.11.06  いただいたイラストを公開しました
_2016.10.03  新作の短編を公開しました

2月28日(日)に開催されるりょなけっと5に向けて製本作業を進めてまいりましたが、本日無事に入稿が完了いたしました。

約1年振りのイベント参加となりますので、当日はどうぞよろしくお願いいたします。


◆イベント概要
 日時:2016/02/28(日) 11:00〜15:00(終了後アフターイベント有り)
 会場:東京卸商センター3F展示場
    ※詳細や注意事項等はイベント公式HPをご参照下さい。

◆登録サークル名
 Яoom ИumbeR_55 -BASEMENT-


◆スペースナンバー
 O4

◆配布物
 新刊:ANOTHER(sic)
 ページ数:20ページ(表紙込み)
 イラスト:9シーン、差分込み12枚
 印刷:フルカラー(意図的なモノクロ表現が一部あります)
 内容:ビジュアルノベルの製本化がコンセプト
    イラスト集に文章が付いたものとお考えください
    オリジナルキャラクターの双子(由里、由羅)と神崎綾の腹責めがメインです
    ※直接的な性表現、失禁などの描写はありません

 価格:1,000円


sample1


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表紙サンプル



既刊:[PLASTIC_CELL]
 ページ数:44ページ(表紙込み)
 イラスト:4シーン
 印刷:イラストのみフルカラー
 内容:オリジナルキャラクターの鷹宮美樹と水橋久留美メインの腹パンチ本
 価格:800円


サンプル



既刊:[GHØSTS]
 ページ数:116ページ(表紙込み)
 内容:総集編
    RESISTANCE CASE: AYA
    RESISTANCE CASE: TWINS
    RESISTANCE CASE: ZION -THE FIRST REPORT-
    RESISTANCE CASE: ZION -THE FINAL REPORT-

 価格:1,500円


名称未設定-1




興味があればお手に取っていただけると幸いです。
では、当日はよろしくお願いいたします。

昨年は身体を壊したため、ろくに活動ができずに申し訳ありません。
現在リョナオンリーイベント、りょなけっと5に向けて製作を進めています。
今回は以前から作りたかったビジュアルノベルを紙媒体にしたものを予定しておりますので、目処が立ち次第こちらで報告いたします。


予定配布物 
内容:フルカラー20ページ前後(表紙4ページ込み)
予価:1,000円〜1,500円
イラスト:10シーン、差分込み12枚予定


今回はフルカラー本のため原価が高額になり、配布価格も通常より高額になる可能性があります。
申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

サークルカット(number_55)

通販のご希望を数件いただきましたので、10月末まで通信販売を実施いたします。
ご希望の方は下記をお読みになり、連絡をお願いいたします。



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◆ [GHØSTS]
・ページ数
 116ページ(表紙込み)
・内容
 RESISTANCEシリーズ本編全てに新規イラストを追加した総集編になります
 
 RESISTANCE CASE: AYA
 RESISTANCE CASE: TWINS
 RESISTANCE CASE: ZION -THE FIRST REPORT-
 RESISTANCE CASE: ZION -THE FINAL REPORT- 
 ※上記全て収録、一部加筆修正
 ※再録イラストはモノクロになります
 ※新規イラストはフルカラーです

・文章
 上下二段刷(基本30文字×30行×2段)
・再録イラスト
 モノクロ16枚(CASE: AYA_4枚/CASE: TWINS_4枚/CASE: ZION_8枚)
・新規イラスト
 フルカラー4枚(腹責め×2枚、その他×2枚)
・価格
 1,500円

【サンプル】
名称未設定-1


総集編チラシ2


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RJ083490_img_smp1


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ハラパ広告1




◆[PLASTIC_CELL]
・ページ数
 44ページ(表紙込み)
・内容
 新キャラの鷹宮美樹、水橋久留美を中心とした腹パンチメイン本
 総集編の続きモノとなります
・文章
 上下二段刷(基本30文字×30行×2段)
・イラスト
 フルカラー4枚(腹責め×3枚、キャラクター紹介×1枚)
・価格
 800円

【サンプル】
サンプル


Twitterロゴ_edited-2



◆送料について
・レターパックライト(360円、ポスト投函)
・レターパックプラス(510円、対面手渡し)
 上記からお選び頂けます。申し訳ありませんが、送料はご負担ください。


◆受付期間
・2015年10月末日まで受付予定


◆ご注文方法
 下記内容を記入いただき、メールにてご連絡ください
 後ほど合計金額とお振込先の連絡を差し上げます

・希望タイトル、冊数
・ご希望の配送方法(レターパックプラスもしくはレターパックライト)
・郵便番号
・ご住所
・お名前
・年齢
・電話番号


◆宛先
 roomnumber55.japan★gmail.com
(★を@に変更してください)


◆お支払い方法
・銀行振込
 ※お振込名義が郵送先と異なる場合はご連絡ください


◆その他
18歳未満の方へ配布することはできません。必ず年齢の記載をお願いいたします
・1週間以内に返信が無かった場合、お手数ですが再度お問い合わせをお願いいたします
・破損、落丁等あった場合は、お手数ですがご連絡ください
今回配布する本は過去のイベントで配布した物と同じ物となります
・ご希望、ご質問などありましたら遠慮なくご相談ください。ご質問は他の購入者様にもご覧いただくため、できるだけ「コメント」でいただけるようお願いいたします
・頂いた個人情報は今回の通信販売のみに使用し、終了後に破棄削除させていただきます

お題:JKサンドバッグ、大量の水を飲ませて吐かせる、マグロになってからも続く水袋打ち


リクエストをいただいて書いてみましたが、薄めな内容になってしまいました。
文中、意図的に空欄を設けておりますが、仕様です。
皆さんの憧れの人の名前を入れてみてください。

