Яoom ИumbeR_55

Яoom ИumbeR_55は「男性→女性への腹パンチ」を主に扱う小説同人サークルです。

カテゴリ: ERROR CODE:AYA

5月3日の腹パで出品する「ERROR CODE:AYA完全版」のオマケテキストが出来上がりました。
いつも通り文章はこちらで全て公開します。

時系列的には綾がクラスメイトに輪姦され、少し時間が経ってシオンが綾の元に来る間の、外伝的な内容です。


では、どうぞ



 魚は、溺れるのだろうか?
 溺れるという事は、水に嫌われるという事だ。
 魚は水の中でしか呼吸が出来ず、餌もとれず、子孫も残せない水に依存した生物だ。仮に何らかの理由で魚と水の関係が悪化でもしたら、魚は水に対して媚び諂い、靴の裏を舐めてでも水の機嫌を取らなければならない。そうでなければ、死ぬしかないのだから……。

 今にも目の前に落ちてきそうな重々しい曇天から降り注ぐ雨を見つめながら、衣笠 紬(きぬがさ つむぎ)は溜息を吐くと、組織へと通じる隠し扉を開けて薄暗い階段を降りて行った。
 今朝方から降り始めた雨は一層勢いを増して、紬のローファーやソックスを濡らした。リノリウムの床と濡れた靴底が擦れ合って、甲高い音を響かせる。
 重い雨だった。
 決して強くはないが、その雨は無数の人々に踏みつけられた都会のアスファルトにこびり付いた汚れを、まるで海洋生物が身体から分泌する粘液の様に絡め取って舞い上がらせ、熱気と湿気を孕んだ初夏の気候を一層不快なものにした。
 アンチレジストの会議室の雰囲気もその不快極まりない外の気候と同様に重いものだった。程よく効いた空調も、部屋の隅に置かれたプランターも、無垢材で出来た高価なテーブルも、その粘り気のある空気を洗い流してはくれなかった。漂白された様な蛍光灯の灯りだけが、テーブルを囲む十数名の人間を悲し気に照らしている。

 綾が負けた。

 このセンセーショナルな事実はすぐには公表されず、数日が経過した後に一部の戦闘員、オペレーターが集められた合同会議の場で発表された。
 一番上座に位置する一角には人ではなく大型のモニターが置かれ、アンチレジストのトップ、ファーザーの側近が声のみで参加していた。
 報告を聞いて最初に声を荒げたのは綾専属のオペレーターである紬だった。会議室の中にいる全員の視線が、一様にその小柄な身体に集中する。紬はその視線をはね除ける様に言葉を続けた。
「私は納得出来ません! あれほどの実力がある人を、たった一回の失敗で処分するなんて!」
 モニターの向こうにいる人間に対して矢を放つ様に睨みつけながら紬は言い放ったが、ブラックアウトしたモニターはそんな紬の姿を嘲笑うかの様に、歯を食いしばってい紬の顔を反射させていた。
「処分とは人聞きの悪い。これは正当な下命の元の行動。いわば任務です」
 機械で加工された女性の声がモニターから聞こえる。
「実力の無い者にいつまでも優位的立場を与えていては、いずれは周囲にも影響を及ぼします。悪貨は良貨を駆逐すると言うように、あなたや私を含め、常に厳しい目で周囲から見られている事をお忘れなく」
「綾さんがいつ、その優位的立場を利用したんですか?!」
「ましてや今回の事は命令無視の単独行動。神崎綾には初戦での敗北の後、組織の指示が出るまでは自宅待機を命じていました。それを勝手に夜の学園に侵入し、挙句ふたたび敗北して敵の手に堕ちるとは、これを暴走を呼ばずに何と呼ぶのですか? 一般戦闘員の規範となるべき上級戦闘員にはあるまじき失態にファーザーも失望しています。皆さんのお手元にある下命書も、ファーザー直々のものです」
 紬は全員に配られた書類のコピーに視線を落とした。今では珍しい日本語のタイプライターで打たれ、太めの万年筆で「F」のサインが書かれている。紛れも無くファーザーからの下命書だ。

 下記の者、本日○年○月○日を持って階級を変更する。

・神崎 綾
 旧階級 上級戦闘員
 新階級 補助戦闘員

 特記
 上記は神崎綾があくまでも任務続行可能な状態であった場合に限る。チャームによる重篤な精神汚染が進行していた場合は処分も検討する

 補助戦闘員とは一般戦闘員の任務の遂行をサポートする後方支援部隊だ。具体的には事前に地理や周辺状況を把握してオペレーターへ報告、時にはターゲットの人妖、賤妖に接近し行動を監視することもある。入隊したばかりの隊員が配属される事が多いが、オペレーターとは違いターゲットと接触する危険性が高いため、この段階でミスをして普通の生活を送れなくなった隊員も多い。
 しかも降格以前に精神汚染が進んでいた場合は最悪殺すとも書いてある。紬の心は暗い井戸の中に放り込まれたように暗澹としていた。
「でも……でも!」
 紬は悔しさから下唇を噛む。何かを言おうとしても、肺からせり上がってきた様々言葉が喉の辺りで形を成さず、ぐずぐずに溶けてしまった様に消えててしまう。
「もうあの人は無理よ……」
 一般戦闘員担当のオペレーターが口を開いた。紬は顔を知っている程度だった。
「神崎さんに実力があるのは認めるけど、今回の事はフォローのしようが無いと思う……。戻ってきてもらっても、またいつ同じ様に単独行動して問題起こすかわからないし、既に精神汚染が進行しているかもしれないじゃない? 機密を喋られる前に対処するのも方法のひつとだと思うけど」
 狭い空間に、同調する声がひそひそと響く。紬は自分自身が否定されている気分になった。
「だからって、綾さんの代わりなんて早々見つかるわけ……!」
「一般戦闘員の中にも優秀な人材はたくさんいるわ。その芽を摘んでまで神崎さんを残す理由は無い。あなたが神崎さんにこだわるのは個人的な感情だけでしょう? これは組織の問題なのよ」
「何かあったら割を食うのは私達なのよ。神崎さんがこの組織の場所を喋って人妖達がなだれ込んできたら、あなた責任取れるの?」
「仲が良いのは結構だけど、公私混同は止めてほしいわ」
「そもそも神崎さんってそんなに実力あったの? 訓練での成績は良くても、実戦で負けたら意味ないじゃない」
「衣笠さんのよく言ってる『あの人は性格が良い』ってのも、何かあったらこういう風にフォローしてもらおうって考えが神崎さんにあったからなんじゃない?」
「いつもニコニコして、何か裏がありそうって思ってたのよね」
 会議室内の空気の粘度が高まり、コールタールの様な重く黒い雰囲気が会議室を満たす。枯れ葉同士が擦れる様なひそひそとした批判の音はまだ鳴り止まない。
 綾を蔑む声が、まるで数百匹の蟻が脳の皺一本一本を引っ掻く様に紬の頭の中を這い回る。気持ち悪い。吐き気がこみ上げる。強く噛み過ぎて、紬の下唇から血が滴る。ざわざわとした黒い感情が臍の辺りからせり上がってきた。
 紬が椅子を蹴って立ち上がる。白いイームズのシェルチェアが墨色の絨毯に倒れ、鈍い音を立てる。全員の視線が自分に集まる。樹脂で出来た椅子が倒れる軽い音までもが綾と自分を嘲笑っている様に聞こえた。
 部屋を出ようとした所、背後から射抜く様な視線を感じ、紬はびくりと足を止めた。
 振り返ると戦闘員の座っている席の上座から、上級戦闘員の鷹宮美樹が射抜く様な視線を自分に向けていた。最高級の日本人形の様に、腰まで届きそうなほど長く艶のある真っ直ぐな黒髪を手櫛で一度だけ梳くと、静かだがよく通る声を発した。
「そのくらいにしないか? ここで綾の人間性を批判しても何も始まらない。大事な事は綾の処遇をどうするかではなく、綾自身をどうするかだ。助けるのか助けないのか。助けるとしたら誰が行くのか? 見捨てるにしてもこのまま放っておくのか……最悪口封じをするのか。どうなんだ?」
 会議室内が静まり返る。美樹は会議室内の人間を左から右にゆっくりと見回す。
「ちなみに綾は身体こそ小さいが、運動能力が高い上に精神力はもの凄く強い。まぁ、今回はそれが空回りしてしまったが……。どちらにせよ、建設的な意見を頼む。私は助ける方向なら全力で支援するが、口封じは遠慮したい。個人的な意見を言わせてもらえば、精神汚染が進んでいるのかどうかはまずは救出してみなければ判断がつかないだろう? まずは綾の身柄を人妖から奪還する。その後検査でも何でもすればいい」
 その落ち着いた静かな声は、冷たく澄んだ綺麗な水が川の淀みに流れ込んで来る様に、徐々に会議室の空気を洗い流した。紬も黒い感情がいつの間にか小さくなっている事に気付く。
「賛成です。だから紬ちゃんも落ち着いて座って……」
 甘い香りがふわっと漂ったかと思うと、不意に耳元で声がした。
 いつの間にか美樹の隣に座っていたはずの、美樹と同じ上級戦闘員の如月シオンがまるで瞬間移動をしたかの様に紬の隣に立っていた。
 戦闘時や実戦訓練では戦闘用にカスタムしたメイド服を着て、美樹と同じく腰まで届く長い金髪をツインテールに纏めているが、今日は学校の制服を着て髪型をストレートに下ろしているため普段よりも大人びて見える。
 倒れた椅子を丁寧に起こして紬に座る様に促すと、シオンも自分の椅子を持ってきて横に座り、そっと紬の手を握った。
「綾ちゃんの処遇が決定したという事は、上層部の方々はそれなりの確証を掴んでいるという事ですよね。どのような手を使って確証を得たのかは大体想像出来ますけど……。ただ、物事を想像だけで仮定し、それに基づいて行動を起こそうとすると悪い結果しか産まれないと思います。もし機密を口外するほどチャームに汚染されていないのであれば、私も美樹さんと同じく救出するべきだと思います。処遇を決定するのはそれからでも遅くはないのでは?」
 シオンがモニターに向かって静かに語りかけると、美樹はふっと笑いながら「そんなに怒るな」と呟いた。紬はぎくりとしてシオンの顔を覗き込んだ。
「で、どうなんだ。シオンの言う通り、綾がどの程度チャームに汚染されているかわかる資料はあるんだろう? 助かる見込みはどの程度あるんだ?」
「そうですね……。如月さんの仰る通り、我々は神崎さんがかなり汚染が進んでいる状態である資料をいくつか入手しています。説明するよりもご覧頂いた方が早い様ですので、モニターをご覧下さい。誠心学園の体育倉庫で撮られた映像です」
「盗撮した、の言い間違いだろう?」と美樹は言った。
 会議室内の十数人の視線がモニターに集中する。
 ブラックアウトしていたモニターには体育倉庫内で男性型の人妖と対峙する神崎綾の姿が映し出された。
 紬の手を握っているシオンの手の力が、僅かに強まった。

