skebでありがたいご依頼をいただきました。

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「これが次のターゲットって、マジですか?」
 黒いレザーライダースを着た男が、スマートフォンに転送された写真を食い入るように見ながら興奮気味に言った。男の向かいに座るベージュのスーツを着た男が頷く。
 写真は望遠レンズで盗撮されたもののようだ。学校の制服らしき深紅のブレザーを羽織った白人の女が写っている。まったく癖の無い完璧なストレートの金髪に、エメラルドを埋め込んだような瞳。アジア系とは骨格そのものが異なるのか、顔も小さく腰の位置も高い。身体に余分な脂肪が付いていないのに、胸は一般的なそれと比べても明らかに大きい。
「周りの女が完全に引き立て役じゃないですか……。それに、やっぱり天然物の金髪は違うな。ハードブリーチだと髪が痛んで仕方がないんすよ」
 レザージャケットの男が自嘲するように自分の爆発したような金髪を掻いた。対面の男が低い声で笑う。
「蓮斗(はすと)くんなら気に入ると思ったよ。ターゲットは如月シオンという名前だ。アナスタシア聖書学院で生徒会長を務めている」
「アナスタシア? 名門中の名門じゃないっすか。入学自体がめちゃくちゃ難しいって聞いたことありますよ」
「そうだ。その中で彼女の成績は主席。もちろん特待生だ。しかも実家は大手製薬会社の創業家。単身で来日後、学生生活をしながら色々とビジネスもしているらしい。そして我々の仲間を少なくとも六人は倒している。実際はもっと多いだろうがね」
 ひゅうと蓮斗が口笛を吹いた。「なんかアニメの世界から迷い込んできたような人っすね。たぶんトイレも行かないはずだ」
 スーツの男がまた低く笑う。蓮斗が続けて言った。
「で、なんでそんな完璧超人が、わざわざ自ら進んで危険なことしているんですかね? 一見人間と見分けがつかないのに、人間を養分にする怪物──人妖(じんよう)討伐期間『アンチレジスト』の戦闘員なんてやってるんだろう。金に困っているどころかむしろ余ってそうだし」
「怪物などと言わないでもらいたいな。我々人妖は進化した人類だ。それとも殺されたいのか? 旧型人類の蓮斗くん?」
 スーツの男は顔色を変えずに足を組んだ。蓮斗は必要以上に慌てた様子で両手を前に突き出して振る。
「いやいやいやとんでもない! 今のはただの軽口ですよ。僕と桧垣さんの仲じゃないですか」
「先ほども言ったが、彼女は我々にとって脅威だ。冗談を聞く余裕がないのだよ。やるのかやらないのか、すぐに答えてくれ」
「もちろんやりますよ。俺みたいな人間──いや、旧型人類の方が向こうも油断するでしょうし、今までだって上手くやってきたじゃないですか。報酬と、いつもの『つまみ食い』の許可さえもらえれば文句はありません。というか、この写真見せられたらやらない選択肢はないですよ」
「なら交渉成立だ。前金は今日中に口座に振り込んでおく。『つまみ食い』として君の好きな腹パンプレイとやらをするのは構わんが、本番と顔を傷つけるのはダメだ。彼女はあくまでも私の栄養源なのだからな」
 桧垣はアンプルケースとパッキングされた白い粉を取り出してテーブルの上に置いた。白い粉を見つめたまま蓮斗の喉が鳴る。ヤク中が、と桧垣は心の中で吐き捨てた。
「知っていると思うが、アンプルの中身は強力な催淫剤だ。いつも通り君のプレイを手助けするための一味も加えてある。トリップ中に間違って自分に打つなよ」
「大丈夫ですよ。じゃあ、成功したら連絡しますんで……」
 早く出ていけという雰囲気を隠そうともせず、落ち着きのない声で蓮斗が言った。桧垣は鼻を鳴らすと部屋を出る。閉めたドアの向こうから早速ビニールを破く音が聞こえた。

「あら? もうこんな時間……」
 生徒会長室で黙々とキーボードを叩いていたシオンは、時刻が二十時を過ぎていることに気がついて手を止めた。立ち上がってグッと伸びをした後、ふぁ……と小さくあくびをする。窓の外を見ると、夕方から本降りになった雨は上がったようだ。アンティークのティーカップを小さなシンクで丁寧に洗い、水滴の残らないようにクロスで磨く。自然と鼻歌がこぼれた。
