Яoom ИumbeR_55

Яoom ИumbeR_55は「男性→女性への腹パンチ」を主に扱う小説同人サークルです。

2010年08月

アナスタシア聖書学院都市駅を降りると、そこは学校というよりひとつの街と表現した方が正しいような、中世ヨーロッパ調の空間が広がっていた。 広大な敷地には様々な施設。巨大な本校を中心に、各種研究施設や専門教室棟。売店や美容院、レストランやブティックまである。夜も11時も回れば門限の厳しい生徒達はすぐに男子寮、女子寮へと帰った後で、石畳や噴水が、昼間の多くの生徒達の喧騒とは対照的な静寂を吐き出していた。

 

「んふふ~♪ふんふん~♪」

 

暗闇にひらひらと足取り軽く進む影、ツインテールに纏められた長く美しい金髪に月の光が反射し、髪がなびくたびにキラキラと幻想的な光を放っていた。静寂の中にシオンの上機嫌な鼻歌が響く。

 

「んふふ。メイドさん♪メイドさん~♪」

 

シオンはメイド服を基調としたセパレートタイプのゴスロリ服を身に纏っていた。試供品として渡された戦闘服はかなり際どいもので、シオンの豊満な胸を白いフリルの装飾の付いた黒いブラジャーのようなトップが辛うじて隠し、同じく白いフリルエプロンの付いた黒いミニスカートからすらりと伸びた健康的な足を同じデザインの黒いニーソックスが締め上げていた。余分な贅肉が一切無いくびれた白い腹部は惜しげも無く露出され、手には二の腕まである長い白手袋がはまり、頭にはご丁寧にヘッドドレスまで装着してある。

 

先日行われた会議の後、戦闘服に着替えたシオンを見た他の戦闘員やオペレータは開いた口が塞がらず、思わず綾も

 

「あの…ファーザー…いくら何でもこれは戦闘向きでは…」

 

と、進言したほどだったが、肝心のシオンは鏡の前で目をキラキラさせながら

 

「うわぁーかわいいー!本物のメイドさんだぁ…。こっ、これ、本当に次の戦闘で着ていいんですか!?」

 

と、早くも1人で色んなポーズを取り出し、周りはそれ以上何も言えなくなった。確かに日本人離れしたシオンの容姿とプロポーションにはその際どいメイド服がかなり似合っており、逆にシオンの魅力を引き立てていた。なにより本人が至極ご満悦で今更違う戦闘服を渡せる雰囲気でもなかったので、綾も仕方なく

 

「頑張ってね…」

 

と声をかけるだけであった。

 

シオンは学園都市内の店舗のガラスに自分の姿が写るたびに、思わず顔がにやけそうになった。幼い頃から名門家としての教養、作法、立ち居振る舞いの他、人の上に立つものとしての教育を叩き込まれて来たシオンは、なぜ自分が人の上に立たなければならないのか、みんな平等で仲良く出来ればいいのではないかと常に疑問を感じていた。

そのような中、ある時観たフランス映画の中に出てくるメイドの姿に釘付けになった。「この人はだれか他の人のために仕事をしている」

人を使うことのみを教えてこられたシオンにとって、メイドは憧れと理想の存在になった。当然そのようなことは両親は許すはずも無いが、いつかは自分の夢として「誰かの上に立つのではなく、誰かの役に立ちたい」という気持ちを打ち明けようと考えている。

生徒会長に立候補したのも、両親が長期海外赴任中に届いたアンチレジストへのスカウト状に飛びついたのも純粋に人の役に立ちたいと思ったからであった。

 

 

「オペレーターさん!聞こえますか?」

 

明るい声でシオンがイヤホン型のインカムに向かって喋る。

 

「はい、聞こえます。良好です」

 

「今アナスタシアの中に入れました。改めて見ると広いですね~」

 

「そうですね。こちらでも確認していますが、敷地はかなり広大で人妖の反応を探るのに苦労しています。シオンさんが到着する数時間前までは研究棟の中から反応があったのですが、今は反応が消えています」

 

「研究棟ですか?あそこは理科室や実験室もありますが、上層の研究室へは学校の関係者でも一部の人しか入れなくて、生徒はもちろん一般の教師でも入れないんですよ。今のような夜間なら特別なパスが必要なはずですが、なぜ人妖がそんなところに…」

 

「わかりませんが、前回の綾さんのケースから考えると、今回の人妖もそれなりの立場の人である場合が考えられます」

 

人妖の反応が出たら連絡すると言い残し、オペレーターは通信を切った。

 

「理科室にでもいたのでしょうか…?でもこんな時間に?研究室なんかは私でも入れてもらったこと無いですし…」

 

アナスタシア聖書学院の研究棟は下層が生徒が使う特別室、上層は学校側が表向きは社会貢献の名目で最新の設備を有償で企業や大学に貸し出してる。当然企業のトップシークレットの研究も行われている所であり、入室は特別に発行されたIDカードと暗証番号が必要だった。

 

「ふーむ…デタラメに歩き回っても体力を消耗するだけですね~。本校なんかに入ったら全部の教室を見て回る前に朝になっちゃいますし、ここはオペレーターさんからの連絡を待ちますか」

 

左手を胸の下に回し、右手で軽く顎をさすりながら考えを巡らすシオン。その一挙手一投足が絵になり、全く嫌味にならない。美術品のような容姿と抜群のプロポーションもさることながら、名門家の令嬢で生徒会長という立場でありながら誰とも分け隔てなく接する態度と、温和でのんびりした性格は男子生徒は元より女性とからも憧れの的だった。

近くの自動販売機でミネラルウォーターを買い、アナスタシアの敷地の中央にある噴水に腰をかける。美味しそうに水を飲むシオンに近づく影に、まだ彼女は気付いていなかった。

「アナスタシア…聖書学院…」

 

シオンがつぶやくようにファーザーの言葉を反芻する。困惑したような、理解不能のものを見せられたような、そんな表情だった。

 

アナスタシア聖書学院。

入学には家柄や性格判断、基礎学力や身体能力まで多岐にわたる試験や検査、5回以上の面接を経て選ばれたものだけが入学できるミッション系のエリート進学校である。アナスタシア卒というだけで箔が付き、一流企業や大学も入学時からある程度生徒に目星をつけるという。特に選挙で選ばれた生徒会役員や各部活の部長、優秀選手は卒業と同時に各方面から声がかかるケースも珍しくない。

また、聖書学院とは言っても規律はそこまで厳格ではなく、全寮制と日に数回の礼拝、服装規則以外は男女交際も「結婚を前提としていれば可」とミッション系の中ではかなり自由な校風になっている。もっとも、入学までの厳しい審査項目を見れば、「問題のある学生は1人もいない」という学校側の自信の現れとも取れる。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!アナスタシア聖書学院って言ったらシオンさんの…」

 

「はい…私の母校です…。綾ちゃんにはさっき少し話ししたよね。実は、3ヶ月ほど前から生徒が5人ほど失踪しているんです。まぁ、全寮制なので稀に共同生活に馴染めずに逃げ出す人もいるのですが、それでも数年に1人いるかいないか…3ヶ月で5人というのは異常な数なんです」

 

『ふむ…人妖の仕業と見てほぼ間違いないだろう…』

 

「でも、そんなに失踪者がいたら学園でも騒ぎになるんじゃ?」

 

「今は生徒会の力で情報の漏洩は抑えています。生徒達には一時的な帰省と…。私ももしかしたらと思っていたので、役員の皆には私から指示して動いてもらっています」

 

「役員に指示って…シオンさんってまさか?」

 

「ええ、アナスタシア聖書学院の生徒会長です。今回の件は、私に行かせてください。学校内の地理も把握していますし、何よりも学校の皆を守りたいんです!」

 

シオンの強い意志に圧され、会議室には口を開くものはいなかった。当初は次の任務にも志願しようとしていた綾も、自分の母校を人妖に好き勝手に荒らされる気持ちは痛いほど分かるため、手を挙げようとはしなかった。

 

『わかった。今回の件はシオンに一任しよう。いざという時は身の安全を最優先するように。戦闘服の用意はできている。では作戦は………」


簡潔な文章だった。

 

 

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アンチレジスト上級戦闘員召集会議の件

 

以下の者は、アンチレジスト上級戦闘員召集会議への出席を命ずる。

 

・神崎 綾

・シオン イワーノヴナ 如月

・鷹宮 美樹

・…

・…

・…

 

日時:2010年8月24日

21:00より

 

場所:アンチレジスト地下訓練場 第9会議室

 

以上

 

 

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「 迷うかもと思って余裕もって出て来たけど、一本道だったから結構時間あるなぁ。 というか上級戦闘員なんてランク付けあったんだ…当たり前だけど全員知らないし…」

 

A4用紙に書かれた無機質な文書を読みながら、街を歩けば誰もが振り返るであろう美少女が長い廊下をこつこつと足音を立てながら歩く。ショート丈のセーラー服。ミニスカートから伸びた健康的な足。手のひらには革製の指だしグローブ。

神崎 綾。

1ヶ月前に母校にて人妖、涼と対峙し、辛くも引き分けたアンチレジストの上級戦闘員。人妖討伐へ送り込まれた戦闘員のほぼ全員が行方不明となる中、彼女とその友人、友香は帰還に成功した。つい先日退院した綾は、涼との再戦に向け退院後すぐに通常通りのトレーニングを再開していた。

 

「今までこんな会議なんてしたこと無いし、もしかして何か進展が…。だったらすぐにでも!」

 

招集の紙をくしゃっと丸めると、そのまま胸の前で拳をバシッと合わせる。意気込みは十分だった。ファーザーに掛け合い、不良品の対人妖グローブも交換してもらった。
すぐにでも戦いたい。綾は場合によっては会議中にファーザーに次の戦闘も自分に任せてもらうように進言するつもりだった。

もうすぐ第9会議室に着く。ドアが見えてくる頃、廊下の向こう側からも歩いてくる女性がいた。

 

「あ…うわぁ…」

 

女性の綾ですら息をのむほどの美少女が歩いて来た。すらりと伸びた手足。一本一本が絡まることの無い絹糸のような金髪のロングヘアをツインテールで纏め、透き通った緑色の瞳からは知性が感じられた。 綾の隣の区の名門校の制服を来ていたので、歳はおそらく自分とそう変わらないだろう。しかし、うつむき加減で自分の足下を見て歩く彼女の表情はやや暗く、何か作り物のような雰囲気を醸し出していた。

しかしその女性は、近寄りがたい…と一瞬思った綾を見つけるとにこりと笑って話しかけて来た。

 

「こんにちは。あの、もしかして会議に?」

 

「えっ?あっ?は、はい!そうです。あの…上級戦闘員の…」

 

「ああ!私もなんですよー!はぅー、よかったー。1人で入るの心細かったんです」

 

その雰囲気からは想像がつかない喋り方と、コロコロと表情を変え、親しみやすい笑顔を向けてくる女性に綾はすぐに好感を持った。

 

「あの、私、神崎綾って言います。よろしくおねがいします」

 

「ええっ?あなたが綾さん!?はわー。噂は聞いてます。成績は殆ど1位ですよね?しかも1ヶ月前に人妖と戦闘して生還したとか。あの、お怪我はもう?」

 

彼女の身長が10㎝くらい縮んだ気がした。綾が、なんだか可愛い人だなと思って見とれていると、彼女ははっとして付け加えた。

 

「す、すみません。私自己紹介してなかったですね。私は、如月シオンと言います。父がロシア人で、母が日本人なんです。といっても、ロシア語は全く話せませんけどね~」

 

と言ってシオンは「んふふ」と笑った。綾も人懐っこい性格をしているので、2人はすぐに打ち解けることができた。シオンは実戦経験こそ無いものの、シミュレーション訓練では綾に迫る成績をたたき出していた。学校の成績も優秀でスポーツも得意だが、将来はどこかの家のメイドになりたいと、どこかずれた夢を語り綾は思わずコケそうになった。

 

 

 

会議は綾とシオンを含む上級戦闘員5名とオペレーターの幹部が3名。ファーザーは例によって音声のみでの参加となった。円卓に座った8人全員、正面のスクリーンとスピーカーから聞こえてくるファーザーの声に耳を傾けた。

 

『今日集まってもらったのは他でもない。今後の人妖討伐作戦についてだ。正直に言って、作戦において戦闘員が帰還できる確率は低い。だが、ここにいる神崎綾が1ヶ月前の人妖討伐任務からの帰還に成功した。今日はその体験を全員に話してほしい」

 

「あ、は、はい」

 