「今日こそ……あんたを倒すから……」
 言い終わると同時に、綾が男性に突進した。綾の声はいくぶん震えているように感じた。部屋の端から中央で直立している男性へ距離を詰める。動きも明らかに精彩を欠いている。普段であれば水の中を泳ぐ魚の様に滑らかに移動する綾であったが、映像の中の綾は必死に飛ぼうと羽ばたく鶏の様にぎこちなく見えた。
 綾の放った拳はことごとく空を切り、軽々と躱される。普段は見慣れない蹴りも放っているが、いずれも男性に最小限の動きで避けられ、十分も経たないうちに綾は肩で息をして顎からは汗が滴っていた。
「はぁ……はぁ……な……何で……何で当たらないのよ……」
「自分でも気付いているでしょう? あなたは既にチャームに毒され、本能的に私に敗北する事を望んでいる。そしてその先も……。大人しくこのような茶番は止めて、友香の様に素直になればいいものを……」
「うるさいっ!」
 綾が拳を握りしめながら叫んだ。
「私は……アンチレジストの戦闘員なの! あんたを倒す事が私の任務で、私がここにいる意味なのよ! それすら無くなったら、私が私でいられなくなる!」
 絞り出す様な綾の叫びを聞いて、男性はやれやれと首を振る。カメラは男性の背中からのアングルのため、その表情は窺い知れない。
「自分の存在意義を他人に依存するとは愚かな……。今のあなたは生きているのではなく寄生している。しかも餌を貰うために叫ぶ雛鳥の様にうるさく喚きながら……」
「うるさいって言ってるのよ!」
 綾は叫びながら拳を繰り出すが、大振りの正面からの攻撃のために男性に軽く躱され、代わりに鳩尾を突き上げられた。
 どぽん、という重い音が響き、綾の足が地面から浮く。
「ぐぷっ?! ごぽッ……」
「しかしあなたの様に強情な人も珍しい。本来ならとうに身も心も私に差し出しているものを……。まぁ、それも今日までだ。今日は最後までするつもりなので、覚悟しておきなさい」
 男が綾の胸ぐらを掴むと、膝を腹部に突き入れた。
 映像を見ていたオペレーター数人から悲鳴が上がる。
「ごぶぅっ! ご……おごぇっ……」
「ほら、どうしました? このままではまた負けてしまいますよ?」
 ぐちゅり、と男性の拳が綾の鳩尾を抉った。モニターには一瞬で白目を剥く綾の顔が大映しになる。口からはだらしなく涎を垂らし、口からは力の抜けた舌が飛び出している。
「あがッ……あ……ゔぁぁ……」
 綾が力なく崩れ落ち、男性にしがみつく様に膝から崩れ落ちる。力なく男性のカッターシャツを掴んで体勢を保っているが、それを離した瞬間に崩れ落ちてしまいそうなほど危うく見えた。男性がスラックスのファスナーをゆっくりと下ろし、男根を解放する。
「ほら、これが欲しかったのでしょう? 素直にならないと、いつまでも苦しいままですよ?」
「あ……だ……誰が……こんなものッ……」
 言葉では否定しても視線は無意識に顔の前で揺れるそれを追ってしまう。画面越しに見ているオペレーターや戦闘員も、綾の表情が徐々に艶かしい色が浮かんでいる事に気付く。息遣いは深くゆっくりとしたものになり、だらしなく半開きになった口には唾液が溢れている。
「はぁ……はぁ……こ……こんなの……欲しくなんて……」
「その蕩けきった顔で言っても説得力はありませんよ。まったく、素直になればいいものを」
「や……やっ……むぐっ?! んむぅぅぅっ!」
 男性にとって脱力した綾の口に男根をねじ込む事は雑作もない事だった。男根を突き入れられた綾もタガが外れたのか、頬をすぼめ必死に男根を吸引する。
「んむぅぅっ……じゅるっ……ちゅっ……んはぁぁぁっ……」
「くくくっ……ほら、我慢していた分、遠慮なく味わいなさい」
「いやぁっ……何で……こんなこと厭なのに……何で我慢出来ないのよぉッ……うあっ……はむっ……んぐっ……んふぅっ!」
 男性の背後から綾を覗き込んでいるカメラは、その痴態をまるで男性の目線から捕えたかの様に生々しく伝える。綾は目に涙を溜めながら男根を喉奥まで頬張り、許しを請う様な視線を男性と、その背後にあるカメラに向かって送っていた。時折男性が強引に綾の頭を掴んで激しく前後に揺さぶると、綾の喉から苦しそうにくぐもった声が漏れる。呼吸を無理矢理乱され、口の端から透明な唾液が顎を伝わってセーラー服を汚す。
「ゔゔっ……ゔえぇぇぇっ! ゔああああぁっ……おうっ……ぷはあっ! あ……ああぁ……」
 窒息寸前で男性が綾の口から男根を引き抜くと、綾の唾液と男性の先走りが混じった液体がにちゃあっと糸を引く。酸欠寸前になった綾は慌てて酸素を取り込もうと咳き込むが、すぐに口内に男根をねじ込まれて喉奥を犯される。
「おごおおっ?! ごぶっ……ぐあああっ……」
「ああぁ……気持ち良いですよ……喉の粘膜が絡み付いて……。窒息しそうになって痙攣するほどぎゅうぎゅうと私を締め付けてきますよ……」
 男は綾の苦しみなど意に介さずに、ただ快楽を貪るために綾の喉を激しいストロークで抉る。時折ストロークする場所を変えてぷりぷりする頬の粘膜を擦り上げるたび、綾の頬はあめ玉を舐めている様にぽこぽこと膨らむ。喉奥へ男根を突き込み食道や気管の入り口を容赦なく擦る。
「おごぶっ……おうぇぇ! ゔえぇぇぇぇぇ!」
 意識が切れ切れになりながらも失神せずに耐えながらも内蔵を吐き出してしまいたいほどの衝動に襲われ、綾がたまらずに男根を吐き出し、同時に胃液をコンクリートの床にぶちまけた。びちゃびちゃという汚い音が室内に響く。男は綾の嘔吐が終わるか終わらないかのうちに左手で綾の頭を掴んで強引に顔を上げさせると、男根を喉奥まで突き込んだ。
「ぐっ?! うぶぅっ?! ごおぉぉぉっ!」
「くおおおっ……気持ちよすぎるな……。吐いたお陰で滑りが良くなりましたよ……」
「ぐぶっ……ぐぶぅぅぅっ……ふ……太いぃぃ……」
 男は綾の味わっている苦痛等意に介さず、夢中で綾の顔を前後に揺する。普段は強気な表情の綾が涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、自分の男根をくわえ込んで弱々しく上目遣いで見つめてくる。
「いい顔に……なってきましたね……。うっ……出る……出るぞ……おおおっ!」
「むぐっ……うぐぅぅぅっ……むぐっ?! んむぅぅぅっ! ぶはあっ! あ……ああっ! あああぁぁ……」
 綾は男の放出量に堪え兼ねて男根を吐き出したが、男の放出は止まることなく弧を描いて綾の顔や髪を汚して行った。だらしなく露出した舌には糊の様に濃厚な粘液が落ちることなく留まってゆく。
「くっ……おおぉ……」
「あはあああっ……あああぁ……こ……こんなに……出すなんて…………うあぁ……」
「……何を惚けているのですか? 言ったでしょう……今日は最後まですると……」
「え……? あ……きゃあっ!」
 男は膝立ちになって放心じている綾に覆い被さる様に、強引にマットに押し倒した。オフホワイトのマットに染み込んだ汗の匂いが埃と共に舞い上がる。粘液で所々染みの付いたセーラー服の上着を捲り上げると、その小柄な身体には不釣り合いなほど豊満な胸が、皿に落としたプリンの様にふるふるとこぼれ落ちる。
「ほぉぉ……これは……」
 男が泡立てたばかりのメレンゲの様に滑らかな綾の胸を鷲掴みにすると、節ばった指の間から突きたての餅の様な柔肉がはみ出した。心地いい弾力を持った僅かに汗ばんだ肌はしっとりと指に吸い付き、円を描く様にその胸をこね回す。
「くはっ?! あっ……胸はッ……だめぇッ!」
 綾は力なく男の手首を握って僅かに抵抗の意志を見せるが、臍のあたりに馬乗りになられた体勢では僅かに身体を捻るくらいしか抵抗が出来ず、男の愛撫をただ一方的に受け入れるしか術は無かった。
 脇のあたりから乳首に向かってゆっくりと搾乳する様に絞り上げられ、わずかに伸びた爪の先で胸全体を触れるか触れないかの力で撫で回され、時に潰れるくらいの力で握られる。蛇の様に執拗でねちっこく、それでいて多彩な男の責めに綾はただ声を堪えて抵抗したが、男が綾の充血してすっかり固くなった乳首を抓り上げると、綾の背中が電気ショックを受けたかの様にビクリと跳ね上がる。
「あひッ! うああぁ! ぅあ……もう……だめぇ……。変に……なる……頭の中……変になるぅ……」
「この大きさでも……感度は抜群ですね? そろそろ私も楽しませてもらいましょうか……」
 男は綾の顔に付着している乾きはじめた粘液を指で掬い上げて胸の谷間に塗りたくると、はち切れそうに勃起している男根をねじ込んだ。粘液と温かい柔肉に圧迫され、背骨のあたりを快楽の電気信号が脳に駆け上がる。
「おおおおっ……これは……私でも気を抜くとすぐに果ててしまいそうだ……。ゆっくりと堪能させてもらいますよ」
 男は両手で綾の胸を寄せると、ゆっくりと腰を前後に揺すりはじめる。極上の摩擦が男根を包み、自然と尻に力が入る。
「あっ……やっ……やだ……何して……む、胸でこんな……」
「おおおおっ……これは……すごいな……。温めたマシュマロに挟まれている様だ。まるで胸と肉棒が溶け合って、快楽神経を直接擦られているみたいですよ……」
 熱せられた歪な形の鉄の棒が自分の胸の間で蠢き、時折自分の顔を貫こうとするかの様に亀頭が顔を出す。
「い……嫌っ……こんなの……おかしい……変態……」
「パイズリは出来る人の方が少ないのですよ。くうっ……しかもここまで気持ちよく悦ばせられるのは……」
 男の腰を動かすスピードが徐々に加速して、綾の下乳に男の腰が当たる度に肉同士がぶつかり合う湿った音が響く。亀頭は真っ赤に充血して自分の吐き出した透明な汁を綾の胸の谷間で泡立てながら、天井の白熱灯の光を反射してぬめぬめと不気味に光っていた。
「あっ……ああっ……やあっ……もう……こんなの……」
 自分の想像を超えた変態的な行為に、綾が目に涙を溜めて首を横に振る。必死に男の手を掴んで抵抗するが、男の腰を打ち付けるスピードは増々速まり、呼吸も短く荒くなっていった。男根が胸の間を前後するにちゃにちゃという音は室内全体に響くほど大きなものになり、綾の鼓膜を突き抜けて脳を犯した。
「…………口を開けなさい」
 男が短く言葉を発すると、綾が必死に首を振る。チャームの麻薬的な中毒性よりも、精神的なショックの方が大きかったらしい。
「うぁ……ま、まさか……やだ……やだぁっ……」
「口を開けないと……目の中に出しますよ……」
 綾の身体がビクッと震える。何だ? 自分は何をされるのだという恐怖が、まるでムカデがその無数の足でぞわぞわと肌を引っ掻いている様に、爪先から脳天へ這い上がってきた。
「ひうっ?! 目? 目って……?」
「口を開けないのなら、無理矢理目をこじ開けてその中に出すという意味ですよ……。それよりも、眼窩ファックというものを教えてあげましょうか? 早くしないと……時間が無いですよ」
「あっ……あぁ……んぁ……」
 男の口調から、本当に余裕が無いことを察する。目の中に粘液を出されるなんて想像したことも無いし、眼窩ファックなんてものも知りたくもない。
「そのまま……舌を出して……。おっ……おおっ……おおおおっ!」
「あ……ぇあ……ふあっ?! あ……えあぁぁぁっ!?」
「くぅぅぅっ! 口を閉じるなよ……おおっ……ッ……!」
「あああっ……はぐぁっ……あ……かはッ……あああっ……」
 赤黒く鬱血した亀頭が胸の間からちゅぽんと跳ね上がると同時に、ビクビクと痙攣しながら綾の顔目掛けて大量の白濁を吐き出した。おずおずと開けられた口の中や震える舌の上にも容赦なく粘液がぶち撒けられ、先ほどのイラマチオで男が放出した乾きかけた粘液の上に、さらに白で厚塗りを施す。
 綾は涙を流しながら白い飛沫を顔中で受け止め、男の放出が収まった後でもしばらく舌を出したまま放心していた。その表情や姿は見ている者に更なる劣情を抱かせるには十分魅力的なもので、放出したばかりでやや硬度の下がった男の分身にも血が集まり、再び綾を脅す様に反り返って行った。
「あぁっ……もう……こんな……許して……お願い……」
「何を言ってるんです? これからが本番でしょう?」
「あ……やっ! ダメっ……それは……嫌ああっ!」
 男が放心している綾のスカートをゆっくりと足から引き抜いて、近くのボールカゴの中に放った。すぐに白いショーツに手をかけて引き摺り下ろそうとするのを、綾が必死に抵抗する。
「ダメ! お願い! それだけは嫌あっ! 許して……」
「ほう……まだ抵抗するとは……。軽い汚染を繰り返したせいで、かえってチャームに耐性が付いたか……。予定なら既に自分から股を開いているはずだったが……。まぁ、どちらにしろすることには変わりない。中で注げば嫌でもチャームに汚染されるだろう」
 男が綾の手を払いのけてショーツのクロッチ部分を無理矢理引っ張ると、乾いた音を立ててショーツが破れた。断末魔の様な綾の悲鳴が室内に響く。