 今日は一日平和だったなとシオンは思った。最近は人妖の活動も活発になり、出動のない日の方が少なかったくらいだ。幸いにして強力な人妖に出くわすことはなかったが、疲労やダメージは自分でも気がつかないうちに蓄積されている。帰宅して身体のケアに努めようと思った矢先、スマートフォンが警告音を発した。アンチレジストが作ったアプリが人妖の被害の発生を知らせている。シオンはシンクから飛び出すようにしてスマートフォンを手に取った。近場の現場なら応援に駆けつけられる。
「発生元は……アナスタシア聖書学院?」
 近場どころか、自分がいる場所が現場だった。
 シオンはクローゼットの隠し扉を開け、バトルスーツを取り出して素早く着替えた。バトルスーツと言っても、その服は一見して痴女と見間違えるほどの露出の激しいものだった。ベースはメイド服なのだが、肩や腹部が大きく露出している。ビキニのような胸のみを隠すトップスに、小さなエプロンを巻いたミニスカート。白いシルクのロンググローブを身につけ、同素材のサイハイソックスにはガーターベルトまで付いている。
 普段の凜とした生徒会長としてのシオンを知る者が見たら目を疑いそうなデザインだが、当のシオンは真剣そのものだ。と言うのも、このバトルスーツはほどんど全てシオン自身がデザインしたものだ。バトルスーツは各戦闘員の士気向上や特性に合わせてデザインやカスタマイズが施されている。シオン自身も大好きなメイド服の意匠を取り入れながら、稼働部には極力布を少なく、蹴り技を主体とするためにパンツではなくミニスカートを取り入れ、結果としてこのデザインになった。彼女自身の羞恥心が一般のそれとはややズレがあることも、この奇抜なデザインが完成した要因のひとつだが。

 シオンが外に出ると、黒づくめの服を着た男がずぶ濡れで立っていた。
 極端な痩身に青白い肌。雨に濡れているにもかかわらず爆発したような金髪。鼻が詰まっているのかぐずぐずと鼻を鳴らしながら、薄ら笑いを浮かべてシオンを凝視している。
 異様な雰囲気の男だった。しかも違法な薬物を常用していることは明らかだ。
 シオンの視線が男の右手に移る。男は右手でトートバッグを持つように女子生徒の上着を掴んでいた。女子生徒はぐったりと脱力し、手足が力なく地面へと伸びている。
「おいおいマジかよ」と、その男は爛々とした目でシオンを見ながら叫んだ。叫ぶと同時に手を離したため、女子生徒の身体が足元の水たまりに落下する。「それシオンちゃんの戦闘服? 痴女かと思ったよ。今までアンチレジストの戦闘員は何人か倒したけれど、そこまでエロい格好の奴は初めてだ。それとも誘ってんの?」
 シオンは男の軽口に乗らず、冷静に倒れている女子生徒を観察する。肩が上下しているので息はある。周囲に男の仲間が隠れている様子もない。そして名乗る前からシオンの名前を知っていることから、突発的な行動ではない。人妖の中には敵であるアンチレジストに恨みを持ち、戦闘員自身がターゲットにされることも珍しくない。自分を釣るために女子生徒を人質にしたつもりなのだろう。それなら甘いと言わざるを得ない。
「……お名前を」と、シオンが静かな声で言った。同時に身体がゆらりと横に傾く。「私の名前はご存知のようですので、お名前を教えていただけますか?」
「名前? ああ、蓮斗って言うんだ。ハスの花の蓮に、北斗七星の斗。本名じゃないけどな」
 蓮斗が言い終わる直前に、シオンは身体を傾けて体重をかけた軸足で思い切り踏み切った。一気に距離を縮めて対処する間も与えず、次の瞬間には蓮斗の腹部にシオンの膝が深々とめり込んでいた。
「ぐぼぇッ!?」
「ダメですよ蓮斗さん。最初から切り札を相手に見せては」
 蓮斗の耳元でシオンが囁く。衝撃で蓮斗の身体がスローモーションのように浮き上がると同時に、シオンは高速でスピンしてスカートが翻るのも気にせず後回し蹴りを放った。長い脚に遠心力を最大限に乗せ、トップスピードで踵が蓮斗の顔面に叩きつけられた。蓮斗は悲鳴を上げる暇もなくトラックに撥ねられたように弾き飛ぶ。
 まさに瞬殺だった。