いきなり話を振られ、若干戸惑ったものの、綾は思い出せるだけのことを全員に話した。

 

『綾、ご苦労だった。人妖の生態についてはかなり貴重な情報だ。次は悪いニュースだが、先日廃工場に人妖討伐に向かった由里と由羅の2人は、3日経った今でも連絡がつかない…。おそらく、奴らの手に落ちたものと思われる。だが、彼女らの作戦の前にオペレーターが工場内の数カ所にカメラを付けることに成功していた。ボイラー室のカメラに映っていた映像なんだが…まずは見てもらおう…』

 

その映像に、会議室にいた全員が息をのんだ。最初こそ優勢だった由里と由羅だが、次第に技のキレやスピードが無くなり、徐々に劣勢に追い込まれて行った。後半はほぼ一方的に2人が交互にいたぶられるのみとなり、男の拳がボイラーに縛り付けられた2人の腹部にめり込むたび、オペレーターから小さな悲鳴が上がった。最後は由里と由羅の2人が男の性器に奉仕を開始したところで映像が終わった。

 

『綾の証言から、人妖は人を魅了するチャームと呼ばれる体液…人間で言えば唾液や精液のようなものだが、それで人間の精神を操ることが分かった。しかし、この映像では人妖の動きや特徴、2人の急激な戦力低下から、おそらく汗にも何らかの効果があると考えられる。気化した汗や体臭に、人間の筋力を低下させる効果があってもおかしくない』

 

「ひどい……こんなことって……」

 

シオンが複雑な表情を浮かべながら、祈るように机の上で手を組む。綾も複雑な心境だった。自分も友香がいなければ、あの2人のように人妖の手に堕ちていたことは自分が一番良く知っていたからだ。

 

『2人には気の毒だが、我々は先に進まなねばならない』

 

重い空気の会議室に、ファーザー声が響いた。

 

『次の人妖の居場所が分かった。アナスタシア聖書学院。ここでも男性型の人妖の反応があった』

K's StoreRoom様と相互リンクをさせていただきました。

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Яoom ИumbeЯ_55もサイト化するべきでしょうか?

いずれは…と思っておりますが、メリット、デメリットそれぞれ検討して考えたいと思います。 

「げふっ…うあぁ…」

 

何度もお腹に突き刺さる、金属バットの冷たく無慈悲な感触。マッチョはサディスティックな表情を浮かべながら、まるでゲームを楽しむように私のお腹を嬲り続けた。

やがて、私がぐったりとうなだれると、お腹に向けられた金属バットを急に私の股間に当て、ぐりぐりと押し付け始めた。

 

「あ!?ああんっ!?うぁ…や、だ、ダメ…」

 

「ぶふふふふ…へぇぇ、10代にしては結構敏感なんだねぇ…?」

 

「おいおい、当たり前なこと言うなよ。こういうのは慣れてない方がいいんだぜ?」

 

金属バットの先の角の部分が、ジャージの上から私のクレヴァスを押し広げ、中心の突起を執拗に攻め続ける。先ほど感じた苦痛と、現在感じている快感がない交ぜになり、自分の身体のあちこちが熱くなってくる。

 

「くぅん…あっ…あぁん……も、もう……あああっ!?」

 

散々私の股間をイジめていた金属バットが急に胸に移動し、同世代のクラスの子に比べると大きめな私の胸を押し潰した。左の胸をぐりぐりと押しつぶした後は、先端で私の乳首を転がすようにこね回し、すぐに右の胸を同じように攻め始めた。下着を付けず、体操服の化学繊維越しに敏感な部分を擦られ、私の胸はたちまち服の上からでも分かるくらいエッチな形へと姿を変えて行った。

 

「うひひひ…乳首がコリコリに立っちゃってるよ。ほぐしてあげないとねぇ…」

 

「え…?ちょ…今…触られたら…んはぁあああ!!」

 

急に私を後ろから羽交い締めにしていた太っちょが、両手で私の胸を揉みし抱きながら乳首を親指と人差し指で転がしたり、押しつぶしたりしはじめた。マッチョの金属バットは再び私の股間へと攻める箇所を変え、私は屈辱に耐えながらも2人の執拗な攻めに屈し、だらしない声を上げ続けるしかなかった。

 

ズムッ!!

 

「ごふっ!?…うぁ…なんで……」

 

目を瞑り、官能的な快感の浮遊感に身を任せていた私を、マッチョの丸太のような拳が私の腹部を押し潰し、一気に苦痛の底へたたき落とす。

 

「うげぇっ……そ、そんな…なんでいきなり……」

 

「けっ。一人でよがってんじゃねぇよ。お前が生かされている理由を考えるんだな」

 

「い…生かされている理由…?」

 

「ぶふふふ、そうだよ。君は僕たちの餌さ。僕たち人妖に生気を提供するだけのね。君はただ僕たちに好きなように嬲られて、老廃物を浴つづけていればいいんだよ」

 

「なんで自分がここにいるかもわからねぇだろ?まぁ記憶を一部消されてるから覚えてなくても当然だがな。まぁ、要はお前は用無しだったってこった。安心しな、あっちでは捨てられても、俺たちは優しいから壊れるまで使ってやるからよ…」

 

何?何を言っているの?あっちってどこのこと?捨てられた?私が?餌?私が?用無し?私が?わからない。わからないよ。どうなってるの?ここはどこなの?私はアンチレジストの訓練所にいて、実戦シミュレーションを受けて、それから……それから?

 

ズムゥッ!!

 

「げぇぶっ!?……あぁ……」

 

思考を一瞬で真っ白にするほどの衝撃。また、何もかもがどうでもよくなてくる。2人は何か囁き合うと、太っちょが私を解放し、2人に対し正面を向かされる。

 

「さて、そろそろフィニッシュだ。イッちまいな」

 

「ぶふふ…僕たちもイクよぉ!!」

 

ズギュッ!!

 

ドギュゥッ!!

 

「がふっ!!ごぶあぁぁぁ!!」

 

マッチョは鳩尾、太っちょは胃をそれぞれ押しつぶした。そして、マッチョはさらに強引に拳を奥に埋め、太っちょは胃を握りつぶすようにえぐった。

 

「ぐぶっ!!??ごぶぇあぁぁぁぁ!!」

 

ビクビクと身体が痙攣し、胃液が逆流して床に水たまりを作る。両手で腹部を抱えてうずくまると、マッチョが私の髪を掴み顔を天井に向けさせた。裸電球が頼りない光を放っている。そして男2人は私を見ながら自分の性器を一心不乱にしごいていた。

 

「はぁ…はぁ…たまんねぇな…エロい顔しやがって……」

 

「ああああぁ…あぁ…イク…イクよぉ…いっぱい出るよぉ…」

 

左右から太い肉棒が私に向けられ、男達の呼吸に余裕がなくなってくる。出るんだ…あの白くて凄い臭いのする液が…またたくさんかられちゃうんだ…たしかチャームとか言ってたっけ…。

 

「くぅぅぅ!!限界だ!!おら!口開けて舌出しな!!」

 

「え?こ…こうですか…んぁ…」

 

「ああ!ああああ!!イク!イクよぉ!!ドロドロに濃くて洗っても落ちないくらいのをその可愛い舌にたっぷりかけてあげるからね!!」

 

どびゅっ!!ぶびゅるるるるうぅぅぅぅl!!

 

ぶびゅううううう!!どぷっ!!どぷっ!!どぷっ!!

 

「あぶうっ!んあああぁぁぁぁぁ!!!えぅぅぅ………ろ、ろまらないぃ……」

 

2人は容赦なく私の口や舌、顔をめがけ大量の体液を放出した。私だって友達とエッチなビデオ位は見たことがあるけれど、精液って言うの?こんなに大量に出る男の人はいなかった。私は溺れそうなほど大量の液体を受け止めていた。不思議な幸福感を感じながら…。

捕らわれてから、もう何日が経過したのだろうか?この光が全く差さない地下室では、徐々に時間の感覚が失われ、今はもう昼なのか夜なのかもわからない。もっとも、「捕らわれた」といっても、ここはそこそこの広さがあり、トイレやシャワー室の他、食事や着替えもいつの間にか置かれているため生活にはほとんど不自由していない。数時間前に出された食事はミネストローネと冷製のパスタ、着替えは私の高校で使うような体操服の上着と、えんじ色のジャージだった。問題は無かった。あるとすれば、ここがどこなのか?なぜ自分はここに居るのかまったくわからないということだ。

ガチャリ…と、ドアが開く音がして私はここに来てから幾度と無く味わった絶望に苛まれる。今日は…2人。1人は筋肉質のマッチョな男。もう1人は脂肪が蓄積しすぎた太っちょだ。2人は小声で何事か話し合うと、真っ直ぐに私に向かってきた。

当然、全速力で逃げる。しかし、いつもは広いこの地下室も、なぜか「相手」が入ってくると同時にあちこちの壁が閉まり、広さはたちまち10畳ほどの広さしかなくなった。

 また、はじまる…。

何度目かの抵抗を試み、訓練で習った体術を繰り出すも、太っちょの異常に厚い脂肪には私の攻撃が全く利いていなかった。

ズギュウッ!!

一瞬のうちに、私の腹部に太っちょの拳が埋まる。数瞬間をおいて、すさまじい衝撃と鈍痛が私を襲った。

「う…うぐえあああぁぁぁぁぁ!!!」

自然と口から悲鳴とも叫びともつかない声が漏れる。腹部を中心に苦痛が広がり、膝が笑い出し、口からは大量に分泌された唾液があふれる。太っちょは私の反応に満足そうな笑みを浮かべると、体操服を胸が見えるくらいまで引き上げ、むき出しの私の腹部にまた強烈な一撃を見舞った。

「あぶっ!?ぐぅえあああぁぁぁ!!」

胃液があふれ、床にビシャリと落ちる。一瞬目の前が暗くなり、男にもたれかかるように倒れたところをを狙って、鳩尾を突き上げられた。

「うぐぅっ!!あ……あああぁ……」

「ぐぶふふふふ…もうイッちゃいそうなのかい?もっと頑張ってくれないと全然満足できないよ?」

奥襟をつかまれ、地面に倒れることも許されない。私はただ口からだらしなく涎をたらしながら太っちょを見上げるしかなかった。

「おっと、俺もいることを忘れるなよ?」

ズムウッ!!

気がつくと、マッチョの丸太のような膝が私のお腹に突き刺さっていた。呼吸困難に陥り、悲鳴すら上げることもできない。

「おい、お前勝手に楽しんでるんじゃねぇよ。俺にも楽しませろ」

「へへへへ、わかってるよ」

太っちょが私を背後から羽交い絞めにすると同時に、いつの間にかマッチョは金属バットを取り出し、いたぶるように私のお腹を嬲った。

ズンッ!

「うぐうっ!」

ズンッ!

「ぐふっ!…あぁ…」

ズンッ!

「あうっ!?…や、やめ…」

ズンッ!

「うぅあぁぁ!!」

等間隔の無慈悲な攻撃。私はただそれを受け、男の望むとおりの反応を示すしかない。しばらくすると、太っちょは自分の股間を私の腰に当ててきた。大きくなってる…。見れば、マッチョの穿いているジーンズも股間部分が大きく隆起している。

…興奮してるの?

私は苦しみと同時に、自分の中の女としての悦びを感じていた。

ご機嫌いかがでしょうか?

number_55です。


case:TWINS、本日連載終了しましたが、個人的には悔いの残る、というかいろいろと課題が見えた作品となりました。


反省点をあげればきりがないですが、まずは以前から暖めていた「双子キャラ」の描写の難しさ。

個人的に結構魅力あるキャラが産まれてくれたと思っていたのですが、その魅力を半分でも引き出すことが出来たかと思うと正直微妙です。

また、性格が違う2人でもどうしても攻めがマンネリ化してしまい、数種類考えていた双子ならではの攻めも結局1つしか出すことが出来ず。。。

結局プロットにあった構想はあまり使えずにラストまで突っ走ってしまいました。


また、ラストシーンへのつなぎも少々無理矢理感があったと思います。ラストシーンは初期のプロットから決定していたのですが、展開がうまい具合に発展しなかったことと、納期のことも考え、ややなし崩し的に纏めてしまったという感じです。

最後に、プロット作成の段階でいつも裏テーマを決めるのですが、それが今回足を引っぱり前回のようにスムーズに物語の中にとけ込ませられず、浮かせてしまったような感じです。

すべて私の貧弱な表現力や描写力の問題ですね。今回の話はいつかリメイクでしたいと思っています。

さて、次回はどんなキャラクターが産まれてくるのでしょうか。自分でも楽しみです。

最後になりましたが、読んでいただいた方。ありがとうございました。 

「ああ……うぁぁ……」

 

「ぐふふふ…ほら…もっと、もっとだよぉ…」

 

ドギュッ!ズムゥッ!!

