お久しぶりです。
リハビリ代わりにnnSさんリクエストの短編を書いてみましたので、よろしければ読んでみて下さい。
まだ調子が完全ではないため読み辛い所や変な表現等あるかと思いますが。。。
では、どうぞ。
お題:「セーラー服の女子校生がねちっこく腹責めされてるSSを導入部分は短めで」
「n×И」
小早川小春は電車を降りてからずっとイライラしていた。
理由のひとつは夕方まで激しく降っていた雨のせいだ。十九時を過ぎる頃にはすっかり上がっていたが、汚い川の澱みに浮かぶ油膜のように肌にまとわりつく湿気は、小春のえんじ色を基調としたセーラー服や膝上まであるニーソックスを重く湿らせ、不快感と共にべっとりと素肌に貼り付かせた。
もうひとつは、どんなに早足で歩いていても、あえて自分が普段は歩かないこの狭い路地に入っても、同じ様な間隔を保って付いてくる足音のせいだ。
雨のせいで、猫の額ほどの庭に競うように植えられた植え込みからは濃密な緑の匂いが漂ってくる。それをかき分けるように、閑静な住宅地の裏路地に響く小春のローファーの固いゴム底がアスファルトを叩く音が途切れると、ワンテンポ遅れて背後から聞こえるブーツ特有の重い足音も止まった。
「あのさぁ……」
小春がピンク色のショートヘアを掻き上げながら振り返る。さっと風が吹いて、スカートやセーラー服の襟がわずかにはためいた。
「いい加減にやめてくれない? 私に個人的に用があるなら聞いてあげてもいいけど、変なことが目的だったら相手が悪かったわね。すぐに立ち去るなら見逃してあげるけど、このままコソコソし続けるなら引っ張り出して蹴り入れるわよ」
強気で張りのある声が湿った空気に溶けると、電柱の影から肥満体の男がのっそりと姿を現した。金色になるまでブリーチした坊主頭に、ティンバーランドのイエローブーツ。大きくSTUSSYとロゴの描かれたオーバーサイズのTシャツを着ている。一昔前のヒップホップファッションだ。
「あれ? バレちゃった? こっそりつけてきたつもりだったんだけど……」
顔中を歪ませてひひひと下品な笑みを浮かべながら、体格に似合わず甲高い声を発する男に、小春の不快感は増々募っていった。
「その体型でこっそりも何も無いでしょこの短足デブ! 何その格好? 自虐のつもり? その欲に負け続けた体型を誇示したいなら一応成功してるんじゃないの?」
小春は手も早いが口も早い。流れる様な悪口を聞いて、男はまるで太陽を直視してしまったかの様な歪んだ笑みを浮かべる。背格好からは似合わない白く綺麗な歯を見せながら、ゴツゴツとブーツを鳴らして、歩き難そうに小春に近づいてくる。
「噂通り口が悪いなぁ……僕、傷ついて泣いちゃうよ? それに、体型にコンプレックスがあるのは君も同じだろ? 見様によっては中学生に見えるよね?」
男はそう言うと、小春の身体を舐め回すように見た。同年代よりもかなり小柄な体型や、女性らしい凹凸に乏しい胸や腰。それらに比べると若干肉付きのいい太腿を締め上げているニーソックスとスカートの隙間を見られていることに気付くと、小春は僅かに後ずさった。
「う、うるさいっ! これから大きくなる……かもしれないんだから別にいいでしょ!」
「どうだかね……ひひ……いやでも、大したものだよ。その体型なのに空手の全国大会出場決めちゃうくらい強いんだから……本当に大したものだよ、小早川小春ちゃん?」
「は……? な、なんで私のこと……? あんた、ただの変態じゃないの?」
女性を無差別に狙った暴行犯だと思った小春は、大きめの目を更に見開いて男を見上げた。男はゆっくりと近づきながら話を続ける。
「ひひ……まぁ……『それ』目的も少しはあるけどね。実は君に大会に出られると困る人がいるんだ。次の全国大会、辞退してくれないかな? ついでにこのまま空手部も辞めてくれれば、穏便に済ませたいんだけど?」
「はぁ?! 嫌に決まってるでしょ! 地道に努力してせっかく地区の大会で優勝したんだから。誰に頼まれたか知らないけど、大人しく返って『死んだ方がいいんじゃない?』って伝言伝えてくれる?」
小春は左手を腰に当てて無い胸を張りながら、唇を尖らせてシッシッと相手を追い返すジェスチャーをする。手の動きに合わせて頭の上からアンテナの様に生えているアホ毛もピョコピョコと動いた。
「むりだよぉ、そんなことしたら依頼主に怒られちゃうよ」
「知ったこっちゃ無いわよ! アンタ見てるだけで暑苦しいんだから、早く目の前から消えなさいよ!」
「そんなこと言わないでよ……お願い聞いてくれないと、力づくで参加出来ないようにするしかなくなっちゃうよぉ……」
男が泣きそうな声でそう言うと、小春の細い眉毛がぴくっと動いた。昔から身体が小さく、今のように努力する前は自信も体力も人一倍無かった小春にとって、「力づく」という言葉は何よりも嫌悪感を催した。
「アンタさぁ……私のことどう見てるか知らないけど、相手見て喧嘩吹っ掛けるのは最高にダサイと思わない?」
「ん〜? 負ける勝負はしないことも大事だと思うよ?」
「そう……じゃあこっちもそうさせてもらうから」
小春が地面を蹴ると、一瞬で男との距離が縮まる。鍛え抜いた足腰は軽量な身体を難無く運び、その勢いを乗せたままの前蹴りが男の腹に吸い込まれる。ずぶりと言う不思議な感触が小春の爪先からくるぶしまでを包んだ。柔らかくて抵抗が極端に少なく、生物特有の繊維を束ねた様な固さが無い。