 蓮斗は十数メートル弾き飛ばされ、地面に仰向けに倒れた。十分に距離が取れたことを確認すると、シオンは女子生徒に駆け寄った。女子生徒は硬く目を閉じたまま動かない。濡れた髪が額に貼り付いているが、大きな怪我はしていないようだ。シオンが肩を貸して女子生徒を担ぎ上げようとした瞬間、腹部に噛みつかれたような衝撃が走った。同時にシオンの身体が電撃に打たれたように跳ねる。なにが起こったのかわからない。シオンは腰から下の感覚が無くなり、女子生徒を抱えたまま崩れ落ちた。視界の隅に、女子生徒が自分の腹部にスタンガンを押し付けているのが見えた。

「──あ、目が覚めた?」
 遠くで蓮斗の声がした。
 気がつくと、シオンは固いコンクリートの床に寝ていた。微かにカビの匂いも感じる。学院内のどこかの倉庫だろう。
 粘つくような水音も聞こえてくる。
 視界が徐々に鮮明になるにつれ、シオンは目の前の状況に息を呑んだ。
 倉庫には使われなくなった備品に混じって古いソファが置かれ、蓮斗はそこに足を大きく開いて座っている。そして蓮斗の足の間では、先ほど助けようとした女子生徒が一心不乱に蓮斗の男性器にしゃぶりついていた。女子生徒は背後でシオンが目を覚ましたことなど全く気にせず、派手に水音を立てながら頭を前後に揺すっている。
「な、なにをして……!」
「おっと、変な気を起こさない方が良いよ」
 立ち上がったシオンを蓮斗が手で制した。
「この子は完全に洗脳が済んでいてね。今からシオンちゃんが俺に危害を加えたら自殺するように命令してある。シオンちゃんがこの子の命なんてどうでもいいって思うんだったら、さっきみたいに俺を蹴っ飛ばしてもいいけどね」
 蓮斗が立ち上がると、じゅぽんと音を立てて女子生徒の口から男性器が抜けた。女子生徒はまるで海に宝物を落としてしまった子供のような顔をした後、恨めしそうにシオンを睨んだ。シオンも動くことができず、拳を握ったまま直立不動になる。
「そうそう、それでいいんだよ」
 蓮斗は勃起した男性器をしまうこともせず、ゆっくりとシオンの背後に回った。背後からシオンの首筋を舐め上げ、露出した腹部を撫でる。撫でられた箇所からピリピリと軽い電流が駆け上がるような不思議な感触があった。
「名前も知らない女なんて気にしなきゃいいのに、優しいんだねシオンちゃんは。あれはもはや自分の意志の無い奴隷さ。繰り返し人妖達が作った媚薬を打っているから、もう元には戻らないよ」
 蓮斗が背後からシオンの大きな胸を餅を捏ねるように揉みしだいた。かなりの巨乳だが弾力と張りがあり、蓮斗の指を心地よく押し返す。蓮斗はますます硬くなった男性器をシオンの尻に押し付けた。
「……最低ですね。それに『人妖達が開発した』って……」
「そう、俺は人妖じゃない。あいつらに協力して甘い汁を啜っているただの人間さ」
 布ごしに固くなってきた乳首を摘むと、シオンの食いしばった歯の隙間から声が漏れた。自分の意に反し、徐々に身体の奥が熱くなってくるのを感じる。好意を抱いていないどころか、こんな下衆な男に身体を弄られているというのに不思議と嫌悪感が少ない。何かがおかしいとシオンが思った瞬間、蓮斗はいきなりシオンの顎を掴んで背後を向かせると、強引に唇を吸った。
「んむうッ?!」
 突然のことにシオンが目を見開く。強引に舌を吸われ、甘噛されるのを抵抗なく受け入れた。
「ぎこちないなぁ、もっと舌出せよ」
 囁くような蓮斗の声に、シオンは小さく口を開いて舌を出した。はっと気がついた時には再び蓮斗の舌がシオンの口内に侵入して、蛇のように舌の裏側や口蓋を嬲った。初めてのキスがこんな男に……と思ったが、心とは裏腹に興奮を覚えていることも確かだった。シオンはようやく顔を背けて蓮斗の口を強引に離した。肩で息をしながら、上気した顔で蓮斗を睨む。
「よし、だいぶ効いてきたみたいだな」と、蓮斗が言った。「シオンちゃんが寝ているうちに、そこの女と同じ特製の媚薬を注射させてもらったのさ。本当は少し楽しんだ後にシオンちゃんは人妖共に渡さなきゃいけないんだけど、気が変わった。あれだけ強かったら人妖相手でも勝てるだろうし、なにより最高のオナホになりそうだ。ガンガン薬使って俺の奴隷にしてやるよ」
「なっ?!」
 シオンが蓮斗の腕を振り解いた瞬間、腹部に衝撃が走った。胃が強制的に収縮したことを感じ、「ぐぷッ……」と口から空気が漏れる。恐る恐る衝撃のあった自分の腹部を見ると、蓮斗の拳が完全に隠れるほど自分の剥き出しの腹にめり込んでいた。