 

「ぐふぅっ!!うぅあぁぁ!!………あ…あぁ…」

 

「ぐふふふ、い、いいよぉ…。ゆ、由里ちゃんの表情もとっても素敵だ。も、もっと苦しめてあげるね…」

 

「や……やめろ……」

 

男と由里が足下を覗き込むと、膝立ちになった由羅が必死な形相で男を見上げていた。腕は後ろ手に拘束されているため、腕を後ろで組んだまま正座をしているような体勢になってる。

 

「ゆ、由里に、これ以上酷いことをするな…この変態…女の子動けなくして、いたぶって恥ずかしくないの?少しは恥を……ぐふぅっ!?」

 

男はむき出しの由羅の腹につま先を埋めた。無防備の中でまともに攻撃を食らってしまい、由羅の身体がくの字に折れる。

 

「ぐふふ、少しは言葉を慎んだ方がいいんじゃないのかい?だ、大好きなお姉ちゃんが、もっと苦しんじゃうよ?」

 

男はそう言うと、由里の下腹部、子宮の位置を狙って右手を手首まで埋めた。凄まじい衝撃が由里を襲う。

 

ズギュウッ!!

 

「あぐうぅぅぅぅぅぅっ!?うぇ……らめ……そこはぁ……」

 

由里の口から飛び出た舌を伝って、唾液が糸を引いて床に落ちる。女性の急所を突かれ、由里は軽い呼吸困難に陥り、白目を剥いたまま半分失神した状態になった。

 

「ゆ、由里!?…げほっ…こ、この…卑怯者。由里に何かあったら…絶対許さないから!」

 

 

「…………さ、さっきから変態とか卑怯とか、ず、ずいぶんな言われ様じゃないかぁ。そ、そんなにお姉ちゃんの苦しむ顔が見たいのかい?」

 

ドギュゥッ!!

 

「ぐぶあぁっ!?」

 

華奢な由里の腹部が痛々しく潰され、半ば意識を失っていた由里の身体がビクンを跳ねて、床に透明な胃液が飛び散った。男はうわ言のようにつぶやきながら、由里の鳩尾から下腹部下腹部にかけて何度も何度も攻撃し続けた。

 

「ぼ、僕だって好きでこんな風に産まれて来たんじゃない!ほ、本当は普通の人妖だったり、に、人間に産まれてきたかったのに!な、なんで僕だけこんなに醜くて、せせせ、賤妖なんて呼ばれなくちゃいけないんだ!でも生きなくちゃいけないから……こ、こうするしか無いじゃないか!」

 

ドギュッ!ズブッ!ズムッ!ボグッ!ズギュゥッ!!

 

「あぐっ!?ぐふうっ!うぶっ!ごふっ!うぐうっ!!」

 

 

由里は何度も何度も悲鳴を上げ、由羅は泣きながら男にすがりついてやめてと懇願した。男の目にも若干涙が浮かんでいた。
 

 

「や…やめて…お願いだから…ゆ、由里が死んじゃう……由里をこれ以上……」

 

「や、やめてほしければ、さ、さっき由里ちゃんが僕にしたことをしてもらおうか?こ、これも生きるためなんだよ。ほ、ほら、これをしゃぶって…」

 

男は由羅に向かってぐいと腰を突き出した。数十分前に放出したばかりだというのに、男の男根は隆々と空を仰いでいる。

 

「くっ…わ、わかったわよ…。そ、その代わり、絶対に由里に手出ししないで…」

 

「そ、それは僕が満足できるかどうかだね。つ、つべこべ言わずに、は、早くしゃぶれ!」

 

「なっ…むぐぅ!!??んむっ……んん……」

 

男は由羅の頭を掴むと、無理矢理自分の男根を由羅の口に押し込んだ。しかし、由羅は決して口を動かそうとはせず、男を睨みつけるだけだった。

 

「ほら…動いてくれないと気持ちよくなれないよぉ…」

 

「…………」

 

「し、仕方ないなぁ。ててて、手伝ってあげるよ」

 

「むぐぅ!?ぐっ!?あぅぅ!!んんんぅ!?」

 

男は由羅の頭をわしづかみにすると、力任せに上下に揺さぶった。何度も舌を男根でこすられ、喉奥を突かれ、由羅は呼吸もままならず胃液がこみ上げてくるのを感じた。

 

「うぶっ……うぇ……ぐぶぅ……」

 

「ど、どうだい?苦しいだろ?さぁ、わかったら自分でしてみてよ…」

 

「…………」

 

しかし由羅は目に涙を浮かべながらも決して自ら動こうとはせず、男を睨み続けた。

 

「ぐふぅ…強情だなぁ…まぁ、それなら勝手に楽しませてもらうだけだけどね」

 

男はゆっくりとしたストロークで由羅の口内を犯した。亀頭を重点的に舌にこすりつけ、先走りを塗りたくり由羅の表情の変化を楽しんだ。 
 

「ほらほら、わかるかい?だ、段々僕の味が濃くなってくるのを…で、出る…もうすぐ出るよぉ…」

 

「むっ…むぐうぅ……んぁ……」

 

由羅は初めて味わう男の味に戸惑いながらも、徐々に頭の芯が痺れ熱を帯びてくるのを感じていた。表情は弱々しくなり、上気した頬で、半ばうっとりした様子で男に上目遣いの視線を送っていた。

 

「ぬぅぅぅ…い、いい顔になってきたねぇ…。ううぅ…そろそろ本当に出るよ…あああ…出る!出るよぉ!!」

 

男は男根を一気に口元まで抜くと、先端を由羅の舌先に付けたまま一気に放出した。

 

ぶびゅつ!!ぶびゅるるるるるる!!

 

「むぐっ!?んふぅぅぅぅぅぅ!!!???」

 

「ほ、ほら…ああああ……舌全体で味わわせてあげるあらね、と、止まらないよぉ…」

 

どびゅぅぅっ!!ぶびゅっ!!!ぶしゅぅぅぅぅっ!!

 

「んむぐぅぅぅぅ!!??ごくっ!ごくっ!ごくっ!んんんん……ごきゅっ!…んふぅぅぅ!!」

 

あの強気な由羅が、涙目で必死に自分の体液を飲み込んでいる。男はこれ以上無いほどの征服感と快感を味わっていた。

 

「ふぅぅぅぅ…ああ……こんなにたくさん出たよぉ……」

 

じゅぽぉぉ!

 

「う……うぐ……うぇぇぇぇぇぇ……」

 

男がゆっくりと由羅の口から男根を抜く。由羅はたまらず飲み込んだ体液と胃液をびちゃびちゃと床に吐き出した。

 

 

「げぶっ……うぁ……こ、これで満足でしょ…?早く…由里を離してよ…」

 

由羅は口の周りに大量に白濁の残滓をこびり付けたまま男に言った。

 

「ぐふふふ、さ、最高だったよ由羅ちゃん。ゆ、由羅ちゃんもお姉ちゃんと間接キスが出来て嬉しかったんじゃないのかい?そ、それにしても、いい顔になったねぇ。口の周りが僕のもので真っ白だよ。ゆ、由里ちゃんは離してあげるよ…や、約束だからね…」

 

男は由里を縛っていたロープをほどくと、由里の身体は糸の切れた人形のように床に座り込んだ。それと同時に由羅の手を縛っていたロープも解き、自分の男根を握らせた。

 

「さ、さっきは無理矢理僕がしちゃったからね…こ、今度は由羅ちゃんが自分からしてもらおうかぁ?」

 

「きゃぁっ!こ、こんなもの触らせないでよ…ど、どうすれば…?」

 

由羅は男に対して非難の言葉を浴びせる。しかし、人妖ほどではないにしろ、男の一番強力なチャームを直接飲まされたせいか、うっすらと顔は上気し、目はとろんと熱を帯びていた。

 

「こ、このまま上下にしごくんだよ。や、優しく先っぽを擦るようにね…」

 

「ううっ…こ、こう?」

 

ちゅこちゅこと肉棒が由羅の滑らかな指でしごかれる。男のものは快感からたちまち硬度を取り戻し、倍ほどの大きさに膨らんで行った。

 

「あ…ああっ…。こ、こんなになってる。ふ、太い…」

 

「ゆ、由羅ちゃん…こ、こっち見て……口開けて……ほらぁ……」

 

男は自分の舌を出して、由羅の口をめがけて唾液を垂らしてた。由羅は最初驚いた顔をしたが、素直に口を開けてそれを受け止めた。

 

「えっ?……あっ……んぁ……ん……こくん……こくん……んふぅ……」

 

「ほら…もういいだろう…さ、さぁ、由羅ちゃん、な、舐めてくれる…?」

 

「ん……ああん……んむっ……んっ…んっ…んっ…」

 

由羅は完全に男のチャームに堕ちてしまった。不慣れながらも、一心不乱に男根に奉仕を続ける。

しばらくして由里が目を覚ますと、自分のすぐ隣で男は由羅によって限界寸前まで昂らされていた。

 

「んっ…んふぅ…んく…んく…ぷはっ…で、出そうなの?さっきからビクビクしてるよ……はむっ…」

 

「あ……ゆ、由羅……?何やって……」

 

「んんっ!?ゆ、由里!?や……これは……違……」

 

「な、何してるんだい?由羅ちゃん、もうすぐ凄いのが出るよぉ…お、お姉ちゃんを守るんだろう。は、早く続けないと、またお姉ちゃんが酷い目に遭うよぉ…」

 

「う…そ、そうよ…これは、由里のために…仕方なく……んむうっ…」

 

由羅は自分を納得させるようにつぶやくと、再び喉奥まで男根をくわえこんだ。しばらくは信じられないという様子で呆然と由羅の痴態を見ていた由里だが、やがて意を決したように自分も男の肉棒に奉仕を開始した。いや、男の肉棒越しに、由羅にディープキスをしたという表現の方が正しかった。

 

「んむうっ!?ゆ…ゆりぃ?んむっ…そんら…」

 

「むふぅっ…ゆらぁ…好きだよ……もう、何があっても……2人で…」

 

突然始まった予想外のダブルフェラに男の興奮は最高潮に達し、肉棒がさらにふた周りほど膨らんだ?

 

「おおお!?おおおおお!!ど、どうしたんだい2人ともぉっ!?そ、そんなことされたらぁあああああ!!」

 

男から見れば、天使のような双子が自らの禍々しい肉棒を奪い合っているように見えるが、2人はもはや男の存在など気にせずお互いの舌と唾液を求め合っていた。しかし、その動きが男にこの上ない快感と興奮を与えているのも事実だった。

 

「由羅ぁ……堕ちる時は一緒だよ……私達…ずっと一緒だよ…」

 

「んむぅ…ゆ、由里ぃ…いいの?…こんな私でも……由里ぃ……大好き……」

 

男が歓喜の悲鳴とともに盛大に白濁をぶちまけたと同時に、2人の頭も真っ白に染まっていった。

 

 

 

由羅……もう私……由羅だけいればもう何もいらない……

 

 

由里……私もだよ……もうアンチレジストも…人妖も…ファーザーも…どうでもいい…

 

 

ずっと……一緒だよ……

 

 

ずっと……一緒だよ……









レジスタンス case:TWINS

口内をまさぐる粘ついた感触。まるで太いナマコが口の中を這い回っているような錯覚に襲われる。由里は嫌悪感と共に目を覚ますと、目の前には男の顔があり、一心不乱に自分の唇を吸っていた。

 

「む?…んん!?…んんむぅ!!」

 

あわてて顔を背け、男と繋がった唇を離す。口の中にはまだ男の生臭い体液の味と、今流し込まれた唾液の味が残っていた。

 

「お、おはよう由里ちゃん。お、おいしい唾液だったよ…ととと、蕩けそうだ…。ゆ、由羅ちゃんも全然起きないから、が、我慢できなくてねぇ…」

 

「ゆ、由羅!?き、キモオタさん…な、何でこんなことするんですか?わ、私…」

 

「は、初めてだったのかい?ぶふふ…大丈夫だよ。もう由里ちゃんは僕のものだからね。僕以外の人とキスなんてしないよ。ぼ、僕の体液にはね、び、微力ながら相手を魅了する力があるんだ。き、きっと、だんだん我慢が出来なくなってくるよ」

