突発的に思いついた短編です。
お暇な時にどうぞ。
夏に、街路樹の下で
折笠小夜(おりかささよ)が自分に好意を抱いていたことは、数ヶ月前から感づいていた。
女子校の男性教諭というのは若くて平均レベルの容姿さえ持っていれば不思議とモテるもので、自分を対象に、こんな時代に、やれラブレターだファンクラブだと騒ぎ立てる女子生徒を見ているのは、正直言って気分が良かった。
実際、真剣に告白され、付き合おうかと真面目に考えたことも何度となくあったが、やはり教師と生徒、世間体という大人の事情が自分の本能にブレーキをかけていた。
だが、折笠小夜は違った。
いつもガツガツと騒ぎ立てる、いわゆる「肉食系」の女子とは違い、地味ではないが真面目で大人しく、何事も真剣に取り組む姿は他の生徒とは一線を介していた。
そんな彼女がこっそりと俺のポケットに「本日18時、体育倉庫裏で待ってます。ご迷惑でしたら無視して下さい」という手紙を差し込んで来た時には、もう俺の頭のねじは数本吹っ飛んでいた。
「私……真剣に先生のことが好きなんです……。こんな自分勝手な気持ちをお伝えすることはご迷惑かと思いますけど、もう押さえられないんです……。つ、付き合って下さいとは言いません! ご迷惑ですし……な……何でもしますから……私を特別な人にして欲しいんです……」
夕日を背に両手をもじもじと組ながら、潤んだ瞳で正面から俺を見つめて来る。あまりの可愛さに俺が呆然としていると
「あ……はは……。やっぱりご迷惑でしたよね。すみません、今のは忘れ……っ!?」
きびすを返そうとしていた小夜の腕を掴み、無意識に抱きしめていた。ふわりと香る髪の匂いが甘く鼻腔をくすぐり、自然と呼吸が荒くなった。
「あっ……先生……?」
「いいよ……」
俺の声も震えていたと思う。だが、この子なら俺のすべてを受け入れてくれる気がした。
そう、俺の全て……。
「……何でもするって言ったね?」
俺の隠し続けている性癖。女性の腹を殴る行為に興奮する、特殊性癖を。
「は……はい……」
「殴らせて……」
「……えっ?」
「小夜ちゃんのお腹……殴らせて……」
怯えた表情を浮かべながらも小夜は素直に従い、今日の授業で使った体操服に着替えると、体育倉庫の中にある跳び箱に仰向けに寝た。俺とは目を合わせない様にしているが、顔が上気し切っており、不安そうな表情と相まってたまらなく興奮する。
「じゃあ、いくよ」
俺も俺で既に下着は先走りでベトベトになっていたが、なるべく平静を装ってゆっくりと体操服の上着を乳首がギリギリ見えないくらいまでまくり上げる。
眩しくきめの細かい、まるで白魚の様な滑らかな腹部が露になった。
「……ッ!」
小夜にはあらかじめブラジャーを外させている。固く目を瞑って恥ずかしさのあまり親指の爪を噛んでるが、そいうい仕草が男を増々昂らせることを知らないようだ。
俺は自分の欲望のままに、小夜の臍目掛けて肘鉄を打ち降ろした。
柔らかな腹部が無惨にひしゃげ、閉じられていた小夜の目が限界まで見開かれる。
「ぐぶっ!? がっ……あああっ……」
いつもの大人しく清楚な小夜の表情が一気に崩れ、口をぱくぱくさせながら必至に空気を求める。
「苦しい……?」
極力穏やかな声で問いかけるが、もう自分の内部で燃え上がった火は消せない。必至にコクコクと頷く小夜の表情は、俺の加虐欲を増々煽るだけだった。
「もっと苦しくしてあげるよ……」
一瞬小夜の表情が凍り付くが、構わず腹に拳を埋める。しばらくは拳を抜かず、跳び箱に寝ている小夜にのしかかる様に、体重をかけてゆっくりと小夜の内部に沈めて行く。
「ああっ……げぽっ……く、苦し……ぬ……抜いて……下さ……」
小夜が全てを言い終わる前に、素早く臍の位置から拳を引き抜くと、急所である鳩尾へ容赦なく突き降ろした。
「ぐがっ!? がぶぅっ!?」
おそらく小夜は、内蔵を吐き出すほどの苦痛と戦っているのだろう。普段は見せない切羽詰まった表情に、俺の分身も限界まで昂る。窮屈さに耐えかねてスラックスのファスナーを開け、分身を開放するとベルトに当たりそうなほど勢いよく跳ね上がった。