「……? な、何?」
不審に思いながらも突き技を交えながら小春は得意な蹴り技を主体に男の胴体や太腿を責め立てるが、男はガードする訳でもなく涼しい顔をしている。数発顔面に放った蹴りだけはしっかりとガードされた。
「アンタ……何か巻いてるしょ……? それも胴体や手足全部に」
「お、よく気付いたね……。実はウレタンで出来たガードスーツを着込んでるんだよ。動き難くて太って見えるのが欠点だけど、プロ野球のピッチャーが投げるボールに当たっても平気なんだ……。君と普通にやり合っても勝てるわけないけど、頭だけなら何とか守れるからね」
「そこまでして……ならそのまん丸な顔に一発決めてあげるわ」
「だから……僕はそれほどほど太ってないよ?」
「興味無いっ!」
小春が三角飛びの要領で男の膝を蹴ると、目線が男と同じ位置になるほどふわりと飛び上がった。そのまま顎を跳ね上げるように膝を繰り出すと、男が辛うじてガードする。
「もらったぁ!」
小春は受け止められた膝を支点に身体をくるりと反転させると、後ろ回し蹴りを男のこめかみにヒットさせた。小柄な体躯と強靭なバネを持つ小春にしか出来ない技だった。死角から飛んできたローファーの踵に対処しきれず、男の身体がぐらりと傾く。
小春が重力に任せて落下の体制に入ると、男の手が蛇のように動いて小春の足を抱き抱えた。逆さ吊りの様な体勢になり、小春は慌ててスカートを押さえる。
「え?! ちょ……ヤバ……」
小春が体勢を立て直そうとしている隙に、男はカーゴパンツのポケットから黒い携帯電話の様なものを取り出して小春の太腿に押当てた。バチッという耳を塞ぎたくなる様な音が周囲に響いくと、小春の身体がビクリと跳ね上がる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙ッ!!」
「くあぁ……一瞬トんでたよ……あぶなかったなぁ……。どうだい? スタンガンは初めてかな? 気絶はしないだろうけど、身体が言うことを聞かないだろう?」
背中から落下した小春はすぐに立ち上がるが、男の言う通り膝が笑ってなかなか地面を踏みしめられず、よたよたよ後ずさることしか出来ない。すぐに男に距離を詰められると、どぽんッ! という湿っぽい音が細い身体を駆け抜けた。急に重くなった腹部の感触に、おそるおそる視線を下に移す。若干前屈みにの体勢なった小春の華奢な腹部に、男の拳が手首まで埋まっていた。
「ぅぁ……ぁ……」
この感触はよく知っている……。最近は少なくなったが、空手を始めたばかりの頃は師範や先輩によく殴られたものだ。ただ、みんなある程度の手加減をしてくれたから、ここまでえげつなく腹を抉られることは無かった。この後襲ってくる苦痛も、おそらく過去最大のものなのだろう。
「うぶぅっ?! ごッ……おごおッ!?」
一瞬の間を置いて、腹部からぞわぞわと不快感がせり上がり、徐々にそれが鈍痛から苦痛に変わると、一気に今まで経験したことの無いほどの苦痛に変貌した。その小さな身体がまるで電気ショックを受けたように跳ね、全身が痙攣して膝から下が無くなったような錯覚に襲われる。普通なら崩れ落ちるはずの身体を、腹に埋められてる男の拳が辛じて支えていた。
「ゔぐっ……かふぅっ……ぬ……抜いて……」
「ひひひひ……綺麗に決まっちゃったねぇ……苦しいかい?」
身体をくの字に折りながら、口の端から唾液を溢れさせている小春を満足そうに男が見下ろす。必死の思いで小春が見上げると一瞬腹圧が軽くなる。拳を三分の二ほど抜かれ、安堵して息を吸おうとしたところ、小春の細い腰に手を回しながら更に深く拳が埋められた。
「うぶぅぅぅっ?!」
「せっかく息が吸えたのに、全部出ちゃったねぇ……?」
「ひぐっ……ゔあ゙っ……ああぁ……」
小春の小柄な身体ががくがくと震え、倒れ込まないように必死に内股を摺り合わせて耐える。男はその様子を満足げに見下ろしながら小春の温かい腹部の感触を楽しむと、下腹部に丸太の様な膝を埋めた。内臓が正常な位置から隅に押しやられ、激しい嘔吐感が身体の中からせり上がってくる。
「お゙お゙ッ?! ごぽっ……ごえぇぇぇぇ……」
ウレタンを巻いて質量を増した男の膝は、容赦なく小春の小さな胃を内壁同士がくっつくほど潰して、その内容物を食道へ逆流させた。両足が地面を離れる程の威力で突き上げられ、空っぽの胃からは透明な粘液が逆流して吐き出される。
「ひひひ……思った通りだ。小春ちゃんは相手の攻撃を避けるのが上手いから、いざ責められると本当に打たれ弱いんだねぇ? お腹の中がびっくりして、びくびく痙攣してるのがわかるよ? ……あんまり大声出すとそのうち人が来ちゃうから、二人きりになれるところへ行こうか?」
「ちょ……調子……乗るな……このデブ…………ぐぼぉっ?!」
男が小春の鳩尾をピンポイントに突き上げる。拳骨と胸骨がぶつかるミシミシという音が、骨伝導ではっきりと鼓膜に届いた。心臓をシェイクされた衝撃で呼吸が出来なくなる。
「かはッ……あ゙……ゔあぁ……ぁ……」