 

由里は先ほど飲まされた男の体液の味を思い出して吐き気を催した。しかし、それ以上に後ろ手に手を縛られ自分の足下に倒れている由羅の安否が気になった。仰向けに倒れ、完全に失神している。

 

「こ、こんなこと…お、お願いします…もう止めてください…由羅…由羅と、倉庫の人たちを助けてください…」

 

「ぶふふふ、そ、そうはいかないよ。ぼ、僕も生きるためにはそれなりの糧が必要だからね。ま、まぁ倉庫の女達は飽きたから解放しても良いけど、君たち2人はそう簡単に手放せないなぁ…と、特に、ゆ、由羅ちゃんのお腹を殴られた時の表情がたまらなくてね…ふ、普段強気の顔が苦痛に歪んで…も、もっと虐めたくなってくるよ!」

 

「や、やめて!お願いします、私は何でもしますから、ゆ、由羅にこれ以上…」

 

「ぐふふ、さ、さっきもそう言って、ぼ、僕のを舐めてくれたよね。ほ、本当に妹思いだ…。じ、じゃあ由羅ちゃん以上に良い表情を見せてくれるかい?」

 

「えっ…?」

 

「ぐひひひ、ゆ、由羅ちゃんの分までいたぶらせてってことだよ。お、お腹をたくさん虐めてあげるから、たくさん感じてねって意味だよ…。こ、怖いかい?」

 

当然怖いに決まっている。先ほどの戦闘で男の重い拳を何発も受けて来たので、その威力は身体で理解している。しかも今自分はボイラーに縛り付けられ、男の攻撃をかわすどころかガードすることも出来ない。その上背後に密着したボイラーのせいで、衝撃を後ろに受け流せずにダメージが100%自分に降り掛かってくる。想像を絶する苦痛が自分を襲うだろう。

しかし、それ以上に由羅を助けたいという気持ちが勝り、由里は男に進言した

 

「わ、わかりました…。な、何でもしてください…。い、虐めたいなら…たくさん虐めていいですから…だから由羅は…」

 

男はニタリと満足そうに笑うと、じっくりと時間をかけて拳を引き絞り、おびえた表情の由里の腹に狙いを定めた。

 

「あ……ああ……」

 

由里の身体が恐怖のために小刻みに震える。

 

「ほ、ほら…いくよ…いくよぉ…」

 

「ゆ…由羅……私………頑張るから………」

 

ドギュウッ!!

 

男は容赦なく由里のくびれた腹部に拳を埋め、しばらく抜かずに腹の感触を味わった。

 

「う…うぐぅっ!?………あ、あうぅ……」

 

「ほらぁ…顔を良く見せてぇ…」

 

男は右手で由里の腹を嬲りつつけ、左手で髪を掴み顔を上げさせる。

 

「あ…あぐ…く、苦し……えぅ……」

 

「んん~。思った通り由里ちゃんの方が腹筋が弱いみたいだねぇ。柔らかくて、内蔵の感触まで分かるよ…表情も…」

 

ズッ……ズギュッ!!

 

「がっ…がはぁっ!!あ…みぞ…おちに…」

 

男は勢いよく由里の腹から拳を引き抜くと、すぐさま鳩尾を貫いた。由里は一瞬目の前が暗くなるほどの衝撃を受けたが、それは絶妙に急所から外され、失神するまでは至らなかった。男は無理矢理上げさせている由里の顔が苦痛に歪むのを満足そうに覗き込んでいた。

 

「ぐふふふふ…いいねぇ…由里ちゃんの弱々しい表情もそそるよぉ…。ゆ、由里ちゃんはじわじわ攻めた方がいいねぇ…」

 

男は鳩尾に埋まったままの拳を捻り、さらに奥まで埋めた。男の力任せの攻めを、自由を奪われている由里はただただ受け止めるしかなかった。

 

グリィィィィ!!

 

「ぐっ!?ぐあぁぁぁ!!がっ…あぐっ…や……やぁぁ……」

 

ぴったりとしたレオタードによって浮き上がらされた由里の滑らかなラインを描く胸の間に、男のゴツゴツとした腕が痛々しく突き刺さっている。

 

「むふふふ……いい……いいよぉ……キ、キスしようかぁ?」

 

「んむっ!?……ぐ……んんむぅ……」

 

男は拳でぐりぐりと由里の腹部を嬲りながら、同時に由里の口内を蹂躙した。上唇と歯の間を舐め、舌の裏側をくすぐり、舌全体を啜った。由里は男の唾液の効果で徐々に頭がぼーっとなり、身体の中心が熱を帯びる感覚を味わった。

 

「ぷぁっ……うぅ……腕……抜いて……下さい」

 

「むふぅ…美味しいよぉ…う、腕は抜けないなぁ…む、むしろ増やしてあげるよ?」

 

男はおもむろに顔を上げさせている左手を離し、右手を鳩尾に埋めたまま左手で由里のへその辺りを容赦なく突き刺した。レオタードが男の拳を巻き込み、痛々しく陥没する。

 

ズギュゥッ!!

 

「がぶぅぅうう!!あ…ああ…」

 

予想外の上下への同時攻撃に、由里の小さな桜色の唇からはあふれた唾液が一筋流れ伝い

、垂れがちの目が大きく見開かれた。

 

「おおおお…こ、これはいい…じゃ、じゃあ、両手で胃を挟み込んであげるよぉ!」

 

ボグッ!!ズギュゥッ!!!

 

「げふぅ!!う…うぇぁぁぁぁぁ………」

 

両手の拳が同時に由里の腹部に埋まり、左右から胃を押しつぶした。先ほど無理矢理飲まされた男の白い体液が逆流し、胃液と一緒にボタボタと地面に落ちる。

 

「あああ…凄いよぉ。ぼ、僕のここも、凄いことになってるよぉ…」

 

男はスラックスのジッパーを下げると、バネのように勢い良く肉棒が跳ね上がり、自分のでっぷりと突き出た腹に当たった。赤黒く攻撃的に勃起したそれは男の興奮の度合いを表し、今にも由里に襲いかかってきそうな勢いだった。

 

「あ…ああ…そ、そんなに大きく…で、でも…私……もう……」

 

「ぐふふふ、ゆ、由里ちゃんのせいだからね。ど、どうやって鎮めてもらおうかなぁ?」

 

男は再び由里の髪を掴み、拳を握りしめると、足下からくぐもった声が聞こえた。

 

「ん……ゆ、由里…?」

 

由羅が目を覚ますと、真っ先に由里の惨状が目に飛び込んで来て、顔から血の気が引いて行った。

 

「ん…くぅ……わ、私…どうなって…?……!?こ、これは」

由羅が目を覚ますと、すぐに自分の体の異変に気づいた。由羅はボイラーのレバーや支柱に手足を大の字で開かれたまま固定されていた。腕や足にはギチギチと痛々しいほど工事用のナイロンロープが食い込み、ロープの跡が赤く腫れていた。

「ぐふふふ、い、いい格好だよ由羅ちゃん。無防備で。な、何も出来ないでしょ?」

「お前…この…卑怯者!な、何する気よ?」

精一杯強がって見せるが、その目には明らかに恐怖に怯える色をしていた。このような状態にされて、男に自分がされることといえば決まっている。犯されるか、いたぶられるか、最悪殺されるか…。どちらにしろ、ろくな目にあわないのは決まっている。視線を泳がすと、男の後ろに由里が倒れていた。由里は両手を後ろに回され、由羅と同じ工事用のロープで手首を縛られ寝かされていた。

「ゆ、由里!?どこまで外道なのお前は!?」

「ひひひひ…さぁて、目が覚めたばかりで悪いけど、さ、早速楽しませてもらうよ…。ぼ、僕のここも、もう爆発しそうになってるからね…」

男が由羅の前に立ち、頭を掴んで下を向けさせる。

「あっ!な、なにす…あぁぁ……」

由羅の視線の先には、はちきれそうなほど膨れ上がった男の男根が、スラックスのファスナーの間からそそり勃っていた。

「ふ、2人が可愛過ぎるせいで、こ、こんなになっちゃったんだよ!せ、責任取ってくれるよね?」

「ど、どうしろって言うのよ!?そんな汚いもの…早くしまってよ…」

初めて見る男性器に顔を真っ赤にして目をそらすが、頭をがっしりと押さえつけられているために嫌でも視界に入ってしまう。由羅としても興味が無いわけではない年頃なので、目をそらしてもまたチラチラとそれを盗み見てしまう。

「ぐふふ…興味津々なんだね由羅ちゃん。さっきからもの欲しそうに見ちゃって…」

「なっ!?ち、ちがっ…こんなの、全然」

「そ、それなら、もっと大きくなるように協力してもらおうかぁ?」

「き、協力って……何すれ……ぶぐぅぅぅぅ!!」

背中に感じる冷たく固い金属の感触と、男の鈍器のような拳が与える激痛。その間に挟まれ、由羅の細い腹部は痛々しいほどひしゃげられていた。

「がっ!?がっ…あ…」

「ぐふふふ、い、いいよぉ…。ぼ、僕はこういうのじゃないと興奮しないからねぇ…も、もっと苦しんでる顔を見せておくれ」

「こ……この……変態……うぐあぁああ!!」

「いい…いいよぉ…お腹を殴られてる女の子の表情はこの上なく卑猥だねぇ。も、もっと見せて」

ズギュッ!ドブッ!グチッ!ドギュウッ!!

「ごふっ!!ぐはぁあ!!…や、やめ…うぐっ!?ぐはぁああ!!」

絶え間無く与えられる苦痛。由羅は口の端から飲み込めなくなった唾液を垂らしながら喘ぎ続けた。

 



数分後、由里が目を覚ますと視界に映ったのは男の後姿と、その向こうでボイラーに縛り付けられぐったりとうなだれる由羅の姿だった。手は縛られていたものの、自由な足で這うようにして近づいていった。

「ゆ、由羅を離して!…お、お願い、もうやめて!わ、私が…私が何でもするから!」

「ぐふふ…お、お、お姉ちゃんはずいぶんお寝坊さんなんだねぇ…」

「……由里……ダメ…由里だけでも……ここから…逃げ……」

「だめだよ!お願い!私が何でもするから!これ以上由羅に酷いことしないで!」

「ひっ…ひひひ…何でも…かい?」

「うん、何でもする!だから…」

「由里……だめ……」

「ぐふふ…それじゃあ、こ、これの相手をしてもらおうかなぁ…」

「ひ、ひっ!?」

男は由里に向き直ると、露出しっぱなしの男根を由里に見せつけた。それは執拗なほどの由羅への攻撃で男の興奮が最高潮に達し、赤黒く変色した先からは透明な液がにじみ出ていた。あまりのグロテスクさに由里は小さく悲鳴をあげてしまう。

「ひひひひ、お、お姉ちゃんも見るのは初めてかい?な、何でもするって言ったよねぇ?じ、じゃあ、由羅ちゃんの前でこっち向きに膝まづいて…」

由里は素直に由羅の前に行くと、男に向かって両膝をついた。

「こ、これでいいの?な、何をすれば…?」

「ぐふふふ…僕のこれを舐めて、もっと気持ち良くしてもおうかなぁ?」

「なっ!?この変態!!どこまで性根が腐って…うぐうっ!!」

男のあまりの要求に激高した由羅だが、すぐに男の拳が由羅の腹に突き刺さる。由里の目の前で男の男根がびくりと跳ねた。

「わ、わかりました!舐めます!舐めますから…これ以上由羅をいじめないで!」

「ぐふふふ…いいよぉ…それじゃあ、は、早くしてもらおうか?」

由里は当然フェラチオなど未経験であるどころか、なぜ男が男根を舐めさせたがっているかすらも理解できなかった。しかし、それ以上に由羅を助けたいという気持ちが勝り、しばらく躊躇いがちに男根を見つめていたが、意を決して口に咥え込んだ。

「んむっ……うっ……おぇ……ん……んんん……」

男根は強烈な匂いと味を放っており、思わず胃液が逆流してくるのを感じたが、必死に耐えて咥え続けた。しかし、舐めろと言われたもののどうやっていいかわからず、ただ舌先でおずおずと先をくすぐるくらいしかできなかった。

「んん~。おっ…おお…。くくく、ゆ、由里ちゃんが、ぼ、僕のを…。で、でも、やり方が分からないみたいだねぇ…。口をすぼめて、くちびる全体で上下にしごいて…あ、あと、吸いながら舌を絡めて舐めまわしてぇ…」

「げほっ…うぇ…や、やめ…由里……こんな、こんなの…」

由羅は自分の足元で繰り広げられる痴態に涙を浮かべながら、自分のせいで由里をこんな目にあわせてしまったと思い、胸が張り裂けそうな気分を味わっていた。

「むちゅっ…んむ…ん…んん……んくっ……」

「そ、そうだよ…こ、このぎこちなさが…た、たまった唾液は音を立てて飲み込むんだよ…こ、こっちを見ながらね…」

「む…むぅ……ごきゅ……ごきゅ……ごきゅ……んふぅ…んんぅ……」

由里は素直に上目づかいで溜まった唾を音を立てて飲み干した。年端も行かぬ魔法少女のような格好をした少女が、許しを請うような視線を自分に向けながら肉棒に奉仕を続けている。その様子はたまらなく背徳的でいやらしかった。

「あ、ああ!あああ!た、たまらないよ!ゆ、由羅ちゃんも、き、協力して!!」

ズギュウ!ボグッ!!ズムッ!!