では、どうぞ。


追記:nnSさんのイラストを追加しました


「嫌な男な厭な話」



 僕は就職と同時に故郷を離れたから、ごく僅かながら存在した地元の知人との縁は、それで全て切れてしまった。もともと根暗で人付き合いが苦手だから、新天地では新しい友人が一人も出来なかった。当然、恋人などいた事は無い。時々、昔好きになった女性を思い出して、ありもしない妄想を繰り広げては暗く汚い部屋でのたうつことが唯一の楽しみだ。特に高校の頃に好きになった  さんとの妄想は格別だ。一目惚れの初恋。都内から転校してきた彼女は、田んぼの真ん中にある田舎の学校の、芋臭い生徒達の中でひときわ輝いて見えた。
   さんが転校してきたのは忘れもしない九月一日。夏休みが開けたばかりのまだ暑い頃だ。親の都合で時期外れの転校をしてきた  さんは、夏服の白いセーラー服を着て(僕の母校は制服の評判だけは良かった)、教壇の上で自己紹介をした。大人しそうな雰囲気だったが、体つきは都会の人らしく大人びていた。
 その日から、僕の妄想は始まった。
 妄想の中では、クラスで孤立している僕と  さんは秘密のうちに付き合っており、学校では目を合わせることも無いが、毎日下校後に秘密の場所で合流し、僕か  さんどちらかの家に行く……というストーリーが多かった。妄想の中で  さんは僕だけに微笑み、僕の話題に相槌を打ち、僕に抱かれた。  さんには実に様々なことをした。普通の性交、変態度が強いもの、奉仕、野外、殴る蹴る、殴られ蹴られ、時には暴漢に  さんが犯されている様子を僕が成す術もなく見守るという内容もあった。
 現実では結局卒業まで挨拶すらろくにしなかったというのに、  さんとの妄想は十年以上経った今でも日課になっており、いまだに強く興奮する。
 だから、高校を卒業して  さんと会うことが出来なくなってからは、単調な日々だった。
 そこそこの大学に入り、そこそこの会社に就職したが、  さんのいない生活は全く張りが無い。
 僕だけが淡々と歳を取っていく中で、妄想の中の  さんは永遠に高校生のままだった。
 平日は仕事に行き、家に帰り、妄想をしてから眠る。休日は妄想をしながら一日寝ている。
 仕事には全く身が入らず、人付き合いもせず、日々が川の流れの様にゆるゆると過ぎていった。
 そしてある時、僕は発作的に勤めていた会社を辞めた。
 年末に最後の賞与を貰い、手続きを全て終え、僅かな荷物と全盛期が過ぎた身体を引きずって数年ぶりに故郷に戻った。


「ねぇ?」
 呼びかけられて、僕は我に返った。
 アスファルトとタイヤの擦れる音。
 十人乗りのハイエースは運転席と助手席以外の全ての座席が取り外され、大人の男三人が楽に横になれるほど広い後部座席のあった部分には、ブルーシートが被せられた薄いマットレスが床一面に敷かれている。車の振動で体が動くたびに背中にむき出しの鉄板が当たり、がさがさとビニールシートが擦れる音が尻の下から聞こえた。車は曲がりくねった傾斜のある道を登っている。どうやら山に入ったらしい。ささやかな市街地の灯りはだいぶ前に無くなり、古めかしい街灯が時折窓の外に映った。
 芳香剤の匂いがやけに強い。
「ねぇ?」返事をしなかった僕に、僕の対面に胡座をかいて座っている男が少し大きな声で言った。豊かな白髪を七三に分け、型の古い四角い眼鏡をかけている。中肉中背で、大学教授だと言われればそうかなと思う風貌だ。「このヒトと、どういう関係なの?」
 男の指が、男と僕の間に横たわる女の子を指した。男の声は穏やかだが、有無を言わさない凄みを感じて僕は押し黙ってしまった。
「……さっきから聞いてるんだけど?」
「は……いえ……全く知らない人です……」
 女の子は気を失っている。夏服のセーラー服を着て、足首と、後手に回された手首にはガムテープが巻かれていた。口にもガムテープが当てられ、目はきつく閉じられている。汗で額に貼り付いた前髪や、短めのスカートから覗く脚が嫌でも目に入った。そしてこの名前も知らない女の子は、見れば見るほど  さんとしか思えなかった。顔や髪型、身体つきも全く同じだし、着ているセーラー服も僕の母校のものだ。
 十年以上前の、僕の初恋の人が今、僕の目の前にいるのだ……。
「知らない? 名前知ってるのに、知らない訳ないよね?」
「ほ、本当に知らないんです……ただ……昔の知り合いに似ていて……」
 男は不審そうな目で僕を見ながら眼鏡を直した。
「嘘言っちゃあいけないよ。僕逹がこの子を拉致した時、『  さん!』って大声で叫んで飛び出してきたじゃない」
「ストーカーなんじゃないですか?」運転席の男がバックミラー越しに僕たちを見ながら言った。ハンドルを握っている腕が太い。バックミラーに映った目はやけに大きく、爬虫類の様にぎょろぎょろしている。この男は、目の前の教授風の男よりもひと回り程度は若いようだ。「今思い出したんですが、こいつ女の子が店を出た時に後をつける様にこそこそと出てきたんですよ。彼氏って訳でもなさそうだし、もしかしたら同業かもしれないっすよ」
「ち、違います……僕はやましいことは……」
「いいから知ってることを言いなさいよ。コトが終わったらなるべくわからないようにして棄てたいんだ。そのためには、この娘の個人情報は多ければ多いほどいい。協力しないと、屍体が増えることになるよ」
 教授風の男が静かに凄んだ。
「ほ、本当に知らないんです! たまたま店で見かけただけで、その……昔好きだった人に、あまりにもそっくりだったから、思わず後をつけてしまって……」
「……昔? 結構歳が離れているように思うけどね」
「は、初恋の人です。高校の頃の転校生に一目惚れして……以来ずっと好きなんです。だから、思わず本人が目の前に現れたのかと……」
「苦しい言い訳だね……」教授風の男は笑みを消し、腕組みしながら僕を睨んだ。あまりセンスの良くない柄のシャツの裾がぱんぱんに張っている。歳は五、六十代に見えるが、爬虫類の様な男と同様にかなり鍛えているらしい。「君がいくつだか知らないけれど、高校生の頃なら十年……もしくはそれ以上前の話だよね? どう考えてもおかしいでしょ。タイムスリップを本気で信じているのならともかく、普通はそこまで思いが続かないか、間違えるにしてもせいぜい君と同い年くらいに成長した彼女を想像するでしょ? 目の前に高校生の頃好きだった人が制服のままそっくりそのまま現れたから、思わず後をつけて、危険な目に遭いそうになったから名前を叫んで飛び出した? 僕たちをあまり馬鹿にしちゃあいけないよ」
「本当なんです……ずっと……ずっと妄想していて……」
「妄想?」
 教授風の男が腕組みをしたまま話の続きを促した。
「高校の頃から……ずっと彼女で妄想しているんです。忘れたことなんか一日もありません。僕たちが付き合っている設定で、いろんな妄想をしていました。本人は今どこで何をやっているのか全くわかりませんが、僕の頭の中では、まさに目の前のこの娘と……いやこの娘で!」
 僕が言い終わると同時に、運転手の男が笑い出した。
「つまりズリネタにしてたってこと? 十年以上も一人の女を? ふはははは! すごいよあんた、本当だったら完璧に変態だ」
 教授風の男の腕が唸りを上げて、拳骨が僕の顔に飛んできた。僕は一瞬で吹っ飛ばされ、スライドドアの内壁に頭をしたたかに打ち付けた。痛みは感じないが、視界が船酔いした様にぐらぐらしている。口の中が鉄っぽくなり、吐き出すと血にまみれた歯が二本出てきた。
「あまりふざけていると、僕も怒るよ」
 教授風の男が女の子をまたいで僕の髪の毛を掴む。腰が抜けて立てない僕の頭を、そのまま力任せに壁に叩きつけた。殺される、と僕は思った。無意識に小便を漏らしていたらしく、太ももの内側に嫌な生暖かさが広がって行く。遠くでくぐもった声が聞こえた。教授風の男が僕の頭を叩きつけるのを止める。ほとんど見えなくなった視界の隅に、頭だけ起こして目を見開いている女の子の姿が見えた。
「んー! んんー!」
 女の子は必死に首を振っている。口元は隠れれいるが、表情は恐怖に引きつっていた。教授風の男は僕の顔を女の子の前に突き出すと。女の子の口元を覆っていたガムテープを外して、「この人……知り合い?」と聞いた。女の子は僕の顔と男の顔を何回も交互に見ながら、震える声で「……いいえ」と言った。
 その声はまさに  さんの声だった。