小春は必死に空気を求めるようにぱくぱくと口を動かした後、支えを失ったようにガクリと全身を弛緩させた。男の腕に抱きつくように倒れたため、ピンク色の髪が男の二の腕をくすぐる。
「デブじゃないって言ってるだろ……あんまり度が過ぎると、殺しちゃうよ? っと、もう聞こえないか……」
男は弛緩した小春を軽々と肩へ抱え上げると、住宅地の奥へ向かって歩き出した。
住宅地を離れた人気の無い公園の多目的トイレ。中の壁は所々落書きが散乱し、怪しい個人情報や卑猥な絵がマジックやスプレーで書き殴られていた。蓋が無くなった汚物入れやその周辺の床には、使用済みのコンドームが紙に包むどころかその口を縛ることもせずにそのまま捨てられている。中身がこぼれ、乾燥した痰の様にタイルの上で干涸びていた。
便器の脇には、明らかに後から備え付けられたであろうTの字を横にした様なステンレス製の簡素な手すりがある。滑り止めが付いておらず、実際に使用した場合は転倒する可能性もあるだろう。
だが、不必要に床から天井まで伸びたステンレスパイプは、実際の使用においてはさておき、人間を拘束するにはなかなかに好都合だった。
「ぐぅッ!? あがッッ!! お゙ぅッ!! ごぶっ……お゙……お゙ぇぇ……」
所々割れたり剥がれたりしているタイルで囲まれた多目的トイレの中に、小春の痛々しい悲鳴が響き渡った。手首と足首をそれぞれ手錠でステンレスのポールに拘束され、手は後ろに廻っているため攻撃のガードどころか汗を拭うことすら出来ない。
小春の幼さの残る声が発する苦痛のサインは常人には堪え難いほどの残酷さを演出していたが、男は嬉々としてその悲鳴を絞り出すように、小春の華奢な胴体へと拳を埋めていた。
「ほらほら、もっと鳴いていいんだよ? ここは周りに家も少ないし、灯りが点いている時には誰も入っちゃいけないって言う暗黙のルールもあるから、どんなに騒いでも大丈夫なんだよ?」
男は体中に巻いていたウレタンを外して体格が一回り小さくなっていたが、それでも肥満体には変わりなかった。しかし動きはいささか軽快さを増し、連打を終えた後ゆっくりと拳を脇まで引き絞ると、その脂肪で膨らんでいる拳骨をぐちゅりと小春の子宮に埋めた。
「おごおおおっ?! ゔッ?! そ、そこ……ゔあ゙ッ?! ああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」
「へぇ……子宮も小ちゃいんだねぇ……ものすごく『おさまり』がいいよ」
男は手の指で子宮をぐちゅぐちゅとこね回すと、少し上にある胃に親指をねじ込み力の限り圧迫した。悲鳴とともに飲み込めなくなった唾液が小春の口から床に落ちて染みを作る。
「がッ……ああぁ……うぁぁ…………」
「さ、そろそろお願い聞いてくれる? 次の全国大会を辞退して、空手部を辞めてくれるだけでいいんだ。簡単だろう? そうすればすぐに解放してあげるよ?」
「…………ふッ……く……う……うるさい……デブ……」
喉から竹笛を吹いている様なひゅーひゅーと言う音を立てながら、小春は必死歯を食いしばり男を睨み上げる。普段はふわふわとボリュームのある小春のピンク色の髪の毛も、脂汗でべっとりと額に貼り付いていた。
「んんー、まだ僕の誠意が伝わってないみたいだねぇ。もう少し一生懸命お願いしないといけないかなぁ……?」
男は腕に対して掌を九十度の角度で開くと、勢いを付けて手首の部分を、小春の腹全体を押し潰すように突き込んだ。拳とは違う重い音が響き、小春の黒目がぐりんと瞼の裏に隠れる。
「ごっ?! ……ッッ……お゙ッッ」
「掌底だよ……衝撃が皮膚や筋肉に吸収されずに、直接内部を攻撃する技……。小春ちゃん小柄だから下腹部全体を押し潰しちちゃったよ……もの凄い痛みが来るかもねぇ……?」
「あ゙…………ぐぷっ?!」
内臓全体が沸騰した様な感覚の後、全てを吐き出したいほどの衝撃が駆け巡る。それぞれの臓器がバラバラに脳に向かってエマージェンシーを発している様だ。
「おぼぉぉぉぉッ?! ごうえぇぇぇぇッ!!」
びちゃびちゃと汚い音を立てて床に粘液が広がってゆく。どこかの内蔵を損傷したのだろうか、僅かにどす黒い血が透明な液体の中にぽつぽつと混じっていた。ひとしきり吐き終わると小春は小刻みに肩を上下させながら短い呼吸を繰り返すが、今度は掌底で鳩尾を突き上げられた。
空気の塊を身体の中にねじ込まれた感触。
本能がそれを吐き出そうと、必死に嘔吐かせる。
「ごひゅぅッ?! ……っご……があっ…………」
小春の髪の毛を掴んで無理矢理顔を上げさせると、その顔を覗き込んだ。小春の顔は既に涙と脂汗と涎でぐちゃぐちゃになり、半分白目を剥きながら舌を出して喘いでいる表情は男の征服欲と加虐性欲を刺激した。
「……そうだなぁ、試合に出られなくしろって言われてるんだから、殺しちゃっても一応約束は守ってるよね?」
男は小春のセーラー服を捲って素肌を露出させると、中指を立てて小さな臍に突き込んだ。ブチュッという小さな破裂音と共に男の中指が根元まで埋まる。
「………………あ゙」
小春の身体がビクリと跳ねた。ただならぬ感触に視線を恐る恐る下げると、男の脂肪で膨れた指が自分の臍の中に埋まり、女性器を愛撫するようにぐちゅぐちゅと蠢いていた。
「あ゙……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! あ゙あ゙あ゙あ゙ああぁぁ…………」
