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_2017.02.21  GALLERYを更新しました(シオン1枚)
_2016.11.11  GALLERYを更新しました(綾2枚)
_2016.11.06  いただいたイラストを公開しました
_2016.10.03  新作の短編を公開しました

先日紹介させていただいた「お仕事情報」について、サンプルを追加いたします。
※ラストシーンのため、文章は途中で切ってあります。



表紙
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サンプル「不知火、輪姦」
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「おい雌豚。こっちに来い」
 ガチャガチャと乱暴に独居房のドアを開けると同時に、元上官はベッドの隅に座っている不知火を呼びつけた。不知火は一瞬だけ元上官を睨みつけた後、目を伏せて元上官の元に歩み寄る。
 豚に処女を奪われ、この男に自分は性奴隷以下の雌豚であると認めてから、何日が経過しただろう。
 地下の独房に監禁されてから、元上官は毎晩のように訪れては明け方まで不知火を犯し、その度に性奴隷の誓いと雌豚としての認知を求めた。改造による異常快楽のため、犯されている最中は不知火はまともな思考が出来ず、連日それらを全てを認めるセリフを絶叫した。
 元上官は近づいた不知火に対し卑屈そうな笑みを浮かべると、黒い軍服の上から自分の股間を指差した。
「しゃぶれ」
「なっ……?!」
「なんだその顔は? 疲れた主人を労うのが奴隷の役目だろうが。おっと、豚らしく手は使うなよ。全部口でしろ」
 不知火は怒りと屈辱感で歯を食いしばり、耳まで真っ赤にしながらもおずおずと仁王立ちする元上官の前に跪いた。
(なんで不知火がこんなことを……。でも、言う通りにすれば……気持ち良くしてもらえる……)
 不知火はもはや体から湧き上がる淫欲を抑えることができなかった。独房に放り込まれてから、何回か自分でしたこともある。だが、元上官に犯されている時のような頭が弾けるような快楽には程遠かっただけではなく、豚とした時の方がはるかに身体の熱が収まった。改造により自分は性欲ではなく、雄を求めるようになってしまったのだと不知火は悟り、自分一人ではどうしようもない情欲を抱えて絶望した。
 勝ち誇ったように不知火を見下ろしている元上官と目が合う。
 そういえば、まだ口は使ったことが無かったと不知火は思った。自分は豚に処女を奪われた上に、この男に口の初めてを奪われるのか……。
「は……早く……出して……」
「あぁ? 奴隷が主人の手を煩わせるな。全部お前がやるに決まっているだろうが?」
「な……くっ……」
 不知火が下唇を噛みながら元上官の股間に伸ばそうとした時、元上官は不知火の頬を張った。乾いた音と共に、不知火の上体がぐらつく。
「お前は知能まで豚並か? え? 全部口でしろと言っただろうが?」
 不知火は頬を押さえながら一瞬キョトンとした顔をしたが、すぐに意味を察し、悔しさに目に涙を浮かべながら元上官の股間に口を近づけた。難儀してファスナーの先端を噛み、頬を染めながらゆっくりと下ろす。下着の前合わせから唇を突っ込んで包皮の一部を咥えて引き摺り出すと、ペニスがぶるんと跳ね上がった。ペニスに半分隠れた元上官のニヤついた顔が、天井の灯りを背後にシルエットになっている。
「早くこいつをしゃぶれ。何度も言うが、手は使うなよ」
「ぐっ……わ、わかっている……。んっ……ずちゅっ……じゅるっ……んくっ……んッ?! んふぅッ!?」
 憎々しげに元上官を見ながらペニスを口に含むと、一分も経たないうちにぞわぞわとした快感が脳を満たした。まるでペニスが軟口蓋を突き破り、脳を直接犯されているみたいだ。咥える前はいっそ噛みちぎってやろうかとも考えたが、既に不知火は軽く達し、膣から暖かい液体がとろとろと流れてくるのを感じていた。
「おいおいなんだ? まさかチンポ咥えただけでイッたたのか? え? ひひひ……ここまで色狂いだとは思わなかったぜ」
「んっ……んふっ……んむぁ……ぷはッ! はぁ……はぁ……はむっ……んっ……んっ! んっ! んふっ! んんんっ!」
 不知火は湧き上がる快楽に身を任せ、鼻を鳴らしながら頭を前後に激しく振り、無我夢中で奉仕を続けた。瞳はとろんと蕩け、うっとりと愛おしそうに男のペニスを味わっている。じゅっぽじゅっぽと言うリブミカルな水音が独房を満たし、元上官の射精感を高める。
「おい、自分が何をしているかわかっているのか? 情けなく必死に頭を降って、俺にザーメンを恵んでくれっておねだりしてるんだぜ? 今のお前を、お前の姉妹が見たらどんな顔をするか想像しただけで笑えてくるぜ」
 元上官の意地の悪い声が届いていないのか、不知火は一心不乱にフェラチオを続けた。蔑む声も耳に入らないほど、必死に唇を窄めて夢中で敵である男のペニスをしゃぶっている。両手を元上官の腰に回して、頭を前後に揺すったままぎゅっと抱きつく。時折上目遣いで口内に溜まった唾液と先走り汁をごくごくと音を立てて嚥下しながら、熱のこもった奉仕を続けた。元上官が達するのにそう時間はかからなかった。
「チッ……初めてのくせに上手いじゃねぇか…………まさか練習でもしてたのか? ひひ……よし……ご褒美にたっぷりと男の味を教えてやるよ……」
 元上官は両手で不知火の桃色の髪を掴むと、奥まで咥え込まれていたペニスをずるりと不知火の口元まで引き抜いた。一瞬不知火が不思議そうな顔をする。元上官はペニスを完全には抜かず、鈴口を不知火の舌先に付けると、何の躊躇いも無く白濁をぶちまけた。
「ん……んぶぅッ?! んぐぅぅぅぅッ!?」
 元上官の吐き出した精液は不知火の舌を先端から根元まで舐める様に流れ、唾液と混ざった濁流となって喉奥に当たった。不知火は強制的に舌全体で精液を味わわされる。あまりの量に窒息しそうになり不知火は喉を鳴らしながら嚥下するが、それでも飲み込みきれない精液は口の端から溢れた。
「んぐっ!? ごきゅ………ごくっ! ごくっ! ぐぷっ……! ぷはッ! はぁ……はぁ……あ……あぁ……」
「ひひひ……すげぇ征服感だ……。どうだ? 俺のザーメンの味は?」
 普段はキツそうな不知火が口の周りに白濁した残滓をこびり付かせながら、肩で息をして許しを請う様な視上目遣いを送っている。その様子を見た元上官のペニスはすぐさま硬度を増し、反り返っていった。
「声も出ねぇか……まぁいい。これを着て付いて来い。楽しいところに連れて行ってやる」
 元上官が黒い布を不知火の足元に投げる。
 不知火が着ていた対魔艦スーツだった。

 四方に赤黒い緞帳が降りた豪奢な室内には二十人ほどの男がいた。中央の白いクロスの掛かった大きなテーブルには豪勢な食事と酒が並んでいる。それらを摘みながら談笑している男達は全員青白い顔をして、胸に階級章の付いた黒い軍服を着ている。深海棲艦化した提督達だった。
「お集まりの皆様、お忙しい中よくぞお越しくださいました」
 元上官が注意を引くように手を叩きながらステージで慇懃に頭を下げると、会場内から拍手が起こった。
「本日は私主催のパーティーにご足労いただき感謝しております。立食なうえ粗酒粗餐ではございますが、どうぞ御堪能いただければ幸いです。さて、このたび不肖私がこのような酒宴を設けさせていただきましたのも、私事で大変恐縮ではございますが、先日より奴隷を一匹飼いはじめました。ようやく躾も終わりが近づいてまいりましたので、ぜひ皆様にご紹介ができればと……」
 おお……と会場からどよめきが上がる。
 元上官がリードを引くと、対魔艦スーツに首輪を付けた不知火がステージの袖から四つん這いで姿を現した。屈辱と羞恥に頬を染め、悔しそうに歯を食いしばっている。
「ほぉ……陽炎型か……」
「奴もやりおるわ……。プライドだけが高い卑屈な男だと思っていたが、まさか対魔艦を手懐けるとはな……」
 会場のあちこちで提督達が陰口を言い合う。それを知ってか知らずか、元上官は至極満足そうに会場全体を見回して拍手を促した。
「ではこれより、ささやかな余興を執り行わせていただきます。私の横に繋がれておりますのは人間でも、ましてや対魔艦でもございません。ここにいるのは性欲に狂った浅ましい雌豚でございます。なにせ私と初夜を過ごした後は、その行為を忘れられずに独房で独り慰めておりました。あまりにも哀れでしたので見ないふりをしましたが……こちらがその様子ございます」
 元上官の言葉に、不知火はビクリと肩を震わせた。
 錆びついたゼンマイの様に恐る恐る背後を振り返ると、ステージ上のスクリーンには独房のベッドに仰向けに寝ている自分自身が映し出されていた。
 まさか……と不知火は消え入りそうな声でいった。唇がぶるぶると震え、顔色が真っ青になる。
 スクリーンの中の不知火は熱に浮かされたようにベッドの上で悶えていたが、やがて遠慮がちに乳首と性器を愛撫し始めた。少しずつ手の動きが早くなってゆくが、求めている快感が得られないのか時折顔をしかめている。はしたない娘、慣れた手つきなどど、会場内のあちこちから失笑と揶揄する声が上がった。
「なにぶん日が浅いものでして、ご奉仕をするにあたりましては技量や作法、言葉遣いなど不十分かと思いますが、頭や身体はご覧の通りの淫乱であり男と交わることしか考えておりません。拙い奉仕になるかとは思いますが、どうぞご堪能下さい」
 元上官が恭しく頭を下げると会場内から拍手が上がった。元上官は四つん這いになっている不知火を見下ろす。不知火は羞恥で顔を真っ赤にしながら、大粒の涙を湛えて元上官を睨みつけた。
「なんだその目は? 俺のせいだとでも言いたいのか? 誰もお前に独房でオナニーをしろなどと言っていないぞ。そうだろ? え? いい加減その恥知らずな強い性欲を認めたらどうなんだ?」
「うっ……ぐッ……」
「ひひひ……いい加減素直になれ。お前にとってはむしろ願ってもないチャンスじゃないか。見ろ、これだけの男がいるんだ。その気にさせたら全員がお前にぶち込んでくれるぞ? 一人二回としても四十回以上は楽しめる。悪い話ではないだろう?」
 不知火はこれ以上無いほどの屈辱に震えていた。雌豚として紹介され、自慰を公開され、自分から望んで名前も知らない男達に輪姦されろと命令される。女性としても人間としても終わっている様な扱いを受け、あまりの悔しさに涙で視界が霞んだ。しかし次の瞬間、不知火の下腹部から脳天に向けて暖かい泥の様な感覚がどろりと駆け上がった。ほんの一瞬、ここにいる大勢の男達に輪姦される自分を想像してしまった。どくどくとマグマの様な制欲が湧き上がると、自分でも信じられない言葉を口走った。
「そ、そのに気させるって……ど、どうしたらいいのか……」
「ひひ……なんだお前もその気じゃないか。そうだな……あのテーブルの上でオナニーしろ。独房でしたみたいにな。いつも通りにするだけだから簡単だろう?」
 元上官は中央の大きなテーブルを指差す。この状況を予想していたのか、すでにテーブルは給仕係の下級兵によって酒や料理が片付けられ、新しいクロスが敷かれていた。
 もはや不知火の身体は誇りやプライドよりも、湧き上がる性的衝動を優先するようになっていた。元上官の命令に従ってさえいれば、自分の火照った身体と耐えず身を焦がす性欲を一瞬でも満たしてくれる。元上官の要求を断ってもし捨てられでもしたら、いったい誰がこの熱を治めてくれるのだろうか。
 不知火はうつむき気味にテーブルに乗ると、おずおずと仰向けになって足を開いた。
 周囲からは囃し立てる声が聞こえる。
 恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら遠慮がちに股間に手を添えると、ゆっくりと擦り始めた。

※以降は本編でお楽しみ下さい


サンプル「雪風、触手部屋監禁」
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 連日、昼夜の区別無く行われる陵辱で、雪風は既に曜日や時間の感覚が失われつつあった。
 しかし、半ば夢現の状態で犯されている状況であっても、時折尋問と称して仲間や作戦に関する聴取に対しては徹底して黙秘を続けた。機密を喋るわけにはいかない。大好きな姉妹達を同じ様な目に逢わせるわけにはいかない。
 将校の部下達はだいたい同じ時間に同じ顔ぶれで連れ立って地下室へと降りてきた。深海棲艦側とはいえ職務のスケジュールは厳密に管理されているらしい。一ヶ月が経つ頃には、定期的に雪風に入浴と僅かな休息や食事を与えるという暗黙のルールが生まれた。特に入浴に関しては、ひとつのグループが犯し終わるたびに無理矢理シャワー室に放り込まれるため、雪風は一日に何回も身体を洗うことになる。地下室の掃除もある程度当番制で行なわれているらしいが、こびりついた饐えた臭いはブラシで床や壁を擦っても完全には落ちなかった。
 その様な毎日が繰り返される中、あの男が現れた。
「なんじゃ……まだやっているのか」
 でっぷりとした男の影が、階上の光を浴びて巨大なシルエットを床に落とした。雪風の処女を奪った将校だ。将校は難儀そうに階段を降りると、地下室にこもった臭いに顔をしかめた。
「し、将校殿!? お疲れ様でございます!」
 雪風をバックから突いていたリーダー格の男がバネ仕掛けの様に直立すると、勃起し切った男根から雪風の愛液を滴らせながら慌てて敬礼した。その滑稽な様子を将校は鼻を鳴らして一瞥した。
「ふん……なかなか良い趣味をしておる。スーツを着せたままとは、儂には邪魔にしか思えんが」
「はっ……部下達の、尋問に対する士気が上がるかと思いまして……」
 将校は対魔艦スーツを着たまま床にうつ伏せで突っ伏している雪風をゴミを見る様な目で見た。視線をリーダー格の男に移す。
「それで、お前に与えた任務はどうなっておる?」
「は、はっ! 見た目に反してなかなか強情でして……お恥ずかしながら、まだ機密を聞き出すに至ってはおりません……」
「馬鹿者! お前ら揃いも揃って何をしておるか! こんな小娘の口ひとつ割らせることもできずに、大本営が潰せると思っておるのか!? よもや小娘を抱くことにうつつを抜かして、尋問の手を緩めたわけではあるまいな?」
「と……とんでもございません! 部下含め精一杯任務遂行に尽力致しましたが……私の不徳の致すところであります!」
「……まぁいい。おいそこの兵、こっちに来い」
「は……はっ!」
 将校が遠巻きに見ていた兵を指名してリーダー格の男の横に立たせる。兵が敬礼すると同時に、将校の腕が唸りを上げて横に払われた。ごきん……と言う嫌な音と共に、兵の首が真後ろを向く。リーダー格の男があっけにとられている中、首だけ真後ろを向かされた兵は敬礼の姿勢のまま倒れ、ピクリとも動かなくなった。リーダー格の男はひぃと悲鳴を上げながら、額を地面に押し付けた。
「小娘を連れて来い……肉壷に運ぶ」