 男二人は雑木林の中に車を駐めると、  さんの足首を縛っていたロープを外して、僕と一緒に車の外に出した。両手足を縛られた僕は土の上に転がされ、夏の湿った土の匂いが強烈に鼻を突いた。
「全部話すとだね……」教授風の男が黒い手袋を嵌めながら言った。「僕たちはいわゆる強姦魔なんだ。それも、少し特殊な……ね。女性がいたぶられ、苦しむ様子に異様に興奮を覚える……。普段は同好同士がネット上のコミュニテイ内で同意の元に擬似的なプレイを楽しんでいるんだけど、たまには本物を味わいたくなるのが人間だ。今日は、いわゆるオフ会だね」
 教授風の男は爬虫類似の男に聞こえないように僕に耳打ちした。爬虫類似の男は  さんの手首を縛っていたロープを解くと、  さんの背中を自分の胸に押し付けるようにして羽交い締めにしている。白目と、剥き出しになった歯が、暗闇で異様に光っていた。
「さて……始めようか?」
 教授風の男が  さんに歩み寄る。爬虫類似の男の口角がつり上がり、  さんの歯がカチカチと鳴った。
「な……何をするんで––––」
   さんが言い終わらないうちに、教授風の男の拳がずぶりと  さんの腹部を抉った。
「––––うぶぅッ?!」
 僕は目を見開いてその光景を見ていた。背中を逸らされ、スカートとめくれ上がったセーラー服の上着の間には白くしまった生腹が見えていた。そこに男の黒い拳が一切の容赦無くつき込まれたのだ。  さんは一瞬で目を倍以上見開いたかと思うと、自分の腹部を覗き込むように首を下に折った。
「……うぇっ。『管理人』さん、ちょっと手加減してくださいよ。俺にまで衝撃が来たじゃないですか……」
 爬虫類似の男が顔をしかめながら管理人(男のハンドルネームか?)に言った。  さんは顔を下に向けたまま、びくびくと痙攣している。たった一撃で失神したのだろう。あの爬虫類似の男の身体から考えて、腹筋もかなり鍛えているはずだ。その男が華奢な  さんの身体越しに受けた衝撃に顔をしかめている。では、その衝撃をまともに受けた  さんのダメージは、どれほどだったのだろうか……。
「『ヒスイ』さん、顔を上げさせて……」管理人がヒスイに命じた。興奮しているのか、声が少し上ずっている。
「あ……ぁ……」
 ヒスイに顎を掴まれ、無理やり上を向かせられた  さんの顔は正視に耐えなかった。口は喘ぐように大きく開き、両目は大粒の涙を流しながらどこを見ているのかわからないほど虚ろになっている。口の周りは泡立った唾液でべとべとになって、ナメクジの背のように光っていた。
 どぶん……と砂袋を地面に落としたような音が響いた。
「ゔぅッ?!」
 幼さが残る  さんの悲痛な声が絞り出される。管理人がまた  さんの華奢な腹に拳をめり込ませたのだ。今回は先程に比べて大分手加減したようだが、それでも  さんは身体を仰け反らせて苦痛に身体を震わせていた。
「うッ……ッ…………うぐッ……あぁ…………」管理人は  さんの生腹から拳を引き抜かずに、嬲るような苦痛を与え続けていた。ヒスイも今回は身体への衝撃が無かったのか、  さんの反応を楽しむように覗き込んでいる。
「おッ……うぐッ…………おぶぅッ!?」
 管理人は突き込んでいた拳を、力任せに  さんの腹の奥に押し込んだ。  さんはびくりと身体を跳ねさせると、一際大きな悲鳴をあげた。だが、管理人の責め苦はそれで終わらなかった。教授が奥に突き込まれた拳を引き抜くのとほぼ同時に、  さんの鳩尾を突き上げたのだ。
「んごぉッ?!」
 先程までとは質の違う悲鳴が  さんの口から発せられたかと思うと、  さんの全身から力が抜けた。再び失神したようだ。  さんはヒスイの羽交い締めによって、皮肉にも顔から倒れ込むのを防がれている。
「うーん……かなり良いね。ちょっと交代だ。やっぱり歳だねぇ」
「何言ってるんですか。ものすごい衝撃で、俺ごとやられてるのかと思いましたよ。というか、今回はかなり良いんですか?」
「良いなんてもんじゃない。たいていは泣くわ喚くわで大騒ぎだし、酷いといろいろ垂れ流しで大変なんだ。向こうも必死だから、下手するとこっちも怪我するしね。今日みたいに綺麗なプレイは滅多に無いよ」
「そ、そうなんすか……かなり迷ったんすけど、思い切って申し込んで良かったぁ……」
 管理人がタオルで汗を拭き終わると、ヒスイと同様に女の子を羽交い締めにした。
   さんの制服は上着やスカートが汗で肌に張り付き、胸や太ももの付け根の身体のラインがしっかりと出ている。そしてその顔は、やられていることは暴力なのだが、まるで激しい性交の直後に絶頂に打ち震えている様にも見えた。
 憧れの  さんが、目の前で全身汗だくになりながら、快楽に身悶えている……。
 両手足を縛られていた僕は無意識のうちに、股間を地面に擦り付けていた。
 ヒスイの攻撃の最中、僕のその様子を目ざとく見つけた管理人は「そろそろ第一ラウンド終了だから、一発だけやらせてあげるよ」と僕に言った。
 ヒスイが満足した後、管理人の言葉通り僕は縄を解かれて  さんの前に立たされた。ヒスイに羽交い締めにされ、虚ろな目で喘いでいる  さん……。おそらくヒスイが拘束を解いたら倒れ込んでしまうだろう。その  さんの腹に、僕は恐る恐る拳を埋めた。蚊の止まる様な一撃だったと思うが、力なく弛緩した  さんの腹部に僕の拳はずぷりと吸い込まれていった。それはなんとも言え無い感触だった。他の何にも例えようの無い感触。僕の拳が湿って熱を持った腹部の皮膚にめり込み、筋繊維をかき分けて内臓に僅かながらに触れる。  さんの”中身”に、僕は一瞬触れたのだ。
 ヒスイが手を離し、  さんを乱暴に仰向けに寝かせた。失神した  さんは目を閉じ、乱れた髪を直すことも出来ずに体を投げ出している。めくれ上がったセーラー服の上着からは、痛々しく赤く腫れあがった腹部が見えていた。僕は強烈な快感を感じて、無意識のうちに  さんを殴った手で男性器をしごいていた。見ると、教授やヒスイも同じように自らの男性器をしごいている。僕たち三人はほぼ同時に達し、  さんの制服に染みを作った。