初めて見るのだろうか。臨戦態勢になった男性器を小夜が驚きと戸惑いの入り交じった視線で見つめて来る。
「せ……先生……。それ……嘘……。男の人のって、そんなに大きく……」
「小夜が可愛すぎるから、こんな風になったんだよ」
「えっ……? わ、私で……?」
「そうだよ……。もっと可愛いところ、見せて……」
「あ……、んっ!? んむっ!?」
俺は小夜の口から垂れている一筋の唾液を舌で掬い取ると、そのまま小夜の口を塞いだ。欲望のままに舌を吸い、唇の裏を舐める。小夜は最初驚いた顔をしていたが、すぐに目を閉じて身を任せて来る。
そんな小夜がたまらなく愛おしかった。
「ぐっ!? ぐむっ?! ぐむぅっ!! ごぶっ!! ん……んんぅ……」
唇を重ねたまま、無意識に小夜の腹部を殴る。うっすら止めを開けて小夜の苦痛に歪む表情を見ていたが、不思議なことに、徐々に小夜の表情が恍惚とした物に変化して行った。
「小夜……?」
「けふっ……せ……先生……。気持ち良いですか? せ、先生が気持ち良いと……私も……。けほっ……も、もっとお腹……殴ってください……。たくさん気持ちよくなって下さい……」
頭の中で何かが弾けた。再び小夜に口づけをすると、無我夢中で腹を殴り続けた。
「ぐむぅぅっ!! んふっ!! うむうっ!! ん……んんぅ……」
明らかに小夜は感じている。目はとろんと蕩け、俺に気付かれない様に内股を切なげにすりあわせている。俺自身の限界も近い。
「小夜……最後だ……。男が気持ちよくなるとどうなるか……授業で習っただろ?」
「あうぅっ……しゃ……射精……ですよね? まだ……見たことが無くて……」
「保健体育の実習だ……しっかり見ておけよ……」
「は、はい……ぐぅあああっ!! あああああっ!!」
俺が渾身の一撃を小夜の腹部に叩き込むと、小夜の身体が大きく跳ね上がった。あまりの苦痛に瞳孔が収縮し、舌を垂らしたまま喘ぐ。
「うえぇぁ……ああっ!? ああああっ!!」
限界を感じた俺が小夜の腹に分身を擦り付けていると、小夜の身体がビクビクと痙攣を始めた。俺の絶頂が近い所を見て、自分も興奮したのか。小夜がエクスタシーに達しようとしている。
「小夜、一緒にイッてくれるのか? もうイクぞ! くおおおっ!!」
「あああっ……あ……熱っ! あああああっ!!」
俺が小夜の腹に大量の精液を吐き出したと同時に、小夜も身体を仰け反らせて達した。臍の位置が分からなくなるほど大量に出したのは、俺の経験の中でも初めてのことだった。
「せ、先生……気持ち……よかったですか……? お役に立ててたら……私……」
言い終わる前に、小夜は腹を殴られたダメージとそれによる絶頂のためか、眠る様に失神した。眠っている小夜を見ながら、俺はわき上がってくる脱力感や罪悪感、そして、受け入れられたという充足感に浸っていた。
俺は今、塀の中でこの文章を書いている。あの日から小夜とは数回、俺の性癖に任せた奇妙な逢瀬を重ねたが、いずれも一線は越えなかった。しかし、ある日たまたま部活動で居残っていた生徒に逢瀬の現場を目撃され、現場が現場だけに傷害事件として通報された。
小夜は必至に抵抗してくれた様だが、学校も世間体を気にしてか、ことごとく証言はもみ消され、俺は暴力教師のレッテルを貼られて実刑を喰らった。
模範囚だったためか、予定よりも早まり、今年の夏には刑期が終わる。
小夜には、もう俺には関わるなという短い手紙を送った後、一切連絡を取っていない。つい最近も小夜から手紙が届いたようだが、看守に頼んで全て捨ててもらう様にしている。
その方がいい。その方がいいのだ。
でも、もしかしたら……。
今でも毎日の様に夢に出る、ただ流れて行く日々の中で、忘れたくても忘れられないあの奇跡の様な奇妙な小夜との日々。そして、塀の外の青々とした街路樹の下で俺を出迎えてくれる小夜の姿を夢想することは、果たして罪なのであろうか。