「すごいなぁ……温かくて柔らかくて、色んなものが絡み付いてくるよ……。犯したくなってきたなぁ……」
小春は自分の腹の中を醜悪な模様の芋虫が這い回っている様な不気味な感触に全身の毛穴が粟立った。不思議と痛みは無かったが、下腹部が臍から垂れた血で生暖かくなってくると、猛烈な吐気がこみ上げると同時に気が遠くなってくる。
男は小春の体内の柔らかさと温かさを堪能すると、ズボンのファスナーを下ろした。
その金属質な音が耳に届くと、小春は目を見開いた。処女を散らされるよりも恐ろしいことが起ころうとしているからだ。
「ま、待って……お願い……それは……」
「だーめ。それじゃあ……入れるよぉ……」
ブヂブヂという音が臍から耳に届くと、小春の頭は真っ白になった。さっきよりも太い肉の塊が、自分の腹膜や脂肪を押し避けて内臓をかき回している。
「あ゙っ……ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ?! あああああ!!」
「ほら……小春ちゃんの一番奥に、僕のが届いてるよ……」
何故痛みが無いのか? 痛みがあれば、発狂することも出来たかもしれないのに。今はただ内臓をかき回される気持ち悪さと、さっきまでの蒸し暑さが嘘の様な寒さしか感じることが出来ない。かき分けられた内臓が元の位置に戻ろうと小刻みな痙攣と蠕動を繰り返す。男の肉棒が臍を突き破って出入りする度、ぬめった血液が潤滑油となって、わらわらと内部をかき回す。
「ほら……もっと腹筋締めて……もう……出るよ……」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……………えゔっ…………ごぽっ……」
小春の口元から赤黒い血の塊が噴き出すと同時に腹筋が収縮すると、男は絶妙な刺激を感じて一気に爆ぜた。大きく広がった臍の穴から男性器を抜くと、ごぼりと血液と精液の混ざり合ったピンク糸の泡が止めどなく溢れて床に落ちる。
「あー気持ちよかったぁ……。おーい小春ちゃん、起きてる?」
ピクリとも反応しなくなった小春を見て男は小さく溜息をつくと、多目的トイレの鍵を開けた。僅かに空の色が明るくなりはじめている。街ももうすぐ起きだす頃だろう。
「聞こえてないかもしれないけど、一応教えてあげるよ。あの全国大会は学校にとって大きなアピールの場であると共に、賭博場でもあるんだ。それぞれの地区の教育委員や学校の偉いさんが出場選手を対象に賭けをするんだけど、中には無茶をして賭けに勝たなければ首を吊るしか無い人もいるんだ。大穴の選手に張って、小春ちゃんみたいな本命が負けてくれないと困る人がね……。世の中努力だけじゃどうにもならないこともあるんだよ。それじゃ、機会があったらまたね」
男はひらひらと手を振ると、多目的トイレのドアを全開にしたまま夜明け前の街に消えていった。
数時間後、公園付近は救急車や警察、マスコミが集まって一時騒然となったが、不思議とどのテレビ局にも報道されず、新聞にも載ることは無かった。
5月25日追記
nnSさんがn×Иのキャラクター、小早川小春を描いて下さいました!
強気な表情や体型、服装等、あの拙い文章から自分のイメージ以上に魅力的にキャラクターを描いていただけるとは、流石としか言いようがありません。
これだけですと寂しいので、文章を書く前に作ったキャラ設定を載せておきます。
お暇でしたら読んでみて下さい。
・小早川 小春(こばやかわ こはる)
ピンク色のショートヘアに、赤みがかった茶色のつり目。
家庭環境はいたって普通で二人兄弟。弟がいる。
体格は小柄で同年代の生徒よりもかなり小さい。中学生の頃から身長をはじめ、胸や腰もあまり成長せず、本人も気にしている。
子供の頃は病弱で体力も無く、虐められ、性格も大人しかった。
いじめっ子の生徒を避けようと遅くまで図書館に残り、万が一のことを考えて遠回りして帰宅している最中、偶然空手道場の前を通りがかる。自分より年下の子供が一生懸命稽古に励み、組手で大人に立ち向かって行く姿に感銘を受け、道場の師範に促されて見学し、後日入会する。
入会後は練習に打ち込み、稽古の無い日も自主的に体力作りに励んだ。元々運動神経も良かったらしく、基礎体力が付いた頃から目に見えて実力を発揮しはじめる。この頃から髪型をショートにする。
鍛えた足腰と強力なバネを使った足技が得意。小柄な身体を生かして素早く動き、跳躍して相手の死角に入り込んで頭部を攻撃する技は脅威。相手からは目の前にいた小春が消えたように見え、次の瞬間頭頂部に踵落としが降ってくる。
空手を始めてからは自分に自信がつき、性格も明るく活発になる。高校入学と同時に空手部に所属し、友人も増える。
弟には甘い。というかブラコン。弟は君付けで呼ぶ。一緒に遊んだり出かけようとするが、最近弟が恥ずかしがってあまり付き合ってくれず寂しい。
好きな食べ物:スパイスの利いた料理(近所の本格カレー屋がお気に入り)
嫌いな食べ物:ジャンクフード(背が伸びなくなるらしい)
好きなブランド:特に無し(ラフで動きやすい格好が好き)
香水:PINK PANTHER「STEAL YOU」(稽古、運動後につける)