「止めろ……」
 静まり返る会議室内で美樹が声を発した。画面の中では必死に抵抗する綾の上に男が覆い被さろうとしている。綾の口に男根がねじ込まれたあたりで数人のオペレーターがハンカチで口を抑えながら部屋を出て行く中、紬は流れる涙を拭おうともせず、パートナーの綾が画面の中で嬲られる様を目を逸らさずに見つめていた。珍しく悔しさを噛み締めているような表情を浮かべながらシオンが手を握っていない方の手で紬の肩の辺りを撫でている。
「早く止めろ」
 美樹の声に驚いた様に画面が再びブラックアウトした。叫び続けていた綾の悲鳴が唐突に途切れる。その悲痛な声は会議室に残っていた全員の内耳の中で、荒れる海の中で群れからはぐれた一匹の魚が必死に自分の群れを探しながら、悲痛にあても無く彷徨う様にいつまでも鳴り響いていた。
「綾さんは……まだ大丈夫です……」と、紬が震える声で言った。美樹がゆっくり頷いた。
「あの人妖の言葉を信じる訳ではないが、抵抗の様子を見る限り綾はチャームに耐性が出来ているらしい。まだ希望はある」
「望みは薄いと思いますが。これは二種間前の映像ですので、その間に汚染は進行しているとすると……」
「その二週間の間にどうにでも動き様があったのに、放っておいたのはお前達だ。それに、まだ二週間しか経ってないのだろう? 大丈夫かそうじゃないかはいずれわかる。まずは救出させてもらう」
 美樹が画面の中の人間の言葉を遮って言い放つと、紬がようやくハンカチを取り出して涙を拭った。シオンが紬の頭を軽く撫でると、ゆっくりと立ち上がる。
「そう言えば昨日、カンヤム・カンニャムが手に入ったんです」
「何だそれ?」と美樹が聞くと「リラックス効果が高くて、もの凄く綺麗なオレンジ色の紅茶なんですよ」とシオンが答えた。
「綾ちゃんはチェスで言えばナイトなんです……。独特な動きで相手の懐に切り込んで行ける優秀な駒なんですが、一歩間違うと敵陣の中で孤立してしまう……。まるで窒息した魚の様に藻掻いても藻掻いても、水はどんどん押し寄せて独りでは何も出来なくなってしまう。だから、ビショップやルークがフォローして実力を発揮させてあげないといけない。もちろんビショップやルークだってナイトに助けられることも多々あります」
 美樹は「お前の話は何が言いたいのかはわかるが、回りくどい」と言って静かに笑った。
「私は綾ちゃんとまたお茶が飲みたいんです。もうそろそろ綾ちゃんの学校が終わる時間ですし、早速お茶に誘ってみます」
 オペレーターが慌てて止めようとしたが、シオンは構わず部屋を出て行ってしまった。綾と直接会う気であることは明らかだ。危険ではないかという声があちこちから上がる。
「あいつはあれで意外と頑固なんだ。下手に止めると蹴られるかもしれないぞ? あいつの蹴りは結構痛いからな」と美樹は楽しそうに、本当に楽しそうに言った。席を立って紬の横に来ると、髪の毛を乱暴にくしゃくしゃと撫でる。紬は困り笑いの様な表情を浮かべて小さく悲鳴を上げた。
「作戦は救出で決まりだ。その後にあの人妖を倒す」
 全員の視線が美樹に注目した。モニターの電源は、向こう側からの操作で既に落ちていた。