「な……? ぐぶッ!?」
 生腹を殴られたことを自覚し、時間差で苦痛が脳に伝達する。しかし、同時にゾクゾクとした快感も下腹部のあたりから迫り上がっていた。
「んぐぅぅぅッ?!」
 シオンが叫び声を抑えるように両手で口をおさえたまま、脊椎を駆け上がる苦痛と快楽に耐えた。苦痛と快楽という正反対の感覚が濁流のように脳を満たし、未知の感覚と混乱でビクビクと身体が震える。シオンの混乱を尻目に再び蓮斗は拳を引き絞り、まだ腹の凹みが戻らないシオンの生腹を突き上げた。
「ゔぶぇッ?! がッ……ああああッ!」
 不意打ちのような状態で背中が盛り上がるほどの衝撃を受け、シオンの大きく開けた口から唾液がほとばしる。しかし強烈な快感も同時に脊椎を駆け上がり、シオンは思わず仰け反った。
「気持ち良いだろ? あの媚薬は催淫と同時に、腹パンされるとオーガスムと同じ快感を得られるようになる。つまり今のシオンちゃんは、腹パンされるとチンポ突っ込まれた時と同じ快感を感じる変態になっちゃったってこと」
 蓮斗は連続してシオンの華奢な腹を殴った。シオンは本能が快楽を求めるためか、ガードはおろか腹筋を固めることもせず蓮斗の拳を受け入れる。シオンはやがて四角いコンクリート製の柱にまで追い詰められ、これ以上後退できない状態で腹に連打を浴びた。
「ゔあッ……! うぶッ!? ゔぐぇッ! おぐッ?! ゔッ?! ああああッ!」
「おい、誰が倒れていいって言ったよ? 俺がまだ満足してないのに勝手にイクんじゃねぇ」
 蓮斗はズルズルと尻餅をつきそうになるシオンのトップスを掴んで強引に立たせると、ずぶりとシオンの腹に拳を埋めた。
「ゔッ?!」
 白い肌がゴツゴツした拳で痛々しく陥没し、シオンの身体がくの字に折れた。腹に埋まっている蓮斗の腕にシオンの巨乳が触れる。
「倒れるなよ? 一人でヨガってんじゃねぇぞ変態が」
 蓮斗はシオンの腹に埋まったままの拳を抜かず、そのままキリのように捻って押し込んだ。胃を潰され、シオンから「ぎゅぶぇッ?!」という聞いたことのないような悲鳴が漏れる。蓮斗は構わずシオンの胃や腸を捻り、鳩尾部分まで突き上げるようにして体内を掻き回した。経験したことのない苦痛に加え、快楽も先ほどとは性質の違う強烈なものが駆け上がってくる。シオンは大粒の涙を流したまま、悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げながら蓮斗の責め苦に身を任せた。
 蓮斗が「おい」と声を上げると、それまで床に座り込んでいた女子生徒がバネのように立ち上がった。蓮斗が目配せし、顎をしゃくる。女子生徒は鞄からロープのついた手錠を取り出し、慣れた手つきでシオンの手首を柱を巻き込むようにして後ろ手に拘束した。おそらく過去に何回もやらされているのだろう。蓮斗はシオンに見せつけるようにして両手にメリケンサックを嵌めた。
「そろそろ本番だ。ピストンしてやるよ」
 ぐりゅっ……とゴツい音を立てて、シオンの生腹にメリケンサックを付けた蓮斗の拳が埋まった。「ゔぶッ?!」とシオンは口を窄めたまま悲鳴をあげる。綺麗な緑色の瞳が点のように収縮した。ズンッ! ズンッ! ズンッ! ズンッ! ズンッ! ズンッ! と、今までの生腹を打つ音とは明らかに違う重い音が倉庫内に響いた。
「あぐッ! うぶッ! ぶぐッ! ゔッ! ごぶッ! ごえッ! ぐあッ!?」
「おら、ガン突きしてやるよ。ピストン気持ちいいだろ? まだ倒れるんじゃねぇぞ」
 サンドバッグのように腹部をめちゃくちゃに殴られ、しかも一発一発が先程の比ではないほどの苦痛をシオンに与えている。そして苦痛の増幅に比例して快楽も増幅されていった。
「あぶッ?! ゔああああッ! あぐッ!? ああああああああッ!」
 シオンは自分が叫んでいることすら認識しないほど絶叫した。強烈な苦痛と快楽の濁流で脳の処理能力が飽和に達し、頭がおかしくなるほどの感覚をただの叫びとして放出するしかなかった。瞳は半分以上が瞼の裏に隠れ、大口を開けてだらしなく伸ばした舌から唾液が噴き出すことも構わず叫び続けた。