「ぐうっ!?がぶぅっ!!ぐぇあぁ!!!…あ……あああ」

「む!?んむぅぅぅ!!ん?んぐ!?んっ!んっ!んっ!んっ!」

男は熱に浮かされたように由羅に攻撃すると、由里の口の中で男根がビクリと跳ねた。由里は話が違うと抗議の目を男に向けるが、すぐさま頭を両手で押さえつけられ強引に前後に揺さぶられた。

「ああ!ああああ!!さ、最高だよ!!で、出る!!出るよぉ!!ぶっ!?ぶぎぃぃいいい!!!」

どびゅぅぅぅぅぅ!!ぶびゅっ!!ぶびゅぅぅぅ!!

「んぐぅぅぅぅぅ!!!??ごきゅっ…ごきゅっ…ごきゅっ…んんっ!?んんんん!!」

男は躊躇することなく、由里の小さい口に体液を吐き出した。たちまち由里の口内は男のものでいっぱいになり、飲みきれずに男根を吐き出すと顔じゅうを白濁で汚されていった。

「ああああああ…ゆ、由里ちゃんが、由里ちゃんが僕の汚いので……あああ」

「い、いやぁぁ…あぶっ!?な、なに、これぇ……んぶっ」

男の射精は数十秒続き、終わる頃には由里は顔だけでなく全身を真っ白に汚され、放心状態で男を見上げていた。

「お、おおぉ…す、すごい出たよ…き、気持ちいいぃ…。ど、どうだい由里ちゃん。初めての男の味は?お、美味しかったかい?」

由里はショックで遠くを向いたまま、男の言葉は耳に入っていないようであった。男は笑みを浮かべると

「ぐふふ、さて、由羅ちゃんも失神しちゃったし。由羅ちゃんにも味見をしてもらわないとねぇ…」

男は由羅を拘束しているロープを引きちぎると、今度は由里をボイラーに縛りつけ始めた。

「げっ…げうっ…うあぁぁ……」

数分後、男の猛攻を受け続け、地面に倒れこむ由羅の姿があった。左手で集中的にいたぶられた腹部を押さえ、あえぎ続ける。

「ぐ、ぐふふふ、よ、よく耐えたね。こ、こんなに強い女の子は、は、初めてだよ」

由羅はいまいち焦点の合わない目で前方を見ると、由里がよろよろと起き上がる姿が見えた。

「あ…えぅっ…ぐはっ…あ…はぁ…はぁ…由羅…大丈夫?」

「ゆ、由里こそ…立って大丈夫なの?くぅっ…」

その姿に励まされ、由羅も同じように立ち上がる。由里が由羅に歩み寄り、手を貸して起き上がるのを手伝う。

「こ…こいつ…何で…?急に強くなるなんて。今まで手加減してたってこと?」

「わ、わからないよ…。でも、倒すしかない…」

「由里…いける?」

「うん…」

2人は同時に男に対し、同時に構えを取る。男は余裕の表情で笑みを浮かべ、手招きをして挑発する。

「はあぁぁぁぁ!!」

「やあぁぁぁぁ!!」

由羅の蹴り、由里の突きが同時に襲い掛かるが、男は涼しい顔をして二人の攻撃をガードする。いや、数発は確かに当たっているが、全くダメージを感じていないようだ。しばらく黙って2人の攻撃を受けていたが、不意に攻撃の矛先を由羅に向けた。

「しぃっ!はっ!!…え?…」

ドギュッ!!

「ぐふぅぅ!!……うぐ……この……」

ズギュッ!!

「がはぁあ!!」

「ゆ、由羅!?大丈…」

「ぐふふ…よそ見してていいのかなぁ?」

ボグゥッ!!

「えっ……ぐ!?ぐぅあぁぁぁ!!」

スブゥッ!!

ドムッ!!

「うぐあぁぁ!!」

「あぐぅぅぅ!!」

「おっと、倒れるにはまだ早いよ」

男はダウンしかけた2人の胸倉を掴むと無理やり立たせ、舐めるように2人の体を凝視した・

「あ、あぅぅ…な、なんで…こんな…」

「げ、げほっ…す、すごい力…」

「ぶ、ぶふぅ…ふ、不思議がっているようだね?い、いいよ。教えてあげる。ぼ、僕の体や汗から出る体臭はね、人間の筋力を徐々に麻痺させる効果があるんだよぉ…。だ、だから、僕は手加減なんてしてないし、き、君達が勝手に、弱くなってるだけなんだよぉ…」

「な、なんですって…」

「嘘…そんなの、聞いてない…」

「ぶふふふ…や、やっと利いたみたいで、あ、安心したよ。こういう狭い部屋に逃げ込めば、たいてい数分時間稼ぎすれば効果があるのに、ぜ、ぜんぜん利かなかったから…」

「だ、だからあんなに…自分のことばかりべらべら喋ってたのね」

「わざと攻撃させてたのも…効果を確かめたかったからなの?」

「そ、その通りだよ…ぼ、僕は殴られて喜ぶ趣味は、な、無いからね!いやぁ、一時は本当に焦ったけど、こ、こうなったらもう2人は僕のものだからねぇ…さ、さっきはよくも苛めてくれたねぇ…たっぷりお礼をしてあげるよぉ…」

男はボイラーまで2人を連れて行き、由羅をボイラーの壁に背中をつけて立たせると、近くに落ちていた木片を由羅の腹部に押し当て、重なるように由里の背中を押して叩きつけた。

「ぐはぁぁっ!!」

「あぐぅぅぅ!!」

男は両手でボイラーを固定しているバーを握ると、由里の背中に自分の腹を押し当て、力任せに腕を引いた。由里と由羅はボイラーと男にサンドイッチのように挟まれ、ギュウギュウと締め付けられた。互いの腹部に挟まれた木片が絶えず苦痛を与え続ける。

「うぐっ!!あ…由里…由里ぃ……」

「由羅ぁぁ…ぐぅっ…あ、く、苦し…」

「ぐ、ぐふふ、どうだい?お互いの苦しんでいる顔がよぉく見えるだろ?お、おなかの力を抜けば、相手は苦しくなくなるかもねぇ…」

その言葉を聞いて、すぐさま由羅は腹筋を緩めた。途端に木片が自分の腹部に深くうずまる。

ズブゥゥッ!

「ぐ!?ぐぶぁぁっ!……ああ…」

「由羅!?ま、待って…私も…ああっ!?ぐぅぅぅ!」

二人はお互いを苦しめないように、ほぼ同時に腹筋を緩めたが、それは木片をますます2人の中にめり込ませただけだった。

「ふ、2人は本当に、お互いが大好きなんだね?ぐふふふ、いいことを思いついたよ。ちょっと眠ってもらうよぉ」

男は渾身の力で腕を引き付けた。同時に木片が見えなくなるほど由里と由羅の間にめり込み。短い悲鳴を上げるとほぼ同時に気を失った。

「ふぅぅ、ふぅぅ。た、楽しい夜になりそうだよ。さて、工事用のロープがその辺に…」

男は工事用の黄色と黒のロープを拾うと、気を失っている由羅をボイラーに縛りつけ始めた。

「いぎっ…いぎぃ……」

 

男はかれこれ1時間ほど2人の攻撃を受け続け、コンクリートの床に芋虫のように転がっていた。由羅に蹴られ、由里に殴られても、男は反撃らしい反撃を殆どせず、むしろ攻撃されるのを喜んでいるようであった。

 

「はぁ…はぁ…どうなの…?もう満足したでしょ?いい加減にくだばりなさいよ…」

 

由羅が息を切らしながら男に尋ねる。一方的に攻撃しているとはいえ、休む間もない攻撃の連続はかなりの体力を消耗する。しかし男はどんなに攻撃を受けても、何度も立ち上がり一向に力尽きる様子は無い。再びむくりと男が起き上がる。

 

「ふぅ…ふぅ…。す、すごいよ。2人とも、す、凄く強いんだね。ぐふふ。も、もっと、もっと攻撃して…ゆ、由里ちゃぁぁん!!」

 

男は由里に突進し、抱きつくように両手を広げる

 

「い、いやぁぁぁ!こ、来ないでください!」

 

由里のアッパーが男の顎にしたたかに入り、すぐさまがら空きのブヨブヨの腹に強烈なストレートを見舞った。

 

「何してんのよぉぉぉ!!」

 

後頭部めがけ由羅の飛び膝蹴りが決まり、前のめりに倒れかけたところを由里のボディブローが見事に入った。

 

「ぐぶぉぉぉぉ……ぐふ…ぐふふ…」

 

男はヨロヨロと数歩下がり腹をおさえて呻くが、その顔には笑みが浮かんでいた。

 

「え……?」

 

「た、倒れない…の?」

 

今まで由里か由羅のどちらか一方の攻撃を受けても昏倒していた男が、アンチレジストでもトップクラスの2人の連携技をまともに食らって倒れないはずがない。 様子が違う男の態度に2人は動揺していた。

 

「ど、どうしたんだい…は、早く、も、もっと殴ったり蹴ったりしてよ…ゆ、由羅ちゃんも、もっと罵ってよぉ…」

 

「こいつ!たまたま甘く入ったくらいで、調子に乗るんじゃないわよ!」

 

「もう…次で決めるから!」

 

2人は同時に男に向かって駆け出す。由羅は甘く入ったと言うが、そんなはずが無いことは自分が一番よく知っている。あれは確実に男の後頭部をとらえていた。それに加え直後に由里のボディーブローもまともに入っている。あれほどの攻撃で倒れないわけが無い。

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

左右から同時に由羅の蹴り、由里の突きが男にショットガンのように襲いかかる。しかし、見る見るうちに男の様子は変わって行った。

 

「ぐっ!痛い!い、痛いぃぃ!も、もっと…もっとだよぉ…」

 

「ぐっ!、こ、このぉ!!」

 

「えいっ!えいっ!…な、何で?」

 

男はもはやよろけることも無くなり、最初こそ痛がっていたものの、15秒ほど攻撃を受けている間には徐々にダメージすらも受けてないように見えなくなって行った。由里と由羅の表情に焦りと戸惑いの色が現れる。

 

「ほらぁ…もっと蹴ってぇ…由里ちゃんも、も、もう少し強く殴ってくれないと、ぜ、全然感じないよぉ…あれ?な、何でやめちゃうんだい?」

 

「はぁっ!はぁっ!はぁっ…な、何なの?」

 

「う…嘘…。全然…きいてない…」

 

「ほ、ほらぁ…な、なんで来てくれないの?こ、こここ、来ないなら…」

 

男の目がぎらりと光る。

 

「こ、こっちから行くよ!」

 

 

ズギュッ!!!

 

ドブゥッ!!!