ERROR CODE:AYA 最終回です。
すみません、今回はいつにも増して文章滅茶苦茶な上、腹パンチ分少ないです。

エンディングも数パターン作りましたが、ダラダラ長いよりはある程度すっぱり終わらせて、続きが想像出来る物がいいと思い、こちらにしました。

ではどうぞ↓





「うぐぅっ! がっ……げぷっ……うぶぅぅぅぅっ!?」
 時間的には十五分か二十分程度であっただろうが、いつ終わるとも分からない責め苦に、綾からは徐々に時間の感覚が無くなっていった。
 肉で肉を打つ湿り気を帯びた音と、無理矢理内蔵を吐き出させられている様な綾の悲鳴が、静かにむき出しのコンクリートで出来た床と壁に吸い込まれていく。
 何度も何度も、角張った岩の様な拳に滑らかな肌と胃を押しつぶされ、ぐぽっという粘ついた音と共に綾の喉が蠢いたと思うと、大量の胃液が綾の口から逆流し、コンクリート剥き出しの床を汚した。
「ぐぶっ?! ぐえぇぇっ?! ヴぇぇぇぇっ!」
「相変わらず良い反応ですね……。貴女の様な可愛い顔が崩れる様を見るのは本当にたまりません。とどめですよ。死なない様に気をしっかり持ちなさい」 
 涼の呼吸は既に獣の様に短く、荒々しくなり、左手で綾のセーラー服を更にまくり上げると、全体重を乗せた凶弾が逃げ場の無い綾の腹部を容赦なく押しつぶした。跳び箱はミシミシと悲鳴を上げると、一段目の側面に大きな亀裂が地面に向かって走った。
 綾はひゅうっと音を立てて身体の中に残っていた最後の空気を吐き出すと、その衝撃で瞳が完全に瞼の裏に隠れ、ポンプを止められて水面に酸素を求める金魚の様に口をぱくぱくと痙攣させた。
「……跳び箱の布地の感触が分かるほど、深く入ったな」
「うあああっ……あっ……ああっ……あああ……」
「ほう、素晴らしい……まだ意識を保っているか。あの攻撃をよく耐えましたね。ご褒美に、完全に堕としてあげますよ」
 涼は綾を抱え上げると、足下に敷かれているマットの上に仰向けに寝かせた。自分も正座する様な姿勢で座ると、綾の頭を自分の左ひざの上に乗せる。
「ほら、一番濃いのをあげましょう。口を開けなさい」
「あ……やっ……やだ……むぐぅっ! んぐぅ……」
 涼はすぐさまスラックスのファスナーを下げ、ガチガチになった男根を解放した。先は既に透明な粘液でぬらぬらと光っている。ほとんど身体の自由が効かなくなった綾の口にそれを突入れるのは容易なことだった。
「んぅっ……んぐうっ……んむっ……」
 涼はゆっくりと男根を抜き差しし、綾の舌のザラザラした感触を味わった。綾の唾液の粘度が濃くなっていくのに比例して、涼の先走りも徐々に濃度を増してゆく。
 人妖特有のチャームの濃度も増し、口に入れられた男根が軟口蓋を貫いて、まるで直接自分の脳を犯されている様な不気味な、しかしどこか心地いい様な感覚が綾を襲い、ゾクゾクと全身が粟立つ。
「くぅぅぅっ……最高だな……。そろそろチャームも回ってきたでしょう? さぁ、自分から舐めるんだ」
 涼は綾の頭を固定し、亀頭だけが口の中に入る様に男根を抜いた。涼のそれは常人よりも二周りほど大きいものだったが、綾は口腔内に僅かに空いたスペースを使って、円を描く様に舌で亀頭を舐め上げた。
「そうだ……上手いぞ……。ダメージも落ち着いて来たみたいですね。じっくり味わいなさい」
「うむっ……むぁ……じゅるっ……むふぅ……」
 母親に抱かれてミルク瓶を吸う子供の様に涼の男根に奉仕を続けるうちに、綾の頭にかかる白い靄は増々濃くなり、本能が更に濃いチャームを求める。チャームを掬い取る様に舌先で尿道をくすぐり、時折強く吸引する。
「くっ……そんなに強く吸うと……出ますよ……」
「んむっ……んふうっ……出して……ドロドロのやつ……たくさん……はむっ……じゅっ……じゅるっ……」
「どこに欲しいんだ? 溺れるほど出してやるぞ……」
「じゅるるっ……く、口に……欲しい……いっぱい……んぐっ?! んぅっ! んんんつ!」
 涼は綾が言い終わると同時に頭を固定し、強引に腰を前後させて綾の口を犯した。強いストロークのため、綾の左頬が跳ね上がった男根の形にぽこぽこと膨らむ。綾は目を大きく見開き、両端から涙を流しながらもその時を待った。
 瞬間、亀頭が破裂しかたと思うほどの勢いで、綾の口内に熱い粘液が溢れた。ポンプの様な勢いで舌の上を濁流が流れ、食道を通って胃を焼いた。
「んぶっ?! んううっ?! ごっ……ごくっ……じゅるるっ……」
「ううっ! し、搾り取られる……」
 放出は涼自身が驚くほど大量なものだった。男根がちゅぽんと音を立てて勢いよく綾の口から抜けても放出は止まらず。綾は目を細めて顔や髪。上着や舌に絡み付く白濁を受け止めた。
「ん……ぷあっ! あ……あはあぁぁっ! あっ……うあぁ……こんなに……ああっ……はあぁ……すごい……」
「くふぅ……どうでしたか……? 待望のチャームは……?」
「あぁ……はぁ……はぁ……すごぃ……これ……好きぃ……」
 放出が終わり、綾の顔は湯気が立つほどの大量の白濁で埋め尽くされた。綾はうっとりと涼の男根を見つめ、わずかに頬擦りする様に顔を近付ける。涼が綾の頭を撫でながら「まだ欲しいですか?」と聞くと、小さく頷いた。
「なら、次は本物の精液を味わってみなさい。友香、扉を開けなさい」
「え……友香?」
 綾がハッとして体育倉庫の扉を見ると、軋んだ音を立てて扉が開かれ、上代友香がゆっくりと倉庫内に入ってきた。綾の現状を目の当たりにすると、すぐに目を伏せる。
「友香、言われた通りにしましたか?」
「はい……私のクラスの男の子が残っていたので……先生から頂いた注射をしました。四人います……」
「それはよかった。では、入ってもらいなさい」
 友香が促すと、四人の男子生徒達が虚ろな目をしたまま倉庫内に入ってきた。当然、全員の顔も名前も知っている。毎日同じ教室で会い、挨拶をし、同じ授業を受けているクラスメイトだ。冬休みを利用して、グループでスノーボードへ一緒に行った生徒もいる。
「え……み、みんな? やっ……見ないで……お願い……」
「安心しなさい。全員私の仲間が作った薬で理性を鈍化してあります。海馬にも影響するので、明日になれば全員今日のことは忘れるか、夢を見ていたと勘違いするほど曖昧な記憶しか残りません」
「で、でも……」
「もっと味わいたいのでしょう? いつも会っているクラスメイト達から、物の様にめちゃくちゃにされてみたいのでは?」
「あ……うぅ……」
 綾が困惑している間に四人の男子生徒達はゆっくりと綾の寝ているマットへ近づいて来た。ぶつぶつと小声で何かを呟いている。
「神崎……? うぉ……マジで神崎だ……」
「汁まみれじゃん……? なんだよ……彼氏いたのかよ……」
「俺達もやっちゃっていいんだろ……?」
「最後まではしない様に、それ以外は、好きにしなさい」
 涼が立ち上がって綾から距離を取ると、すかさず四人が綾を取り囲み、上半身を触り始める。
「あっ……やめっ! だめ……うぁ……」
「いいだろ……今まで何回も神崎で抜いたんだし、やっと本物を味わえるぜ。しかし、近くで見ると本当にでかい胸だな……たまんねぇ……」