「ひっでぇ顔。普段済ましてるくせに腹パンされてイキまくりやがって。そのアヘ顔撮影して学校中に貼り出してやろうか?」
 痴女のような際どいメイド服を着た巨乳の金髪少女が、薄暗い倉庫の柱に後ろ手に拘束されて、男に生腹を何発も殴られて絶頂している──。普段の凜としたシオンを知る者がこの痴態を見たら頭を抱えて卒倒するだろう。
 蓮斗はへそのあたりからやや下腹部の子宮あたりに狙いを変えた。「ぶぎゅッ?!」とシオンの反応も変わる。違う快楽が駆け上がったのか、シオンは前屈みになって崩れ落ちそうになるのを蓮斗がトップスを掴んで引き上げた。
「なんだここがイイのか? え? ここか? ここが気持ち良いのか? おい? ここが弱いのか?」
 蓮斗は連続してシオンの子宮のあたりに膝を打ち込んだ。筋肉が少なく柔らかい下腹部が痛々しく陥没し、シオンは完全に白目を剥いて叫んだ。苦痛と快楽でもうわけがわからなくなっているのだろう。シオンの痴態に蓮斗の男根も痛々しく勃起している。
 蓮斗は狙いを変え、シオンの鳩尾に貫手を放った。ずぶりと指先が鳩尾に埋まり、シオンの身体がびくりと跳ねる。蓮斗はそのまま手首を捻り、抉るようにシオンの鳩尾を責めた。
「ひゅぐッ?!」
 急所を突かれ、シオンの身体が大きく跳ねる。シオンは汗と涙と涎で顔をぐちゃぐちゃにしたまま、意識が途切れて全身が弛緩した。蓮斗はがくりと落ちたシオンの頭を覗き込む。
「最高だ……絶対人妖なんかに渡さねぇぞ……」
 蓮斗はシオンの頬を伝う涙を舌で舐め上げると、ゆっくりと腹を撫でた。最上のシープスキン以上に柔らかく滑らかでキメの細かい肌だった。汗ばんだ生腹の中は散々殴られたために内臓や腹筋が痙攣し、グルグルと音を立てて蠢いている。シオンは眉間に深く皺を寄せて「んっ……」と呻いた。まだ苦痛と快感を感じているのだろう。腹を撫でながら、蓮斗はシオンのトップスの中に手を入れて直接胸を弄(まさぐ)る。出来立てのマシュマロのようなシオンの胸は、今まで何人も女性と関係を持ってきた蓮斗をして、この世にこれほど柔らかく滑らかなものがあったのかと思うほど感動する手触りだった。中心の固い突起は胸の大きさに比べて控えめであり、むしろ品の良さまで感じるほどだった。
「っあ……んっ……」
 苦痛の無い純粋な性的刺激で、シオンは失神したまま微かに声を漏らした。蓮斗は腹や胸を堪能した後、ふたたびシオンの腹に拳を埋めた。
「うっ……ぐっ……うぐっ……」と、シオンは目を閉じたまま声を漏らす。意識がある時ほどの派手な悲鳴は上げず、むしろ快楽の方が勝っているように見えた。失神したシオンを俯かせたまま、蓮斗はサンドバッグのようにシオンの腹を連続で殴った。
「うっ……うぁっ……んふっ……んぅっ……んふぅッ……」
 シオンの腹は完全に弛緩し、まるでつきたての餅を殴っているような感覚だった。失神したまま喘ぐような声を発し、涙を流して身体をよじる。「えうっ……!」とシオンの身体がびくりと跳ね、透明な胃液が口から溢れた。まるで快感から逃げようとするような様子に、蓮斗はさらに興奮を高めていった。弛緩したシオンの腹に手を埋め、内部を楽しむように掻き回す。シオンは眉間に皺を寄せながらも、愛撫を受けているように吐息を声を漏らした。
「くそッ……! 限界だ……」と蓮斗は歯を食いしばりながら言った。男の理想を現実にしたような女が自分の欲望を全て受けてとめ、腹を責められながら喘いでいる。蓮斗の露出した男性器は限界まで昂っており、風が触れた程度ですぐに射精してしまいそうなほど達している。
 蓮斗はシオンの胃を掴むと、強引に鷲掴みにした。「んぶぅッ?!」とシオンは一瞬目を見開く。窄めた口から胃液が弧を描いた。蓮斗はシオンのスカートをずり下げ、下腹部を露出させると鼠蹊部の間の子宮を目掛けて拳を打ち込んだ。
「んおおおおおッ?!」
 子宮や卵巣に与えられた衝撃は、強烈な快感と苦痛となってシオンの脊髄を駆け上がる。女性として最重要な器官を責められ、シオンは一気に現実に引き戻された。シオンはゆっくりと下腹部に視線を落とす。蓮斗のゴツい拳がまるでレイプするようにシオンの滑らかな下腹部に手首まで埋まっていた。認識した瞬間、さらに強烈な快感と苦痛が子宮から全身に広がった。脳内にバチバチと電気的な刺激が走り、歯を食いしばって叫ぶのを堪えたままビクビクと痙攣する。その様子を見た蓮斗は唾液を飲み込むのも忘れ、シオンの子宮にさらに強烈な一撃を埋めた。