 

「うぐぅっ!!??うぐぅあぁぁぁぁぁ!!」

 

「うぶぅっ!?……ぁ……ぁ……!!!」

 

男の左右の手が同時に高速で動き、脂肪で膨らんだ鈍器のような拳が正確に由里と由羅の腹部にめり込んだ。由羅は目を見開いて嘔吐き、由里は呼吸もままならないほどの衝撃を受け止めた。

 

「ぐふふふふ……ふ、2人とも…仲良く食らっちゃったねぇ…ど、どうだい?ぼ、僕の攻撃は?」

 

「あ…あぐ…ぁ…。ま、まぐれ当たりで…いい気になるんじゃ…ないわよ…。は、早く…これ…抜きなさいよぉ…」

 

男は2人の腹部に拳をうずめたまま、にやぁと下品な笑みを浮かべた。

 

「んん~。そ、そんなこと言っていいのかい、ゆ、由羅ちゃん?だ、大好きなお姉ちゃんが、く、苦しんじゃうよ?」

 

由羅はびくりとなって男にすがるような目を向ける。この日初めて見せた弱々しい表情だった。

 

「な、何する気?ゆ…うぐっ…由里を…離してよ」

 

由羅は自分も同じように拳を突き刺されたままの状態であるにもかかわらず、由里の解放を求める。由里は下を向いたまま、息が継げない状態で小刻みに痙攣していた。

 

「ほ、本当にお姉ちゃんが大好きなんだねぇ…由羅ちゃんは…。ぐふふ、ゆ、由里ちゃんの方が、こ、拳が深く入っちゃったから、く、苦しいだろうねぇ?」

 

「げ、外道!…うぅっ……ゆ、由里だけでも…離して」

 

「んふぅ~。そ、そうはいかないよ?んー、こ、これは由里ちゃんの胃かな?ぐふふ、隣でお姉ちゃんが苦しむ様子を見せてあげるからね…」

 

「な、なに…する…や、やめ…」

 

由羅が精一杯静止の言葉を口にするが、男は容赦なく由里の胃を捕まえ、強引に握りつぶした。

 

グギュゥゥゥゥゥ!!!

 

「ぐ!?ぐぶっ!!??ごぶぅぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「ゆ、由里!?由里ぃぃ!!」

 

ビクンと由里の身体が跳ねると、大きくガクガクと痙攣したまま黄色い胃液を吐いた。

 

「あ…ああ……ああああ……」

 

「い、いやぁぁぁぁ!」

 

白目を剥いて痙攣し続ける由里を見て、由羅が悲鳴を上げる。男は投げ捨てるように由里を地面に突き倒した。

 

「ゆ、由里!?んむぅぅぅぅ!!??」

 

由羅は慌てて由里に駆け寄ろうとするが、すぐさま男に捕まり、右手で口を塞がれる。喋れない状態のまま キッと男を睨みつけた。

 

「ん、んんー!!んー!!」

 

「ぐふぅ…ゆ、由羅ちゃん…さ、さっきはたくさんたくさん蹴ってくれたよねぇ…す、凄く気持ちよかったよ…ぐふふ、お、お礼に、こ、今度は僕がたくさんたくさんたくさんたくさん…蹴ってあげるからねぇ…」

 

「ん!?んん…んんー!」

 

由里の瞳に恐怖の色が浮かび、目が泳ぎはじめる。逃れようとするが、男の強い力で押さえつけられており、首をわずかに動かすことで精一杯だった。

 

「膝蹴りが凄く気持ちよかったよ…こ、こんな短い足で申し訳ないけど…ぼ、僕も膝で蹴ってあげるね…」

 

ズギュゥッ!!

 

「ぐっ!?ぐむぅぅぅぅ!!!」

 

男は強引に由羅の身体を直立させると、丸太のような膝を由羅の細い腹部にめり込ませた。想像を絶する衝撃に由羅の身体がくの字に折れ、男の手の間からくぐもった悲鳴が漏れる。

 

ズギュッ!ズギュッ!ズギュッ!ズギュゥゥッッ!!

 

「ぐぶっ!!ぐむっ!んむぅっ!!んぶぅぅぅっ!!!」

 

口を塞がれているせいで、まともに悲鳴すら出せない由羅。男の一撃一撃は非常に重く

、食らうたびに視界が狭くなって行くのを感じた。

 

「ゆ、由羅ちゃん、や、止めて欲しい時はいつでも言ってねぇ?あんまり我慢してると…」

 

男は笑みを浮かべると由羅の口をおさえている手に力を込めた。

 

「死んじゃうかもよ?ちゃあんと『止めて』って言ってねぇ…」

 

由羅の瞳が絶望に染まる。下を見るとものすごいスピードで男の膝が自分の腹に飛び込んでくる所だった。

ご機嫌いかがでしょうか?
number_55です。

おかげさまで開設当初から安定したアクセス数をいただき、右のロゴから行けるブログランキングも現在6位~8位という上位をいただいております。ありがとうございます。


さて、現在製作中のcase:TWINSですが、冒頭は腹パンチがほとんど無い状態で進行しており、期待されておられる方には申し訳なく面っています。

個人的に腹パンチはある程度のストーリーとシチュエーションあって引き立つものと考えており、今回はキャラクターにもある程度性格と個性を与えることを念頭において製作しております。


今回ので大体キャラ説明は書き終えたので、次回から腹パンチ劇場開幕です。


勝利間近になって調子に乗っていたら逆転されて、徐々に追い詰められていくシチュエーションは気合いが入りますね。


ではまた次回

様々なものが雑然と放置されている廃工場の中は、まるで機械で出来た動物の胃袋を思わせる。電気が通っているのか、ぽつぽつと等間隔に吊るされた裸電球が弱々しい光を落としながら、鉄骨とコンクリートの影を浮かび上がらせていた。

 

「明かりが付いてる…やっぱりこの中に居るんだ…」

 

「中に入ったきり出て来て無いって言ってたから、キモオタさんもきっと居るよ…」

 

「由里、そのキモオタさんって呼び方、もしかして気に入ってる?」

 

「…」

 

2人の足音だけが響くがらんと広い空間。所々横部屋はあるものの、でたらめにモノが放り込まれておりとても生活できるようなところは無かった。しかし、しばらく進むと「仮眠室」と書かれたプレートが貼り付いた扉があり、薄く開いたドアを覗き込むとそこには万年床の布団や服などが散らかすように置かれており、生活の気配を感じられた。

 

「由羅…これって…」

 

「人妖…の…?ホームレスとかが住み着いてるだけじゃない?奥まで見えないけど…」

 

「でも、これだけ布団や服があるのに、食べ物はひとつも落ちてないよ…」

 

「ちょっと待って、懐中電灯出すから」

 

由羅は胸に刺していたペンライトを捻り、明かをつけると部屋の奥の方を向かって照らした。2人が同時に息をのむ。

 

「!!!」

 

「酷い…」

 

「間違いなさそう…。でも、こんなこと…」

 

部屋の奥には、5~6人ほどの女性がほとんど全裸で、天井から吊るされた紐で手首を固定された状態で座っていた。頼りない光からでも、全身につけられた痣が見える。全員生気の無い瞳で暗い地面を見つめていた。慌てて由里が駆け寄る。

 

「だ、大丈夫ですか?なんて酷い…今助けますから!」

 

「…も……くだ………な……」

 

「え?何ですか?どこか痛いところがあったら?」

 

「もっと…もっと体液を下さいぃ……いっぱい……奉仕……しますから……濃いの……出して…くださいぃ……」

 

縛られた女性は、由里が肩を揺すっても全く反応を示さず、ただ地面を見たままうわごとのようにつぶやくだけであった。

 

「え?……な、何言って……」

 

「由里、もうダメだよ。完全に人妖に魅せられてる…。オペレーターから聞いたけど、人妖は人を魅了する力があるみたい…多分それでこの人達も…」

 

不意に、ガタンという音と共に入り口のドアから人が去る気配があった。

 

「由羅…」

 

「うん!間違いない!追うよ、由里!」

 

2人は急いでドアから出ると、音のした方へ向けて駆け出した。しばらくすると、荒い息づかいとともに男が必死に走っている後ろ姿が見えた、その男はちらりと後ろを振り返ると、ひぃっという小さな悲鳴を漏らして近くの部屋に逃げ込んでしまった。

 

「由羅、ここに入ったよ!」

 

「うん、ボイラー室か…。由里、気をつけて。私から入るから…」

 

すっかり油の乾いた蝶番がぎぃぃという音を立てて、立て付けの悪いアルミ製のドアが開かれる。中には数個の裸電球が吊るされていたが、それでもこの部屋を照らすのには十分だった。部屋の奥の大きなボイラーに手をついて、男が苦しそうに荒い息を吐いていた。

 

「ひぃー、ひぃー、ひぃー」

 

「ちょっとアンタ!こっちを見なさいよ!」

 

「はっ!はぁ、はぁ、ち、違う…ぼぼぼぼ、僕じゃないよ」

 

「まだ何も言ってないでしょ!人妖討伐機関アンチレジストの戦闘員、木附(きづき)由羅よ!アンタがあの部屋の女性達を監禁していたことの調べは付いてるんだから。おとなしく降伏しなさい!」

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃ…。ちちちち、ちがっ、ち、ちがぅう。ぼぼぼ、ぼく、ぼく、ぼくはぁ」

 

男は全身に汗をびっしょりかきながら、どもりの強い口調で必死に弁明していた。その姿は写真で見た通り大変醜いもので、でっぷりと太った体躯に無精髭が目立つ二重顎。眼鏡のレンズも曇って白くなっていた。肩までのびたぼさぼさの長髪はやたら量が多く、汗のために顔のあちこちには貼り付いていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…落ち着いて来た落ち着いて来た落ち着いて来た。も、もう、いきなり酷いじゃないか!ななな、なんで僕の家に、かかか勝手に、は、入ってくるんだよ!」

 

「キモオタさん!あなた何で女性を攫ったりしたの!?それにあんなに傷つけて」

 

珍しく由里が大きな声を出す。さっき見た光景がよほどショックだったのか、目に涙を浮かべ、握りしめられた拳は怒りに震えている。

 

「ぼぼぼ、僕だって、い、い、生きるためには仕方が、ななな、無いんだ。ききききき、君たち、アンチレジストだろ?ってことは、もう僕が賤妖だって、し、し、知ってるんだろ?」

 

「せん…?」

 

「よう…?」

 

2人の頭の上に、同時に?マークが浮かぶ。初めて耳にした言葉に、2人は顔を見合わせた。

 

「げ、下賎の賤に、妖怪の、よ、よ、妖だよ。ぼ、僕たちは、人妖の、お、お、落ちこぼれなんだ。人妖は、あ、あ、あいつらみたいに、全員が格好良くなんか、ないぞ!中には、ぼぼぼ、僕みたいに醜くて名前も無い出来損ないだっているんだ。あいつらは僕らを、め、め、召使いみたいに扱うか、それでもダメなら、すすすす、捨てられる。ぼ、僕がそうさ。僕は、り、り、涼っていう人妖に使われてたけど、す、捨てられたんだ」

 

「涼…確か以前隣の市の学校で校長先生をしていた人妖がそんな名前だったわね。レポートで読んだわ。悪いけど、アンタの生い立ちなんて興味無い。おとなしく捕まりなさい!」

 

由羅が前に出て男に近づく、しかし、男はバタバタと走ってもうひとつのボイラーまで逃げる。

 

「い、いやだ!ぼぼ、僕だって生きたいんだ!それに…そ、それに…」

 

「それに…なに…?」

 

由里も男に一歩歩み寄る。由羅とは違い、その目にはかすかに同情の色が見えるが、次の男の言葉で打ち砕かれることとなる。

 

「せ、せっかくこんなに可愛い、ししし、食料が、ふ、ふ、2人も来てくれたんだ。ぐふふふ…こ、このままおとなしく捕まるなんて……し、死んでも嫌だね!」

 

「キモオタさん…」

 

「お前……。由里、かまわないわ。こいつ少し痛めつけてやろうよ。捕まえるならその後でも出来るし」

 

「そそ、そんなに簡単に、い、い、いくかな。ぐふふ…み、見てよ…こ、これを」

 

男が正面を向くと、腰をぐいと前に突き出した。スラックスの上からでも分かるほど股間が大きく勃起している。

 

「さ、さっきから、ずずず、ずっとこのままなんだ。ぐふふ。な、なんて、いやらしい格好をしてるんだい?しかも、ふふ、2人とも凄く可愛いし…似てるから、ふ、双子かな?まとめて、まとめて、色々してあげるからねぇ」

 

にたぁと男がこれ以上無いくらいの下品な笑みを浮かべた。さすがの由里も顔がこわばるが、それより先に由羅の方から「ブチッ!」と音が聞こえ、男に突進して行った。

 

「お前ぇぇぇぇ!!!」

 

バキッ!ドガッ!ガッ!ガキィィィ!