お暇な時にどうぞ。
夏に、街路樹の下で
折笠小夜(おりかささよ)が自分に好意を抱いていたことは、数ヶ月前から感づいていた。
女子校の男性教諭というのは若くて平均レベルの容姿さえ持っていれば不思議とモテるもので、自分を対象に、こんな時代に、やれラブレターだファンクラブだと騒ぎ立てる女子生徒を見ているのは、正直言って気分が良かった。
実際、真剣に告白され、付き合おうかと真面目に考えたことも何度となくあったが、やはり教師と生徒、世間体という大人の事情が自分の本能にブレーキをかけていた。
だが、折笠小夜は違った。
いつもガツガツと騒ぎ立てる、いわゆる「肉食系」の女子とは違い、地味ではないが真面目で大人しく、何事も真剣に取り組む姿は他の生徒とは一線を介していた。
そんな彼女がこっそりと俺のポケットに「本日18時、体育倉庫裏で待ってます。ご迷惑でしたら無視して下さい」という手紙を差し込んで来た時には、もう俺の頭のねじは数本吹っ飛んでいた。
「私……真剣に先生のことが好きなんです……。こんな自分勝手な気持ちをお伝えすることはご迷惑かと思いますけど、もう押さえられないんです……。つ、付き合って下さいとは言いません! ご迷惑ですし……な……何でもしますから……私を特別な人にして欲しいんです……」
夕日を背に両手をもじもじと組ながら、潤んだ瞳で正面から俺を見つめて来る。あまりの可愛さに俺が呆然としていると
「あ……はは……。やっぱりご迷惑でしたよね。すみません、今のは忘れ……っ!?」
きびすを返そうとしていた小夜の腕を掴み、無意識に抱きしめていた。ふわりと香る髪の匂いが甘く鼻腔をくすぐり、自然と呼吸が荒くなった。
「あっ……先生……?」
「いいよ……」
俺の声も震えていたと思う。だが、この子なら俺のすべてを受け入れてくれる気がした。
そう、俺の全て……。
「……何でもするって言ったね?」
俺の隠し続けている性癖。女性の腹を殴る行為に興奮する、特殊性癖を。
「は……はい……」
「殴らせて……」
「……えっ?」
「小夜ちゃんのお腹……殴らせて……」
怯えた表情を浮かべながらも小夜は素直に従い、今日の授業で使った体操服に着替えると、体育倉庫の中にある跳び箱に仰向けに寝た。俺とは目を合わせない様にしているが、顔が上気し切っており、不安そうな表情と相まってたまらなく興奮する。
「じゃあ、いくよ」
俺も俺で既に下着は先走りでベトベトになっていたが、なるべく平静を装ってゆっくりと体操服の上着を乳首がギリギリ見えないくらいまでまくり上げる。
眩しくきめの細かい、まるで白魚の様な滑らかな腹部が露になった。
「……ッ!」
小夜にはあらかじめブラジャーを外させている。固く目を瞑って恥ずかしさのあまり親指の爪を噛んでるが、そいうい仕草が男を増々昂らせることを知らないようだ。
俺は自分の欲望のままに、小夜の臍目掛けて肘鉄を打ち降ろした。
柔らかな腹部が無惨にひしゃげ、閉じられていた小夜の目が限界まで見開かれる。
「ぐぶっ!? がっ……あああっ……」
いつもの大人しく清楚な小夜の表情が一気に崩れ、口をぱくぱくさせながら必至に空気を求める。
「苦しい……?」
極力穏やかな声で問いかけるが、もう自分の内部で燃え上がった火は消せない。必至にコクコクと頷く小夜の表情は、俺の加虐欲を増々煽るだけだった。
「もっと苦しくしてあげるよ……」
一瞬小夜の表情が凍り付くが、構わず腹に拳を埋める。しばらくは拳を抜かず、跳び箱に寝ている小夜にのしかかる様に、体重をかけてゆっくりと小夜の内部に沈めて行く。
「ああっ……げぽっ……く、苦し……ぬ……抜いて……下さ……」
小夜が全てを言い終わる前に、素早く臍の位置から拳を引き抜くと、急所である鳩尾へ容赦なく突き降ろした。
「ぐがっ!? がぶぅっ!?」
おそらく小夜は、内蔵を吐き出すほどの苦痛と戦っているのだろう。普段は見せない切羽詰まった表情に、俺の分身も限界まで昂る。窮屈さに耐えかねてスラックスのファスナーを開け、分身を開放するとベルトに当たりそうなほど勢いよく跳ね上がった。