「あがあああああああッ!!」
 とどめていた理性が決壊し、シオンは叫び声を上げて絶頂した。白目に近いほど瞳が裏返り、だらしなく舌を出した先から唾液が糸を引いて突き出た胸に垂れる。拘束している紐が緩んだのか、シオンは腰が抜けたようにその場に座り込んだ。限界は蓮斗も同じだった。座り込んだシオンの視線の先に天井を向いて反り返る蓮斗の男根がある。シオンがそれを直視した瞬間、蓮斗はシオンの頭を掴んで半開きになったシオンの口に強引に男根をねじ込んだ。
「むぐッ?! んんんんんッ?!」
 勃起した男性器を口内に無理矢理ねじ込まれるという今までの人生で想像すらしてこなかった行為に、シオンは涙を流したまま蓮斗の顔を見上げた。だがそれは蓮斗の興奮をさらに高めるだけだった。
「ああクソッ! もう出るッ!」
 ただ咥えさせただけで、蓮斗の男根は暴発した。溜まりに溜まった精液のマグマが高圧で尿道を駆け上がり、壊れた水道のようにシオンの口内に噴き出した。
「んぶうッ?! むぐぅぅぅぅぅッ!? 」
 突然熱い粘液が口内に溢れ、シオンは目を見開いた。必死に首を振って蓮斗から逃れようとするが、蓮斗はシオンの頭を掴んで逃がさない。蓮斗は強すぎる快感に腰が抜けるのを必死に堪え、歯を食いしばって失神しないように耐えた。
 長い放出が終わり、ずるりとシオンの口から男根が抜かれる。シオンは出された精液で頬を風船のように膨らませたまま、大粒の涙を流しながらどうしていいのかわからず蓮斗を見上げて震えている。大量に口内射精されたまま座り込んで許しを乞うようなシオンの姿に、蓮斗の男根は瞬く間に硬度を取り戻した。
「全部飲め。せっかく出してやったんだから吐き出すなよ?」
「んぶッ……んぐッ……ごきゅッ……ごきゅッ……ぷはッ……はぁ……はぁ……」
 ぼうっとした頭でシオンは素直に従った。
 喉を鳴らして精液を飲み干した後、きちんと飲んだことを示すように小さく舌を出す。舌や唇、頬には白濁した粘液の残滓が残っていた。蓮斗の背中を加虐心が駆け上がる。
「……エロ過ぎだろお前? 俺の精液は美味かったか? 他の男と比べてどうだったんだよ?」
「わ……わか……りません……変な……味で……」
 夢を見ているような様子でシオンが答えた。その視線は再び反り返っている蓮斗の男性器に釘付けになっている。女性としての本能なのか、熱い息を吐きながら、とろけるような視線を送っていた。
「あ? わかんねえわけねぇだろ? 物欲しそうに俺のチンポ見つめやがってこのドスケベメイドが。ほら、メイドらしく射精してくれたチンポに感謝のご奉仕をしろ。まだ尿道に精液が残ってるだろ」
 蓮斗はシオンの手錠を外すと、シオンの眼前に腰をぐいと突き出した。シオンは蓮斗の腰に手を当てたまま、困惑したような表情で蓮斗を見上げている。早くしろと言いながら蓮斗はさらに腰を突き出したが、シオンはどうしていいのかわからない様子で恐る恐る男根を触った。
「……お前、まさか本当に処女なのか?」
 蓮斗が低い声で笑った。凄まじい征服感が麻薬のように脳内に噴き出している。
「しかたねぇな。じゃあまずはそのスケベな胸の使い方を教えてやるよ。どうやったら男が悦ぶかをな──」
 蓮斗の指示でシオンはおずおずと胸を持ち上げて、トップスの下の隙間から蓮斗の男根を胸の谷間に挟み込んだ。暖めたゼリーを詰めたマシュマロに包み込まれるような感触に、蓮斗は「おおおッ?!」と叫びながら仰け反る。シオンは恐る恐ると言った様子で眉をハの字にしながら蓮斗を見上げているが、その乳圧は凶悪そのもので油断したら一瞬で射精してしまいそうなほどの快感だった。
 蓮斗が命じると、シオンは拙いながらもゆっくりと蓮斗の男根を挟んだまま胸を上下に動かした。シオンの吸い付くような肌が蓮斗の男根の根元から先端までを隙間なく擦り上げ、蓮斗はシオンに悟られないように歯を食いしばったまま強烈すぎる快感に耐えた。
(これ……本当は好きな人にしてあげることなんですよね……?)