 

「ぐびぃぃぃ!ぶふっ!!ぶっ!?ぼぎゅぅぅぅぅ!!」

 

頭への左回し蹴りから腹部へ右の前蹴り、下がった顎を膝で跳ね上げ、がら空きの腹へ後ろ蹴りを流れるように食らわせていった。ごろごろと男が地面を転がる。

 

「おぶっ!おぶぅぅ!、つ、強いぃ…」

 

「ふーん、報告通りちゃんとダメージあるじゃん?どう?今なら謝れば許してあげるけど?」

 

由羅はの目の前に近づき、腕を組んだ仁王立ちで見下しながら聞いた。男は由羅の顔と膝上まであるロングタイツに包まれたむっちりした太もも、レオタードとタイツの合間の肌を交互に見ながらにたぁと再び笑った。

 

「な、何よ?」

 

「も…もっと蹴ってくださぃぃぃ…」

 

男が言い終わると同時に再び由羅から「ブチィッ!」という音が聞こえ、男に見事なまでの右回し蹴りを食らわせてた。

 

「ひぎっ!!ひぎぃぃぃ!ぶぐぅ!」

 

「ほらほらほらぁ!!これで満足なの!!?」

 

ぶぎゃぁ!という大きな悲鳴を残し、男が吹っ飛ばされてボイラーにしたたかに背中を打ち付けた。そのままずるずると尻餅をつく。

 

「ほら…もっと蹴ってあげるからこっち来なさいよ!」

 

「ひ、ひぃぃぃ…」

 

男は這うようにして逃げ出すが、そこには由里の姿があった。

 

「キモオタさん…少し頭冷やした方がいいみたいですね」

 

ボイラー室の中に男の悲鳴がこだました。


「由里もかぁ…」

 

「うん…なんか、恥ずかしいかな…」

 

黒い絨毯に白い壁。どこかの会議室の用な部屋の一面は大きなモニターになっていた。2人はファーザーの指示通りそれぞれ控え室でオペレーターから手渡されたコスチュームに着替えるとこの部屋で合流し、お互いを見つめ合った。

基調としている色が由里がピンク、由羅がオレンジということを除けば全く同じデザインのコスチューム。レオタードのような身体にぴったりした服を基本にしながら、肩には羽根飾りのようなデザインが施され、同色の膝上のタイツを太ももの付け根からガーターベルトのようなもので繋いでいた。否応にも身体のラインが強調され、控えめな胸やキュウッとくびれた腹部の中心にある可愛いヘソ。むちむちの太ももを挑発的なまでに引き立てていた。2人の格好はさながら双子の魔法少女の様であった。

 

「噂には聞いてたけど、キワドいわねぇ。なんかアニメとかに出てきそうだし。まぁ蹴り技主体の私にとっては動きやすいけどさ」

 

「うん、私も袖が無いからパンチは出しやすいかな…。あぅ…でも恥ずかしい…」

 

「由里はプロポーションいいんだから自信持ちなって!まぁ双子の私も同じ体型だけどね~」

 

由羅はモニターの反射を鏡代わりにして思い思いにポーズをとっては満足そうに笑っている。由羅にとってこの格好はまんざらでもないらしい。

 

「由羅…顔がえっちな本見てるオジサンみたいになってるよ…」

 

「!?な、なんですってー!由里!あんた姉だからって調子に乗るんじゃないわよ!」

 

「ひゃあ!いらい(痛い)!いらいいらい!!」

 

由羅が由里のほっぺたをつねり、左右に引っ張る。由里が涙目になりながら手をパタパタさせていると、突然モニターが付いた。

 

「本当に仲がいいな?」

 

「「!!?? ファ、ファーザー!?」」

 

2人はあわてて敬礼をする。もちろん由里は涙目のまま。ファーザーの声には様々な種類があり、今回は抑揚が無いものの、よく通る若い男性の声だった。

「楽しんでいるところ悪いが、早速任務について説明させてもらう…」

 

話によると、2人の住んでいる町の外れにある廃工場付近で、最近女性の失踪事件が増えているとのことだった。若い女性が男に廃工場の中に連れ込まれたという目撃情報もあり、警察も調査に向かったがその警官も帰ってこなかった。人妖事件としてファーザーが情報を握り潰し、調査員のオペレーターを派遣しある程度調査をした上で、今回の2人の派遣に至ったという。しかも、オペレーターの調査によれば、今までの人妖とは容姿や波長が異なるという。

 

「今までの人妖は、男性タイプでも女性タイプでも、俗に言う容姿が端麗で社会活動もしており地位も上なケースが多かったが、今回のはやや違う。まぁ、見てもらった方が早い」

 

モニターに荒い画像だったが1枚の写真が写った。2人の顔が同時に引きつる。

 

「うぇー…」

 

「あぅ…キモオタさん…」

 

「由里…あんた意外と毒吐くわね…」

 

でっぷりと太った体躯にぼさぼさの頭髪、よれよれのポロシャツに汚れたジーンズの男性が、こそこそと廃工場に入って行く写真だった。確かに今までの人妖とは雰囲気が違った。

 

「あのー、コイツ本当に人妖なんですか?えと、その、男性タイプの人妖ってイケメンばかりだってデータを見たんですが」

 

「ふむ…確かに由羅の言う通り、今までの人妖にはそういうタイプが多かったが、今回の人妖は社会活動も一切していないらしい。しかも奇妙なことに、今回は人妖特有のバリヤーも検出されていない」

 

「…生身の人間と同じ耐久力ってことですか?」

 

「その通りだ由里。今までは対人妖グローブやレッグサポーターをしなければダメージを与えられなかったが、今回は大丈夫だろう」

 

「楽勝ってこと?なぁんだ、せっかく由里との初仕事だと思ったのに張り合いないなぁ。仮想エネミーの方がよっぽど強いんじゃない?」

 

「由羅…油断は禁物だよ~」

 

「その通りだ。もしものことがあったら身の安全を第一に考えてほしい。では、今夜23時に突入を開始する。手順は…」

 

 

 

 

 

「で、来てみたわけですが」

 

「あぅー、こんな格好してるところ近所の皆さんに見られないかなぁ…」

 

「だからチャッチャとやっつけて片付けちゃおうよ。それにね、由里」

 

「なに?」

 

「私達、同時に産まれて…まぁ由里の方が少し先だったけど、同時にアンチレジストにも入ってさ、やっと一緒に仕事ができるんだから、精一杯頑張ろうよ。いつまでも一緒だからね!由里姉さん!」

 

「う…うん!そうだね。忘れられない夜にしようね!」

 

2人は廃工場に向かって駆け出した。2人にとってはある意味忘れられない夜になるとも知らずに…。


廃墟のような空間に間隔を置いて響く肉と肉がぶつかる音。崩れ落ちそうな柱を縫う追うように俊敏に駆ける影が2つと、それを追う大柄な影が1つ。広場に吊るされた裸電球の下に3つの影がくると、それぞれのシルエットが浮かび上がった。

 

「グギィィィィィィィ!!!」

 

爬虫類と人間を融合させたような姿の大男。灰色の肌に太い尻尾、耳まで裂けた口からは先の割れた太い舌が、粘液にぬれて怪しい光を放っている。

 

「ギガァァァァァァァァ!!!」

 

「あーもう、うるさいわねぇ、ねぇ由里(ゆり)?そう思わない?」

 

「そ、そうだね、由羅(ゆら)。ちょっと…声大きいよね…」

 

「もうー、いつもハッキリしないんだから由里は!こんな奴ちゃっちゃとやっつけて早くシャワー浴びよ!」

 

「そ、そうだね由羅、じゃあ、やろうか?」

 

短い会話を交わす2人の少女。顔つきは幼く可愛らしい顔をしているが、会話を交わす間も怪物から目を離すことは無かった。由里と呼ばれた少女は薄いピンク色の、由羅と呼ばれた少女はオレンジ色のレオタードのような衣装を着ており、2人の可愛らしさを引き立てていた。

 

「しゅぅぅぅぅぅぅぅ…しゅぅぅぅぅぅぅぅ……しゅうっ!!」

 

怪物が2人をめがけて突進するが、2人は弾かれたように別々の方向へ走り出し、すぐに怪物の背後をとった。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

「ええええええい!」

 

ガッ!グギィッ!!

 

「グギヤァァァァ!!」

 

由羅の蹴りが怪物の首筋を強打し、由里の突きが脇腹をえぐった。流れるように由羅が飛び膝蹴りを背中に見舞い、怪物が倒れかかったところに前に回り込んだ由里がボディーブローを決めた。怒濤のような連携攻撃に、怪物が倒れ込む

 

「ご、ごめんなさい…大丈夫?」

 

「こら由里!何そんな奴に同情してんの!?とっととトドメを刺すわよ!」

 

由里のとぼけた言動に一瞬緊張感が消えた瞬間、空気を裂くような音が響いた。

 

ヒュッ!!ドグッ!!

 

「え?…う…ぐふっ!?あ…えぐぅぅ!!」

 

怪物の尻尾が独立した生き物のように動き、目にも留まらぬスピードで由羅の腹部にめり込んでいた。

 

「ゆ、由羅ぁぁ!」

 

「くっ…油断した…由里…次で決めて…たぶん、一撃しか持たないから…」

 

「由羅!ダメだって!」

 

「…ほら、何してんの?全然効かないんだけど?もう少しカンジるの頂戴よ」

 

「ぐるるるるるるる…」

 

あからさまに不機嫌になった怪物が由羅の前に立ちふさがる。由羅は強がった態度を取っているが、その手は明らかに震えていた。

 

「…ほ、ほら…少しはカンジさせてよね…」

 

「シュアッ!!」

 

グリィィィィ!!

 

「げっ!?げぇうぅぅぅぅ!!?」

 

怪物は手のひらを無理矢理由羅の腹にめり込ませると、力任せに握った。

 

グチィィィィィ!!

 

「ぐうっ!?うげぁぁぁぁぁ!!!」

 

強烈に内蔵を圧迫されたためか、ボタボタと由羅の口から胃液がこぼれ、怪物の腕にかかる。しかし由羅は自分の腹部にめり込んだその腕を掴むと、無理矢理笑みを浮かべた。

 

「あ…ああ…。や、やる…じゃない…。でも、あんたも…終わりよ…」

 

「グゥゥ…?グギィィィ!!??」

 

後ろから駆け出してきた由里が、怪物の首に強烈な一撃を放っていた。

 

「由羅に…由羅に酷いことしないで!」

 

怪物の身体が白く光りながら、粒子になって消えていく。同時に空間が歪み始め、無機質な広い空間に2人だけけが残っていた。がくりと由羅が由里に倒れかかる。

 

「由羅!由羅ぁぁ!」

 

「もう…何であんたは私がやられないと本気出せないのよ?訓練用の仮想エネミーだって結構キツいんだから…」

 

「フタリトモ、ゴ苦労ダッタナ」

 

突如、部屋の中に機械が喋るような声が響き、2人が直立不動の姿勢になる。

 

「は、はい!ありがとうございます。ファーザー」

 

由羅が空中に向かって返事をする。ファーザーという名前意外は全くと言っていいほど情報が無い人物。相当な権力者という意外は、正直性別すらも定かではない。

 

「マダ問題モ多々アルガ、フタリノ連携技ハカナリ有効ナ武器ニナル。実ハ新シイたいぷノ人妖が出現シタ。早急ニ討伐シテ欲シイ」

 

「了解しました!」

 

2人が同時に敬礼をする。2人にとっては初めての実戦で正直怖さもあるが、それ以上に今までの訓練の成果を試せると思うと自然と気持ちが昂ってくる。早く戦いたい。もともと好戦的な由羅はもとより、由里も同じ気持ちを味わっていた。

 

「期待シテイルゾフタリトモ。こすちゅーむハ用意シテオイタ。場所ハ…」

居酒屋のトイレから携帯で更新してます。


会社の飲み会中に次回の構想が固まりました。



レジスタンス 第二章
case:TWINS



ご期待下さい

ご機嫌いかがでしょうか?

number_55です。

レジスタンスシリーズの冒頭に当たるcase:AYA、何とか書き上げることが出来ました。

最後まで拙い文章でしたが、4話くらいからキャラクターがひとりでに動き出してくれて、書いている方も楽しめました。特にラストはブログ開設前に書いたプロットとは全く違う形となり、私自身驚いています(友香の登場などは全くの予定外でした)。

メインの綾には最初からかなりひどい目に遭わせてしまった挙句、ほとんど活躍らしい活躍をさせてあげられませんでしたが、まぁ腹パンチ小説においては腹パンチを受けることがある意味活躍なので我慢してもらいました。
個人的に思い入れの強いキャラクターですので、皆さんに気に入っていただければ嬉しいです。