 いくら広いハイエースの後部座席とはいえ、四人も入ればかなり狭い。隅には未開封のミネラルウォーターのペットボトルが五本置かれている。その脇には漏斗と、大量のタオル。そして中央には、失神した  さんが寝かされていた。  さんは仰向けの状態で丸めた布団を腰の下に入れられている。自然と背中を反らされてた格好になる。そして両手は丸めた布団の中に入れられ、手首には手錠を嵌められていた。
 その手錠は、僕が嵌めたものだ……。
「水ってのは不思議だね……」管理人がボルヴィックを飲みながら言った。「無くなっちゃうと動物も植物も生きてはいけないけれど、大量にありすぎると洪水やら長雨やらでみんなダメにしてしまう。命を育んだり奪ったり……気まぐれなやつなんだよ、水ってやつは」
「僕は……」僕は異様に喉が渇き、渡された水を一気に飲み干していた。股の間がぬるぬるして気持ち悪い。「僕は……どうなるんですか?」
「どうもしないさ。ここまで来たら僕たちはもはや同類だ。仲良くしよう。君はあの娘が苦しむ様を見て興奮しただろう?」
「それは……」
「恥ずかしがるなよ。わかるさ。自分が異常だって認めるのは辛いよな」ヒスイが携帯をいじりながら言った。「でも、同じように異常なやつらが百人もいれば、それは異常じゃあない。俺も管理人さんが運営してるコミュニテイサイトに出会うまでは独りで悶々としてたもんさ。それからは、人生が随分と楽になったよ。今までは生きているのか死んでいるのかわからないような人生だったけれど、仕事にも精が出るし、半年かけて 今回のオフ会の参加費を稼ぐこともできた。管理人さんは俺の命の恩人さ」
 管理人は満足そうに頷いた。
 狂っている……と僕は思った。
 なにが命の恩人だ。
 やっていることは拉致監禁暴行の立派な犯罪じゃないか。確かに僕はあの時強い興奮を覚えたが、今では強く後悔している。なんでこいつらは薄ら笑いを浮かべているんだ。
「逃げたければ逃げればいいさ」管理人が言った。「それで通報でもなんでもすればいい。でも、よく覚えておくことだ。君はあの娘の制服に大量に射精している。鑑識が調べれば、僕達以外に君の体液も間違いなく検出される。言い逃れはできないよ。よく考えることだ。さっきも言った通り、君が望むにしろ望まないにしろ、君は僕達と同類だ」
 空が白み始めていた。
 管理人が目配せをすると、ヒスイがペットボトルの水を  さんの顔にかけた。  さんはむせながら目をさますと、仰向けに拘束された自分の姿に驚いていた。管理人が  さんの口に蛇のような速さでプラスチック製の漏斗を押し込む。それと同時にヒスイが水を一気に漏斗に流し込んだ。
「んぐッ……?! んんんんんん?! がぼッ?!」
 水責め。
 強制飲水。
 水と、簡単に拘束できる道具があれば、相手に死の恐怖を感じさせるほど猛烈な苦痛を与えることが出来る凄惨な拷問だ。
 ごぼごぼと音を立てながら、何度も  さんの喉が蠢いた。意思に関係無く、無理やり水が飲まされている。  さんは目を大きく見開いて足をばたつかせながら、必死に漏斗を外そうとしている。
 二リットルの水が数十秒で空になった。  さんの胃のあたりがわずかに膨らんでいる。
「げほっ! げほっ! は……うえっ……あ……ああぁ……」  さんは漏斗を外されると、焦点の定まらない目で虚空を見回した。
 ぼじゅん……という水袋を殴るような音が、ハイエースの車内に響いた。
 管理人がハンマーで杭を叩くように、  さんのわずかに膨らんだ腹部に拳を叩き込んだのだ。
「ひゅぐッ?! うぶえぇぇぇぇぇ!!」
   さんは殴られた瞬間、かっと目を見開くと、喉を蠢かせたまま噴水のように水を吐き出した。管理人は何度も何度も、最後の一滴まで絞り出すように  さんの腹に杭打ちを続けている。その度に  さんは痙攣しながら吹き出させた。呼吸ができていないのだろう。目を覚ましたばかりの  さんの瞳はすでに裏返っている。
「がっ……あっ……あぁ……ああぁ…………」
   さんは全身を濡らしたまま、声にならない声を発している。ばちゅん……ばちゅん……と湿った袋を打つような音が一定の間隔で響いた。  さんは空っぽになった胃を責められ続け、虚ろな顔を晒している。


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 反応が完全に無くなった頃、ヒスイが漏斗を  さんの口に押し込んだ。されるがままだった  さんの顔が恐怖に引きつる。先ほど受けた苦痛がトラウマになっていたらしい。必死の抵抗も虚しく、ふたたび二リットルのペットボトルは空になり、水袋打ちが始まった。ペットボトルは、あと三本あった……。

 管理人とヒスイが交代で仮眠を取った後、僕たち四人は車の外に出た。  さんは呼吸はしているものの自分の力では動くことも出来ず、管理人に抱えられるようにして車内に出ると地面に寝かされた。顔色は、そこまで悪くないようだ。
 管理人とヒスイはコンビニで買ったらしいパンを齧っている。
 二人は僕にも一つくれようとしたが、断った。物を食べられる心境ではなかったし、こいつらの僕に対して馴れ合うような気持ちを受け入れることが出来なかったからだ。
 じわじわと気温が上がっている。
 木々を見上げると、昨日の夜から今までのことが幻のように感じられた。だが、視線を下に戻すと、現実の  さんが倒れていた。
 絶対に通報してやる。
   さんをこんな目に遭わせたた男どもに制裁してやる。
 もう捕まろうがどうだっていい。
 おそらくどこかの場所で、僕と  さんは解放されるだろう。そしたら二人で警察に行くんだ。全て正直に話をして、さらなる被害者が出ないようにしなければ。
 ヒスイがどうしても眠いと言い、その場に座り込んでしまった。
 管理人は  さんを起こしている。
 ふらふらだが、なんとか立つことが出来るまでには回復したらしい。
   さんは管理人に腰と手首を持たれて、僕に背中を向けて抱えられるようにして立っていた。
 頭をはっきりさせようとしているのか、嫌々をするように首を振っている。
 嫌ぁ! という声がはっきりと僕の耳に届いたと同時に、ぱんと破裂音が木々の間に響いた。
 ヒスイの身体がビクリと跳ね、ガクガクと痙攣した後に動かなくなった。
 なんだ……何が起きているんだ……?
 管理人と  さんが僕の方を振り向いた。
 背後にはヒスイが頭から血を流して、身体を地面に投げ出している。
   さんは歯を食いしばり、両目からは大量の涙を流していた。
 その右手には……管理人が掴んでいる手首の先には、ピストルが握らされていた。
「通報するならすればいい……この人殺しが……」管理人が言った。引き金に乗っている  さんの人差し指に、管理人の指が重なる。「次はあの男だ……」