 リーダー格の男に担がれながら、雪風は地下の再奥にある部屋の前に連れてこられた。ドアには「肉壷」「立入禁止」と書かれた大きなプレートが貼られている。将校が暗証番号を入力して重い扉を開けると、雪風は思わず悲鳴を上げた。
 一面の肉壁。
 巨人の腸内に通じているかの様に、部屋の中の壁という壁が剥き出しの内臓の様にぬらぬらとした粘液で濡れ、脈打つ様に蠢いていた。肉壁は雪風が連れて来られたことに気がついたのか、肉の一部をカタツムリの目の様に細く伸ばして雪風に触れようとしている。
「ひ……ひぃっ!? な……なに……これ?」
「肉壷と呼んでおるが、この基地ができた時から既にここにあってな……儂にもよくわからんのだ。わかっていることと言えば、こいつの分泌する体液には強烈な媚薬効果と催淫効果があるということと、一度女を与えると命令があるまでは干からびるまで離さんということだ。なんとも、おぞましい存在よ……」
 将校がリーダー格の男に向けて顎をしゃくると、リーダー格の男は雪風を部屋の中に投げ入れた。途端に壁という壁がうぞうぞと動き、雪風の手足を肉内に取り込んでいく。

※以降は本編でお楽しみ下さい

コミックマーケット90にてハーパー様が出版される同人誌「TAIMAKAN YUKIKAZE」へ文章を書かせていただきました。
詳細とサンプルは下記の通りとなります。
普段とは文体や表現方法などを意図的に変えております。手探りのため色々と至らない点も多いかと思いますが、イラストの魅力を少しでも高めるお手伝いが出来ていればありがたいです。
興味のある方は是非お願いいたします。


配布イベント :コミックマーケット90
日時     :2016年8月13日(土)
サークル   :ハーパー
ブース    :2日目 東 L17a


サンプル「雪風、犬プレイ」
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「ぶふぅぅ…………」
 男は本日八回目の射精を終えると、まだ硬さを保っている肉棒を雪風の膣からずりと引き抜いた。
「ひぅッ?! はあぁぁあん!」
 男の太いカリ首に膣壁を擦られ、雪風は甘い声を上げた。
 連日長時間に渡る執拗な陵辱を受け、雪風の口もアナルも性器もすっかり男の極太の形を覚ていた。心では男を拒絶していても、身体はもはや男の姿を見ただけで股が濡れるほど調教されている。今日も事の最中には、心から男に対して忠誠の誓いを叫んでしまった。快楽の濁流に飲まれて朦朧とする意識の中で、精液と自分の愛液にまみれたペニスに頬ずりしながら、犯してくださいと泣きながら懇願して、数え切れないくらい絶頂した。
 男はベッドでぐったりとしている雪風を一瞥すると雑にペニスを拭い、部屋から出て行った。雪風がまだ焦点の合わない目で男の背中を追う。ドアの外で待機していた部下数人に何か手短に指示をしているようだ。男が部屋を出ると、入れ替わりで黒い軍服を着た男が数人部屋に入ってきた。
「うぷっ……相変わらずひっでぇ臭いだ……」
「あのおっさん……年甲斐もなく毎日毎日派手にぶちまけやがって。掃除する俺達の身にもなれってんだ……」
「に、にしても……こ、今回は飽きるまでが長かったね……。い、い、いつもは三日も経てば飽きて僕達に、く、く、くれるのに」
 三人の部下達は口々に文句を言いながら、仰向けに身体投げ出している雪風を覗き込んだ。雪風からは男達の表情は逆光になってよく見えないが、口元に下卑た笑みが浮かんでいることは理解できた。
「へ、へぇ〜、君が雪風ちゃんかぁ〜。は、は、初めて見たなぁ〜」
「俺はまだ海軍に所属していた頃に見たことがあるぜ。ものすごい戦果と武勲を上げている艦娘が来るってんで、全員整列して待機してたんだよ。どんなごつい女が来るのかと思って突っ立ってたら、このちっこいのがお偉方の後ろからちょこちょこ歩いてきやがった。開いた口が塞がらなかったぜ」
「ははは……ガチでロリじゃねぇか……。艦娘じゃなかったら犯罪だろこれ?」
 雪風が不思議そうな顔をして部下達を見上げる。いつもは男に犯された後は、男の手によってシーツに包まれ、抱きかかえられながら部屋を出た。シャワー室に放り込まれると男の手で身体の隅々まで洗われ、小さい客間のような部屋に寝かされる。数時間後に男が迎えに来るまでの、しばしの休息。
「し、し、将校は、どうやら君のことが飽きちゃったみたいだからねぇ……。こ、これからは、ぼぼぼ、僕たちが相手するからね」
「ペットとして飼ってやるよ。逆らったら容赦しねぇからな……」
「とりあえず地下室に運ぶぞ。他の奴らも呼んで全員で輪姦そうぜ……」

「あんっ! あんっ! あんっ! あんっ!」
「ふっ……ふっ……ぐ……くぉッ……! おら……出すぞ!」
 湿気のこもる地下室は、雪風の嬌声と男達の獣のような息遣いで満ちていた。将校と呼ばれる男に最後に犯されてから、もう何日経っただろうか。地下室に監禁されてから、男は一度も姿を見せず、代わりに男の部下達によって昼夜なく犯され続けた。形式上は尋問ということになっているらしいが、部下達は雪風から機密を聞き出すことはほとんどせず、ただ犯すこと自体を楽しんでいるようだった。雪風が少しでも嫌がったり抵抗したりすれば、部下達はペットの躾と称して容赦なく頬を張り、足蹴にし、水を張った洗面器に雪風の顔を押し付けた。連日動物以下の扱いを受けるうちに、雪風は次第に抵抗する気力を失くしていった。抵抗さえしなければ、おとなしくペットとして犯されてさえいれば、暴力を受けることはないのだから……。
「おい雪風、今日はプレゼントをやるよ」
 部下達のリーダー各の男が、ラッピングされた小さな箱を持ってきた。ゴミを放るように、犯され終わった雪風の足元に放り投げる。
(プレ……ゼント……?)
 予想外の言葉に、雪風が戸惑う。まだ自分が艦娘だった頃、練度が上がり改造を受けた時に指令から貰ったプレゼントもこんな箱だった。その時に貰った新しい双眼鏡は、まだ自分の机の中にあるはずだ。あの頃は戦いは厳しかったが、指令や姉妹や仲間達に囲まれ、雪風の周囲は確かに幸せに包まれていた。こんな未来なんて、想像すらしていなかった……。
「その箱を口で開けろ」
 じわりと涙が湧き上がってきた雪風の頭上に、リーダーの男の声が降ってきた。
「く……口で……ですか?」
「犬が人間の言葉を喋ってんじゃねぇぞ! また蹴り上げられたいのかコラ!?」
「ひッ……! わ、わん……」
 雪風は条件反射的に四つん這いになり、手で箱を押さえながら口でリボンを解いた。周囲を囲っている部下達がその様子を見て低く笑っている。難儀しながら口で箱を開けると、プラスチックで出来た安物らしい犬の餌入れと、リードの付いた首輪が入っていた。
「…………え?」
「何でも艦娘は司令官に気に入られると、鍵のついた首輪を貰えるみたいじゃねぇか。今は俺達がお前の司令官だからな。嬉しいだろ?」
「ち、違います! あれは首輪なんかじゃありません! あれは指令からの……あぐっ?!」
 男は舌打ちをすると、うるさそうに顔を歪めて雪風の脇腹を蹴った。爪先に鉄板の入った軍靴がめり込み、雪風は呻きながらうずくまる。
「おい駄犬! てめぇ俺を舐めてんのか!? 頭でわからねぇなら身体に覚えさすぞ!」
「ひ……ひぃッ! わ、わん! わんっ!」
 男が手を振り上げると、雪風は必死に手で顔を庇おうとする。表情は怯えきっており、艦娘や対魔艦の頃の面影は消え去っていた。その様子に満足したのか、男は振り上げた手を降ろして自分の顎をさすった。
「わかりゃあいいんだよ。素直な犬は可愛がってやる……俺はやさしいだろう?」
「わ……わん……」
「わかったらその首輪を付けろ。早くしろよ」
「……わん」
 雪風は震える手で自らの首に輪をかけた。指が震えてうまくバックルを留められず、周囲から下品なヤジや笑い声が飛んでくる。自分を嘲笑する男達の中心に裸で座り込みながら、人間以下の証を自ら首に巻く。指令や姉妹達が自分の姿を見たら、どんな顔をするだろうか……。屈辱感と絶望感で涙が溢れそうだったが、それ以上に男達への恐怖感が勝っていた。逆らったら、何をされるかわからないのだから。
「なかなか似合うじゃねぇか。じゃあ、まずは『お手』だ」
 首輪につながったリードの先端を持ったまま、リーダー格の男が言った。下唇を噛みながら、雪風は男が差し出した手の平に自分の手を乗せる。『ふせ』をすると、数人の部下達が背後から自分の尻を覗き込んでいるのがわかった。
「よーし、じゃあ『チンチン』してみろ」
「……えっ」
 部下達が笑いながら囃し立てる。雪風が一瞬戸惑ったのがわかったのか、リーダー格の視線が一気に鋭くなった。それを見て雪風の肩がビクッと震える。
 殴られたくない……。
 雪風は目をぎゅっと瞑り、奥歯を噛み締めながらリーダー格の男に対して『チンチン』をした。
 和式便器にしゃがむような姿勢のまま上体を起こし、両手を犬の前足に見立てて肩の前で垂らす。
 本当にやりやがった。このバカ犬もう発情してるぜ。リーダー格の男に対して屈辱的な体勢で身体を開いている雪風に向けて、部下達は口々に笑い、嘲った。恥ずかしさと情けなさで、雪風の耳が赤く染まっている。
「よしよし……なかなか賢くなってきたじゃねぇか。うまく芸が出来たペットには、ご褒美をやらねぇとな」
 頭を軽く撫でられ、雪風は閉じていた目を開けた。雪風の鼻先に着きそうなほどの距離で、リーダー格の男の男根がいきり勃っている。
「ひ、ひぅっ?!」
「ワンちゃんの大好きなソーセージをやるよ。嬉しいだろう?」
 男が首輪につながるリードを引くと、雪風は「チンチン」の姿勢のまま強引に前に倒された。顎を地面に着けて、自然と尻を持ち上げる体勢になる。事が始まるのを察し、周囲を囲んでいた男達が息を荒げながら距離を詰めてきた。既に勃起させている者も多く、部屋の中に獣の気配が充満する。
「い……や……」
 カチカチ……と雪風の歯が小刻みに鳴った。
 部下の男達の男根は将校のそれに比べたらサイズ、技量共にはるかに劣るモノであったが、それでも機械による改造を受けた身体では快楽は通常の何十倍、何百倍にも増幅して脳を直撃する。たとえ童貞の拙い腰使いであっても、今の雪風はいとも簡単に絶頂を繰り返してしまうだろう。無理矢理麻薬を注射し続けられる様に、このままではいつしか快楽に溺れ、何もかもがどうでもよくなってしまう事に雪風は怯えていた。
 リーダー格の男はゆっくりと雪風の背後に回り、雪風の柔らかい尻たぶを掴む。愛液を塗りたくる様に亀頭の先で雪風の入り口を嬲ると、雪風の肩がビクッと震えた。位置を決め、ゆっくりと腰を前に突き出す。解かしたバターの様になった膣の柔壁をかき分けながら、男根がゆっくりと雪風の奥まで進む。
「ひッ……ふっ……あッ……ふあッ!? あぁッ! あああああぁぁぁぁあん!!」
 男根がGスポットを通過すると、ゾクゾクとした快楽が雪風の背骨を這い上がった。頭を抱えてのたうち回りたくなる様な快楽に、雪風は背中を反らして叫ぶ。
「おおぉ……すげぇ締まる。おい……まさか入れただけでイッたのか?」
「ふッ……んぐッ……わ、わん…………」
「へへへ……そうかそうか。じゃあ可愛いペットのために突きまくってやらねぇとな……俺がイクまで止めねぇから覚悟しろよ? 」
「ん……ぐっ……ふ、ふぁッ! ああんッ! ひ……ひあッ!? あああぁぁぁああッ!?」
リーダー格の男は雪風の尻を抱える様に掴むと、リズミカルに腰を打ち付けた。パンパンと肌同士がぶつかる乾いた破裂音と、グッチュグッチュという粘液が混ざる音が地下室に響く。
「んふあぁぁぁああ!? あはッ! あんッ! んあぁッ! いぎッ……! はうぅぅぅッ!!」
「おらッ! おらッ! おらッ! どうだ御主人様のご褒美は!? 美味そうに咥え込みやがって!」
「ああああッ!! や……やあッ! ぎ……ぎもぢ……ぎぼぢいぃですッ! お、おチンチンすごいですッ!!  おぐッ!? お……おほおぉぉぉおお!」
「言葉喋んなって言っただろうが! チンポ抜いちまうぞ!」
「ひ……や、やだッ! わ、わんッ! わんッ! わ、わふッ! わぅ……は……はへ……はへぇ……ん、んぉぉぉおお!」
 抽送を始めてから五分も経っていないというのに、雪風はだらしなく舌と涎を垂らしながら喘いだ。取り巻きの男達は順番待ちをしている者もいるが、我慢が出来ずに自分で始めてしまった者がほとんどだ。全員崩れまくった雪風の表情や、泡立ちながら艶かしく蠢めく結合部を凝視しながら一心不乱にしごいている。
「くぉッ……おおぉ……そうか、そんなに良いか。へへ……周り見てみろよ? 他の御主人様が餌をくれるらしいぜ?」
「ふぐッ! ふぅぅぅぅッ! んぁッ! ん……んぅ……あ……はぁぁ……」
 雪風が顔を上げる。視界のほぼ全てが自分目掛けて夢中でペニスを扱いている男達で埋まっていた。それぞれ惚けたような顔や、ニヤついた笑みを浮かべてはいるが、目だけは同様にギラギラと光らせながら犬のような格好で犯されている雪風を凝視している。
 リーダー格の男が周囲に目配せをすると、部下達が察して近くに転がっていた餌入れを雪風の顔の前に置いた。雪風は激しく喘ぎながらも不思議そうに餌入れを眺める。
「ぐひひひ……お、お腹がす、空いただろう? い、い、今すぐ出してあげるからね……」
「あ……濃いの出る……あぁ……」
「やらしい顔して喘ぎやがって……うっ……で、出るッ!」
 部下達は既に限界だったのだろう。先を争う様に雪風の顔の近くに集まり、餌入れを目掛けて射精した。入れ替わり立ち替わり、雪風に射精の瞬間を見せつける様にしながら、餌入れを精液で満たす。順番待ちをしている間に達してしまった者も数人いたが、それでも十数人が餌入れに射精し終えると、空気の循環が悪い地下室内はべっとりとまとわり付く様な重い湿気と生臭い臭気で満たされた。
「おら、みんながお前のために特製ミルクを出してくれたぞ。嬉しいだろ? ありがたく全部飲めよ」
「い、いやッ! わ、わんッ! わんッ!」
 犬の餌入れに溢れんばかりに入った、不特定多数の男達の精液を飲み干せという命令に、雪風は真っ青になりながら首を振る。
 つい数日前に処女を失ったばかりの雪風にとって、あまりにも残酷な命令だった。目の前のオモチャの様な餌入れには、どろどろに腐った粥の様な白濁汁がなみなみと溜まり、異様な臭いを放っている。見ているだけで吐き気がこみ上げ、雪風は奥歯を噛みしめながら必死に目を逸らした。
「どうした? 早く啜れよ」
「い、嫌ですッ! で……出来ませ……ひぅッ!」
 リーダー格の男が雪風の尻を張る。
「ふざけてんじゃねぇぞ! 主の用意した餌を断る犬がどこにいるんだ!?」
「ゆ、雪風には出来ません! ゆ……許してくだ……い、痛ッ?! ひぎッ! や、やだッ! やだぁッ!」
「チッ……おい! 誰か手伝ってやれ。ったく、手間かけさせやがってこの駄犬が!」
 大柄な部下の一人が、泣きながら首を振る雪風に近付いた。乱暴に雪風の頭を掴むと、力任せに餌入れに顔を押し付ける。雪風は嫌悪感で限界まで目を見開いたまま、まだ生暖かさの残る白濁にべちゃりと顔を付けられた。
「やっ……ひッ!? や、やぁッ!! んぶぅぅぅッ?! ん……んぶえぇッ! ん……んぐッ!? んごおぉぉぉっ……ごきゅっ……おぇっ……ごきゅっ……うぶっ……」
 雪風の吐き出した息で粘液が泡立ち、ぶちゅちゅちゅ……と言う粘ついた音が響いた。こみ上げる吐き気と窒息の恐怖が頭の中を駆け巡り、空気を求めて思わず大口を開けて白濁液を嚥下してしまう。
「へへへ……どうだ? 美味いか?」
「んぐっ……ごきゅ……ごくっ…………ぶはあぁぁッ! はぁ……はぁ……はへぁ……」
 窒息寸前でようやく顔を引き上げられ、雪風は激しく息を継いだ。餌入れと顔との間に何本も粘液の糸を引きながら、あまりの事態に恍惚とした表情を周囲に晒している。呼吸困難になったためか頬が赤く染まり、瞳が裏返ったままだらしなく開いた口や鼻からは泡立った精液がぼとぼととこぼれて床に垂れた。年端もゆかぬ外見の少女が、全裸で首輪を嵌めたまま、精液まみれになってアヘ顔を晒している。それを見て興奮しない男の方が少ないだろう。部下達も多分にもれず、数分前に射精したばかりだというのに既にほぼ全員が回復しているようだ。
「まだ三分の一も減ってねぇじゃねぇか……おい、やれ!」
「ふぁ……あ……? んあっ?! んぶぅぅぅッ?!」
 リーダー格の男に促され、雪風は再び精液溜まりに顔を押し付けられた。嫌がるように頭を振り、ぼこぼこと泡立てながら空気を求めるようにして大量の精液を喉を鳴らして飲み込んでゆく。呼吸困難のため、限界を超えた雪風の肩が痙攣して激しく震え出した時にようやく引き上げられた。
「ぷはあぁぁッ! お、おえぇっ……げぼッ! う……ひ、ひッ! ゆ、許、許して……ッ! じ、自分でッ! げほッ……自分で、の、飲み……飲みますから! も、もう、や……やめてください!」
 もう一度大柄の男に頭を掴まれると、雪風は激しく抵抗した。男の手から逃げる様に自分から餌入れに顔を埋め、おずおずと舌を出して半分以上残った精液を犬の様に舌で掬い、嚥下してゆく。リーダー格の男はそれを満足そうに見下ろすと、ピストンのスピードを早めた。
「う……ぴちゃ……ぴちゃ……ごくっ……んぶッ!? あ……はあぁぁん! あん! あんッ! ふあぁッ!」
「飲むのを止めんじゃねぇ! チンタラしてるとまた無理矢理飲ますぞ?!」
「ひ、ひぃッ……! んぶッ……じゅ……じゅるっ……じゅるるるっ……んふッ!? んふぅッ!! んぐっ……じゅるるっ!」
「よしよし……やれば出来るじゃねぇか。偉いぞ」
 リーダー格の男の手がそっと雪風の背中を撫でる。
 嬌声を押し殺して夢中で精液を啜りながら、雪風はその手に温かさを感じていた。絶望的な状況の中に感じた、わずかな優しさ。
 優しさ?
 いや、錯覚だ。
 その絶望的な状態を作り出している元凶が、まさにその男なのだから。
 それでも雪風は、その僅かに感じた錯覚に縋らずにはいられなかった。縋らなければ、心が壊れてしまいそうな気がした。
(え……偉い? ゆ、雪風……褒められたの……? あ……撫でてくれてる……)
「おぉ……なんだ? 急に締め付けやがって……感じてんのか?」
「ふんっ……わ……わん……ずじゅるるるっ……んふぁッ! わふんッ! じゅ……じゅるっ! じゅるるるっ! ぴちゃ……ぴちゃ……」
「よし……全部飲めたじゃねぇか……。皿まで綺麗に舐めやがって……」
「へへ……よしよし」
 リーダーの男に続き、大柄な男が雪風の頭を撫でる。ゾクゾクとした嬉しさがこみ上げてきた。精液を啜っただけで、褒めてもらえた。頭や背中を撫でてもらえた。嬉しい。嬉しい。
「おおぉッ……そろそろ下の口にも特製ミルクを飲ませてやるよ……。お前も素直になってきたしな……特別に言葉を喋ることを許可してやるよ……」
「あッ! ああんッ! あはッ……あ、ありがとう……ご、ございます……。は、激しいッ?! んあぁぁッ!」
「餌の味ははどうだったんだ? えぇ?」
「お、おほぉッ! お……おいひぐ……い、いたらきまひらぁ……あ、あひッ!? ひ、ひあッ!? あああんッ! あ……ああッ?! す、凄いッ! す……凄いの来るッ!?」
「ぐっ……また締め付けが……。へへ……これからも可愛がってやるよ……嬉しいだろう?」
「うんッ?! うあッ! あ、ありがとうございます! ありがとうございますっ! お……おほぉッ!? お、おチンチン! おチンチン凄い! 凄いのぉ! あ……い……いぐ……い……イグッ! イグイグイグゥゥゥ!!」
「ぐぅッ! 出るッ! お……おおおッ!」
「ふ……あ……ああッ!! ふ……ふひゃああぁぁぁぁぁあああ!!」
 リーダー格の男が雄叫びを上げながら射精すると、雪風も弓なりに背筋を反らしながら叫んだ。二人はしばらく時間が停止したかの様に硬直すると、男は雪風の膣からずるりと男根を抜き抜いた。雪風は崩れ落ちる様に床に倒れこみ、衝撃で餌入れがからからと遠くへ転がっていく。
「ガキのくせに派手にイキやがって……。まだまだ後がつかえてるからな。頑張って飼い主にご奉仕しろよ?」
「はぁ……はぁ……はぁ……わ……わん…………」
 リーダー格の男が去ると、すぐさま複数の腕が奪い合う様に雪風の身体に伸ばされた。ぼうっとした雪風の顔はどこか笑っている様にも見えた。