さて、「レジスタンス」は結構前から私の頭の中に構想はあったのですが、説明しきれてない用語とかを少し解説していきたいと思います。


・人妖
「じんよう」と読みます。レジスタンスシリーズの核ですね。彼らにとって人間は養分です。苦痛や快感という人間の感情の変化を、直接触れることによって養分として吸収しています。人間を殴ったり性交したりすることは彼らにとって食事と同等です。
そして一定の養分が溜まると老廃物を排出します。彼らの分泌液や老廃物には人間を魅了する力があります(チャーム)。生きていくために備えた技ですね。
様々な種類が存在し、今後は違う種類の人妖も登場します。


・アンチレジスト
綾や友香たちの所属する人妖討伐機関。トップは「ファーザー」と呼ばれ人物。格闘に特化した戦闘員と、戦闘員をバックアップするオペレーターがいるが、構成員の横のつながりはほとんど無い。綾と友香はかなり珍しい例。



今後も読みきりをはさみながらレジスタンスシリーズを続けていこうと思います。今後ともよろしくお願いします。

涼の放出は数十秒続き、綾の髪や顔中、口内や上半身までもどろどろに染め上げていった。

「えぅ・・・ああぁ・・・はっ・・・はぁあ・・・」

「ううっ・・・く・・・。こんなに大量に出るとは・・・。どうですか?一番強力な特濃チャームの味は?たとえあなたでも、もう身体の制御が効かないはずだ」

「あ・・・あぅ・・・あ・・・」

綾はとても男性一人で放出したとは思えない量の白濁を顔で受け止めた後も、真っ白にコーティングされた舌を出しながら光を失った目で男を見上げ続けた。

「さぁ、口に溜まったものを飲みなさい」

「うぅん……ごくっ…ん…んふぅぅぅ」

「くくくく、素直で良いですよ。さぁ、これを舐めて綺麗にしなさい」

「はぁっ……はぁぁ、う……あぁ……」

涼は一歩前に出ると、放出したばかりだというのに硬度を保ったままの男根を突き出した。綾は左腕で腹部をかばうようにおさえながら、吸い寄せられるように涼の男根を咥えようとする。しかし、寸でのところで目にわずかに光が戻り、動きが止まる。

「だめ……友香……友香を……助けるまで……負けられない……」

「こいつ……ここまで強情とは…。まぁいい、なら死ぬ寸前まで痛めつけてやる」

涼は新しい縄跳びを取り出すと、元の体制に綾を縛り直した。

「まだまだ…これからですよ。組織の場所を喋りたくなればいつでもどうぞ」

喋れば、楽になれる。このままでは殺されるかもしれない。恐怖と苦痛と悔しさで目からは自然と涙があふれる。もう喋ってしまおうか。組織の本部と訓練場の場所を喋り、この場を凌いで家族の元へ返ろうか。なぜ自分が顔も知らないファーザーの為にここまでしなければならないのか?
一瞬のうちに様々な考えが浮かんでは消えていったが、綾は決して喋らなかった。頭の片隅に常に浮かぶ友香の顔。一緒に頑張ってきた友香がこの男に弄ばれたかもしれないのだ。絶対に敵を討ちたい、いや、討てなくても屈服だけは絶対したくない。

「……絶対に…お前なんかに…屈しないから……」

「………すばらしい。死ぬまでいたぶってあげますよ」

涼の拳がギチギチと音を立てるほど強く握られ、弓を引き絞るような動作で綾の腹部に狙いを定める。

「次は……強力ですよ。これで……ぐぅっ!!??」

急に涼の顔つきが変わり、握られた拳がゆっくりと開かれていく。一瞬のことに、綾は何が起こったか分からなかった。涼がゆっくりと綾に背を向ける。後ろには綾の親友、友香が立っていた。

「ゆ…友香……なぜここに?わ…私に何をした…?」

「綾をひどい目に合わせたからよ。目を覚ましたら先生が居なかったから、探したらここから声が聞こえて…。よくも綾に酷いことを!」

涼の背中には調理室にあった包丁が突き刺さっていた。グレーのスーツがみるみる赤く染まっていく。涼は包丁をつかみ引き抜くとその先をまじまじと見つめた。

「馬鹿な…私達人妖の身体は刃物ごときで傷つけられるはずが……。!?、こ、これは、対人妖グローブか…」

「あなたの身体にグローブを当てて、その上から刺したわ。実戦では一撃も当てられなかったけど、やっと役に立った…」

「こんな、こんなもの…まさか本物か?ファーザーめ、実力の劣る友香には本物を渡したな…」

涼の手から包丁が落ち、大きな音を立ててコンクリートの床に落ちた。

「綾ならともかく、お前みたいな出来損ないが…一番強力なチャームに打ち勝っただと?おとなしく私のチャームを求めるだけの存在になっていればいいものを…」

「友香…本当に友香なの?」

「綾、待ってて。すぐに助けるから」

友香の中で人妖の強力なチャームの力よりも、綾との友情の力の方が勝ったのだ。もう少しで涼の言う通り思考もすべて停止し、人妖の体液のみを求める存在にまで堕ちるところだったが、綾の苦しむ声が聞こえ、邪悪な力に打ち勝つことが出来た。
涼は先ほどまでの余裕の表情が消え、憎悪の表情でゆっくりと友香に近づく。

「出来損ない出来損ない出来損ない…お前のような落ちこぼれに私が負けるはずが無い…せめてお前だけでもあの世に送ってやる!」

「たとえ出来損ないだって、ちゃんと生きて存在しているのよ!あなたこそ忘れないでよ、グローブはもうひとつあるんだから!」

「な、なんだと!?ぐがぁぁぁぁ!!」

友香は先にグローブが刺さっている包丁をもう1本取り出し、涼に突進するとそれを左胸に突き刺した。包丁は滑るように涼の身体に吸い込まれていった。

「が……馬鹿…馬鹿な…。私が…私がこんな奴らに…」

涼はよろよろと友香の脇をすりぬけ、扉に向かって歩き出す。友香はかまわず綾に駆け寄り、拘束している縄跳びを床に落ちていた包丁で切った。綾は友香に崩れるように倒れるが、しっかりと友香を抱きしめた。

「友香…ありがとう…。怖かった…。それに、友香も無事で良かった…」

2人の瞳からは自然と涙があふれ、友香も綾の頭をなでながらうなずいたところで、背後から涼の声が聞こえた。

「お、お前ら2人とも、覚えておけ…。ゴボッ…。これくらいでは私は死なんぞ…。近いうちに絶対に殺してやる。散々痛めつけてからな…。首を洗っておけ…」

涼はそれだけ言うと扉の前から消えた。あわてて友香が追いかけるが、体育館の中には既に涼の姿はなかった。床に落ちた血の跡を追うも、明らかに人が通れるはずも無い排気口の前で消えていた。

この後、綾は組織の息がかかった病院に入院するも命に別状は無く、1週間ほどで退院できた。その間も毎日のように友香が見舞いに訪れてくれた。1週間後に綾が学校を訪れると、涼は海外の教育研究機関に派遣されたことになっており、所々で悔しがっている女生徒の姿が見受けられた。数日後に赴任して来た後任の校長はどう見ても人妖には見えない平凡そうな年配の男で、女生徒はますます悔しがっていた。
しかし、綾と友香はどこかで涼が生きていることを確信している。もちろん海外になど行っておらず、自分たちの近くに潜んでいることを。「絶対に殺してやる」という涼の吐き出すような呪詛の言葉が2人の間から消えることは無かった。



レジスタンス 第一章  「case:AYA」


「ん……んん……、こ、ここは…?」

 綾が目を覚ますと、そこは所狭しと様々な用具が置かれた体育倉庫だった。まだはっきりしない頭で今までのことを思い出す。人妖捜査の命を受けて自分の母校に赴き、校長が人妖だったことをつかんだまでは良かったが、その後の格闘で圧倒的な力の差を見せつけられ、失神してしまった。

「やっとお目醒めですか?待ちくたびれましたよ」

 目の前にはこの学校の校長、人妖の涼が積み上げられた白いマットの上に座っていた。綾が目を覚ましたのを確認すると、ゆっくりとした動作でマットから降り、近づいてくる。

「あんた…ずっと待ってたの?こんなことして……え?…な、何これ?」

 意識がはっきりすると同時に、綾は自分の置かれている状態に気がついた。綾の身体は体育倉庫の壁に背中をつけられ、両腕は頭の上で交差させた体勢で縄跳びで固定されていた。足首にもそれぞれ縄跳びがきつく結ばれ、壁のむき出しの鉄骨と結ばれていた。
 否応無しに無防備に身体を開いた状態になり、ショート丈のセーラー服はもう少しで胸が見えそうなくらいまくれ上がっていた。

「こ…これは…?」

「やっと自分の状態に気付きましたか。ふふふ…いい格好ですよ」

「うそ…これじゃ…抵抗できない…」

「あなたが苦しむ顔があまりにもそそるモノでしたから、もう少し苦しめてあげたくなったのですよ。さっきまではまだ自由に抵抗できましたが、これからはどうでしょうかね…せいぜい楽しませてくださいよ…」

 綾の表情から血の気が引いてゆく。男の言う通り、先ほどまでは自由に抵抗でき、いざとなれば逃げ出すことも出来た。しかし今はわずかに身体をひねるくらいしか出来ないほどきつく壁に固定され、たとえナイフで刺されそうになっても逃げ出すことが出来ない状態になっている。先ほどまでの苦痛に対する恐怖ではなく、命の危険に対する恐怖が綾を襲っていた。

「さて、それじゃあ早速始めましょうか。痛めつけるだけじゃ芸がないので…そうですね、尋問でもしましょうか。アンチレジストの本部や訓練場の場所でも喋っていただけますか?そうすればすぐに解放しますが…」

「い…言う訳ないでしょ…こんなことしても無駄ごぼぉおっ!!?」

 綾が言い終わらないうちに、涼の拳が綾の腹部にめり込んでいた。

「そうそう、言わないでもらった方がこちらも楽しめますよ。頑張ってくださいね」

ズブッ!ドスッ!ボグッ!ズンッ!!

「がっ!?ごほっ!うぐっ!ぐああっ!!…ああぁ…」

「どうですか?背中を壁につけられているせいで威力がそのまま伝わるでしょう?こんなことも出来るんですよ?」

ズッ!!グリィィィ!!

「ぐぅっ!?おぐああぁぁぁ!!……うぐ…うぇぇぇぇ………」

 綾の口から透明な胃液がこぼれ、びちゃびちゃと床に落ちる。

「くくくく…壁と拳の間に胃を挟んて捻り上げて差し上げましたが…。大きな胸の割にウエストが細いのでやりやすかったですよ。効果は抜群というとこですか」

「あ……うぇ……苦しぃ……」

「これはどうですか?」

ズギュウゥッ!!

「ぐ!?ぐあぁぁぁぁぁ!!!」

「膝です。拳とは比にならない威力だと思いますが」

「や…やめ……赤ちゃん……出来なくなっちゃぅぅ……」

 綾は口の端から逆流してきた涎をこぼしながら、目に涙を浮かべる。凄まじい攻撃にさすがの綾も心が折れそうになるが、強い使命感と友香を助けたいという気持ちがぎりぎりで屈服しそうな心を支えていた

「ふふふ…その表情ですよ…私の求めていたものは…さぁ、もっと苦しみなさい」

ドスッ!ズギュッ!!ドグッ!ズブゥッ!!

「ごぶっ!!ぐはぁぁっ!!あぐっ!うぐうっ!!」

「うぅぅぅぅ……たまらん……一回出すぞ……」

 涼は文字通り人間離れした力で綾の腕を拘束していた縄跳びを引きちぎり、目の前にひざまづかせた。そしておもむろにスラックスのファスナーを下ろすと一般男性の2周りほど大きい男根を取り出し、綾の顔を目がけ勢いよくしごきたてた。体勢的に真正面からそれを直視してしまった綾は、一瞬で何が起こるか、自分が何をされようとしているのかを理解する。

「えっ…?うそ…いや、いやぁぁ」

「くぅぅ…そそりますよ…その顔…。ほら、受け止めなさいっ!」

「あぶっ!?なっ…ああっ!?」

 涼は何のためらいも無く綾の顔に白い体液を浴びせかけた。綾は本能的に嫌悪感を感じ顔を逸らそうとするが、涼は一瞬早く綾の頭を掴み正面を向かせたまま固定すると、異常なほど大量な白濁を浴びせ続けた。

「ほら、まだ止まらないですよ。ちゃんと舌を出してたっぷりと受け止めなさい」

「あ…あうっ…ぅぁ……えぅ……まら…れてる…」

 度重なったダメージで朦朧とした意識の中、綾は素直に舌を出して恍惚とした上目遣いで涼の射精に似た行為を受け止めた。

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