リハビリ代わりにnnSさんリクエストの短編を書いてみましたので、よろしければ読んでみて下さい。
まだ調子が完全ではないため読み辛い所や変な表現等あるかと思いますが。。。
では、どうぞ。
お題:「セーラー服の女子校生がねちっこく腹責めされてるSSを導入部分は短めで」
「n×И」
小早川小春は電車を降りてからずっとイライラしていた。
理由のひとつは夕方まで激しく降っていた雨のせいだ。十九時を過ぎる頃にはすっかり上がっていたが、汚い川の澱みに浮かぶ油膜のように肌にまとわりつく湿気は、小春のえんじ色を基調としたセーラー服や膝上まであるニーソックスを重く湿らせ、不快感と共にべっとりと素肌に貼り付かせた。
もうひとつは、どんなに早足で歩いていても、あえて自分が普段は歩かないこの狭い路地に入っても、同じ様な間隔を保って付いてくる足音のせいだ。
雨のせいで、猫の額ほどの庭に競うように植えられた植え込みからは濃密な緑の匂いが漂ってくる。それをかき分けるように、閑静な住宅地の裏路地に響く小春のローファーの固いゴム底がアスファルトを叩く音が途切れると、ワンテンポ遅れて背後から聞こえるブーツ特有の重い足音も止まった。
「あのさぁ……」
小春がピンク色のショートヘアを掻き上げながら振り返る。さっと風が吹いて、スカートやセーラー服の襟がわずかにはためいた。
「いい加減にやめてくれない? 私に個人的に用があるなら聞いてあげてもいいけど、変なことが目的だったら相手が悪かったわね。すぐに立ち去るなら見逃してあげるけど、このままコソコソし続けるなら引っ張り出して蹴り入れるわよ」
強気で張りのある声が湿った空気に溶けると、電柱の影から肥満体の男がのっそりと姿を現した。金色になるまでブリーチした坊主頭に、ティンバーランドのイエローブーツ。大きくSTUSSYとロゴの描かれたオーバーサイズのTシャツを着ている。一昔前のヒップホップファッションだ。
「あれ? バレちゃった? こっそりつけてきたつもりだったんだけど……」
顔中を歪ませてひひひと下品な笑みを浮かべながら、体格に似合わず甲高い声を発する男に、小春の不快感は増々募っていった。
「その体型でこっそりも何も無いでしょこの短足デブ! 何その格好? 自虐のつもり? その欲に負け続けた体型を誇示したいなら一応成功してるんじゃないの?」
小春は手も早いが口も早い。流れる様な悪口を聞いて、男はまるで太陽を直視してしまったかの様な歪んだ笑みを浮かべる。背格好からは似合わない白く綺麗な歯を見せながら、ゴツゴツとブーツを鳴らして、歩き難そうに小春に近づいてくる。
「噂通り口が悪いなぁ……僕、傷ついて泣いちゃうよ? それに、体型にコンプレックスがあるのは君も同じだろ? 見様によっては中学生に見えるよね?」
男はそう言うと、小春の身体を舐め回すように見た。同年代よりもかなり小柄な体型や、女性らしい凹凸に乏しい胸や腰。それらに比べると若干肉付きのいい太腿を締め上げているニーソックスとスカートの隙間を見られていることに気付くと、小春は僅かに後ずさった。
「う、うるさいっ! これから大きくなる……かもしれないんだから別にいいでしょ!」
「どうだかね……ひひ……いやでも、大したものだよ。その体型なのに空手の全国大会出場決めちゃうくらい強いんだから……本当に大したものだよ、小早川小春ちゃん?」
「は……? な、なんで私のこと……? あんた、ただの変態じゃないの?」
女性を無差別に狙った暴行犯だと思った小春は、大きめの目を更に見開いて男を見上げた。男はゆっくりと近づきながら話を続ける。
「ひひ……まぁ……『それ』目的も少しはあるけどね。実は君に大会に出られると困る人がいるんだ。次の全国大会、辞退してくれないかな? ついでにこのまま空手部も辞めてくれれば、穏便に済ませたいんだけど?」
「はぁ?! 嫌に決まってるでしょ! 地道に努力してせっかく地区の大会で優勝したんだから。誰に頼まれたか知らないけど、大人しく返って『死んだ方がいいんじゃない?』って伝言伝えてくれる?」
小春は左手を腰に当てて無い胸を張りながら、唇を尖らせてシッシッと相手を追い返すジェスチャーをする。手の動きに合わせて頭の上からアンテナの様に生えているアホ毛もピョコピョコと動いた。
「むりだよぉ、そんなことしたら依頼主に怒られちゃうよ」
「知ったこっちゃ無いわよ! アンタ見てるだけで暑苦しいんだから、早く目の前から消えなさいよ!」
「そんなこと言わないでよ……お願い聞いてくれないと、力づくで参加出来ないようにするしかなくなっちゃうよぉ……」
男が泣きそうな声でそう言うと、小春の細い眉毛がぴくっと動いた。昔から身体が小さく、今のように努力する前は自信も体力も人一倍無かった小春にとって、「力づく」という言葉は何よりも嫌悪感を催した。
「アンタさぁ……私のことどう見てるか知らないけど、相手見て喧嘩吹っ掛けるのは最高にダサイと思わない?」
「ん〜? 負ける勝負はしないことも大事だと思うよ?」
「そう……じゃあこっちもそうさせてもらうから」
小春が地面を蹴ると、一瞬で男との距離が縮まる。鍛え抜いた足腰は軽量な身体を難無く運び、その勢いを乗せたままの前蹴りが男の腹に吸い込まれる。ずぶりと言う不思議な感触が小春の爪先からくるぶしまでを包んだ。柔らかくて抵抗が極端に少なく、生物特有の繊維を束ねた様な固さが無い。