サンプル「不知火、豚姦」
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 数時間後が経過した後、再び影の様に現れた白衣の男達は不知火の拘束を解いて箱蒸し風呂の様な自動洗浄機に放り込んだ。汗と愛液にまみれた身体を手際良く整膚すると、新しい下着をつけて元上官の命令通り地下牢へと運び、拘束した。
「装置解除後も異常脳波の継続を確認。改造は無事に完了しています」
「提督も人が悪い……ここまで深く改造したら、もう元には戻れんぞ」
「戻すつもりも無いのでしょう」
「そうだろうな……この娘も、もうオシマイだ」
 不知火を見ながら一人の男が言うと、残りの三人も頷いた。不知火は両手首に鎖の付いた鉄輪をはめられ、両目をきつく閉じたまま喘いでいる。
「見ろ、目を覚ますぞ」
 男達の目の前で、不知火は薄く目を開けた。ぼうっとしているのか、軽く頭を揺すって意識の覚醒を促す。
「ぐッ……?! ふあぁッ……!?」
 目を覚ました直後、不知火の身体は突然電撃を浴びせられたように跳ねた。目の前に星が飛び、下腹部からは今まで感じたことの無いほど強い性衝動がドクドクと脳天に向けて駆け上がっている。情欲を抑えるために必死に下唇を噛み締めながら、不知火は白衣の男達を睨む。男達は関わりたく無いという様子でそそくさと部屋を出て行った。
 一人で地下牢へ残された不知火はぎりりと歯を食いしばり、湧き上がる衝動に耐えながら自分の状況を観察した。手足の拘束は改造を受けている時に比べたら軽いものであったが、多少自由度が増した程度で容易に逃げられるものではない。それよりも自分の身体から湧き上がる衝動の方が厄介だった。スーツは脱がされ、胸の先端と局部のみを覆うような面積の小さい下着を身につけていた。おそらく、元上官の趣味だろう。あの下種のことだ、おそらく尋問と称し、自分の性欲を満たすために私を……。
「んぐッ?! ふはあぁぁぁぁああ!?」
 ビクビクと不知火の身体が痙攣する。
 ほんの一瞬、元上官から陵辱される場面を想像しただけだった。それだけで不知火の身体は火照り、絶頂に近い快感が脳内で弾けた。
「ぐっ……くそっ……この不知火を……ここまで……」
「ずいぶん辛そうじゃないか? え? 大丈夫か?」
 元上官が、黒い軍服を着て現れた。自分の身体をいじった張本人に対し不知火は精一杯の憎しみを込め、嚙みつく寸前の虎の様な視線を送る。
「ふーッ……ふーッ……」
「まぁそう怖い顔をするな……。古い馴染みとして仲良くいこうじゃないか。俺はお前を助けに来たんだぜ?」
「助けに……? 寝ぼけたことを言うのも……大概にした方がよろしいかと……」
「おいおい、俺は本気だぞ。交換条件ってやつだ。敵対し合う間柄であっても、互いにメリットがあれば手を組むのは戦争の常だ。なんだったら、お前に施した改造を解除してやってもいい……」
「……条件とは?」
 不知火は必死に平静を装いながら元上官に問いかけた。嫌悪の対象である元上官ですら、改造を施された不知火の脳は「男性」と認識し、情欲が湧き上がってしまう。元上官はもったいぶるように不知火を睨めつけながら、紙巻きタバコに火をつけた。
「簡単なことだ。対魔艦としての任務を放棄し、俺の性奴隷になれ。俺がしたくなった時にいつでもできるように、常にマンコを濡らしておく性奴隷にな。悪い話ではないだろう? 必死に耐えているみたいだが、さっきから俺の股間をチラチラ見てることくらいバレてるんだよ。淫乱のお前にとっては願っても無い提案だろう?」
「ふっ……まさかここまで予想通りだと、むしろ清々しく感じますね……。ご提案には『ふざけるな、死ね』とお返しいたします……」
「……そうか。ならば交渉は決裂だな。おい! こっちに来い!」
 元上官が手を叩きながら振り返り、何者かを呼ぶ。
 荒い息遣いとともに「それ」が部屋に入ってくると、不知火の顔が一瞬で青ざめた。
 豚。
 丸々と太った黒い体毛の豚が、ふごふごと鼻を鳴らしながら不知火に近づいた。
 体長は不知火の身体よりもはるかに大きい。
 豚は不知火の胸や腹の匂いを嗅ぐと、興奮した様に甲高く鳴き、泡を噛む様に涎を垂らし始めた。
「こら、待て待て!」
 元上官が声を発すると、豚は感情のない目で不知火を睨み、元上官の近くまで下がった。
「よく慣れているだろう? こいつは人間の女しか相手にしないプレイボーイでな、どうやらお前のことを気に入ったらしい。豚のセックスは凄いぞ。何せチンポが鞭みたいに長くてな。人間みたいに膣を出し入れするだけじゃなく、子宮口をこじ開けて子宮の奥深くまでチンポをねじ込んでからぶちまけるんだ。ザーメンの量も、こいつは五百ミリリットルは出す。人間の約百七十回分だ。出された後は妊婦みたいに腹がパンパンになるぜ」
 不知火は動揺を隠せず、元上官と豚とを交互に見る。でっぷりと太った豚は黄色く濁った目をギラギラと不気味に光らせながら、不知火の肢体を凝視している。元上官の口元が、満足げに歪むのがわかった。
「条件を飲まないというのなら、この豚とセックスしてもらう。初めての相手が豚というのは、さすがのお前も本望じゃないだろう?」
 当たり前だ。冗談じゃない。一生に一度の機会を……処女を捧げる相手が……豚だと? 自分以外の姉妹は朗らかで素直な娘が多かったから、宿舎ではそのような話題でかしましくなることも多かった。興味のない振りをしながら、こっそり会話に聞き耳を立てていたことも多い。想い人はいないとはいえ、それなりに憧れは抱いているというのに、この状況はあまりにも……。
「……あなたらしい、本当に最低の提案ですね」
「まぁそう言うな。抑止力ってやつさ。俺も本気で豚をけしかけようといしているわけじゃない。素直に俺の性奴隷になると誓えば、優しく抱いてやるぞ?」
 元上官の発した猫撫で声に、不知火は強い嫌悪感を感じて背中が粟立った。何回も自分達を蔑ろにし、指令という立場でありながら真っ先に尻を捲って敵前逃亡し、挙句の果てには恥ずかしげも無く敵側に寝返った男。こんな男に、こんな男に処女を捧げるくらいなら……。
「あなたに抱かれるくらいなら、豚に抱かれた方がマシです……」
「…………おい、よく考えろよクソガキが。後悔するぞ」
「少なくとも、あなたに抱かれるよりは後悔は少ないかと……」
「……チッ、そこまで言うのなら望み通りにしてやる。せいぜい楽しむんだな」
 元上官は苦虫を噛み潰したような顔で豚に命令すると、豚は糸の切れた凧の様に不知火に向かって突進した。
「うっ……ひッ!? ああッ!!」
 豚が力任せに不知火の身体にのし掛かると、天井と不知火の手首を繋ぐ鎖がガシャンと大きな音を立てて揺れた。自分が対魔艦でなかったら、押し潰されていたかもしれない。ふご、ふごと興奮した熱い息が不知火の耳にかかる。視界の隅で元上官が部屋を出て行くのが見えた。
「ぐっ……うッ!? はあぁん! んッ……んあッ!? ひ、ひあぁぁぁぁぁああ!!」
 ネバネバとした唾液を絡ませた豚の舌が、不知火の体を舐め回す。猛烈な嫌悪感と同時に、改造によって感度を高められた快楽神経が一斉に歓喜の雄叫びをあげた。不知火は強制的に絶頂させられ、背後からのしかかる豚に身体を預ける様に仰け反った。
(う……嘘……でしょ? 胸……舐められただけで……)
 自分の感覚の変化に戸惑っているうちにも豚の舌はデタラメに不知火の肌を這い回り、短い周期で絶頂を繰り返した。
 情けなく喘いでいるうちに、時折不知火の視界の隅に赤黒いものがよぎることに気が付いた。明滅する視界を奮い立たせて目をこらす。自分の足の間から、赤黒い鞭の様なものが螺旋状に渦を巻きながら、臍の上あたりまで伸びていた。
 豚のペニスだと理解するまで、しばらく時間がかかった。
「ひ……ひッ?! な、なに……これ……?」
 豚はもどかしそうに腰をくねらせながら、不知火の入り口を探しているらしい。しかし不知火の身体にとってそれはあまりにも長過ぎ、熱い先端が腹の辺りをただ撫でるだけだった。しかし、何回も人間の女と交わったと言う話は本当なのだろう。しばらくすると豚はぐいと腰を引き、ようやくペニスの先端を不知火の膣の入り口にあてがうことに成功した。
(や……やだ……こ、こんなの入ったら……)
 あまりの恐怖に、不知火の目からは大粒の涙が溢れた。豚は体液なら何でもいいとばかりに熱心にそれを舐めとると、ゆっくりと腰を前に突き出した。
「う……嘘……い……いや……い…………ぎッ?! は……入って……?! あ……ああッ!? あ……あああああぁぁぁぁああ!!」
 ぶちぶち……と音を立てて、先細った豚のペニスが何の躊躇いもなく不知火の処女膜を突き破った。豚に処女を奪われるという、女性にとってこれ以上無い程の屈辱が現実のものとなり、不知火はあまりの痛みと嫌悪感で叫んだ。しかし、豚が腰を振りはじめると、途端に痛みと嫌悪感は快楽に上塗りされ、こんこんと溢れる愛液によりスムーズになった膣内は不知火の意思に反して豚のペニスがもたらす快楽を貪り始めた。
「うッ! ぐッ! や……やだ……んぐッ! あッ! ああッ! んッ! あはぁッ! ああぁぁん!!」
 豚はまるで不知火の反応を楽しんでいるかの様に、リズミカルにピストン運動を繰り返した。突かれる度に不知火は甘い声を出し、豚の荒い息と混ざって淫らな合唱を地下牢内に響かせている。ぐっちゅぐっちゅと結合部から音を立てながら、豚はさらにペニスを不知火の奥に突き込み始めた。ペニスの先端からはローションの様な液体が分泌され、普段絶対に入ることのない子宮口に到達すると、強引にそれをこじ開けて子宮内に侵入した。
「んぎぃッ?! お……おごおぉぉぉぉぉおお!!」
 陽炎や黒潮の様な親しい姉妹でも見たことが無い様な表情で、不知火が叫んだ。目を見開き、大口を開けて叫ぶその姿に豚は更に興奮したのか、長いペニスを不知火の膣から子宮内に擦り付ける様に前後させ続ける。
「は……はぇ……あ……はへぁぁ……」
 不知火はしばらくは強い快感とショックの洪水から失神しないように奥歯をガチガチと鳴らして耐えている。短期間で繰り返す絶頂に耐えきれずに涙と涎と鼻水に顔をぐちゃぐちゃにしながら、だらしない表情を晒していた。豚も限界が近いのか息遣いがかなり荒くなっており、不知火に密着するように背中に伸し掛かる。
 その瞬間は、急に訪れた。
 豚が身体をぶるっと震えさせると、ぶぎぃ……という金属質な鳴き声を発した。同時に、不知火の子宮内に挿入されたペニスの先端から、想像も出来ない量の精液が吐き出された。
「は……はへ……はへぇ……ぉ? ん……んぐッ?! うぶッ!? う……うごぉぉぉぉぉおお!?」
 まるで子宮内で水道の蛇口をひねられた様に、考えられないほどの量の精液が不知火の子宮内に吐き出された。普段の不知火からは想像もつかない、獣の様な悲鳴が地下牢の中に木霊する。どぷん……どぷん……という異様な吐精は止まる気配が全く無く、不知火は口から精液が逆流する様な錯覚を覚え、豚の射精が止まる前に失神した。
 不知火が失神して数分後、ようやく射精を終えた豚は不知火の膣からペニスを引き抜いた。
 不知火の腹が外から見ても分かる程に膨らんでいる。
 豚はしばらく糸の切れた人形の様に項垂れている不知火の身体を舐めると、再び背後から不知火に覆いかぶさる様に伸し掛かった。