こんばんは。
今回はシャーさんのキャラクターをお借りして短編を書いてみました。
現在、病気で三十分程度しか机に座ることができない状態なので、かなりの突貫作業となっております。設定や描写などグダグダになっていますが、暇潰しに読んでいただけると幸いです。

では、どうぞ↓













「本物みたいね……」カスミ・F・ミカーニャがスチールラックから抜き取ったファイルをパラパラとめくりながら言った。明るい紫の瞳は細かく書かれた化学式や、人名のリストを素早く追っている。「『ヴェノム』に関する資料……合成方法や流通経路が書かれている……でも妙ね……化学式が既存の『ヴェノム』と少し違う……」
 薄汚れた小さな部屋だ。
 生活感は無い。
 三人掛けのソファに、広い作業机。天井から吊るされた裸電球がオレンジ色の光を放っている。外界と繋がるものは、ドアと開け放たれた窓だけだ。そこから隣接した工場が発する騒音と、不快な湿気が部屋の中に流れ込んでいる。
「やっぱり! じゃあ情報は正しかったんですね!」ミリィが両手を胸の前で握りしめながら言った。黄色い目が輝いている。初めての任務が成功しそうなので、興奮しているのだろう。ミリィのショートカットに切りそろえられた癖の強い金髪の一部が跳ね上がり、まるで猫の耳のように見えた。
「そうね……」カスミがファイルを作業机に置くと、顎に指を当てて足元を見た。紫色の長い髪が頬の横からさらさらと垂れる。
「早く報告しに帰りましょうよ! 証拠は十分ですよ」
「待って……おかしいと思わない?」
 カスミはミリィに背を向けて壁際に移動すると、破れた壁紙を人差し指でなぞった。
「『ヴェノム』は今、世間で大きな問題になっている合成麻薬よ。人間の脳のリミッターを解除して、人を怪物に変えてしまう恐ろしい薬物……。『ヴェノム』があれば、人は武器無しでも殺人や犯罪がたやすく行えるし、たとえ逮捕したとしても、専用の檻でなければ簡単に破壊されてしまう。人間の肉体が武器なのだから、もちろん探知機にもかからない……」
「先日起きたハイジャック事件も、『ヴェノム』を服用した上での犯行でしたね……」
「そう……そんな大問題を起こしている合成麻薬が、こんな小さな場所で作られていると思う? 工場とまでは言わないけれど、ここには試験管一本無いのよ」
 カスミがいつもの静かな口調で言うと、身につけているレオタードのような『ヴェノム特捜班』の制服の肩口から指を入れて、たるみを直した。つられてミリィも腰からお尻にかけての布を引っ張った。
「嫌な予感がする……」カスミがぽつりと言った。「今回のタレコミは誰が……?」
「それが……よくわからないんです」
「……よくわからない?」
「はい……私が午前のパトロールを終えて帰ると、机の上に指令書の入った封筒が置かれていて……装備を整えて、カスミさんと一緒に今夜ここへ出動するようにと……。極秘任務と書かれていて、カスミさん以外の人への口外を禁ずるとも書いてあって……」
 瞬間、金属質な音が部屋に響いた。
 開け放たれた窓が鉄板で塞がれている。
 窓と壁の間に仕掛けがあったのだろう。
 部屋を満たしていた工場の稼動音が極端に小さくなった。
 がちゃり。
 ドアが開く。
 見上げるような男が部屋の中に入ってきた。
 国籍がわからない異様な男だ。ジーンズにタンクトップというラフな格好だが、筋肉が盛り上がり、白目が見えないほど充血している。典型的な『ヴェノム』中毒者の症状だ。
「シシシシ……」と男は笑うと、ドアノブを手で引きちぎった。部屋は、完全に外界から遮断された。
「あ……う……うあぁぁぁぁ!」
 ミリィが男に向かって突進した。
「ミリィ、待って!」
 カスミが慌てて止める。しかしミリィは天性の瞬発力で男との距離をぐんぐんと縮めた。
「にゃあッ!」
 ミリィがジャンプしながら男に拳を放った。
 肉のぶつかる音。
 ミリィの拳は男のグローブのような手で受け止められた。
「あぅ?!」ミリィが驚愕の表情を浮かべる。次の瞬間、ミリィの拳から枯れ枝が折れるような音が響いた。
「あああああぁッ?!」
 ミリィが右手を抑えてうずくまる。男に握りつぶされた拳が、ありえない形に変形していた。
「あぁぁ…………ん…………んぎぃッ!」
 ミリィが大粒の涙を浮かべながらも、立ち上がって左手で男の顔面めがけて拳を放った。男の丸太のような腕がそれを止める。ミリィの表情が絶望に変わったと同時に、巨大な噴石が地面に落ちる様な思い音が響いた。
「んぶうぅぅッ?!」
 男は、一瞬のうちにミリィの鳩尾と下腹部に、ほぼ同時に拳を埋めた。それは恐るべき速さと重さだった。ミリィのレオタードは殴られた部分がそのままクレーターの様に陥没し、男の指の形がくっきりと分かるほどその形状を維持していた。
「ごぶッ?! ふッ……んぐ……ぉ……」
 ミリィは自分の腹を抱く様に両膝を着くと、しばらく焦点の合わない目で地面を見て、そのまま顔から床に崩れ落ちた。ごん……とミリィの額と床がぶつかる大きな音が、しんと静まり返った部屋に響く。ミリィは尻をカスミに向けて突き上げたまま、ピクリとも動かなくなった。
「ミ……リィ……?」
 カスミは理解不能な手品を見せられた様な表情で、男とミリィを交互に見た。ミリィは経験こそ浅かったが、その優れた運動神経で格闘術は常に優秀な評価を受けていた。そのミリィが、たかだか三十秒ほどで無様に失神させられたのだ。男に傷一つ付けることなく。
「くっ……!」
 カスミが身構える。
 男が薄笑いを浮かべたまま、ゆっくりとカスミに近づいた。
「ふっ……ふっ……ふうっ……」カスミの呼吸が速くなる。やれる……と自分に言い聞かせた。『ヴェノム』は筋肉のリミットを麻痺させるが、身体の痛みや反射までは麻痺させることはで出来ない。急所を突けば効果はあるはずだ。そのための訓練も受けてきた。いけるはずだ……と。
 男がカスミの目の前に迫った。カスミが見上げるほどの体格差だ。男は明らかに挑発している。ノーガードで薄笑いを浮かべていた。
 カスミは歯を食いしばり、ふッ! と短く強い息を吐くと、男に攻撃を繰り出した。狙いは鳩尾。カスミの小さな拳は正確に男の鳩尾を突き刺した。いける……と思った。男が油断しているうちに、一発でも多くの攻撃を当てる。腰をひねり、威力を乗せた一撃を何発も……。
無呼吸で十数発放ったカスミの突きは、すべて男の鳩尾に突き刺さった。それは常人であれば、一撃で失神させるに十分な威力を持っていた。
 男は、変わることなく薄笑いを浮かべていた。
 カスミは荒い息を吐きながら、みるみる表情が青ざめていった。
「くはッ……! はぁ……はぁ……」
「シシシ……」男は笑いながら、カスミの身体を血走った目で舐める様に見回した。「ココ……殴ラレると……苦しイよなァ……鳩尾……シシ……ナァ?」
 ぐずん……という不気味な音が部屋に響いた。男が言い終わると同時に、男の右腕が空気を切るような音を放った。次の瞬間、丸太の様な男の腕の先にある、暴力的に角張った鉄塊の様な拳。それが半分ほど、カスミの鳩尾にめり込んでいた。
「ふぅッ?!」
 カスミのすぼめられた口から、肺の中の空気が全て、強制的に吐き出された。