 敵であるこの男に自分はいったい何をしているのだと心の底で思ってはいても、強力な催淫剤と本能が男性に射精を促すように動いてしまう。
 シオンはコツを覚えはじめたのか、次第に上下運動がリズミカルになっていく。ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ、と粘つくような水音がシオンの胸の谷間から響き、蓮斗の先走りとシオンの汗が混ざり合って潤滑油となり更に快感の度合いを高めていった。
「ぐッ……?! クソッ……もう出るッ!!」
 どくん……と強く男根が脈打ち、シオンの谷間に大量の精液が溢れた。
「あっ……やぁッ?!」
 シオンは粘液が胸の間に広がる感覚に嫌悪感を覚え、谷間からわずかに噴き出した精液に顔を背けた。
「おら、なに逃げてんだよ? お前がそのスケベな胸使って俺に出させたんだからな。責任持って全部舐めろ」
「うっ……うぅ……」
 シオンは微かに抗議の混じった視線を送るものの、おずおずと舌を伸ばして鎖骨と胸の間に溢れた精液を掬い取った。わずかに顔を出している男根の先端も舌先でくすぐり、尿道に残っているものも吸い出していく。射精後の敏感な鈴口を責められ、蓮斗はシオンに悟られないように腰を浮かせた。

「よし、立て。壁に背中を付けろ」
 蓮斗は肩で息をしながらシオンに命じた。
 シオンはまるで輪姦された後のように胸や顔を精液で汚されたまま夢を見ているような恍惚とした様子で立ち上がり、命じられた通りに壁に背中を付けた。蓮斗はシオンを支えるように股の間に膝を入れる。湯煎して溶けたゼリーのような感触が太ももに伝わってきて、蓮斗は自分でも驚くほどの量を射精したにもかかわらず男根に血液が集まるのを感じた。
 蓮斗は恋人にするようにシオンの大きな胸を両手で転がした。シオンは催淫剤が回って思考が鈍化しているのか、身体を捩って快楽に身を任せている。「んっ……ぅあ……んぅっ……」と、シオンは悩ましげな表情を浮かべながら吐息を漏らした。蓮斗がシオンの唇を吸うと、シオンも遠慮がちに舌を絡める。蓮斗の太ももに当たる温度はますます上がり、シオンの感じている快楽が蓮斗にも伝わってくる。
 蓮斗はシオンのトップスに手をかけ、一気に引きちぎった。ぶるん、という音が聞こえてきそうな勢いで締め付けられていたシオンの胸が解放され、大きく揺れる。
「あっ……? やあッ?!」
 一瞬正気に戻ったのか、シオンは両手で胸を隠した。蓮斗はそれを待っていたかのように、油断しきったシオンの腹に強烈な一撃を食らわせた。蓮斗の拳は背骨に届きそうなほど深くシオンの生腹に埋まり、シオンは「ゔっぶ?!」と呻きながら大きく目を見開いた。衝撃で指が食い込むほど自分の胸を鷲掴みにしている。蓮斗はシオンの腹に埋まっている拳を抜かず、もう一方の拳をシオンの鳩尾に打ち込んだ。
「ひゅぐッ?!」
 ビクン、とシオンの身体が跳ねた。そのまま身体が硬直し、窒息した金魚のように口をパクパクと動かすと、がっくりと頭を落として失神した。蓮斗がシオンを支えていた両方の拳を抜くと、拳が埋まっていた箇所がクレーターのように陥没していた。
 げぷっ……という音と共にシオンの口から大量に飲まされた精液が逆流する。シオンは支えを失い、青白い顔をしたまま床に膝を着いて、そのまま倒れ込んだ。蓮斗はシオンの肩を蹴って仰向けにすると、胸の上に座るように腰を落として男根を扱いた。今まで大量に放出したにもかかわらず、蓮斗はさらに大量の精液をシオンの青白い顔に放った。シオンは一瞬顔をしかめたが、目を覚ますことなく大量の射精を顔に浴びた。
「くそッ……腰に力が入らねぇ。サキュバスかよこいつ……。絶対に人妖には渡さねぇ」