 あわよくば学生服か体操服の一着でも手に入れられるのではないかと思い、俺は都内の誠心学院に忍び込んだ。
 大量に湿気をはらんだ夏の生ぬるい空気は夜十一時を回っても体にまとわりつくようにぬめっており、俺は時折ハンドタオルで額の汗を拭きながら暗い廊下を音を立てないように進んだ。不法侵入も慣れたものだと、自嘲気味に思う。女子学生が身につけている物への執着を自覚してから、もう何十年経つだろうか。今まで学舎に忍び込んだ回数は三桁を超えているだろう。自分でも病気の域に達しているとは思うが、人間の欲望を止めることは難しい。ましてやそれが三大欲求の一つであるで性欲であれば尚更だ。
 今、俺が忍び込んでいる誠心学院は、都内でも人気の私立学校だ。ガチガチの進学校というわけではないが、それなりに入試難易度や有名大学への進学率も高く、校風も自由で明るい。制服も私立らしく凝ったものであり、俺のような制服マニアの間での評判もかなり良い。そして何より、通っている女子生徒の容姿レベルがかなり高いのだ。マニア達が集まるインターネット上の掲示板に、時折隠し取りされた誠心学院の女子生徒の写真が貼り出される。投稿者は「神」として崇められ、俺達閲覧者は貼り出された女子生徒のレベルの高さに驚き、生唾を飲むのだ。
 だから、忍び込んだ。
 居ても立ってもいられなかったのだ。
 正面玄関の鍵が開いていたのは僥倖だった。守衛か、当番の教員が閉め忘れたのかはわからないが、運が良い。きっと今日は大物が得られるに違いないと思い、自然に口角が上がるのがわかった。
 だが、甘かった。教室や特別教室のドアは全てが施錠されていた。一応ピッキングの道具も持ってきたが、公立学校とは違い特殊な鍵を使っているため役に立たなかった。ドアを壊すわけにもいかない俺は数メートル先の教室内、ロッカーの中にしまってあるジャージや体操服を歯噛みしながら睨んだ。あきらめた俺はせめて体育倉庫で自慰でもしようかと思い、仕方なく体育館へと向かうことにした。体育館で着替える生徒などいるはずがないから、獲物が落ちている確率は限りなくゼロに近い。広い校舎内を迷いながら進み、なんとか体育館までたどり着いた俺は入口の前で足を止めた。
 体育館の一角の灯りが点いているのだ。
 一瞬、心が躍った。あわよくばカップルの生徒が一戦交えているかもと期待したからだ。俺は息を弾ませたまま、はやる気持ちを抑えてゆっくりと入口から中を覗き込んだ。そして、その信じられない光景を目にした。

 体育館の壁に設置してある肋木(ろくぼく)に、女子生徒が縛り付けられていた。その周囲には男が二、三人、女子生徒を取り囲む様にして立っている。一人はスーツを着ていて、残る二人は何も着ていないように見えた。女子生徒は悔しそうに歯を食いしばりながら、体をよじって両手足に巻かれた布を外そうとしている。その布は女子生徒の左右の手首と足首を肋木に固定し、女子生徒を直立させた状態で拘束していた。
「くくく……いい顔ですね……綾?」とスーツを着た男が言った。男の言葉に、綾と呼ばれた女子生徒を取り囲んでいる裸の男たちも低く笑っている。
 俺は目の前の光景が理解できず、しばし思考が止まっていた。
 綾と呼ばれた女子生徒は誠心学院の制服によく似たセーラー服を身につけていたが、上着の裾が大胆にカットされており、下腹部からヘソの上あたりまでが大きく露出していた。両手には革製のグローブのようなものを嵌めているし、ローファーもよく見れば底が厚く、ブーツとの中間の様な靴を履いていた。
 一瞬、アダルトビデオの撮影か集団レイプの現場に居合わせてしまったのだろうかと考えた。だが、綾と呼ばれた生徒は大げさに泣き叫んだり喚いたりすることなく、怯えと悔しさが入り混じった様な表情でスーツの男を睨み付けている。そこには何か使命感の様なものを感じ取ることができた。
「素直になった方が、身のためだとは思いますが」スーツの男はそう言うと、綾の露出した腹部を手のひらで撫でた。「の」の字を描く様にゆっくりと焦らす様に撫でさすっている。
「くっ……この、変態……!」
 芯のしっかりした声で、綾が抗議した。見ると、横に立っていた裸の男も綾の太ももの辺りを揉みしだいている。短めのスカートが僅かに捲れ上がり、白い下着がちらりと見えた。肉付きの良さそうな綾の太ももに男が指を立てると、弾力のある肌が男の指を押し返した。スーツの男が、綾の腹を撫で回している手をゆっくりと上へと移動させた。その手はセーラー服の上着の中に入り、綾の大きめな右胸を鷲掴みにする様にこね回している。綾は「んっ」と軽く声を発した後、下唇を噛んでスーツの男を睨んだ。男の手の動きはセーラー服の布地越しでもはっきりとわかった。やや乱暴に胸をこね回していたと思ったら、親指と人差し指の腹で乳首をしごきあげる様な動きに変わる。
「んっ……ふッ……こ……この……ッ!」
 綾は羞恥のためか頬を染め、目に涙を溜めながら身体をくねらせてわずかな抵抗を続けている。だが、手足の拘束は解ける気配を見せなかった。俺はあまりの状況に驚きながらも、ドアの陰に隠れながら硬くなった逸物を取り出してしごいていた。この状況がどのようなものなのか……例えばある種のプレイなのか、本当にレイプされかけているのかはどうでもよかった。なぜなら目の前にいる綾と呼ばれた女子生徒は、髪は茶髪で顔つきも活発そうに見えるが遊んでいる雰囲気ではないし、体つきはむちむちした胸や太ももにきゅっと締まった腰周りなど、同年代の女子生徒に比べかなりそそるものがある。要するに、とびきりの上モノだ。その上モノが、器具に拘束された状態で男達に囲まれ、身体を好き勝手に弄ばれている。俺はカメラを持ってきていないことを心底後悔しながら、次の展開を固唾を飲んで見守った……。

 男達は二十分ほど挑発するように綾の胸や太ももを撫で回した。スーツの男は顎をしゃくり、裸の男二人をやや遠巻きに下がらせる。スーツの男がどうやらリーダー格らしい。裸の男達の顔は暗くてよく見えないが、体つきは三人とも同じように見えた。
「さて……どうしたものか……?」スーツの男が綾の顎を撫でながら言った。「あまり手荒な真似はしたくないんですよ……効率の悪いことは嫌いでして……素直になっていただけるのなら、すぐにでも解放するのですが」
「ふ……ふざけないでよ。何をされたって、私は絶対に言いなりになんてならないから……」
「ほぉ……何をされても……ですか?」
「あ、当たり前でしょ? 女の子一人相手に複数で……それも拘束しないと強気に出られないなんて、そんな情けない弱虫に屈するわけないじゃない!」
「……なるほど」スーツの男は綾の顎ををさすっていた手をゆっくりと降ろし、指先で綾のむき出しの腹部を撫でた。「ではその情けない弱虫としては、貴女の身体にお願いしてみるしかなさそうですね……顔に傷が付くと後々楽しめなくなりますから……このお腹に……」
 俺はよく目を凝らして綾の表情を見た。強気に振舞っているが、よく見れば目にはうっすらと涙が溜まっており、歯は小刻みに震えているように見える。
 これはガチだな……と俺は思った。
 経緯は分からないが、これは何かの撮影やプレイなんかじゃなく、本当に綾という女子生徒が男達に尋問か、それに近いことをされているのだろう。綾の怯え方からも、それが演技ではないことが理解できた。
「……す、好きにすればいいでしょ! 何をしても無駄だってこと、わからせてあげるか……ぐあぁッ?!」
 どぎゅっ……という音が俺の耳に届いた。見ると、スーツの男の拳が、綾の腹部に埋まっている。
「んぐッ……ゲホッ! ケホッ……」綾は咳き込みながらスーツの男を睨み付けた。口の端から唾液が一筋、胸に向かって垂れている。