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「う……ぅ……あ……?」
 鳩尾を突き込まれた衝撃で、カスミの長い紫色の髪が跳ね上がり、はらはらと背中に降り注いた。一瞬の出来事だった。カスミは何が起こったかわからず、収縮した瞳で男の拳が埋まっている自分の鳩尾を成す術なく見ていた。
「苦しイよなァ? 鳩尾……殴られルと……?」
「う…………んぐぅッ!?」
 男に自分がされたことを言われた瞬間、猛烈な苦痛がぞわぞわと足元から脳天に駆け上がった。カスミは腰から下が無くなった様な感覚を覚え、糸の切れたマリオネットの様に両膝を地面に着いた。
「がふッ……ふっ……んぐあぁぁッ……」
 ずるずると力なくお尻を着いて座り込みながら、ボールを抱える様にしてうずくまる。普段は冷静で物静かなカスミがここまで濁った悲鳴を上げるのは初めてだった。
 男はカスミのレオタードの胸元を掴むと、強引にカスミを立ち上がらせた。わずかに背中を反らされ、小さな臍と、うっすらと割れた腹筋がレオタードに浮かんでいる。
 男は口の端を釣り上げると、その臍を目掛けて拳を突き込んだ。どん……という大砲を撃った様な重い音が響き、カスミの身体が電気ショックを受けた様に跳ねた。
「ゔッ?! う……うぐぅあぁッ?!」
 カスミは全くガードすることが出来ず、男の慈悲の無い一撃を腹部に受け入れざるを得なかった。男は拳のモーションが全く見えない速さでカスミの腹をえぐり、すぐに引き抜く。カスミのレオタードには男の骨ばった拳の跡が隕石が落ちた跡の様にくっきりと残り、痛々しく陥没していた。
「が……かふッ……ッは……あぁ……」
「手カゲン……タらなかったか……?」
 男は痙攣するカスミを見下ろす。カスミは男に抱きかかえられる様に背中を支えられ、半分以上瞳がまぶたの裏に隠れている。口元からはだらしなく舌が飛び出し、唾液が糸を引いて地面に落ちていた。
 ずぶり……という水っぽい音が嫌に長く響いた。
「んぐうぅぅぅッ?!」
 男はカスミの腹にスタンプを押す様に、ゆっくりと拳を埋めた。ずぶ……ずぶ……と一定の速さでカスミの鳩尾、臍、下腹部、子宮へと拳が突き込まれる。そのスピードは決して早くはなかったが、想像を絶する圧力だった。プレス機の様な力で何度も何度もカスミの腹にピストンが打ち込まれ、その度にカスミの腹は痛々しく陥没した。
「ゔあぁっ! ぐぶぅッ! ゔえぇ……んぐぅぅッ!」 
 既にカスミのレオタードは胸から下がボロボロに破れ、素肌が露出している。もともと色白な肌には痛々しく痣が浮かび、汗や唾液が裸電球の光を反射していた。
 男は満足したのか、カスミを支えていた腕を離すと、空を切る音と共に見えない速度でカスミの鳩尾をえぐった。ずどん……という炸裂音を、カスミは遠のく意識の淵で聞いた。
「ふぐぅッ?!」カスミの目が限界まで見開かれる。すぼまった口が、そのまま何かを伝えるように何回か開いたが、ついに声は発せられずに床へ崩れ堕ちた。既に意識が飛んでいたのか、受け身を取ることなく頭蓋骨と床がぶつかる音が部屋に大きく響いた……。



 
「先輩! 大変です! これ見てください!」
 ぱたぱたと駆けてくる足音に、呼ばれた捜査員が振り返った。
「どうしたの? そんなに慌てて?」
「ご……極秘の指令書が、私の机の上に置かれていて」
「極秘……?」
「はい、行方不明になったカスミ捜査官とミリィ捜査官が、工業地帯の民家に捕らえられているとの情報があるそうです。情報漏えいを防ぐために、先輩と二人だけで捜査せよとのことで…………」

 窓際に置かれた観葉植物には、うっすらと埃が積もっていた。冬の弱い朝日中で、それはまるで薄く積もった雪のように見える。
 壁に掛けられた時計は丁寧に時を刻んでいた。 一秒一秒、確実に現在を過去へと押しやっている。
 出窓から外を覗くと、灰色の雲が強い風に押されて北へと流されてゆくのが見えた。枯れた芝生と高い塀。
 僕はメガネを外してTシャツの裾でレンズを拭くと、部屋の中央に目をやった。ピッ……ピッ……という定期的な電子音は、この小さく白い部屋には不釣り合いに思えた。姉を乗せたベッドのシーツは、今朝取り替えた時と同じく皺ひとつ付いていない。それは、姉が身動き一つしていないことの証拠だった。部屋は独特の匂いがした。漂白剤のような匂いに、かすかに排泄物の匂いが混ざっている。中央のベッドには、異様なほど小柄な姉が寝ていた。
 小柄?
 首から下のブランケットは正方形に膨らんでいる。
 姉はどちらかといえば、女性にしては大柄だった。身長は百七十センチを超えている。その姉が小柄だと?
 姉は無表情で目を瞑り、少しだけ開いた唇からわずかに白い前歯が覗いている。
 その首から下は正方形。
 姉には、四肢が無かった。
 あの日、僕が発見した時、姉の四肢は失われていた。あのすらりと伸びた脚や、優しいぬくもりを感じる腕が無くなっていた。失われてしまっていた。傷口からは生暖かい血が未開の地の水源の様に流れていた。僕はそれを必死に押さえ、目を閉じた姉の名を呼び続けた。
 その表情は一ヶ月たった今でも変わらなかった。身体中を管まみれにして、姉は静かに眠っていた。鼻から通されたチューブにつながる人工呼吸器からは、定期的に空気の漏れる音が聞こえた。