「……? な、何?」
不審に思いながらも突き技を交えながら小春は得意な蹴り技を主体に男の胴体や太腿を責め立てるが、男はガードする訳でもなく涼しい顔をしている。数発顔面に放った蹴りだけはしっかりとガードされた。
「アンタ……何か巻いてるしょ……? それも胴体や手足全部に」
「お、よく気付いたね……。実はウレタンで出来たガードスーツを着込んでるんだよ。動き難くて太って見えるのが欠点だけど、プロ野球のピッチャーが投げるボールに当たっても平気なんだ……。君と普通にやり合っても勝てるわけないけど、頭だけなら何とか守れるからね」
「そこまでして……ならそのまん丸な顔に一発決めてあげるわ」
「だから……僕はそれほどほど太ってないよ?」
「興味無いっ!」
小春が三角飛びの要領で男の膝を蹴ると、目線が男と同じ位置になるほどふわりと飛び上がった。そのまま顎を跳ね上げるように膝を繰り出すと、男が辛うじてガードする。
「もらったぁ!」
小春は受け止められた膝を支点に身体をくるりと反転させると、後ろ回し蹴りを男のこめかみにヒットさせた。小柄な体躯と強靭なバネを持つ小春にしか出来ない技だった。死角から飛んできたローファーの踵に対処しきれず、男の身体がぐらりと傾く。
小春が重力に任せて落下の体制に入ると、男の手が蛇のように動いて小春の足を抱き抱えた。逆さ吊りの様な体勢になり、小春は慌ててスカートを押さえる。
「え?! ちょ……ヤバ……」
小春が体勢を立て直そうとしている隙に、男はカーゴパンツのポケットから黒い携帯電話の様なものを取り出して小春の太腿に押当てた。バチッという耳を塞ぎたくなる様な音が周囲に響いくと、小春の身体がビクリと跳ね上がる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙ッ!!」
「くあぁ……一瞬トんでたよ……あぶなかったなぁ……。どうだい? スタンガンは初めてかな? 気絶はしないだろうけど、身体が言うことを聞かないだろう?」
背中から落下した小春はすぐに立ち上がるが、男の言う通り膝が笑ってなかなか地面を踏みしめられず、よたよたよ後ずさることしか出来ない。すぐに男に距離を詰められると、どぽんッ! という湿っぽい音が細い身体を駆け抜けた。急に重くなった腹部の感触に、おそるおそる視線を下に移す。若干前屈みにの体勢なった小春の華奢な腹部に、男の拳が手首まで埋まっていた。
「ぅぁ……ぁ……」
この感触はよく知っている……。最近は少なくなったが、空手を始めたばかりの頃は師範や先輩によく殴られたものだ。ただ、みんなある程度の手加減をしてくれたから、ここまでえげつなく腹を抉られることは無かった。この後襲ってくる苦痛も、おそらく過去最大のものなのだろう。
「うぶぅっ?! ごッ……おごおッ!?」
一瞬の間を置いて、腹部からぞわぞわと不快感がせり上がり、徐々にそれが鈍痛から苦痛に変わると、一気に今まで経験したことの無いほどの苦痛に変貌した。その小さな身体がまるで電気ショックを受けたように跳ね、全身が痙攣して膝から下が無くなったような錯覚に襲われる。普通なら崩れ落ちるはずの身体を、腹に埋められてる男の拳が辛じて支えていた。
「ゔぐっ……かふぅっ……ぬ……抜いて……」
「ひひひひ……綺麗に決まっちゃったねぇ……苦しいかい?」
身体をくの字に折りながら、口の端から唾液を溢れさせている小春を満足そうに男が見下ろす。必死の思いで小春が見上げると一瞬腹圧が軽くなる。拳を三分の二ほど抜かれ、安堵して息を吸おうとしたところ、小春の細い腰に手を回しながら更に深く拳が埋められた。
「うぶぅぅぅっ?!」
「せっかく息が吸えたのに、全部出ちゃったねぇ……?」
「ひぐっ……ゔあ゙っ……ああぁ……」
小春の小柄な身体ががくがくと震え、倒れ込まないように必死に内股を摺り合わせて耐える。男はその様子を満足げに見下ろしながら小春の温かい腹部の感触を楽しむと、下腹部に丸太の様な膝を埋めた。内臓が正常な位置から隅に押しやられ、激しい嘔吐感が身体の中からせり上がってくる。
「お゙お゙ッ?! ごぽっ……ごえぇぇぇぇ……」
ウレタンを巻いて質量を増した男の膝は、容赦なく小春の小さな胃を内壁同士がくっつくほど潰して、その内容物を食道へ逆流させた。両足が地面を離れる程の威力で突き上げられ、空っぽの胃からは透明な粘液が逆流して吐き出される。
「ひひひ……思った通りだ。小春ちゃんは相手の攻撃を避けるのが上手いから、いざ責められると本当に打たれ弱いんだねぇ? お腹の中がびっくりして、びくびく痙攣してるのがわかるよ? ……あんまり大声出すとそのうち人が来ちゃうから、二人きりになれるところへ行こうか?」
「ちょ……調子……乗るな……このデブ…………ぐぼぉっ?!」
男が小春の鳩尾をピンポイントに突き上げる。拳骨と胸骨がぶつかるミシミシという音が、骨伝導ではっきりと鼓膜に届いた。心臓をシェイクされた衝撃で呼吸が出来なくなる。
「かはッ……あ゙……ゔあぁ……ぁ……」
小春は必死に空気を求めるようにぱくぱくと口を動かした後、支えを失ったようにガクリと全身を弛緩させた。男の腕に抱きつくように倒れたため、ピンク色の髪が男の二の腕をくすぐる。