「ゔあっ! うぐッ! ぐぶッ! んあぁッ!」
 ずぐん……ずぐん……という肉を打つ音が体育館に反響している。男が綾の腹に拳を打ち込むたびに、綾の身体は大きく跳ねた。
「……どうでしょう? かなり手加減していますが、少しは協力していただける気持ちになりましたか?」
「うぐ……ッ……ゲホッ……あ……はぁ……な、何言ってるの? こんなことしても無駄だって言ったでしょ…………ゔあぁッ?!」
 ずぶり……と嫌な音がした。今までヘソのあたりを殴っていた男の拳が、綾の鳩尾に深々とめり込んでいる。俺は喉の奥が締まってくるような息苦しさを感じた。鳩尾は自分で軽く押しただけでも心臓を掴まれる様な感覚がするというのに、あそこまで深く拳を打ち込まれたらどれだけの苦痛だろうか……。
「ぐあッ!? んぎぃッ!? あああッ!!」
「少しは自分の立場を理解したほうがいい……。無防備に女性の弱点である腹を晒した状態で、防御もできない体勢で拘束されているという事実を」
 男は容赦なく綾の鳩尾に連続して拳を埋めた。綾の悲鳴の質も苦しげなものから、断末魔の様な危機感のあるものへ変化している。綾に余裕がなくなってきているのが手に取るようにわかった。綾の着ているセーラー服は腹部や脚が大きく露出しているから、綾の身体つきは初めて見た俺にもよくわかった。綾は出ているところは出ているが、身体自体は決して大きくはない。腰回りや脚はそれなりに鍛えているらしいが、それでも平均を超えてはおらず、まだまだスポーツ少女という範疇だ。要するに、年相応の女の子なのだ。男の酷い殴打に耐えられるようには出来ていない。
「んぐあぁッ! おゔッ!? ゔうぅッ! があぁッ!」
 男は鳩尾一点への攻撃を止め、鳩尾やヘソの周辺、そして子宮のある下腹部のあたりと、一発ごとに位置を変えながら綾の細い腹を責めた。そのたびに綾の身体は電気で打たれたように跳ね上がったり、身体を丸めるように縮こまったりと様々な反応を見せる。むき出しの腹を執拗に責められ、その肌にはうっすらと痣が浮かんでいた。
 綾の上体が力が抜けて前かがみになるたびに、横に控えている裸の男がセーラー服の襟を掴んで上体を起こした。無防備な綾の白い腹部がスーツの男に晒される。
 ずぷり……と低い音がした。男は綾の下腹部に拳を埋めたまま、抜かずにぐりぐりと掻き回している。
「おゔッ!? あ……だ……だめ…………そこ……は……」
「子宮だ……女性のみの急所なので、私にはその痛みがどの程度か想像ができませんが、かなり効いているみたいですね」
 綾は苦しそうな金魚のように口をぱくぱくと動かしながら、自分に突きこまれている拳を見つめた。男はまるで女性器を愛撫するかのように、綾の腹に埋めた拳を抜き差ししたり前後にピストンのように動かしたりして綾の反応を楽しんでいた。拳が奥に付き込まれるたびに綾は悲鳴を上げ、身体を仰け反らせて苦痛に耐えている。
 男はひとしきり綾の子宮を責めると、思い切り拳を脇に引き絞り、今まで以上の強さで綾の腹部を殴った。どずん……という、重い砂袋が地面に落ちたような音がした。綾の腹部は男の拳が手首まで隠れてしまうほど深く陥没している。
「ひゅぐぅッ!?」綾は舌を限界まで突き出し、瞳孔が収縮した目を泳がせながら小刻みに痙攣している。苦痛が限界を超えたのか、膝が笑ってまともに立つこともできない様子だが、手首を固定されているため倒れこむこともできない。「あ……うぶッ……ぅぁ……」
「おっと……かなり効いてしまったみたいですね」男は拳を綾の腹にめり込ませたまま、綾の耳元で囁くように言った。綾は……おそらく聞こえてはいないだろう。「これと同じ力で鳩尾を抉られたら、どうなってしまうのか……」
 綾の身体がぴくりと反応した。小さい動作で首を振る。綾が初めて見せた、完全に怯えた表情だった。男がギリギリと音がしそうなほど拳を引き絞る。綾は歯を食いしばって顔を逸らすように恐怖に耐えているようだった。
 どぼぉっ……という、とても人体が発した音とは思えない音が響いた。
 綾の鳩尾は、目を逸らしたくなるほど悲劇的な深さで、男の拳が痛々しく埋まっていた。
 綾はほんのコンマ数秒、自分に突き込まれた男の拳を信じられないという表情で見つめた後、電気椅子にかけられた死刑囚の様に身体を跳ねさせた。
「ふぅッ?! う……うぐあぁぁぁッ!!」耳を塞ぎたくなる様な悲鳴が体育館内に反響する。綾はしばらくびくびくと断続的に身体を痙攣させた後、糸の切れた人形の様に完全に脱力した。男は綾の髪の毛を掴んで顔を持ち上げる。軽く目が閉じられ、涙や汗や唾液が体育館の灯りに反射してテラテラと光っていた。
 俺はかつてないほどの量を射精していた。俺はてっきりあのまま綾が輪姦されるものと期待していたが、まさか執拗に腹を殴る拷問が始まるとは……完全に予想外だった。しかも、その様子はかなり股間にきた。殴られるたびに跳ねる身体や、苦痛に耐えたり舌を出して弛緩している表情は、俺に激しく絶頂する女を思い起こさせた。もっと殴ってくれ……と念じながら、俺は次の展開を待った。
「さて、これからどうするか……朝まで犯し続けるのもいいが」スーツの男は失神した綾の右胸の柔らかさを堪能しながら、考えを巡らせている。「まずは、邪魔者の始末からですね……」
 かすかに、背後から物音がした。振り返る。先ほどまでスーツの男のそばに立っていた裸の男が、俺の背後に立っていた。

前回のイベントで配布した本の文章部分になります。
イラストの添え物として書きましたので、表現などかなりラフになっています。




 切れかかった薄暗い蛍光灯。それに照らされたコンクリート打ちっ放しの床は所々ひび割れていて、歩くたびにじゃりじゃりと音がする。廃墟好きが高じて忍び込んだこの建物は、電気は通ってはいるが、どうやら長い間稼働していないらしい。あきらかに壊れているような機械以外は全て運び出されているらしく、がらんとした大きな部屋がいくつもある。床にはかつてベルトコンベアのようなラインがあったのか、何本も直線的なレールが敷かれていた。
 悪くない雰囲気だ。
 古い物置の様な、カビ臭い空気も心地が良い。
 欲を言えば、もっと古い機械とか脱ぎ捨てた作業着とかがそのまま残されていた方が雰囲気があるが、このご時世、おそらく工場閉鎖の時に金目のものは全て引き揚げたのだろう。
 無音カメラで写真を撮りながら奥に進むと、警備員室を見つけた。窓が曇って中が見えない。ドアノブを回して、念のため音を立てないようにゆっくりとドアを開ける。灰色に汚れた布団が目に飛び込んできた。触れるとかすかに湿り気を帯びている。しまった、と思った。ここは既に誰かの根城になっている。廃墟にホームレスが棲み付くのはよくある話で、交流サイトでは「住人」を刺激してしまい、随分と危ない目に遭った話をよく聞いている。
 長居は無用だ。
 決して魅力のある廃墟ではないし、面倒なトラブルに巻き込まれる前に引き上げようと思った。
 ふと、空気の揺れを感じた。
 呼吸を止めて周囲の感覚を探ると、遠くの方から複数の人間が動く音が聞こえた。耳を澄ます。走ったり、跳んだり、かなり激しく動いているようだ。
 複数のホームレスが酒盛りでもやっているのだろうか。いや、それにしては動きが激し過ぎる。
 迷った挙句、音のする方に行ってみた。
 建物の奥はがらんとした広間になっているようだ。
 そして、目に飛び込んできた光景に、僕は息を飲んだ。

「やあぁッ!」
「えぇぃ!」
 年端も行かない女の子二人が、アニメに出てくるようなコスチュームに身を包んで、やけに太った男に向かって突進している。女の子二人は肩に羽を思わせる飾りがついた競泳水着の様な光沢のあるスーツに、膝上まであるぴったりとしたロングブーツの様なものを履いていた。ツインテールの女の子はピンク、ショートカットの女の子はオレンジのコスチュームだが、デザインは全く一緒らしい。二人とも鋭角に切り込まれたハイレグカットの足の付け根から、健康的な太ももを覗かせていた。
 男の体格は上にも横にも大きく、大柄でかなりの肥満体だ。薄汚いジーンズに、もともとは白だったと思われる黄ばんだTシャツを着ている。普通に考えればここで暮しているホームレスだろう。しかし、あの二人の少女は一体……。
「ぐひひひ……ふ、二人とも……だいぶ効いてきたみたいだねぇ……」
 男が早口で言った。二人の少女は男に対して殴打や蹴りといった攻撃を繰り出しているが、男には全く効いていないらしい。二人の表情に、焦りの色が浮かんでいた。
 自主制作の映画か何かの撮影かと思い、僕は周囲をうかがった。しかし、カメラやスタッフと思しき人は見当たらない。それに三人の動きは、演技にとは思えない鬼気迫るものがあった。
「くっ……由里! 同時に行くよ!」
「由羅……うんッ!」
 二人が同時に飛び出した。由里と呼ばれたピンクのコスチュームの女の子と、由羅と呼ばれたオレンジのコスチュームの女の子が同時に飛び出す。二人は鏡写しの様にシンクロした動きで男に対して拳を突き出した。
「ぶふふ……い、痛くもかゆくもないねぇ……。じ、じゃあ……そろそろ反撃するよぉ……!」
 ずぐん……ずぷん……という二つの重い音が空気を伝って僕の耳に届いたと同時に、二人の女の子の身体がくの字に折れながら跳ねた。
「ゔぅぅッ?!」
「ぐぅッ?!」
 男は二人の女の子の腹部に、丸太の様な腕を繰り出していた。二人に同時に突き込まれた拳は光沢のあるコスチュームの生地を巻き込んで、痛々しく陥没している。

「…………あぐッ!」
 由里と呼ばれた女の子は腹を殴られた衝撃で背中から壁に叩きつけられ、由羅と呼ばれた女の子は自分の腹を抱える様にしてその場にうずくまった。男は由羅をまたぎ越して由里に近づく。由羅は男を止めようとしたのか、歯を食いしばりながら男の足を掴もうと手を伸ばそうとしたが、届くことはなかった。
「けほっ……けほっ…………あ……」
 腹と背中に受けた衝撃で咳き込んでいる由里の前に、男が立ちはだかった。
「んふぅ、や、やっぱり僕は由里ちゃんの方が、弱々しくて好みだなぁ……た、たっぷり可愛がってあげるからねぇ……?」
 男の声はドブ川の底に堆積した粘ついたヘドロを思わせた。由里は戦意が削がれたのか、怯えた様な表情で男を見上げている。男は由里から見えない様に自分の背後で拳を握りこむと、脂肪で膨らんだ拳骨を由里の下腹部に埋めた。ずぷん……という湿った音が響く。
「ぐふぅッ?! あ…………」
 不意打ちであった。背後の壁と男の拳に挟まれ、由里の下腹部は痛々しく陥没していた。由里はその衝撃が大きすぎたのか、焦点の定まらない目で自分の腹に突きこまれた拳をぼうっと見たまま、この後足元から駆け上がってくるであろう衝撃に怯えているように見えた……。

「ん、んん〜、ゆ、由里ちゃんには、ちょっと刺激が強すぎたかなぁ……? つ、次はこっちだよ……すごく苦しいだろうから、いい声を聞かせてねぇ……」
 男は由里の下腹部につきこんだ右の拳を引き抜くと、間をおかずに鳩尾に拳を深々と突き刺した。ずぷんと湿った音がしたかと思うと、由里の身体が電気を浴びた様に大きく跳ねた。
「ひゅぐッ!? んぐああッ!!」
 痛々しい悲鳴が響き、由里の大きく開いた口から唾液が飛び散った。それはあまりにも痛々しい光景だった。由里は身を包んだ奇妙なコスチュームに目を瞑れば、いたって普通の女の子に見える。身体のラインが出る服を着ているから、由里の華奢な体型がよくわかった。例えば由里が女子プロレスラーの様な骨格や筋肉を持ち合わせていたとしたら、ここまで悲痛な光景にはならなかっただろう。しかし僕の目の前では、小さい身体の弱々しい女の子が大男の鈍器のような拳で鳩尾を抉られ、痛々しい悲鳴を上げているのだ。これが悲痛と言わずに何と言えばいいのだろう。
「ゆ、由里ちゃんは、確か三十八発殴ってくれたよねぇ……? お、お礼に……これからその倍の七十六発……な、殴ってあげるからねぇ……ぐふふふ……」
 男は喋りながらも、由里の鳩尾にめり込んだ拳をぐずぐずと動かしながら、苦しむポイントを探すように嬲っている。
 僕は状況が飲み込めないまま、ただ目の前に繰り広げられる非日常的光景に釘付けになった。理由はわからないが、どうやら男と女の子二人は敵対関係にあるらしい。戦う女の子が出てくる漫画やアニメは数え切れないほどあると思うが、大抵は最後に女の子が勝利して終わるのだろう。しかし、この展開からどのように二人が勝利するのか、僕には全く想像が出来なかった。

「ぐっ……っく…………かふっ……」
 あれから何発殴られたのか。男は執拗に由里の腹だけを殴り続け、その度に由里は痛々しい悲鳴を上げ続けた。由里の腹には痛々しい拳の跡が何個も付いている。男は宣言通り七十六発殴り終わったのか、それとも単に殴り飽きただけなのか、不意に朦朧とした由里の背後にまわると丸太のような太い腕で由里の首をギリギリと締め上げた。由里は必死に男の腕に手をかけようとするが、わずかな抵抗は全く意味をなしていないように見えた。
「やっ……あ……ぐむッ?! が……がふっ……」
 遠目に見ても、華奢な由里の身体に男の膨れあがった腕は途方もなく暴力的に見えた。
 由里の顔色が赤から、徐々に紫色へと変色してゆく……。

「ぐっ……由里!」
 由羅と呼ばれた女の子が苦しそうに立ち上がり、男に向かって突進した。男はそれに気付くと、由里の身体をゴミのように放り出して身構える。
「あああっ!」
 由羅は気合いと共に男のでっぷりと太った腹に回し蹴りを放つ。男は少し顔をしかめた程度でほとんど効いていないらしい。由羅は歯をくいしばると、左右の拳を突き出したが、ほとんど効果は無いように見えた。
「ぐひひひ……ゆ、由羅ちゃんは本当に落ち着きが無いなぁ……す、少し大人しくしてもらうよぉ!」
 男は自分の鳩尾に向けて繰り出された由羅の右手首を掴むと、無知やり身体を引き寄せた。同時に、どずん……という重い音が響いた。
「んぶぅッ?!」
 男はカウンター気味に由羅の腹に拳を突き込んだ。全くの不意打ちだったのだろう。由羅は大きく目を見開くと、ろくに悲鳴すら上げられずに、残酷な衝撃をその小さな身体で受け止めていた。
 由里に比べると発育が良く活発な印象を受けるが、由羅も体つきはまだまだ華奢で、遠目からでもすぐに壊れてしまいそうな印象を抱く。普通であれば制服を着て学校に行っている年齢だろうし、暴力とは正反対の場所にいることがふさわしいだろう。しかし男はそんなことは全く意に介さず、由羅の腹が拳の形に陥没するほどの全く容赦と手加減のない一撃を加えた。目を覆いたくなるような光景だが、僕はなぜか目をそらすことが出来なかった。

 一定のリズムで、水の入った厚手の袋を打つような音が響いた。
 男は由羅の身体に覆いかぶさるようにして由羅の身体を押さえつけると、右手で由羅の腹に拳を突き込み続けた。
「えぐっ! うぐえッ! おぶッ! ゔあッ! あああッ!」
 由羅の華奢な身体に、自分の暴力的な体重を乗せて、腹に杭を打ち込む。由羅は目の前の光景が信じられないかの様に、ただ陥没する自分の腹を見ながら身体を跳ねさせていた。
「あぶっ……ゔぁ……ぐぶっ……あぁ……」
「ゆ、由羅ちゃん……だ、大丈夫かい? ま、まさかもう……しし、死んじゃうのかなぁ?」
 ずぶ……ずぶ……という音が断続的に響いている。
 由羅の瞳はほとんどがまぶたの裏に隠れ、力なく開いた口からは弛緩した舌と唾液が垂れ下がっていた。
 男は由羅が虫の息になっても、飽きることなく拳を腹に埋め続けた。

 あれからどれくらい時間が経っただろうか。
 男は新しいオモチャを与えられた子供の様に、二人の女の子を代わる代わる嬲り続けた。
 執拗に腹を責め続け、破れた衣服から覗く肌には痛々しい痣が浮かんでいる。
 二人は現在、工場の柱に背中合わせにされた状態で拘束され、そのまま放置されていた。
 また男が戻ってきたら責め苦が始まるのだろうか。
 危険な場所だと分かりながらも、僕は相変わらずこの場を動けずにいた。年端もいかない女の子が、醜悪な男から責め苦を受けるという目の前で繰り広げられる非日常。僕は体の昂りが治らず、下着の中はぬらぬらとして気持ち悪い状態になっていた。
 由羅の顔が、かすかに笑っているように見えた。いや、どことなく官能的な表情に見えなくもない。もっと男に責めてほしい。もしかしたら、僕と由羅の気持ちは同じなのだろうか。
 ふと、背後から物音が聞こえた。足音? 僕は振りか