 蓮斗はふらふらになりながら難儀して立ち上がると、スマートフォンで失神しているシオンを写真に収めた。壁に手をついて支えながら倉庫の出口に向かうと、視界の隅に女子生徒の姿が入った。女子生徒は絶望したような表情を浮かべて、蓮斗をじっと見つめながら胸や股間を弄っている。
「なんだお前、まだいたのかよ? しかもオナってたのか?」と、蓮斗は心の底から嘲笑するように言った。「もうお前用済みだわ。どこへでも行っちまえ。二度と俺の前に姿見せんじゃねぇぞ」
「え……? そ……んな……。その女を捕まえるのに協力すれば、この後たくさんご褒美くれるって……」
「うるせぇな。見りゃわかんだろ」と言って、蓮斗は振り返ってシオンを一瞥した。「お前じゃもう勃たねぇって言ってんだよ」
「ま……待ってください! 私、蓮斗さんがいないと生きていけません! どんなことでもしますから!」
「あ? 知らねぇよ。ゴミが騒いでんじゃねぇぞ。生きてけないならどこか見えない所で死んどけ」
 蓮斗が出ていくと、倉庫内は水を打ったように静まり返った。
 女子生徒は能面を被ったように表情を無くしてしばらく硬直していたが、やがて這うようにしてシオンに近づくと、胸や顔にへばりついた蓮斗の精液をじゅるじゅると音を立てて啜り始めた。空いた手で自分の性器をぐちゅぐちゅと乱暴に弄りながら、まるで妖怪のような必死の形相で蓮斗の精液を舐める。
 青ざめた表情で失神しているシオンの顔は、女性の自分が見ても心底美しいと思えた。それがなおさら彼女を腹立たせた。
「ふざけんなよ……どうやったらこんな風に生まれてくるんだよ……」
 女子生徒はシオンの口内に強引に舌をねじ込んで胃液混じりの精液を啜り、剥き出しになった胸を鷲掴みにした。乳首も捩じ切れる勢いで摘み、青痣のできている腹を乱暴に弄る。シオンは苦痛と快感を感じているのか、眉間に皺を寄せながら悩ましげな吐息を漏らした。その様子に女子生徒は頭の中で糸の切れる音が聞こえた気がした。握りしめた拳を力任せにシオンの腹部に叩きつける。
「ぶぐうッ?!」と、シオンは悲鳴を上げながら一瞬で覚醒した。シオンの視覚に入ったものは、鬼の形相で鉄槌を振り上げている女子生徒の顔だった。
「んぐッ?! ぐぇッ!? うぐッ! ぐぶぅッ!」
 女子生徒は女性とは思えない力で憎しみを込めた鉄槌を振り下ろす。シオンは最初こそ苦悶の表情を浮かべていたが、薬剤の効果で徐々に快楽の色が浮かび始めた。
「てめぇなに感じてんだよ!? 蓮斗さんの腹パンセックス受けていいのは私だけだろうが!」
 女子生徒は杭を打つようにシオンの腹に拳を叩きつけ、中指を臍に刺して乱暴に掻き回した。シオンはその度に叫び声を上げて悶える。
「この下品な乳で何人の男誘惑したんだよ?! カマトトぶりながら媚びたパイズリなんかしやがって! そんなに男に媚び売りてぇのかよこの淫売!」
 シオンは首を振りながら両手を前に出して微かに抵抗するも、正気を失っている女子生徒には何の意味の成さず更に怒りを買うだけだった。女子生徒は千切れるほどの勢いでシオンの胸を掴み、生腹に拳を叩きつけ、脇腹を蹴り、ジャンプして膝をシオンの腹に落とした。シオンはその度に激しく嘔吐し、女子生徒はシオンが吐き出した精液混じりの胃液を啜った。呼吸困難になりながら嘔吐している最中も女子生徒の攻撃は止まず、シオンはエビのように背中を丸めたまま悶えた。シオンはやがて吐くものがなくなり、白目を剥いたまま透明な胃液が自分の意思に反して逆流することに身を任せた。
「んッ?! んんんんんんんーッ!」
 女子生徒の絶叫が倉庫内にこだまする。
 シオンと蓮斗の体液を舐めながら、女子生徒は何度目かの絶頂に達した。ようやく満足したのか、シオンの身体に覆いかぶさるようにして絶頂の余韻にぐったりと肩を上下させている。やがてゆらりと起き上がると、蓮斗の名を譫言のように呟きながらボロボロの状態で気絶しているシオンを気にも留めずに倉庫から出ていった。