「デブじゃないって言ってるだろ……あんまり度が過ぎると、殺しちゃうよ? っと、もう聞こえないか……」
男は弛緩した小春を軽々と肩へ抱え上げると、住宅地の奥へ向かって歩き出した。
住宅地を離れた人気の無い公園の多目的トイレ。中の壁は所々落書きが散乱し、怪しい個人情報や卑猥な絵がマジックやスプレーで書き殴られていた。蓋が無くなった汚物入れやその周辺の床には、使用済みのコンドームが紙に包むどころかその口を縛ることもせずにそのまま捨てられている。中身がこぼれ、乾燥した痰の様にタイルの上で干涸びていた。
便器の脇には、明らかに後から備え付けられたであろうTの字を横にした様なステンレス製の簡素な手すりがある。滑り止めが付いておらず、実際に使用した場合は転倒する可能性もあるだろう。
だが、不必要に床から天井まで伸びたステンレスパイプは、実際の使用においてはさておき、人間を拘束するにはなかなかに好都合だった。
「ぐぅッ!? あがッッ!! お゙ぅッ!! ごぶっ……お゙……お゙ぇぇ……」
所々割れたり剥がれたりしているタイルで囲まれた多目的トイレの中に、小春の痛々しい悲鳴が響き渡った。手首と足首をそれぞれ手錠でステンレスのポールに拘束され、手は後ろに廻っているため攻撃のガードどころか汗を拭うことすら出来ない。
小春の幼さの残る声が発する苦痛のサインは常人には堪え難いほどの残酷さを演出していたが、男は嬉々としてその悲鳴を絞り出すように、小春の華奢な胴体へと拳を埋めていた。
「ほらほら、もっと鳴いていいんだよ? ここは周りに家も少ないし、灯りが点いている時には誰も入っちゃいけないって言う暗黙のルールもあるから、どんなに騒いでも大丈夫なんだよ?」
男は体中に巻いていたウレタンを外して体格が一回り小さくなっていたが、それでも肥満体には変わりなかった。しかし動きはいささか軽快さを増し、連打を終えた後ゆっくりと拳を脇まで引き絞ると、その脂肪で膨らんでいる拳骨をぐちゅりと小春の子宮に埋めた。
「おごおおおっ?! ゔッ?! そ、そこ……ゔあ゙ッ?! ああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」
「へぇ……子宮も小ちゃいんだねぇ……ものすごく『おさまり』がいいよ」
男は手の指で子宮をぐちゅぐちゅとこね回すと、少し上にある胃に親指をねじ込み力の限り圧迫した。悲鳴とともに飲み込めなくなった唾液が小春の口から床に落ちて染みを作る。
「がッ……ああぁ……うぁぁ…………」
「さ、そろそろお願い聞いてくれる? 次の全国大会を辞退して、空手部を辞めてくれるだけでいいんだ。簡単だろう? そうすればすぐに解放してあげるよ?」
「…………ふッ……く……う……うるさい……デブ……」
喉から竹笛を吹いている様なひゅーひゅーと言う音を立てながら、小春は必死歯を食いしばり男を睨み上げる。普段はふわふわとボリュームのある小春のピンク色の髪の毛も、脂汗でべっとりと額に貼り付いていた。
「んんー、まだ僕の誠意が伝わってないみたいだねぇ。もう少し一生懸命お願いしないといけないかなぁ……?」
男は腕に対して掌を九十度の角度で開くと、勢いを付けて手首の部分を、小春の腹全体を押し潰すように突き込んだ。拳とは違う重い音が響き、小春の黒目がぐりんと瞼の裏に隠れる。
「ごっ?! ……ッッ……お゙ッッ」
「掌底だよ……衝撃が皮膚や筋肉に吸収されずに、直接内部を攻撃する技……。小春ちゃん小柄だから下腹部全体を押し潰しちちゃったよ……もの凄い痛みが来るかもねぇ……?」
「あ゙…………ぐぷっ?!」
内臓全体が沸騰した様な感覚の後、全てを吐き出したいほどの衝撃が駆け巡る。それぞれの臓器がバラバラに脳に向かってエマージェンシーを発している様だ。
「おぼぉぉぉぉッ?! ごうえぇぇぇぇッ!!」
びちゃびちゃと汚い音を立てて床に粘液が広がってゆく。どこかの内蔵を損傷したのだろうか、僅かにどす黒い血が透明な液体の中にぽつぽつと混じっていた。ひとしきり吐き終わると小春は小刻みに肩を上下させながら短い呼吸を繰り返すが、今度は掌底で鳩尾を突き上げられた。
空気の塊を身体の中にねじ込まれた感触。
本能がそれを吐き出そうと、必死に嘔吐かせる。
「ごひゅぅッ?! ……っご……があっ…………」
小春の髪の毛を掴んで無理矢理顔を上げさせると、その顔を覗き込んだ。小春の顔は既に涙と脂汗と涎でぐちゃぐちゃになり、半分白目を剥きながら舌を出して喘いでいる表情は男の征服欲と加虐性欲を刺激した。
「……そうだなぁ、試合に出られなくしろって言われてるんだから、殺しちゃっても一応約束は守ってるよね?」
男は小春のセーラー服を捲って素肌を露出させると、中指を立てて小さな臍に突き込んだ。ブチュッという小さな破裂音と共に男の中指が根元まで埋まる。
「………………あ゙」
小春の身体がビクリと跳ねた。ただならぬ感触に視線を恐る恐る下げると、男の脂肪で膨れた指が自分の臍の中に埋まり、女性器を愛撫するようにぐちゅぐちゅと蠢いていた。
「あ゙……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! あ゙あ゙あ゙あ゙ああぁぁ…………」