28日のイベントで出す新刊「ANOTHER(sic)」のサンプル、神崎綾シーンのプロローグになります。




 あわよくば学生服か体操服の一着でも手に入れられるのではないかと思い、俺は都内の誠心学院に忍び込んだ。
 大量に湿気をはらんだ夏の生ぬるい空気は夜十一時を回っても体にまとわりつくようにぬめっており、俺は時折ハンドタオルで額の汗を拭きながら暗い廊下を音を立てないように進んだ。不法侵入も慣れたものだと、自嘲気味に思う。女子学生が身につけている物への執着を自覚してから、もう何十年経つだろうか。今まで学舎に忍び込んだ回数は三桁を超えているだろう。自分でも病気の域に達しているとは思うが、人間の欲望を止めることは難しい。ましてやそれが三大欲求の一つであるで性欲であれば尚更だ。
 今、俺が忍び込んでいる誠心学院は、都内でも人気の私立学校だ。ガチガチの進学校というわけではないが、それなりに入試難易度や有名大学への進学率も高く、校風も自由で明るい。制服も私立らしく凝ったものであり、俺のような制服マニアの間での評判もかなり良い。そして何より、通っている女子生徒の容姿レベルがかなり高いのだ。マニア達が集まるインターネット上の掲示板に、時折隠し取りされた誠心学院の女子生徒の写真が貼り出される。投稿者は「神」として崇められ、俺達閲覧者は貼り出された女子生徒のレベルの高さに驚き、生唾を飲むのだ。
 だから、忍び込んだ。
 居ても立ってもいられなかったのだ。
 正面玄関の鍵が開いていたのは僥倖だった。守衛か、当番の教員が閉め忘れたのかはわからないが、運が良い。きっと今日は大物が得られるに違いないと思い、自然に口角が上がるのがわかった。
 だが、甘かった。教室や特別教室のドアは全てが施錠されていた。一応ピッキングの道具も持ってきたが、公立学校とは違い特殊な鍵を使っているため役に立たなかった。ドアを壊すわけにもいかない俺は数メートル先の教室内、ロッカーの中にしまってあるジャージや体操服を歯噛みしながら睨んだ。あきらめた俺はせめて体育倉庫で自慰でもしようかと思い、仕方なく体育館へと向かうことにした。体育館で着替える生徒などいるはずがないから、獲物が落ちている確率は限りなくゼロに近い。広い校舎内を迷いながら進み、なんとか体育館までたどり着いた俺は入口の前で足を止めた。
 体育館の一角の灯りが点いているのだ。
 一瞬、心が躍った。あわよくばカップルの生徒が一戦交えているかもと期待したからだ。俺は息を弾ませたまま、はやる気持ちを抑えてゆっくりと入口から中を覗き込んだ。そして、その信じられない光景を目にした。

 体育館の壁に設置してある肋木(ろくぼく)に、女子生徒が縛り付けられていた。その周囲には男が二、三人、女子生徒を取り囲む様にして立っている。一人はスーツを着ていて、残る二人は何も着ていないように見えた。女子生徒は悔しそうに歯を食いしばりながら、体をよじって両手足に巻かれた布を外そうとしている。その布は女子生徒の左右の手首と足首を肋木に固定し、女子生徒を直立させた状態で拘束していた。
「くくく……いい顔ですね……綾?」とスーツを着た男が言った。男の言葉に、綾と呼ばれた女子生徒を取り囲んでいる裸の男たちも低く笑っている。
 俺は目の前の光景が理解できず、しばし思考が止まっていた。
 綾と呼ばれた女子生徒は誠心学院の制服によく似たセーラー服を身につけていたが、上着の裾が大胆にカットされており、下腹部からヘソの上あたりまでが大きく露出していた。両手には革製のグローブのようなものを嵌めているし、ローファーもよく見れば底が厚く、ブーツとの中間の様な靴を履いていた。
 一瞬、アダルトビデオの撮影か集団レイプの現場に居合わせてしまったのだろうかと考えた。だが、綾と呼ばれた生徒は大げさに泣き叫んだり喚いたりすることなく、怯えと悔しさが入り混じった様な表情でスーツの男を睨み付けている。そこには何か使命感の様なものを感じ取ることができた。
「素直になった方が、身のためだとは思いますが」スーツの男はそう言うと、綾の露出した腹部を手のひらで撫でた。「の」の字を描く様にゆっくりと焦らす様に撫でさすっている。
「くっ……この、変態……!」
 芯のしっかりした声で、綾が抗議した。見ると、横に立っていた裸の男も綾の太ももの辺りを揉みしだいている。短めのスカートが僅かに捲れ上がり、白い下着がちらりと見えた。肉付きの良さそうな綾の太ももに男が指を立てると、弾力のある肌が男の指を押し返した。スーツの男が、綾の腹を撫で回している手をゆっくりと上へと移動させた。その手はセーラー服の上着の中に入り、綾の大きめな右胸を鷲掴みにする様にこね回している。綾は「んっ」と軽く声を発した後、下唇を噛んでスーツの男を睨んだ。男の手の動きはセーラー服の布地越しでもはっきりとわかった。やや乱暴に胸をこね回していたと思ったら、親指と人差し指の腹で乳首をしごきあげる様な動きに変わる。
「んっ……ふッ……こ……この……ッ!」
 綾は羞恥のためか頬を染め、目に涙を溜めながら身体をくねらせてわずかな抵抗を続けている。だが、手足の拘束は解ける気配を見せなかった。俺はあまりの状況に驚きながらも、ドアの陰に隠れながら硬くなった逸物を取り出してしごいていた。この状況がどのようなものなのか……例えばある種のプレイなのか、本当にレイプされかけているのかはどうでもよかった。なぜなら目の前にいる綾と呼ばれた女子生徒は、髪は茶髪で顔つきも活発そうに見えるが遊んでいる雰囲気ではないし、体つきはむちむちした胸や太ももにきゅっと締まった腰周りなど、同年代の女子生徒に比べかなりそそるものがある。要するに、とびきりの上モノだ。その上モノが、器具に拘束された状態で男達に囲まれ、身体を好き勝手に弄ばれている。俺はカメラを持ってきていないことを心底後悔しながら、次の展開を固唾を飲んで見守った……。

2月28日(日)に開催されるりょなけっと5に向けて製本作業を進めてまいりましたが、本日無事に入稿が完了いたしました。

約1年振りのイベント参加となりますので、当日はどうぞよろしくお願いいたします。


◆イベント概要
 日時:2016/02/28(日) 11:00〜15:00(終了後アフターイベント有り)
 会場:東京卸商センター3F展示場
    ※詳細や注意事項等はイベント公式HPをご参照下さい。

◆登録サークル名
 Яoom ИumbeR_55 -BASEMENT-


◆スペースナンバー
 O4

◆配布物
 新刊:ANOTHER(sic)
 ページ数:20ページ(表紙込み)
 イラスト:9シーン、差分込み12枚
 印刷:フルカラー(意図的なモノクロ表現が一部あります)
 内容:ビジュアルノベルの製本化がコンセプト
    イラスト集に文章が付いたものとお考えください
    オリジナルキャラクターの双子(由里、由羅)と神崎綾の腹責めがメインです
    ※直接的な性表現、失禁などの描写はありません

 価格:1,000円


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表紙サンプル



既刊:[PLASTIC_CELL]
 ページ数:44ページ(表紙込み)
 イラスト:4シーン
 印刷:イラストのみフルカラー
 内容:オリジナルキャラクターの鷹宮美樹と水橋久留美メインの腹パンチ本
 価格:800円


サンプル



既刊:[GHØSTS]
 ページ数:116ページ(表紙込み)
 内容:総集編
    RESISTANCE CASE: AYA
    RESISTANCE CASE: TWINS
    RESISTANCE CASE: ZION -THE FIRST REPORT-
    RESISTANCE CASE: ZION -THE FINAL REPORT-

 価格:1,500円


名称未設定-1




興味があればお手に取っていただけると幸いです。
では、当日はよろしくお願いいたします。

昨年は身体を壊したため、ろくに活動ができずに申し訳ありません。
現在リョナオンリーイベント、りょなけっと5に向けて製作を進めています。
今回は以前から作りたかったビジュアルノベルを紙媒体にしたものを予定しておりますので、目処が立ち次第こちらで報告いたします。


予定配布物 
内容:フルカラー20ページ前後(表紙4ページ込み)
予価:1,000円〜1,500円
イラスト:10シーン、差分込み12枚予定


今回はフルカラー本のため原価が高額になり、配布価格も通常より高額になる可能性があります。
申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

サークルカット(number_55)

通販のご希望を数件いただきましたので、10月末まで通信販売を実施いたします。
ご希望の方は下記をお読みになり、連絡をお願いいたします。



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◆ [GHØSTS]
・ページ数
 116ページ(表紙込み)
・内容
 RESISTANCEシリーズ本編全てに新規イラストを追加した総集編になります
 
 RESISTANCE CASE: AYA
 RESISTANCE CASE: TWINS
 RESISTANCE CASE: ZION -THE FIRST REPORT-
 RESISTANCE CASE: ZION -THE FINAL REPORT- 
 ※上記全て収録、一部加筆修正
 ※再録イラストはモノクロになります
 ※新規イラストはフルカラーです

・文章
 上下二段刷(基本30文字×30行×2段)
・再録イラスト
 モノクロ16枚(CASE: AYA_4枚/CASE: TWINS_4枚/CASE: ZION_8枚)
・新規イラスト
 フルカラー4枚(腹責め×2枚、その他×2枚)
・価格
 1,500円

【サンプル】
名称未設定-1


総集編チラシ2


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ハラパ広告1




◆[PLASTIC_CELL]
・ページ数
 44ページ(表紙込み)
・内容
 新キャラの鷹宮美樹、水橋久留美を中心とした腹パンチメイン本
 総集編の続きモノとなります
・文章
 上下二段刷(基本30文字×30行×2段)
・イラスト
 フルカラー4枚(腹責め×3枚、キャラクター紹介×1枚)
・価格
 800円

【サンプル】
サンプル


Twitterロゴ_edited-2



◆送料について
・レターパックライト(360円、ポスト投函)
・レターパックプラス(510円、対面手渡し)
 上記からお選び頂けます。申し訳ありませんが、送料はご負担ください。


◆受付期間
・2015年10月末日まで受付予定


◆ご注文方法
 下記内容を記入いただき、メールにてご連絡ください
 後ほど合計金額とお振込先の連絡を差し上げます

・希望タイトル、冊数
・ご希望の配送方法(レターパックプラスもしくはレターパックライト)
・郵便番号
・ご住所
・お名前
・年齢
・電話番号


◆宛先
 roomnumber55.japan★gmail.com
(★を@に変更してください)


◆お支払い方法
・銀行振込
 ※お振込名義が郵送先と異なる場合はご連絡ください


◆その他
18歳未満の方へ配布することはできません。必ず年齢の記載をお願いいたします
・1週間以内に返信が無かった場合、お手数ですが再度お問い合わせをお願いいたします
・破損、落丁等あった場合は、お手数ですがご連絡ください
今回配布する本は過去のイベントで配布した物と同じ物となります
・ご希望、ご質問などありましたら遠慮なくご相談ください。ご質問は他の購入者様にもご覧いただくため、できるだけ「コメント」でいただけるようお願いいたします
・頂いた個人情報は今回の通信販売のみに使用し、終了後に破棄削除させていただきます

お題:JKサンドバッグ、大量の水を飲ませて吐かせる、マグロになってからも続く水袋打ち


リクエストをいただいて書いてみましたが、薄めな内容になってしまいました。
文中、意図的に空欄を設けておりますが、仕様です。
皆さんの憧れの人の名前を入れてみてください。

では、どうぞ。


追記:nnSさんのイラストを追加しました


「嫌な男な厭な話」



 僕は就職と同時に故郷を離れたから、ごく僅かながら存在した地元の知人との縁は、それで全て切れてしまった。もともと根暗で人付き合いが苦手だから、新天地では新しい友人が一人も出来なかった。当然、恋人などいた事は無い。時々、昔好きになった女性を思い出して、ありもしない妄想を繰り広げては暗く汚い部屋でのたうつことが唯一の楽しみだ。特に高校の頃に好きになった  さんとの妄想は格別だ。一目惚れの初恋。都内から転校してきた彼女は、田んぼの真ん中にある田舎の学校の、芋臭い生徒達の中でひときわ輝いて見えた。
   さんが転校してきたのは忘れもしない九月一日。夏休みが開けたばかりのまだ暑い頃だ。親の都合で時期外れの転校をしてきた  さんは、夏服の白いセーラー服を着て(僕の母校は制服の評判だけは良かった)、教壇の上で自己紹介をした。大人しそうな雰囲気だったが、体つきは都会の人らしく大人びていた。
 その日から、僕の妄想は始まった。
 妄想の中では、クラスで孤立している僕と  さんは秘密のうちに付き合っており、学校では目を合わせることも無いが、毎日下校後に秘密の場所で合流し、僕か  さんどちらかの家に行く……というストーリーが多かった。妄想の中で  さんは僕だけに微笑み、僕の話題に相槌を打ち、僕に抱かれた。  さんには実に様々なことをした。普通の性交、変態度が強いもの、奉仕、野外、殴る蹴る、殴られ蹴られ、時には暴漢に  さんが犯されている様子を僕が成す術もなく見守るという内容もあった。
 現実では結局卒業まで挨拶すらろくにしなかったというのに、  さんとの妄想は十年以上経った今でも日課になっており、いまだに強く興奮する。
 だから、高校を卒業して  さんと会うことが出来なくなってからは、単調な日々だった。
 そこそこの大学に入り、そこそこの会社に就職したが、  さんのいない生活は全く張りが無い。
 僕だけが淡々と歳を取っていく中で、妄想の中の  さんは永遠に高校生のままだった。
 平日は仕事に行き、家に帰り、妄想をしてから眠る。休日は妄想をしながら一日寝ている。
 仕事には全く身が入らず、人付き合いもせず、日々が川の流れの様にゆるゆると過ぎていった。
 そしてある時、僕は発作的に勤めていた会社を辞めた。
 年末に最後の賞与を貰い、手続きを全て終え、僅かな荷物と全盛期が過ぎた身体を引きずって数年ぶりに故郷に戻った。