「神崎さんのこと、ずっと見てたんだよ? ずっとずっと、したくてたまらなかったんだよ……」
「本当は付き合ってこういうことしたかったけど……もう、我慢できないよ……」
「ほら、神崎のせいでこんなに大きくなっちまったよ。責任取れよな……」
 それぞれがうわ言の様に呟きながら綾の胸や髪を触りまくり、男性器を擦り付けてくる。一人は胸にむしゃぶりつき、もう一人は綾の明るいライトブラウンの髪の毛を男性器に巻き付けてしごきはじめ、別の一人は男性器を綾の口内に侵入させようと試みる。もう一人は遠巻きにそれを眺めながら一心不乱に男性器をしごいていた。
「あああっ……やあっ……こんな……みんなに……んむっ?! れるっ……むぐぅっ……」
「うあっ!? すげ……神崎が俺のをフェラして……」
「ほら、自分でしごいてみて? 綺麗な髪してるんだから、有効に使わないとね」
「うおっ?! 挟んだだけで出そうだ……溶けかけた温かいマシュマロに包まれてるみたいで……。俺のが全部隠れちまったぜ。う……動くぞ……」
「神崎さん……綾さん……あああああっ!」
 先ほど涼が放出したチャームを潤滑油代わりにして、ぐちゅぐちゅと音を立てながら四人が思い思いの欲望を綾にぶつける。上半身を犯されている綾も次第に顔が蕩け、遠慮がちに舌や手を動かして男子生徒に応える。
「んっ……ぷあっ……れろおっ……あ……胸……擦れて……気持ちいい……じゅるっ……じゅっ……んぅ……これ……おいしい……おいしいよ……」
「うっ?! やべ……急に乗り気になって……す……すげぇ吸いつきだ……」
「ああっ! か、髪が……しゃりしゃりして……すご……」
「乳首立ってるぜ……ったく……やらしい身体しやがって」
「ああ、綾さんがめちゃくちゃにされてる……あの綾さんが……」
 中にいる全員の汗や体液が混ざり合い、決して広いとは言えない体育倉庫の湿度は瞬く間に上昇した。スチール製のラックや鉄製の扉にはうっすらと結露が見てとれる。
 しばらく遠巻きに綾達の痴態を眺めていた涼は、友香の背後に回りその唇を吸うと、体操服の上着とブルマーの中に手を入れてその身体を弄びはじめた。
「ふあっ……せ、先生……」
「親友の痴態を見て我慢出来なくなったのですか? さっきからずっと太腿を摺り合わせて……そんなに慌てなくてなくても、近いうちに綾と二人同時に犯してあげますよ」
「あっ……はぅ……ふあっ……」
 涼が友香の下腹部に忍び込ませた手を動かすと、粘ついた水音が友香の耳にも届く。友香は身体の奥から溢れる声をかみ殺しながら、腕をそっと涼の頭にまわした。
「で、出る……このまま顔にかけるぞ……」
 綾の胸を犯していた男子生徒が限界の声を上げ、スパートをかける。肉と肉がぶつかる湿っぽい音が響くと、他の三人も綾を取り囲んだ。湯気の立つ男性器に囲まれて綾の目が泳ぎ、表情に若干焦りの色が浮かぶが、すぐに目を細めてうっとりと何かを期待する様な表情に変わる。
「ぷはっ……だ……出すの……? ま、またいっぱい、白いのかけられるの……? や……これ以上されたら……」
「あああっ、髪がしゃりしゃりって擦れて、気持ち良い……僕も出すよ? ドロドロに濃くて洗っても落ちないくらい濃いのを髪の毛の中で出してあげるよ……?」
「俺も……もう、やべ……舌が、ねっとり絡み付いて……」
 五人の荒い呼吸が混ざり合い、室内に湿った音を響かせる。男子生徒達は一瞬でも射精を遅らせて快楽を長く味わおうと試みるが、すぐに限界を迎えて四人同時に射精した。
「あああっ、やあっ……ごぼっ?! うあああっ?! あ、熱いぃっ!」
 湯気の立つ大量の白濁が雨の様に綾の上半身に降り注ぎ、胸から上を真っ白に染めていった。口の中はすぐに呼吸が出来ない程の精液で溢れ、目はまともに開けていられないほどの白濁で覆われた。
「ああっ! 出るっ!」
「ぐっ……ううっ!」
「綾さん……綾さん……あああっ!」
「し、舌出して! ほらっ!」
「ん……えぁ……えうぅ……」
 男子生徒の放出が終わると、体育倉庫内には特有のむせ返る匂いで充満した。
 綾の上半身は元の肌の色が分からないほど白く染まり、肩で息をしながら、自分のセーラー服に染み込みきれずにゼリーの様に震える精液を呆然と見つめていた。
 涼が手を叩くと、男子生徒はたちまち無表情になり、脱ぎ散らかした自分の学生服を抱えると、ゆっくりとした足取りで体育倉庫を出て行った。
「どうですか? クラスメイトに玩具の様に扱われて、ただの性欲のはけ口として扱われた気分は?」
「あ……頭の中……蕩けそぉ……。はぁ……フワフワする……」
「近いうちに友香共々、一緒に犯してあげましょう。その時はあなたの純潔も頂きますので、そのつもりで」
「あ……は……はぃ……」
 綾の目に自然と涙があふれて来た。
 もう自分は後戻りが出来ない。アンチレジストのことが頭の片隅に浮かんだが、この麻薬の様なチャームの快楽からは、とてもではないが逃げられそうも無かった。
 視界の隅に親友の顔が写る。微笑みを浮かべながら泣いている様に見えた。「友香……ごめん……私……負けちゃった……」と呟きながら目を閉じる。
 閉じられた目から一筋の涙が頬を伝ったが、すぐに男子生徒の精液と混じり合って分からなくなった。



 十七時四十五分。
 今日一日の終わりを告げるチャイムが響くと、生徒達は思い思いに伸びをしたり、自分の周囲の生徒と話をしたり、携帯を取り出したりした。
 男子生徒と女子生徒のグループが綾の元に来る。
「なあ神崎、今日カラオケ行かねー?」
「中間テストも今日で終わりだし。久しぶりにパーっと騒ごうよ」
 全員開放感のある清々しい顔をしている。中には目の下にクマを作った生徒もいるが、ひとまず「一言も話さずにテストの問題を解け。ペンや消しゴムを落とした時は自分で拾わずに、ドジりましたスミマセンという気持ちで申し訳無さそうに手を挙げろ」という厳しいノルマは終わったのだ。そのテストが返されるのはまた別のお話。
「あー……ゴメンね。今日もちょっとバイトが……」
 綾が片目を閉じながら自分の唇の前で拝む様に手を合わせると、回りを囲んでいた生徒達が不満の声を挙げる。
「えー、またぁ? 最近付き合い悪いよー!」
「じゃあもう神崎のバイト先に行こうぜ! どっかの飲食店? もしかしてメイドカフェとか…………ぶっ?!」
「おぉー、見事なツッコミ」
「ちょっと! あんまり綾を困らせないでよ!」
「だって見たいじゃんか! 神崎のメイド姿! ツリ目で巨乳のメイドとかすっごいそそる……ぶふっ!」
「い、つ、か、ら、綾のバイト先がメイドカフェに決定したのよ?!」
 綾が困り笑いの様な表情を浮かべながら、男女がじゃれ合っている様子を見つめる。相変わらずみんな仲がいい。

 でも、ここにいる男子全員の精液の味を、自分は知っている。

「あの、私のことは気にしないで、今日はみんなだけで……ひぐっ?!」
「綾?」
「どうした? うわ、お前凄い汗かいてるじゃんか?」
「あっ……だ、大丈夫……ちょっと体調が……ゴメン、バイトに遅れるからもう行くね……」
「う、うん……」
「おう……お大事にな……」