「すごいなぁ……温かくて柔らかくて、色んなものが絡み付いてくるよ……。犯したくなってきたなぁ……」
小春は自分の腹の中を醜悪な模様の芋虫が這い回っている様な不気味な感触に全身の毛穴が粟立った。不思議と痛みは無かったが、下腹部が臍から垂れた血で生暖かくなってくると、猛烈な吐気がこみ上げると同時に気が遠くなってくる。
男は小春の体内の柔らかさと温かさを堪能すると、ズボンのファスナーを下ろした。
その金属質な音が耳に届くと、小春は目を見開いた。処女を散らされるよりも恐ろしいことが起ころうとしているからだ。
「ま、待って……お願い……それは……」
「だーめ。それじゃあ……入れるよぉ……」
ブヂブヂという音が臍から耳に届くと、小春の頭は真っ白になった。さっきよりも太い肉の塊が、自分の腹膜や脂肪を押し避けて内臓をかき回している。
「あ゙っ……ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ?! あああああ!!」
「ほら……小春ちゃんの一番奥に、僕のが届いてるよ……」
何故痛みが無いのか? 痛みがあれば、発狂することも出来たかもしれないのに。今はただ内臓をかき回される気持ち悪さと、さっきまでの蒸し暑さが嘘の様な寒さしか感じることが出来ない。かき分けられた内臓が元の位置に戻ろうと小刻みな痙攣と蠕動を繰り返す。男の肉棒が臍を突き破って出入りする度、ぬめった血液が潤滑油となって、わらわらと内部をかき回す。
「ほら……もっと腹筋締めて……もう……出るよ……」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……………えゔっ…………ごぽっ……」
小春の口元から赤黒い血の塊が噴き出すと同時に腹筋が収縮すると、男は絶妙な刺激を感じて一気に爆ぜた。大きく広がった臍の穴から男性器を抜くと、ごぼりと血液と精液の混ざり合ったピンク糸の泡が止めどなく溢れて床に落ちる。
「あー気持ちよかったぁ……。おーい小春ちゃん、起きてる?」
ピクリとも反応しなくなった小春を見て男は小さく溜息をつくと、多目的トイレの鍵を開けた。僅かに空の色が明るくなりはじめている。街ももうすぐ起きだす頃だろう。
「聞こえてないかもしれないけど、一応教えてあげるよ。あの全国大会は学校にとって大きなアピールの場であると共に、賭博場でもあるんだ。それぞれの地区の教育委員や学校の偉いさんが出場選手を対象に賭けをするんだけど、中には無茶をして賭けに勝たなければ首を吊るしか無い人もいるんだ。大穴の選手に張って、小春ちゃんみたいな本命が負けてくれないと困る人がね……。世の中努力だけじゃどうにもならないこともあるんだよ。それじゃ、機会があったらまたね」
男はひらひらと手を振ると、多目的トイレのドアを全開にしたまま夜明け前の街に消えていった。
数時間後、公園付近は救急車や警察、マスコミが集まって一時騒然となったが、不思議とどのテレビ局にも報道されず、新聞にも載ることは無かった。
5月25日追記
nnSさんがn×Иのキャラクター、小早川小春を描いて下さいました!
強気な表情や体型、服装等、あの拙い文章から自分のイメージ以上に魅力的にキャラクターを描いていただけるとは、流石としか言いようがありません。
これだけですと寂しいので、文章を書く前に作ったキャラ設定を載せておきます。
お暇でしたら読んでみて下さい。
・小早川 小春(こばやかわ こはる)
ピンク色のショートヘアに、赤みがかった茶色のつり目。
家庭環境はいたって普通で二人兄弟。弟がいる。
体格は小柄で同年代の生徒よりもかなり小さい。中学生の頃から身長をはじめ、胸や腰もあまり成長せず、本人も気にしている。
子供の頃は病弱で体力も無く、虐められ、性格も大人しかった。
いじめっ子の生徒を避けようと遅くまで図書館に残り、万が一のことを考えて遠回りして帰宅している最中、偶然空手道場の前を通りがかる。自分より年下の子供が一生懸命稽古に励み、組手で大人に立ち向かって行く姿に感銘を受け、道場の師範に促されて見学し、後日入会する。
入会後は練習に打ち込み、稽古の無い日も自主的に体力作りに励んだ。元々運動神経も良かったらしく、基礎体力が付いた頃から目に見えて実力を発揮しはじめる。この頃から髪型をショートにする。
鍛えた足腰と強力なバネを使った足技が得意。小柄な身体を生かして素早く動き、跳躍して相手の死角に入り込んで頭部を攻撃する技は脅威。相手からは目の前にいた小春が消えたように見え、次の瞬間頭頂部に踵落としが降ってくる。
空手を始めてからは自分に自信がつき、性格も明るく活発になる。高校入学と同時に空手部に所属し、友人も増える。
弟には甘い。というかブラコン。弟は君付けで呼ぶ。一緒に遊んだり出かけようとするが、最近弟が恥ずかしがってあまり付き合ってくれず寂しい。
好きな食べ物:スパイスの利いた料理(近所の本格カレー屋がお気に入り)
嫌いな食べ物:ジャンクフード(背が伸びなくなるらしい)
好きなブランド:特に無し(ラフで動きやすい格好が好き)
香水:PINK PANTHER「STEAL YOU」(稽古、運動後につける)