「ねぇ?」
 呼びかけられて、僕は我に返った。
 アスファルトとタイヤの擦れる音。
 十人乗りのハイエースは運転席と助手席以外の全ての座席が取り外され、大人の男三人が楽に横になれるほど広い後部座席のあった部分には、ブルーシートが被せられた薄いマットレスが床一面に敷かれている。車の振動で体が動くたびに背中にむき出しの鉄板が当たり、がさがさとビニールシートが擦れる音が尻の下から聞こえた。車は曲がりくねった傾斜のある道を登っている。どうやら山に入ったらしい。ささやかな市街地の灯りはだいぶ前に無くなり、古めかしい街灯が時折窓の外に映った。
 芳香剤の匂いがやけに強い。
「ねぇ?」返事をしなかった僕に、僕の対面に胡座をかいて座っている男が少し大きな声で言った。豊かな白髪を七三に分け、型の古い四角い眼鏡をかけている。中肉中背で、大学教授だと言われればそうかなと思う風貌だ。「このヒトと、どういう関係なの?」
 男の指が、男と僕の間に横たわる女の子を指した。男の声は穏やかだが、有無を言わさない凄みを感じて僕は押し黙ってしまった。
「……さっきから聞いてるんだけど?」
「は……いえ……全く知らない人です……」
 女の子は気を失っている。夏服のセーラー服を着て、足首と、後手に回された手首にはガムテープが巻かれていた。口にもガムテープが当てられ、目はきつく閉じられている。汗で額に貼り付いた前髪や、短めのスカートから覗く脚が嫌でも目に入った。そしてこの名前も知らない女の子は、見れば見るほど  さんとしか思えなかった。顔や髪型、身体つきも全く同じだし、着ているセーラー服も僕の母校のものだ。
 十年以上前の、僕の初恋の人が今、僕の目の前にいるのだ……。
「知らない? 名前知ってるのに、知らない訳ないよね?」
「ほ、本当に知らないんです……ただ……昔の知り合いに似ていて……」
 男は不審そうな目で僕を見ながら眼鏡を直した。
「嘘言っちゃあいけないよ。僕逹がこの子を拉致した時、『  さん!』って大声で叫んで飛び出してきたじゃない」
「ストーカーなんじゃないですか?」運転席の男がバックミラー越しに僕たちを見ながら言った。ハンドルを握っている腕が太い。バックミラーに映った目はやけに大きく、爬虫類の様にぎょろぎょろしている。この男は、目の前の教授風の男よりもひと回り程度は若いようだ。「今思い出したんですが、こいつ女の子が店を出た時に後をつける様にこそこそと出てきたんですよ。彼氏って訳でもなさそうだし、もしかしたら同業かもしれないっすよ」
「ち、違います……僕はやましいことは……」
「いいから知ってることを言いなさいよ。コトが終わったらなるべくわからないようにして棄てたいんだ。そのためには、この娘の個人情報は多ければ多いほどいい。協力しないと、屍体が増えることになるよ」
 教授風の男が静かに凄んだ。
「ほ、本当に知らないんです! たまたま店で見かけただけで、その……昔好きだった人に、あまりにもそっくりだったから、思わず後をつけてしまって……」
「……昔? 結構歳が離れているように思うけどね」
「は、初恋の人です。高校の頃の転校生に一目惚れして……以来ずっと好きなんです。だから、思わず本人が目の前に現れたのかと……」
「苦しい言い訳だね……」教授風の男は笑みを消し、腕組みしながら僕を睨んだ。あまりセンスの良くない柄のシャツの裾がぱんぱんに張っている。歳は五、六十代に見えるが、爬虫類の様な男と同様にかなり鍛えているらしい。「君がいくつだか知らないけれど、高校生の頃なら十年……もしくはそれ以上前の話だよね? どう考えてもおかしいでしょ。タイムスリップを本気で信じているのならともかく、普通はそこまで思いが続かないか、間違えるにしてもせいぜい君と同い年くらいに成長した彼女を想像するでしょ? 目の前に高校生の頃好きだった人が制服のままそっくりそのまま現れたから、思わず後をつけて、危険な目に遭いそうになったから名前を叫んで飛び出した? 僕たちをあまり馬鹿にしちゃあいけないよ」
「本当なんです……ずっと……ずっと妄想していて……」
「妄想?」
 教授風の男が腕組みをしたまま話の続きを促した。
「高校の頃から……ずっと彼女で妄想しているんです。忘れたことなんか一日もありません。僕たちが付き合っている設定で、いろんな妄想をしていました。本人は今どこで何をやっているのか全くわかりませんが、僕の頭の中では、まさに目の前のこの娘と……いやこの娘で!」
 僕が言い終わると同時に、運転手の男が笑い出した。
「つまりズリネタにしてたってこと? 十年以上も一人の女を? ふはははは! すごいよあんた、本当だったら完璧に変態だ」
 教授風の男の腕が唸りを上げて、拳骨が僕の顔に飛んできた。僕は一瞬で吹っ飛ばされ、スライドドアの内壁に頭をしたたかに打ち付けた。痛みは感じないが、視界が船酔いした様にぐらぐらしている。口の中が鉄っぽくなり、吐き出すと血にまみれた歯が二本出てきた。
「あまりふざけていると、僕も怒るよ」
 教授風の男が女の子をまたいで僕の髪の毛を掴む。腰が抜けて立てない僕の頭を、そのまま力任せに壁に叩きつけた。殺される、と僕は思った。無意識に小便を漏らしていたらしく、太ももの内側に嫌な生暖かさが広がって行く。遠くでくぐもった声が聞こえた。教授風の男が僕の頭を叩きつけるのを止める。ほとんど見えなくなった視界の隅に、頭だけ起こして目を見開いている女の子の姿が見えた。
「んー! んんー!」
 女の子は必死に首を振っている。口元は隠れれいるが、表情は恐怖に引きつっていた。教授風の男は僕の顔を女の子の前に突き出すと。女の子の口元を覆っていたガムテープを外して、「この人……知り合い?」と聞いた。女の子は僕の顔と男の顔を何回も交互に見ながら、震える声で「……いいえ」と言った。
 その声はまさに  さんの声だった。

 男二人は雑木林の中に車を駐めると、  さんの足首を縛っていたロープを外して、僕と一緒に車の外に出した。両手足を縛られた僕は土の上に転がされ、夏の湿った土の匂いが強烈に鼻を突いた。
「全部話すとだね……」教授風の男が黒い手袋を嵌めながら言った。「僕たちはいわゆる強姦魔なんだ。それも、少し特殊な……ね。女性がいたぶられ、苦しむ様子に異様に興奮を覚える……。普段は同好同士がネット上のコミュニテイ内で同意の元に擬似的なプレイを楽しんでいるんだけど、たまには本物を味わいたくなるのが人間だ。今日は、いわゆるオフ会だね」
 教授風の男は爬虫類似の男に聞こえないように僕に耳打ちした。爬虫類似の男は  さんの手首を縛っていたロープを解くと、  さんの背中を自分の胸に押し付けるようにして羽交い締めにしている。白目と、剥き出しになった歯が、暗闇で異様に光っていた。
「さて……始めようか?」
 教授風の男が  さんに歩み寄る。爬虫類似の男の口角がつり上がり、  さんの歯がカチカチと鳴った。
「な……何をするんで––––」
   さんが言い終わらないうちに、教授風の男の拳がずぶりと  さんの腹部を抉った。
「––––うぶぅッ?!」
 僕は目を見開いてその光景を見ていた。背中を逸らされ、スカートとめくれ上がったセーラー服の上着の間には白くしまった生腹が見えていた。そこに男の黒い拳が一切の容赦無くつき込まれたのだ。  さんは一瞬で目を倍以上見開いたかと思うと、自分の腹部を覗き込むように首を下に折った。
「……うぇっ。『管理人』さん、ちょっと手加減してくださいよ。俺にまで衝撃が来たじゃないですか……」
 爬虫類似の男が顔をしかめながら管理人(男のハンドルネームか?)に言った。  さんは顔を下に向けたまま、びくびくと痙攣している。たった一撃で失神したのだろう。あの爬虫類似の男の身体から考えて、腹筋もかなり鍛えているはずだ。その男が華奢な  さんの身体越しに受けた衝撃に顔をしかめている。では、その衝撃をまともに受けた  さんのダメージは、どれほどだったのだろうか……。
「『ヒスイ』さん、顔を上げさせて……」管理人がヒスイに命じた。興奮しているのか、声が少し上ずっている。
「あ……ぁ……」
 ヒスイに顎を掴まれ、無理やり上を向かせられた  さんの顔は正視に耐えなかった。口は喘ぐように大きく開き、両目は大粒の涙を流しながらどこを見ているのかわからないほど虚ろになっている。口の周りは泡立った唾液でべとべとになって、ナメクジの背のように光っていた。
 どぶん……と砂袋を地面に落としたような音が響いた。
「ゔぅッ?!」
 幼さが残る  さんの悲痛な声が絞り出される。管理人がまた  さんの華奢な腹に拳をめり込ませたのだ。今回は先程に比べて大分手加減したようだが、それでも  さんは身体を仰け反らせて苦痛に身体を震わせていた。
「うッ……ッ…………うぐッ……あぁ…………」管理人は  さんの生腹から拳を引き抜かずに、嬲るような苦痛を与え続けていた。ヒスイも今回は身体への衝撃が無かったのか、  さんの反応を楽しむように覗き込んでいる。
「おッ……うぐッ…………おぶぅッ!?」
 管理人は突き込んでいた拳を、力任せに  さんの腹の奥に押し込んだ。  さんはびくりと身体を跳ねさせると、一際大きな悲鳴をあげた。だが、管理人の責め苦はそれで終わらなかった。教授が奥に突き込まれた拳を引き抜くのとほぼ同時に、  さんの鳩尾を突き上げたのだ。
「んごぉッ?!」
 先程までとは質の違う悲鳴が  さんの口から発せられたかと思うと、  さんの全身から力が抜けた。再び失神したようだ。  さんはヒスイの羽交い締めによって、皮肉にも顔から倒れ込むのを防がれている。
「うーん……かなり良いね。ちょっと交代だ。やっぱり歳だねぇ」
「何言ってるんですか。ものすごい衝撃で、俺ごとやられてるのかと思いましたよ。というか、今回はかなり良いんですか?」
「良いなんてもんじゃない。たいていは泣くわ喚くわで大騒ぎだし、酷いといろいろ垂れ流しで大変なんだ。向こうも必死だから、下手するとこっちも怪我するしね。今日みたいに綺麗なプレイは滅多に無いよ」
「そ、そうなんすか……かなり迷ったんすけど、思い切って申し込んで良かったぁ……」
 管理人がタオルで汗を拭き終わると、ヒスイと同様に女の子を羽交い締めにした。
   さんの制服は上着やスカートが汗で肌に張り付き、胸や太ももの付け根の身体のラインがしっかりと出ている。そしてその顔は、やられていることは暴力なのだが、まるで激しい性交の直後に絶頂に打ち震えている様にも見えた。
 憧れの  さんが、目の前で全身汗だくになりながら、快楽に身悶えている……。
 両手足を縛られていた僕は無意識のうちに、股間を地面に擦り付けていた。
 ヒスイの攻撃の最中、僕のその様子を目ざとく見つけた管理人は「そろそろ第一ラウンド終了だから、一発だけやらせてあげるよ」と僕に言った。
 ヒスイが満足した後、管理人の言葉通り僕は縄を解かれて  さんの前に立たされた。ヒスイに羽交い締めにされ、虚ろな目で喘いでいる  さん……。おそらくヒスイが拘束を解いたら倒れ込んでしまうだろう。その  さんの腹に、僕は恐る恐る拳を埋めた。蚊の止まる様な一撃だったと思うが、力なく弛緩した  さんの腹部に僕の拳はずぷりと吸い込まれていった。それはなんとも言え無い感触だった。他の何にも例えようの無い感触。僕の拳が湿って熱を持った腹部の皮膚にめり込み、筋繊維をかき分けて内臓に僅かながらに触れる。  さんの”中身”に、僕は一瞬触れたのだ。
 ヒスイが手を離し、  さんを乱暴に仰向けに寝かせた。失神した  さんは目を閉じ、乱れた髪を直すことも出来ずに体を投げ出している。めくれ上がったセーラー服の上着からは、痛々しく赤く腫れあがった腹部が見えていた。僕は強烈な快感を感じて、無意識のうちに  さんを殴った手で男性器をしごいていた。見ると、教授やヒスイも同じように自らの男性器をしごいている。僕たち三人はほぼ同時に達し、  さんの制服に染みを作った。

 いくら広いハイエースの後部座席とはいえ、四人も入ればかなり狭い。隅には未開封のミネラルウォーターのペットボトルが五本置かれている。その脇には漏斗と、大量のタオル。そして中央には、失神した  さんが寝かされていた。  さんは仰向けの状態で丸めた布団を腰の下に入れられている。自然と背中を反らされてた格好になる。そして両手は丸めた布団の中に入れられ、手首には手錠を嵌められていた。
 その手錠は、僕が嵌めたものだ……。
「水ってのは不思議だね……」管理人がボルヴィックを飲みながら言った。「無くなっちゃうと動物も植物も生きてはいけないけれど、大量にありすぎると洪水やら長雨やらでみんなダメにしてしまう。命を育んだり奪ったり……気まぐれなやつなんだよ、水ってやつは」
「僕は……」僕は異様に喉が渇き、渡された水を一気に飲み干していた。股の間がぬるぬるして気持ち悪い。「僕は……どうなるんですか?」
「どうもしないさ。ここまで来たら僕たちはもはや同類だ。仲良くしよう。君はあの娘が苦しむ様を見て興奮しただろう?」
「それは……」
「恥ずかしがるなよ。わかるさ。自分が異常だって認めるのは辛いよな」ヒスイが携帯をいじりながら言った。「でも、同じように異常なやつらが百人もいれば、それは異常じゃあない。俺も管理人さんが運営してるコミュニテイサイトに出会うまでは独りで悶々としてたもんさ。それからは、人生が随分と楽になったよ。今までは生きているのか死んでいるのかわからないような人生だったけれど、仕事にも精が出るし、半年かけて 今回のオフ会の参加費を稼ぐこともできた。管理人さんは俺の命の恩人さ」
 管理人は満足そうに頷いた。
 狂っている……と僕は思った。
 なにが命の恩人だ。
 やっていることは拉致監禁暴行の立派な犯罪じゃないか。確かに僕はあの時強い興奮を覚えたが、今では強く後悔している。なんでこいつらは薄ら笑いを浮かべているんだ。
「逃げたければ逃げればいいさ」管理人が言った。「それで通報でもなんでもすればいい。でも、よく覚えておくことだ。君はあの娘の制服に大量に射精している。鑑識が調べれば、僕達以外に君の体液も間違いなく検出される。言い逃れはできないよ。よく考えることだ。さっきも言った通り、君が望むにしろ望まないにしろ、君は僕達と同類だ」
 空が白み始めていた。
 管理人が目配せをすると、ヒスイがペットボトルの水を  さんの顔にかけた。  さんはむせながら目をさますと、仰向けに拘束された自分の姿に驚いていた。管理人が  さんの口に蛇のような速さでプラスチック製の漏斗を押し込む。それと同時にヒスイが水を一気に漏斗に流し込んだ。
「んぐッ……?! んんんんんん?! がぼッ?!」
 水責め。
 強制飲水。
 水と、簡単に拘束できる道具があれば、相手に死の恐怖を感じさせるほど猛烈な苦痛を与えることが出来る凄惨な拷問だ。
 ごぼごぼと音を立てながら、何度も  さんの喉が蠢いた。意思に関係無く、無理やり水が飲まされている。  さんは目を大きく見開いて足をばたつかせながら、必死に漏斗を外そうとしている。
 二リットルの水が数十秒で空になった。  さんの胃のあたりがわずかに膨らんでいる。
「げほっ! げほっ! は……うえっ……あ……ああぁ……」  さんは漏斗を外されると、焦点の定まらない目で虚空を見回した。
 ぼじゅん……という水袋を殴るような音が、ハイエースの車内に響いた。
 管理人がハンマーで杭を叩くように、  さんのわずかに膨らんだ腹部に拳を叩き込んだのだ。
「ひゅぐッ?! うぶえぇぇぇぇぇ!!」
   さんは殴られた瞬間、かっと目を見開くと、喉を蠢かせたまま噴水のように水を吐き出した。管理人は何度も何度も、最後の一滴まで絞り出すように  さんの腹に杭打ちを続けている。その度に  さんは痙攣しながら吹き出させた。呼吸ができていないのだろう。目を覚ましたばかりの  さんの瞳はすでに裏返っている。
「がっ……あっ……あぁ……ああぁ…………」
   さんは全身を濡らしたまま、声にならない声を発している。ばちゅん……ばちゅん……と湿った袋を打つような音が一定の間隔で響いた。  さんは空っぽになった胃を責められ続け、虚ろな顔を晒している。