 フラフラと教室を出ると、転ばない様に壁に手をついて、注意しながら階段を下りる。自分の下半身から響くモーターの音を、みんなに悟られないでよかった。今日は涼が教育委員会への出張で一日居ないため、自分の変わりに入れておけと命令されたものだ。ランダムなタイミングで振動するから、声が漏れるのを堪えるのにずいぶん苦労した。
 何とか正門を抜けた所でまた大きく振動して、ビクリと背筋が伸びる。
 今日のアンチレジストの定例会議中に振動しても、何とか耐えてごまかさなければいけない。全員異様に勘が鋭いから、細心の注意を払わなければ。特にあの……。
「綾ちゃん……ちょっといいですか?」
 エルメスのシルクスカーフで包まれた様な柔らかい声が背後から自分の耳に届き、綾はゆっくりと振り返った。
「珍しい紅茶が手に入ったんです。会議まではまだ時間もありますし、よかったら味見してくれませんか?」
 ああ、ダメだった……。
 腰まである長い金髪を晩夏のそよ風になびかせて、軽く小首をかしげながら微笑んでいるが、瞼の奥にある綺麗な緑色の瞳はきっと笑ってなどいないだろう。
「チェスでもしながら」と続けた金髪の少女の右手には、人差し指と親指で挟む様に、黒いナイトの駒が握られていた。





EИD

ちょっと長くなり過ぎたので、2回に分けて「ERROR CODE AYA」の残りを更新します。
エピローグを除いて、あと1回で終了の予定です。

前回更新より時間が空いておりますので、過去のERROR CODE AYAを読んでいただいた方がいいかと思います。


また、雰囲気を盛り上げるためラストに挿絵の一部(表情部分のみカット、正規品はカラーです)を公開しております。
過去作品より凄惨な感じになっておりますので、苦手な方はご注意下さい。


では、よろしくお願いします。




 ぐぢゅり、という厭な音が綾の体中に響き、鼓膜に届いた。心臓のリズミカルな動きを衝撃で無理矢理歪められる。
 めり込んだままの拳が周辺の組織を巻き込んで抉る様にかき回されると、まるで心臓を直接鷲掴みにされた様な不気味な感覚が綾を襲った。
「ゔっ……ッ……?!……うぐぅっ!?」
 横隔膜が引き千切られた様な感覚。重篤な呼吸困難と、絶え間なく襲って来る、世界が反転する様な苦痛と吐き気。手足が痙攣し、身体がバラバラになりそうになる。
 反射的に後方に下がって涼の腕を抜こうとするが、一瞬早く涼の手が綾の背中に回された。涼はそのまま自分の身体に綾を引き付けると、素早く鳩尾から拳を抜き、すぐさま綾の下腹部を突き上げた。
「げぽっ!? か……がぶっ!」
 鳩尾へのダメージがほとんど残った状態で胃を射抜かれる。おそらく自分の胃は内壁同士がくっつくほどぺしゃんこに潰れているだろう。
 拳が抜かれ腹部の陥没が戻らないうちに、どぽんという重い音と共に膝が撃ち込まれた。筋肉が弛緩した腹部が広範囲で陥没し、むき出しの皮膚がミシミシと音を立てる。
「ぐぼぉっ?! ごぶ……うあああっ!」
「くく……やわらかいな……」
 綾は急に腰から下の感覚が無くなった様な感覚に襲われ、崩れ落ちる様に両膝を付いた。両腕で腹を庇う様にしてうずくまり、口からあふれた唾液がセーラー服を押し上げている胸のあたりに染みを作る。
 涼は綾の髪を掴んで顔を上げさせると、苦しむ綾の表情を満足げに見下ろした。
「あっ……あぅぅ……あ……」
「もう終わりですか? まだ始まったばかりですが……」
「ぐっ……うああああああっ!」
 思考よりも先に、身体が行動を起こした。綾は力を振り絞り、涼の両足を抱え込む様にしながら、肩で涼の腰の辺りに体当たりした。
 無我夢中で放ったタックルに涼は受け身を取れず、したたかに後頭部を打ち、くぐもった呻き声を上げる。
 すぐさま綾が涼の腰に馬乗りになり、涼の顎を拳で打ち抜いた。地道に鍛錬を積んだ上、アンチレジスト特製のグローブで固められた綾の一撃は、その小さな小さな拳からは想像出来ない程重い。
 ガードの隙間を狙って立て続けに連打を浴びせる。数発は確実に顔面に入り、ごつ、ごつ、という骨と骨がぶつかる音がコンクリートの壁に囲まれた倉庫内に反響した。
「ぷはっ! はぁ……はぁ……はぁ……」
 綾は涼の手首を掴んで封じると、溜まった息を吐き出した。
 ほぼ無呼吸で連打を放ち続けたために体力の消耗が著しく、肩を大きく上下させながら息を整える。
 涼は口内を切ったのか、唇の端から僅かに血が垂れていた。
「ほう……すごいな。まだこれほど動けるとは。君を動かしているのは友人への想いかな? それとも仕事への責任感かね?」
「んくっ……はぁ……はぁ……ずいぶん余裕じゃない? 体勢的に私の方が有利なのよ。マウント取られてるんだから、そろそろ抜け出す努力をした方が良いんじゃない?」
「そうですか? 私は君の魅力的な身体が近くで見られるので、もうしばらくこのままでもと思うのですが」
「まだそんなくだらないことを……。このままノックアウトされても知らないわよ」
「それはありません。君のスタイルは素直過ぎる」
 涼は手を捻って綾の手首を掴み返すと同時に腰を跳ね上げ、綾の身体を一瞬浮かせた。そのまま両腕を引いて上半身を引きつけると、綾の額に自分の頭をぶつけた。
「あうッ?!」
 不意をついた頭突きを喰らい、綾の目の前に星が飛ぶ。
 綾が無意識に両手で額を押さえたために涼の手が自由になり、無防備になった綾の腹に強烈な一撃が埋まる。
「ぐぶッ?! うぁ……」
 ショート丈のセーラー服から覗くむき出しになった腹部に痛々しく拳が埋まり、口から溢れた唾液が涼のダークグレーのスーツに落ちて染みを作る。不利な姿勢からも涼は二発、三発と拳を埋め、軽い脳震盪を起こしていた綾は腹筋を固めることもままならずに全てを身体の奥で受け止めた。
「ひぐッッ! ゔあっ! ぐうっ! ごぇっ……ぅあ……」
 綾はたまらず涼の身体に覆い被さる様に倒れ込む。呼吸が不安定になり、身体が小刻みに痙攣しているのが涼にも伝わる。涼の耳元にある綾のうなじからは甘い汗の匂いが鼻腔をくすぐり、押し付けられた同年代のそれより発育の良い胸は否応無しに劣情をかき立てた。
「んくっ……はぅ……ふぅっ……はぁ……はぁ……うぁ……え? あ……んむっ……むぅ……んんんっ!」
 涼は自分の耳元で喘いでいる綾の顔を持ち上げると、半開きになっている綾の唇に自分の舌をねじ込んだ。強引に綾の舌を吸いながら甘噛みする。
「んむぅ! ん……くぅぅっ……じゅるっ……んんぅ……」
 ぴちゃぴちゃと卑猥な音が響く。脳震盪と、打撃により内蔵をかき回された衝撃で朦朧とする意識の中、口の中を温かい軟体動物が徐々にその身体を溶かしながら這い回る様な感触だけが妙にリアルに感じる。
 涼は舌を吸ったまま体勢を入れ替えて綾を下に組み伏せると、混ざり合った唾液を流し込んだ。
「んぅ?! んんんんんっ!」
 チャームだ。綾は飲んではいけないと理解しながらも、涼の舌が自分の上あごを絶妙にくすぐると、ごくりと大きく喉を鳴らして口の中のものを嚥下した。
 綾はなんとか涼の身体を押しのけようとするが、身体が上手く言うことを聞かずに力なく肩や腕を触る程度しか抵抗が出来なかった。徐々に頭の中に薄靄がかかってくる様な感覚と、身体の中心が熱を帯びてくるのを感じる。目が蕩け、呼吸が深くゆっくりしたものに変わってくる。
 涼が唇を離すと、興奮で粘度を増した唾液が糸を引きながら垂れ、綾の唇の周りを汚した。
「やはり君は特別だ、神崎綾。君の全てが欲しい……。けじめだ、完全に敗北させてあげよう」
 涼は綾のセーラー服のスカーフと、スカートの腰の辺りを掴むと、軽々と自分の頭の上まで抱え上げ、跳び箱の上に仰向けになる様に叩き付けた。
「あ……きゃあっ! あぐっ……ぁ……」
 申し訳程度の緩衝剤はほとんど意味をなさず、強烈に背中を打った衝撃に目の前がチカチカと明滅する。
「君が私に勝てるはずが無い。そういう風に出来ているんです」
「あぐっ……ッ……うあっ?! ああぁ!」
 涼が綾の腹部を撫でさすりながら問いかける。度重なる腹部への攻撃を喰らい続け、軽く触れられただけでも内蔵を直接弄ばれている様な不気味な感触が綾を襲う。
「脆い……。こんなに苦しい思いをして、君に何の得があるというのです? 責任を押し付けられた挙句、結局は我々の糧になるだけなのに」
「何で……そんなこと……私に言うのよ……? それに……けほっ……責任って……何のことよ……?」
 涼は問いかけには答えず、跳び箱の上に仰向けになっている綾のセーラー服を捲り上げると、腹部全体を押し潰す様にぐちゅりと拳を埋めた。
「げぼぉぉぉぉっ!? がっ! ああぁ!」
 涼はジャケットの右袖を捲ると、全体重をかけて拳を打ち下ろした。綾の柔らかな腹部は涼の拳と跳び箱のマットに挟まれ、打ち込まれるたびに無惨に形を変えていった。
「うぐぅっ!? ぐううううっ! こ……この……」
 綾は必死に歯を食いしばって涼の攻撃に耐えたが、重力を利用して人間離れした力で振り下ろす鉄槌を、ガードする暇もないほどの連打で撃ち込まれ、次第に脳に酸素が供給されなくなった。次第に意識は切れ切れになり、ただ、微塵の慈悲も無く無惨に潰されていく自分の腹部を朦朧と眺める様になった。
「げっ!? ぐうッ! がぶっ……ぐああああぁ! ゔっ……ぐぅっ……ごぶっ……うぇっ……」
 涼は攻撃のペースを一切緩めず、苦しみもがく綾の顔を覗き込みながら息も継げないほどの拳の砲弾を放ち続けた。
 跳び箱に寝かされた逃げ場の無い綾の腹部の、布の無い素肌をピンポイントに狙い、ゴツく骨張った涼の拳が、まるで杵で柔らかい餅をつく様に、何度も何度も綾の滑らかな腹部を痛々しく陥没させた。
「ほらほら、どうしました? 早くガードしないと大変なことになりますよ?」
 涼は穏やかに呼びかけながらも、拳の乱打は更に勢いを増して容赦なく綾を襲い続けた。既に綾の瞳孔は点の様に収縮し、焦点の合わない視線は泳ぎ続けた。