「延命治療?」と僕が聞いた。医者は神妙な顔をして頷いた。
「お姉さんはもはや自力で生命維持活動を行うことはできません。私達にできることは、その命を伸ばす手段を提供するだけです。残念ながら……」医者は目を逸らしながら僕に言った。「身体的な損傷に加え、精神的なショックも相まって、お姉さんの容態は深刻です。原因はわかりませんが、身体が生き続けることを諦めているような……」
「……詩的な表現ですね」
「そうとしか思えません。手の施せるところは施しました。あとは……お姉さんの生きるための意志にかけるだけです」医者は壁にかかっているレントゲンを見た。「両手足の欠損以外は、目立った外傷はありません。壊死や感染症は見受けられず、栄養状態も良好です。しかし、自発呼吸は止まっており、心臓もペースメーカー無しではすぐに細動を起こしてしまう」
「生きるのではなく……生かされていると?」
「……そうです。緊急で人工呼吸器を取り付けた時に説明しましたが、あれは本人の意思に関係なく、強制的に肺に空気を送り込むものです」
「……つまり?」
「意識のある人間なら、そのすさまじい苦痛からすぐに外してしまいます」
「そんなもの……」僕は言った。視線の先には力なく握られた僕の手があった。「機械と同じじゃないですか」
 医師は何も言わず、軽く咳払いをするとシャウカステンの電源を切った。僕の嗚咽を遮るように部屋から出て行くと、代わりに看護婦が僕の肩に手を置いた。見事な役割分担だ。おそらくこの様な状況は過去に何千、何万と繰り返されてきたのだろう。僕はその中の不特定多数のひとつに過ぎないのかもしれない。

 僕は迷った末、医師に延命治療の延長を依頼した。少しでも姉が回復するのであれば、その望みに賭けたかったからだ。施設で育った僕と姉は、お互いたった一人の肉親だ。離れられるわけがない。そんなこと……想像すらできない。まだ僕と姉が物心つく前、雪が降りしきる真冬に僕たちは施設の入り口に棄てられた。僕たちを産んだ人間は、安物のベビーカーに僕たちを折り重ねるように押し込み、申し訳程度の毛布をかぶせて何処かへと消えた。職員が見つけた時は、僕たちは瀕死だったらしい。僕はともかく、僕に覆いかぶさっていた姉は凍傷で右足の小指と薬指を切断した。もっとも、その足ももう無いのだけれど。
 姉は、完璧だったはずだった。
 指さえ失わなければ、姉は完璧に美しいままでいられたはずなのに。
「いいのよ」と姉が言った。僕ははっとして姉を見る。姉の口は閉じられたままだ。「いいのよ。好きにしても」
「出来ないよ」
 姉は相変わらず口を閉じたまま僕に語りかけた。その声は人工呼吸器の音に混じって消え入りそうなほど小さかった。
「我慢が出来ないのでしょう? 私が美しくないことが。何を迷っているの? 私たちはずっと一緒だったじゃない。また元のようにひとつになるだけよ」
「でも、そしたら姉さんが……」
「私は構わないわ。だって、本当ならあの冬の日に死んでいたんですもの」
「でも……」
「なら言い方を変えるわ。返してちょうだい。私の美しい身体を。見て。今ではこんなに不完全になってしまった」姉は相変わらず身体のどの部分も動かさず、美しい屍体の様にベッドに横たわっている。人工呼吸器の音が嫌にはっきりと僕の耳に届いた。「もう一度綺麗になりたいのよ。それが目的だったのでしょう? あなたもそれを望んでいるのなら、こんな中途半端なことはやめなさいよ」
「…………わかったよ」
 僕は自分にしか聞こえない声で呟くと、仰向けで姉のベッドの下に潜り込んだ。そこには、あの日姉の四肢を切断したノコギリがガムテープで貼り付けてある。ベリベリと音を立ててそれを外す。ベッドの下から這い出て、あらためてそれを見た。丁寧に姉の血を洗い流していたため、錆などは浮いていない。
「本当にいいの?」僕は聞いた。姉の目と口は閉じられたままだ。
「いいと言っているでしょう?」
 僕は姉の首にノコギリの刃を当てると、首に押し付けるように力を入れて引いた。ぶち……ぶち……という繊維の切れる音。姉は美しく痩せていたが、それでも女性特有の皮下脂肪がある。僕は何度かTシャツで刃を拭きながら、ごりごりと姉の首の骨を削った。
「がんばって、もう少しよ。ほら、また切れなくなってきたわ」
 姉が応援してくれる。
 僕は三十分以上かけてようやく姉の首を切断した。人工呼吸器は相変わらず強制的に姉の口から空気を送り込んでいる。赤い喉元からぶくぶくと気持ちの悪い血泡が溢れていた。姉は血塗れの顔で目を見開き、口元に管を通されたまま行き場のない空気を送り込まれている。まるで破れたボールに一生懸命空気を送り込んでいるような滑稽さを感じて、僕はそれが姉の頭部でなければ笑い転げていたかもしれない。
 死んだ瞬間から、姉からは、美しさの名残すら失われていた。
 美しさの名残……。
 凍傷で右足の小指と薬指を失った姉には、まだ美しさの名残があった。
「だからバランスをとったのよ」僕が言った。その声は不思議と姉と同じ声だった「指がなければ、足が無ければいい。でも、右足を切断すると、左足が邪魔になった。左足を切断すると、今度は腕が邪魔になった。シンメトリーにならなかったのよ」
 僕は姉の声で姉に話し続けた。姉は「その通りだわ」と言った。
「でもやっぱりダメだったじゃない! 首を切断しても、やっぱり美しくないわ! もう……最後の手段しかないじゃない! 姉さん一人でシンメトリーになれないのなら、僕が手伝ってあげるわ。最初に戻るだけよ。初めから、僕たちはひとつだったのだから……」
 僕はベッドに登り、姉の横に座った。ベッドは姉から流れ出た液体で暖かかった。僕はノコギリの刃を自分の左腕に当て、力を込めて引いた。
 ごり……ごり……ごり……とすん。
 左腕がベッドの上に力無く落ちた。次は左脚に取り掛かる。姉は相変わらず「がんばって、がんばって」と声をかけてくれた。僕は次第に朦朧としてきた意識を頭を振ってごまかし、なんとか左脚を切断した。
 ごり……ごり……ごり……ごり……。
 それはとても、文字通り骨の折れる作業だったが、なんとかやり遂げることができた。姉の応援のおかげだ。僕は準備していた針と糸を取り出すと、震える手で姉の左肩と左の股関節に僕の左腕と左脚を縫い付ける。僕の右手は氷のように冷たくなっていた。それは僕に棄てられた日の寒さを思い出させた。霞む頭と震える手で姉に僕の手足を縫い付ける作業は過酷を極めたが、大好きな姉のために気持ちを奮い立たせた。
 僕は短く速い呼吸をしながら、姉の右隣に仰向けで横になった。姉の失った右手脚に僕の左側の傷口をくっつける。傷口を通して姉の血液と僕の血液が混ざり合い、ようやく本当にひとつになれた気がした。今の僕たちの姿を想像する。お互いが失った部分同士を補い、その姿はとても美しく完璧に見えるはずだ。僕は安堵からか、とても眠くなった。
「まだよ」と姉が言った。「わかってるよ」と僕が言った。
 僕は最後の力を売り絞って、僕の喉にノコギリの刃を当てた。