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 反応が完全に無くなった頃、ヒスイが漏斗を  さんの口に押し込んだ。されるがままだった  さんの顔が恐怖に引きつる。先ほど受けた苦痛がトラウマになっていたらしい。必死の抵抗も虚しく、ふたたび二リットルのペットボトルは空になり、水袋打ちが始まった。ペットボトルは、あと三本あった……。

 管理人とヒスイが交代で仮眠を取った後、僕たち四人は車の外に出た。  さんは呼吸はしているものの自分の力では動くことも出来ず、管理人に抱えられるようにして車内に出ると地面に寝かされた。顔色は、そこまで悪くないようだ。
 管理人とヒスイはコンビニで買ったらしいパンを齧っている。
 二人は僕にも一つくれようとしたが、断った。物を食べられる心境ではなかったし、こいつらの僕に対して馴れ合うような気持ちを受け入れることが出来なかったからだ。
 じわじわと気温が上がっている。
 木々を見上げると、昨日の夜から今までのことが幻のように感じられた。だが、視線を下に戻すと、現実の  さんが倒れていた。
 絶対に通報してやる。
   さんをこんな目に遭わせたた男どもに制裁してやる。
 もう捕まろうがどうだっていい。
 おそらくどこかの場所で、僕と  さんは解放されるだろう。そしたら二人で警察に行くんだ。全て正直に話をして、さらなる被害者が出ないようにしなければ。
 ヒスイがどうしても眠いと言い、その場に座り込んでしまった。
 管理人は  さんを起こしている。
 ふらふらだが、なんとか立つことが出来るまでには回復したらしい。
   さんは管理人に腰と手首を持たれて、僕に背中を向けて抱えられるようにして立っていた。
 頭をはっきりさせようとしているのか、嫌々をするように首を振っている。
 嫌ぁ! という声がはっきりと僕の耳に届いたと同時に、ぱんと破裂音が木々の間に響いた。
 ヒスイの身体がビクリと跳ね、ガクガクと痙攣した後に動かなくなった。
 なんだ……何が起きているんだ……?
 管理人と  さんが僕の方を振り向いた。
 背後にはヒスイが頭から血を流して、身体を地面に投げ出している。
   さんは歯を食いしばり、両目からは大量の涙を流していた。
 その右手には……管理人が掴んでいる手首の先には、ピストルが握らされていた。
「通報するならすればいい……この人殺しが……」管理人が言った。引き金に乗っている  さんの人差し指に、管理人の指が重なる。「次はあの男だ……」

こんばんは。
今回はシャーさんのキャラクターをお借りして短編を書いてみました。
現在、病気で三十分程度しか机に座ることができない状態なので、かなりの突貫作業となっております。設定や描写などグダグダになっていますが、暇潰しに読んでいただけると幸いです。

では、どうぞ↓













「本物みたいね……」カスミ・F・ミカーニャがスチールラックから抜き取ったファイルをパラパラとめくりながら言った。明るい紫の瞳は細かく書かれた化学式や、人名のリストを素早く追っている。「『ヴェノム』に関する資料……合成方法や流通経路が書かれている……でも妙ね……化学式が既存の『ヴェノム』と少し違う……」
 薄汚れた小さな部屋だ。
 生活感は無い。
 三人掛けのソファに、広い作業机。天井から吊るされた裸電球がオレンジ色の光を放っている。外界と繋がるものは、ドアと開け放たれた窓だけだ。そこから隣接した工場が発する騒音と、不快な湿気が部屋の中に流れ込んでいる。
「やっぱり! じゃあ情報は正しかったんですね!」ミリィが両手を胸の前で握りしめながら言った。黄色い目が輝いている。初めての任務が成功しそうなので、興奮しているのだろう。ミリィのショートカットに切りそろえられた癖の強い金髪の一部が跳ね上がり、まるで猫の耳のように見えた。
「そうね……」カスミがファイルを作業机に置くと、顎に指を当てて足元を見た。紫色の長い髪が頬の横からさらさらと垂れる。
「早く報告しに帰りましょうよ! 証拠は十分ですよ」
「待って……おかしいと思わない?」
 カスミはミリィに背を向けて壁際に移動すると、破れた壁紙を人差し指でなぞった。
「『ヴェノム』は今、世間で大きな問題になっている合成麻薬よ。人間の脳のリミッターを解除して、人を怪物に変えてしまう恐ろしい薬物……。『ヴェノム』があれば、人は武器無しでも殺人や犯罪がたやすく行えるし、たとえ逮捕したとしても、専用の檻でなければ簡単に破壊されてしまう。人間の肉体が武器なのだから、もちろん探知機にもかからない……」
「先日起きたハイジャック事件も、『ヴェノム』を服用した上での犯行でしたね……」
「そう……そんな大問題を起こしている合成麻薬が、こんな小さな場所で作られていると思う? 工場とまでは言わないけれど、ここには試験管一本無いのよ」
 カスミがいつもの静かな口調で言うと、身につけているレオタードのような『ヴェノム特捜班』の制服の肩口から指を入れて、たるみを直した。つられてミリィも腰からお尻にかけての布を引っ張った。
「嫌な予感がする……」カスミがぽつりと言った。「今回のタレコミは誰が……?」
「それが……よくわからないんです」
「……よくわからない?」
「はい……私が午前のパトロールを終えて帰ると、机の上に指令書の入った封筒が置かれていて……装備を整えて、カスミさんと一緒に今夜ここへ出動するようにと……。極秘任務と書かれていて、カスミさん以外の人への口外を禁ずるとも書いてあって……」
 瞬間、金属質な音が部屋に響いた。
 開け放たれた窓が鉄板で塞がれている。
 窓と壁の間に仕掛けがあったのだろう。
 部屋を満たしていた工場の稼動音が極端に小さくなった。
 がちゃり。
 ドアが開く。
 見上げるような男が部屋の中に入ってきた。
 国籍がわからない異様な男だ。ジーンズにタンクトップというラフな格好だが、筋肉が盛り上がり、白目が見えないほど充血している。典型的な『ヴェノム』中毒者の症状だ。
「シシシシ……」と男は笑うと、ドアノブを手で引きちぎった。部屋は、完全に外界から遮断された。
「あ……う……うあぁぁぁぁ!」
 ミリィが男に向かって突進した。
「ミリィ、待って!」
 カスミが慌てて止める。しかしミリィは天性の瞬発力で男との距離をぐんぐんと縮めた。
「にゃあッ!」
 ミリィがジャンプしながら男に拳を放った。
 肉のぶつかる音。
 ミリィの拳は男のグローブのような手で受け止められた。
「あぅ?!」ミリィが驚愕の表情を浮かべる。次の瞬間、ミリィの拳から枯れ枝が折れるような音が響いた。
「あああああぁッ?!」
 ミリィが右手を抑えてうずくまる。男に握りつぶされた拳が、ありえない形に変形していた。
「あぁぁ…………ん…………んぎぃッ!」
 ミリィが大粒の涙を浮かべながらも、立ち上がって左手で男の顔面めがけて拳を放った。男の丸太のような腕がそれを止める。ミリィの表情が絶望に変わったと同時に、巨大な噴石が地面に落ちる様な思い音が響いた。
「んぶうぅぅッ?!」
 男は、一瞬のうちにミリィの鳩尾と下腹部に、ほぼ同時に拳を埋めた。それは恐るべき速さと重さだった。ミリィのレオタードは殴られた部分がそのままクレーターの様に陥没し、男の指の形がくっきりと分かるほどその形状を維持していた。
「ごぶッ?! ふッ……んぐ……ぉ……」
 ミリィは自分の腹を抱く様に両膝を着くと、しばらく焦点の合わない目で地面を見て、そのまま顔から床に崩れ落ちた。ごん……とミリィの額と床がぶつかる大きな音が、しんと静まり返った部屋に響く。ミリィは尻をカスミに向けて突き上げたまま、ピクリとも動かなくなった。
「ミ……リィ……?」
 カスミは理解不能な手品を見せられた様な表情で、男とミリィを交互に見た。ミリィは経験こそ浅かったが、その優れた運動神経で格闘術は常に優秀な評価を受けていた。そのミリィが、たかだか三十秒ほどで無様に失神させられたのだ。男に傷一つ付けることなく。
「くっ……!」
 カスミが身構える。
 男が薄笑いを浮かべたまま、ゆっくりとカスミに近づいた。
「ふっ……ふっ……ふうっ……」カスミの呼吸が速くなる。やれる……と自分に言い聞かせた。『ヴェノム』は筋肉のリミットを麻痺させるが、身体の痛みや反射までは麻痺させることはで出来ない。急所を突けば効果はあるはずだ。そのための訓練も受けてきた。いけるはずだ……と。
 男がカスミの目の前に迫った。カスミが見上げるほどの体格差だ。男は明らかに挑発している。ノーガードで薄笑いを浮かべていた。
 カスミは歯を食いしばり、ふッ! と短く強い息を吐くと、男に攻撃を繰り出した。狙いは鳩尾。カスミの小さな拳は正確に男の鳩尾を突き刺した。いける……と思った。男が油断しているうちに、一発でも多くの攻撃を当てる。腰をひねり、威力を乗せた一撃を何発も……。
無呼吸で十数発放ったカスミの突きは、すべて男の鳩尾に突き刺さった。それは常人であれば、一撃で失神させるに十分な威力を持っていた。
 男は、変わることなく薄笑いを浮かべていた。
 カスミは荒い息を吐きながら、みるみる表情が青ざめていった。
「くはッ……! はぁ……はぁ……」
「シシシ……」男は笑いながら、カスミの身体を血走った目で舐める様に見回した。「ココ……殴ラレると……苦しイよなァ……鳩尾……シシ……ナァ?」
 ぐずん……という不気味な音が部屋に響いた。男が言い終わると同時に、男の右腕が空気を切るような音を放った。次の瞬間、丸太の様な男の腕の先にある、暴力的に角張った鉄塊の様な拳。それが半分ほど、カスミの鳩尾にめり込んでいた。
「ふぅッ?!」
 カスミのすぼめられた口から、肺の中の空気が全て、強制的に吐き出された。

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「う……ぅ……あ……?」
 鳩尾を突き込まれた衝撃で、カスミの長い紫色の髪が跳ね上がり、はらはらと背中に降り注いた。一瞬の出来事だった。カスミは何が起こったかわからず、収縮した瞳で男の拳が埋まっている自分の鳩尾を成す術なく見ていた。
「苦しイよなァ? 鳩尾……殴られルと……?」
「う…………んぐぅッ!?」
 男に自分がされたことを言われた瞬間、猛烈な苦痛がぞわぞわと足元から脳天に駆け上がった。カスミは腰から下が無くなった様な感覚を覚え、糸の切れたマリオネットの様に両膝を地面に着いた。
「がふッ……ふっ……んぐあぁぁッ……」
 ずるずると力なくお尻を着いて座り込みながら、ボールを抱える様にしてうずくまる。普段は冷静で物静かなカスミがここまで濁った悲鳴を上げるのは初めてだった。
 男はカスミのレオタードの胸元を掴むと、強引にカスミを立ち上がらせた。わずかに背中を反らされ、小さな臍と、うっすらと割れた腹筋がレオタードに浮かんでいる。
 男は口の端を釣り上げると、その臍を目掛けて拳を突き込んだ。どん……という大砲を撃った様な重い音が響き、カスミの身体が電気ショックを受けた様に跳ねた。
「ゔッ?! う……うぐぅあぁッ?!」
 カスミは全くガードすることが出来ず、男の慈悲の無い一撃を腹部に受け入れざるを得なかった。男は拳のモーションが全く見えない速さでカスミの腹をえぐり、すぐに引き抜く。カスミのレオタードには男の骨ばった拳の跡が隕石が落ちた跡の様にくっきりと残り、痛々しく陥没していた。
「が……かふッ……ッは……あぁ……」
「手カゲン……タらなかったか……?」
 男は痙攣するカスミを見下ろす。カスミは男に抱きかかえられる様に背中を支えられ、半分以上瞳がまぶたの裏に隠れている。口元からはだらしなく舌が飛び出し、唾液が糸を引いて地面に落ちていた。
 ずぶり……という水っぽい音が嫌に長く響いた。
「んぐうぅぅぅッ?!」
 男はカスミの腹にスタンプを押す様に、ゆっくりと拳を埋めた。ずぶ……ずぶ……と一定の速さでカスミの鳩尾、臍、下腹部、子宮へと拳が突き込まれる。そのスピードは決して早くはなかったが、想像を絶する圧力だった。プレス機の様な力で何度も何度もカスミの腹にピストンが打ち込まれ、その度にカスミの腹は痛々しく陥没した。
「ゔあぁっ! ぐぶぅッ! ゔえぇ……んぐぅぅッ!」 
 既にカスミのレオタードは胸から下がボロボロに破れ、素肌が露出している。もともと色白な肌には痛々しく痣が浮かび、汗や唾液が裸電球の光を反射していた。
 男は満足したのか、カスミを支えていた腕を離すと、空を切る音と共に見えない速度でカスミの鳩尾をえぐった。ずどん……という炸裂音を、カスミは遠のく意識の淵で聞いた。
「ふぐぅッ?!」カスミの目が限界まで見開かれる。すぼまった口が、そのまま何かを伝えるように何回か開いたが、ついに声は発せられずに床へ崩れ堕ちた。既に意識が飛んでいたのか、受け身を取ることなく頭蓋骨と床がぶつかる音が部屋に大きく響いた……。



 
「先輩! 大変です! これ見てください!」
 ぱたぱたと駆けてくる足音に、呼ばれた捜査員が振り返った。
「どうしたの? そんなに慌てて?」
「ご……極秘の指令書が、私の机の上に置かれていて」
「極秘……?」
「はい、行方不明になったカスミ捜査官とミリィ捜査官が、工業地帯の民家に捕らえられているとの情報があるそうです。情報漏えいを防ぐために、先輩と二人だけで捜査せよとのことで…………」

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