名称未設定

 施錠された薄い緑色の体育館の扉をマスターキーで開けると、涼は扉を開けて綾に入る様に促した。
「あんたが先に入ってよ……」
 綾が十分に距離を取り、睨みつけながら涼に言い放つ。涼は肩をすくめながら体育館の中に入ると、後から付いて来る綾を振り返ること無く体育倉庫に向かって歩き出した。
 月明かりの差し込む体育館は二週間前のあの日と何ら変わらない光景だった。磨き上げられた合板の床の上を綾のブーツと涼の革靴が踏みしめる音だけが大きく響いた。遠くの方から運動部のかけ声が微かに聞こえて来る。
 体育倉庫の扉の前に来ると、涼が両手で把手を掴み、軋んだ音を立てながら体育倉庫の重い扉をスライドさせた。金属で出来た生き物が首を絞め殺されたら、こんな悲鳴を発するのだろうかと、綾は何ともなしに思った。
「どうぞ。何もしませんから、先に中に入って下さい」
 涼がわざとらしく扉から離れて綾を促す。「ふん」と鼻を鳴らしながら綾が倉庫の中に入り、入り口から一番遠くの壁際で身構える。涼が綾に続いて倉庫に入り扉を閉めると、外部の音は一切聞こえなくなり、窓の無い密室独特のカビや汗の匂いが僅かに強くなった。
 文武両道を重んじる誠心学園の体育倉庫は様々な器具を無理無く収納するために一般的なそれよりもかなり広めに設計されている。部活動数が多いため、雨の日にも屋内で運動部が練習出来る様に白いマットは壁際ギリギリまで高く積まれ、授業で使う跳び箱やボール入れに混じって、身体トレーニング用のベンチプレスやダンベル、クランチに使う台等かなりの数が置かれていた。
「これで邪魔は入りませんし、この適度な広さなら思い思いに戦えますね。簡単に距離を取ることも出来ず、好きなだけ殴り合える。多少声を出しても外には漏れない。私だってこの二週間ずっと貴女を待っていたんですから、楽しませてもらいますよ」
「私を待ってた? 友香だけじゃなく、他にも罪の無い女の子を襲ってることは知ってるのよ! いつか手痛いしっぺ返しが来るわよ。たぶん今日だと思うけど……」
「襲う? これは心外ですね。あの友香の満足げな顔を見たでしょう? 私は彼女達と利害が一致したから行為に及んでいるだけです。彼女達は快楽を得られ、私は生命活動のための養分を得られる。誰も損をしない。子孫を残す目的ならまだしも、自分勝手に快楽のみを求めたセックスを行い、挙句中絶や育児放棄の問題を未だに解決出来ないあなた方よりは、よほど建設的だと思いますが。私も片手間ながら教師という仕事をしている以上、この手の問題に直面する機会は結構多いのですよ」
「言いたいことはそれだけ……自分を正当化しようとして正論みたいに言ってるけど、女の子を利用していることには変わりないじゃない!」
 涼の眉間に僅かに皺が寄る。爬虫類の様に縦長に切れた瞳孔の奥に、微かな怒りと哀しみの色が浮かぶ。
「利用……か。本当にあなた達はいつもいつも、必要な時は散々持ち上げて利用しておいて、ひとたび都合が悪くなれば途端に手のひらを返して邪魔者、悪者扱いをする。下らなくて愚かで哀しい生き物だ。綾、貴女だには分かって欲しかったのですがね」
 涼のいつもならざる雰囲気に思わず綾が息を飲むが、頭を強く振ると一気に涼との距離を詰め、その整った鼻先に向けて拳を放つ。初弾は軽く受け流されるが、綾の猛攻は止まらず、嵐の様な拳の連打を放ち続けた。
 涼は顔の前で両腕をクロスさせ、握った手の甲を外側に向けて完全防御の体勢を取る。腕の骨がミシミシと音を立てるほどの衝撃が涼の身体に響いた。
「あああああッ!」
 気合いとともに放たれた綾の渾身の力を込めた右ストレート。
 涼の両腕のガードを突き破り、喉仏の下から鎖骨に掛けて拳が埋まる。
 衝撃でほこりを巻き上げながら後方へスライドする様に後ずさると、ゆっくりとガードしていた腕を開いた。
「ほぅ……凄いラッシュだ。まだ腕の感覚が戻りません。それに最後の一撃はガードしていなければ重度の呼吸困難か、最悪首の骨を折られていたかもしれませんね」
 涼が拳を握ったり開いたりして感覚を戻そうとしているが、まだブルブルと震えて感覚が戻っていないようだ。
「悪いけど今日は本気で壊しに行くから、今の内から覚悟しておいた方がいいわよ」
 自分を奮い立たせる意味も含めて、あえて威圧的な言葉を言い放つと同時に涼に向かって距離を詰めた。
「はああああッ!」
 綾の全力のボディーブローが涼の脇腹へ吸い込まれた。綾の拳に固い筋肉を打ち破って柔らかい内蔵の感触が伝わる。このまま言葉も発せずに昏倒させられる手応えだった。
 綾は涼の反応を見ようと顔を上げるが、涼は無表情で綾を見下ろすと、ゆっくりと口を開いた。
「すばらしい攻撃だ。ここまで練り上ることが出来たのも、あなたの才能だけではなく、並々ならぬ努力があったのでしょう」
(効いていない!?)
 穏やかな涼の声が綾の耳に届き、綾の足下から脳天へ向けて悪寒がせり上がって来た。綾は本能的にバックステップで後ろに下がる。
 一瞬遅く涼の左手が蛇の様に動き、綾のショート丈のセーラー服から覗く腹部に一撃を見舞った。
「がっ!? ぐうぅっ……」
 バックステップと、咄嗟に半身を切って攻撃を受け流す。拳がかすめた腹部を押さえながら態勢を立て直すが、距離を詰めてきた涼のローキックが綾の太腿を斜め上から襲った。
「あうっ!」
 左膝から下が無くなった様な感覚。
 綾がバランスを崩した所に追い討ちをかける様に、涼の膝が綾の下腹部に埋まった。
 ぐじゅりという音と共に、自分の子宮が痙攣する感覚が脳に届いた。衝撃で溢れた粘度の高い唾液が口内に溢れ、飲み込めない分は飛沫となってコンクリートの床に落ちる。
「…………!?………ッ…………ごぶぅっ!?」
 綾は両腕で腹を抱える様に押さえながら、両膝をついてうずくまる。息が継げず、口から絶えず唾液を垂れ流しながら喘ぐ。普通であればとうに戦意を喪失してもおかしくない状態だ。
「あっ……はっ……ッ……!? あぁっ……かはっ……」
 しかし、涼の影が視界に入った瞬間に綾は反射的に動いていた。
「………ああああっ!!」
 立ち上がる勢いを利用して、涼の顎を目掛けて拳を放つ。
 綾の拳は涼の顎を跳ね上げる前に手首を掴まれ勢いを止められるが、連鎖的に放った膝蹴りが涼の股間に入った。
「ぐっ……おおっ……」
 ダメージはほとんど無い様子だが、涼との距離を取ることに成功した綾は壁際まで後ずさり、未だに鈍痛が治まらない下腹部を押さえながら呼吸を整える。
「はっ……はぁ……はぁ……」
「良い攻撃だ。身体能力だけでなく、精神力も素晴らしい。あれほどの攻撃を受けながら、まだ立ち向かって来るとは。あなたと敵対していることが本当に惜しいですよ」
「生憎……私は敵対していることに感謝しているわ……」
「それは残念だ……。ところで……何故あなた方と我々は敵対して戦うのか、疑問を感じたことはありませんか?」
 綾の目がキョトンと丸くなる。
「全ての物事には理由があります。何らかの結果や行動が行われている場合は、それに対する原因や目的があってのこと。では、何故あなた方は我々と戦うのか……?」
「それは……あんた達が人類の敵だからでしょ? 自分が生きるために人間を利用しているんだから、人間と敵対するのは当然じゃない!」
「そうですか……。まぁ、ここで理屈を捏ねてもなにも始まらない。ただ、限りなく人類に近い我々も、ボウフラの様にそこら辺の水溜りから湧いて出た訳ではない。結果には原因が、行動には目的がある様に、我々にもそれがある。もちろんあなた達、アンチレジストにも……。しかし現実は、本当の意味での理由や目的を知っている者はごく一部だ。それ以外の大多数はチェスボードの上の駒に過ぎない。ポーンでさえクイーンでさえキングでさえ、チェスボードの外側に居るプレイヤーの匙加減一つで生死が決まってしまう。もちろん貴女も……ポーンとは言わないまでも、ナイトといった所でしょうか」
「そんなトリッキーな動きをしているつもりは無いわ。興味深い話だけど、今はアンタを倒すことに集中させてもらう」
 呼吸が整い、綾が涼に対して攻撃態勢を取ると、寄りかかっていた壁から背中を離して涼との距離を詰める。
「生憎……」
 綾は自分の真横から涼の声を聞いた。
 今まで視界に捕えていた涼の姿は一瞬で消え、気がつくと綾の真横に涼が立っていた。
 一瞬の出来事に綾の思考回路が対処しきれずにいると、ずしりという強い衝撃が響いた。鳩尾に砲丸を埋められた様な感触が綾の身体の中心から全身へと広がった。
「私も元は駒だったのですが、チェスボードから転がり落ちましてね。今はプレイヤーの一人なんですよ」
「あ…………え………?」
 綾が恐る恐る視線を下に移す。
 鍛えることが不可能な柔らかい鳩尾には涼の拳が手首まで埋まり、そのまま心臓を抉る様に埋まったままの拳が捻られる瞬間が目に飛び込んできた。