 シオンが錆び付いた施設の門をくぐると、風の音が止んだ。施設に続く煉瓦道には雪がうっすらと降り積もっている。建物の窓からはかすかに明かりが漏れていた。視線を煉瓦道に落とす。雪が積もり始めた煉瓦道には二人分の足跡がかすかに残っていた。
「……ん?」シオンは二つに結った長い金髪を手櫛で梳きながら首をかしげた。「何でしょう……この違和感は……?」
 シオンはしばらく建物を睨む。特殊繊維で出来た戦闘服のおかげで寒さはほとんど感じないものの、建物が近づくにつれ、シオンは背中に甲虫が何匹も這い上がっている様なちくちくとした嫌な錯覚を感じていた。何か妙な感じがしたが、正体がわからない。
 特別養護孤児院「CELLA」は写真で見た通り、シンメトリーの美しい外観だった。建物自体の痛みもほとんど無い。
 殺人か、それに準ずる罪を犯した十歳前後の子供のみを保護観察していた施設。社会の暗部を凝縮したようなこの施設は、数年前まで世間から隠されるようにこの森の中で確かに運営されていたのだ。誰の目にも触れることなく。幼くして殺人という罪を犯した蓮斗や木附姉妹、その他の子供達と一緒に。
 シオンは美樹と別れた後も、様々な手法や、時にはそれなりの金を使って蓮斗の犯行やCELLAについて調べた。
 CELLAの運営は専門に設立された国営企業が管理していた。
 表向きは孤児院としていたが、里親の募集や内情の公開は全くされず、近隣住民との接触は皆無だった。そして数年前に閉鎖した後、職員や住人の子供達はほぼ全員が行方不明になっていた。
 すべての物事には理由がある、という言葉をシオンは信じていた。どのような些細な現象も、すべてその結末に至るまでの原因と理由があり、偶然というものは突き詰めていけばあり得ないことなのだと。CELLAも、その特異な運営方法や閉鎖に至る理由があり、何らかの目的のもとに建設されたはずだ。
 シオンは周囲を見回した。
 庭の隅ではブランコの鎖が風に吹かれて金属質の音を立てている。その奥では葉の落ちた楡の木が無言で立っていた。
 ぴたりとシオンの足が止まる。門をくぐってからずっと感じていた違和感の正体を探るように建物を見上げた。小さめの教会のような外観と大きさ。シオンは白い手袋に包まれた人差し指と親指で細い顎を挟むように持ちながら考えた。
 特別養護孤児院「CELLA」。
 小さめの教会のような建物……そう、小さいのだ。
「やはり」シオンがポツリとつぶやいた。「小さ過ぎますね……」
 シオンは「CELLA」に収容されていた孤児のリストを思い出し、そこから同時期に住んでいたであろう人数をざっと計算した。建物の大きさからして、部屋数は決して多くはないはずだ。それに養護している子供の性質から考えて、対応に当たる職員はそれなりの数が必要になる。
 入りきるとは思えなかった。
 この小さな施設に。
 きぃ……と背後でブランコが鳴いた。
 シオンが振り返る。
 さくさくと雪を踏みながら、ブランコのそばまで移動した。
 簡素なブランコだ。
 地面に直接支柱を打ち込み、巨大な鉄棒の様な形をしている。
 支柱から渡された横木からは五本の鎖が垂れ下がり、風に揺れていた。
 ……五本?
 シオンは頭を振り、震える息を吐くと、楡の木のそばへと移動した。
 根元には木製の大きな箱が三つ、楡の木に寄りかかる様に置かれていた。その一つを開けてみる。底板は無く、直接地面が見える。中身は空だったが、木屑の様な匂いに混じってかすかに腐敗臭がした。
 堆肥を作るコンポストだろうか。
 三つある箱の中の一つには、小さな鍵が付いていた。シオンはペンライトを出して鍵を見る。見た目は簡素だが、どうやらカード式らしい。蓋の隙間を覗くと、内側にも同様の鍵が設置してあるのが見えた。
 シオンは周囲を確認し、両手を軽く開いて肩の位置に上げ、右足を一歩分後ろに引いて構えた。両足を捻るように動かし、つま先に鉄板の入ったストラップシューズで地面を踏みしめる。右肩を勢い良く後方に引き、捻ったゴムが元に戻るように反動をつけて体全体を回す。防御を考えないため、右足を蹴り上げるのと同時に右手を後方へ一気に引いた。
「ふッ!」とシオンがすぼめた唇から力強く息を吐き出す。
 木の砕ける重い音が凍てついた空気を震わせた。シオンの蹴りは正確に鍵の付いた蓋を跳ね上げ、留め金は紙のように宙を舞った。
 シオンは構えを解いて箱の中を覗き込む。
 取っ手の付いた鉄製の板が見えた。
 箱の中に入り、取っ手を掴む。板は簡単に持ち上がった。

 階段。

「ああ……やはり」シオンが言った。階段から建物までの距離は約五十メートル。地下空間がどの程度まで広がっているかわからないが、おそらく児童を全員収容できるだけの空間が設けられているはずだ。もしくはそれ以外の施設もあるかもしれない。
 階段の下に蛍光灯の明かりが見えた。
 おそらく隠し扉を開けると自動的に点灯する仕組みなのだろう。
 シオンは前髪を掻き上げると、慎重に階段を下り始めた。こつこつと自分の足音が冷たい壁に反響する。この先に何が待ち受けているのかわからないが、すべて受け入れようと思った。どのような形であれ、それが真実なのだから。

りょなけっと3、無事に終了しました。スタッフの方、参加者の皆様、お疲れさまでした。
こちらは新作、総集編共に多くの人に手に取っていただき、嬉しい限りです。
感想、ダメ出しなどいただけると励みになります。
今後はイベント参加の予定も無いため、また少しずつ物語を進めていく作業に専念したいと思います。
ではでは、あともう少しだけお付き合いください。
ありがとうございました。

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2月22日に開催されるりょなけっと3について、本日正式に印刷所様から受理の報告を受けました。
よほどの問題が起こらない限り当日に新刊が出せますので、興味のある方はよろしくお願いいたします。


[PLASTIC_CELL]

総ページ数44ページの新刊になります。
オリジナルキャラクターの鷹宮美樹と水橋久留美メインの腹パンチ本。今回は戦闘員の鷹宮美樹ではなく、非戦闘員の水橋久留美にスポットを当てました。ごく一般的な女の子が理不尽な責め苦に遭う様をお楽しみ下さい。
内容はいつも通り小説メイン、フルカラーイラスト4枚込み。
800円で配布予定です(高額ですが相変わらず原価が1000円を超えておりますので、ご了承下さい)。

サンプル



[GHØSTS]

総ページ数100ページ超えの総集編、既刊になります。
今まで出版した「レジスタンス」を1冊にまとめました。
新規で書き起こしたイラストを含むカラーイラスト4枚と、モノクロイラスト16枚が入っております。
1500円で配布いたします。

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では、当日はよろしくお願いいたします。

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