初めて見るのだろうか。臨戦態勢になった男性器を小夜が驚きと戸惑いの入り交じった視線で見つめて来る。
「せ……先生……。それ……嘘……。男の人のって、そんなに大きく……」
「小夜が可愛すぎるから、こんな風になったんだよ」
「えっ……? わ、私で……?」
「そうだよ……。もっと可愛いところ、見せて……」
「あ……、んっ!? んむっ!?」
俺は小夜の口から垂れている一筋の唾液を舌で掬い取ると、そのまま小夜の口を塞いだ。欲望のままに舌を吸い、唇の裏を舐める。小夜は最初驚いた顔をしていたが、すぐに目を閉じて身を任せて来る。
そんな小夜がたまらなく愛おしかった。
「ぐっ!? ぐむっ?! ぐむぅっ!! ごぶっ!! ん……んんぅ……」
唇を重ねたまま、無意識に小夜の腹部を殴る。うっすら止めを開けて小夜の苦痛に歪む表情を見ていたが、不思議なことに、徐々に小夜の表情が恍惚とした物に変化して行った。
「小夜……?」
「けふっ……せ……先生……。気持ち良いですか? せ、先生が気持ち良いと……私も……。けほっ……も、もっとお腹……殴ってください……。たくさん気持ちよくなって下さい……」
頭の中で何かが弾けた。再び小夜に口づけをすると、無我夢中で腹を殴り続けた。
「ぐむぅぅっ!! んふっ!! うむうっ!! ん……んんぅ……」
明らかに小夜は感じている。目はとろんと蕩け、俺に気付かれない様に内股を切なげにすりあわせている。俺自身の限界も近い。
「小夜……最後だ……。男が気持ちよくなるとどうなるか……授業で習っただろ?」
「あうぅっ……しゃ……射精……ですよね? まだ……見たことが無くて……」
「保健体育の実習だ……しっかり見ておけよ……」
「は、はい……ぐぅあああっ!! あああああっ!!」
俺が渾身の一撃を小夜の腹部に叩き込むと、小夜の身体が大きく跳ね上がった。あまりの苦痛に瞳孔が収縮し、舌を垂らしたまま喘ぐ。
「うえぇぁ……ああっ!? ああああっ!!」
限界を感じた俺が小夜の腹に分身を擦り付けていると、小夜の身体がビクビクと痙攣を始めた。俺の絶頂が近い所を見て、自分も興奮したのか。小夜がエクスタシーに達しようとしている。
「小夜、一緒にイッてくれるのか? もうイクぞ! くおおおっ!!」
「あああっ……あ……熱っ! あああああっ!!」
俺が小夜の腹に大量の精液を吐き出したと同時に、小夜も身体を仰け反らせて達した。臍の位置が分からなくなるほど大量に出したのは、俺の経験の中でも初めてのことだった。
「せ、先生……気持ち……よかったですか……? お役に立ててたら……私……」
言い終わる前に、小夜は腹を殴られたダメージとそれによる絶頂のためか、眠る様に失神した。眠っている小夜を見ながら、俺はわき上がってくる脱力感や罪悪感、そして、受け入れられたという充足感に浸っていた。
俺は今、塀の中でこの文章を書いている。あの日から小夜とは数回、俺の性癖に任せた奇妙な逢瀬を重ねたが、いずれも一線は越えなかった。しかし、ある日たまたま部活動で居残っていた生徒に逢瀬の現場を目撃され、現場が現場だけに傷害事件として通報された。
小夜は必至に抵抗してくれた様だが、学校も世間体を気にしてか、ことごとく証言はもみ消され、俺は暴力教師のレッテルを貼られて実刑を喰らった。
模範囚だったためか、予定よりも早まり、今年の夏には刑期が終わる。
小夜には、もう俺には関わるなという短い手紙を送った後、一切連絡を取っていない。つい最近も小夜から手紙が届いたようだが、看守に頼んで全て捨ててもらう様にしている。
その方がいい。その方がいいのだ。
でも、もしかしたら……。
今でも毎日の様に夢に出る、ただ流れて行く日々の中で、忘れたくても忘れられないあの奇跡の様な奇妙な小夜との日々。そして、塀の外の青々とした街路樹の下で俺を出迎えてくれる小夜の姿を夢想することは、果たして罪なのであろうか。