続きです。


 あの忌々しい日から二週間が経とうとしていた。
 組織から支給されているマンションの一室。部屋の中に降り注ぐ光は徐々にオレンジから濃紺に変わりはじめ、昼間は蒸し暑かった気温も今では肌寒いくらいに下がっていた。
 綾はパジャマ姿のまま、部屋のベッドの上でお気に入りのぬいぐるみを抱え、呆然と虚空を見ていた。
 検査を含めた二週間の入院の後、退院してからも綾は組織に顔を出す以外はほとんど外出せず、学校も休学していた。
「はぁ……」と、無意識に綾の口からが溜息が漏れる。
 綾の退院を待って開かれた会議の雰囲気は、まるで重油で会議室全体を満たしたかの様に重いものだった。
 いつも冷静な綾専属のオペレーター、紬が珍しく沈痛な表情で、誠心学園で更に二人の行方不明者が出たと報告した。涼による犯行であることは明白であり、報告を聞いた綾はまるで崖から突き落とされた様な気持ちになった。
「私の……せいだ……」
 綾がぽつりとつぶやいた言葉は曖昧に部屋の中に溶けて消えた。
 綾だけが、自分を責めていた。
「あの時、私が涼を止めていれば……」
 誰も綾を責めなかったし、むしろ無事に帰還したことを喜んでくれた。病院の検査ではチャームは少量しか吸収されておらず、精神を完全に支配されるレベルには至っていなかった。
 奇跡的な帰還であったし、組織としても綾ほどの逸材を失わずに済んだことは大きかった。
 だが綾の気持ちは、むしろあの場で堕とされていた方が良かったと思えるほど落ち込んでいた。上級戦闘員である綾が敗北した以上、一般戦闘員を向かわせるわけにはいかない。しかし、決して多くはない上級戦闘員は全て他の人妖討伐に向かっており、やむを得ず誠心学園の件は野放しの状態になっていた。
「私が……やらなきゃ……」
 綾が呟くと、あの夜の出来事が脳裏にフラッシュバックした。口内にねじ込まれた、ゴムを巻いた鉄棒の様な涼の男根の感触と、それが全て溶け出したと錯覚するほど大量に放出された熱くて濃いチャームの味が蘇る。
「うぷっ!?」
 反射的に吐き気がこみ上げ、左手で口元を押さえる。しかし、なぜか下腹部の辺りが徐々に熱くなってくるのを感じた。
(なんで……? 好きでもない人に、無理矢理されたのに……)
 散々腹を責められ、ファーストキスを奪われ、大量に白濁を浴びせられた。その後は朦朧としていたとはいえ、フェラチオをしてしまった。
 今までの生活の中で、将来出来るかもしれない恋人にならまだしも、自分があの様な行為をするとは考えてもいなかった。
 しかし、わずかに吸収されたチャームの影響か、帰還してから綾自身も自らの身体の中に僅かに疼く熱を感じずにはいられなかった。あの日から毎晩の様に夢に見るあの夜の出来事と、その続き……。口での奉仕の後、涼に犯され、嬌声を上げる自分自身……。目が覚めた時にいつも襲ってくる嫌悪感と、否定出来ない身体の疼き。
 綾は強く頭を振ると、ぬいぐるみを枕元において立ち上がった。
「倒さないと……。あいつを倒さないと、私は前に進めない!」
 綾はパジャマと下着を洗濯カゴへ放り込み、シャワーを浴び終えるとクローゼットを開け、戦闘服のセーラー服とグローブを身につけて誠心学園へと向かった。




 既に日は完全に落ち、透明感のある清涼な風が、澱の様にこびり付いた昼間の熱気を押し流す様にグラウンドを吹き抜けていた。
 この時間でもまだ練習を続けている野球部やラグビー部のかけ声が、綾のいる裏口まで響いて来た。
 綾は自転車を漕いで誠心学園の裏門へ到着すると、非常口から校舎内に侵入した。母校なのに侵入というのも妙な話だが、戦闘服に着替えた今の姿を部活動を終えたクラスメイトや友人に見られると厄介なことになる。誰にも会わずに涼を倒さなければならない。
 グラウンドとは違い、校舎内は生徒もほとんど残っておらず静かなものだった。教師が残務処理をしている職員室を身を屈めて横切り、突き当たりのT字路を曲がって重厚な扉が構える校長室の前まで来ると、綾は深く深呼吸をした。
 自然と身体が小さく震えて来るが、意を決して扉をノックする。一瞬間を置いて、中から涼の「どうぞ」という声が帰って来た。綾は息を止めてドアを開けた。

 水音が部屋を満たしていた。
 聞いたことのある水音だ。
 部屋の中は、その部屋の主のものである年代物のデスクとチェアが威圧する様に鎮座し、入り口のそばには磨き上げられた応接セットが設置されていた。
 ダークブラウンのカーペットとコーディネートされた趣味のいいアンティークのそれらはおそらくかなり高価なものだろうが、真っ先に綾の目に飛び込んで来たのは涼の姿と、その足下に跪いて一心不乱に涼の男根にしゃぶりついている行方不明になった親友、上代優香の姿だった。
「やぁ、そろそろ来る頃だと思ってましたよ」
 デスクの横に立っている涼が、まるで数年ぶりに再会した友人に話しかける様に、穏やかな口調で綾に言った。綾は涼の言葉など耳に入っておらず、視線は友香に釘付けになっていた。
「……ゆ…………友香………何……して……?」
「ああ……『これ』ですか? 少し待っていて下さい。もう少しで……」
 涼が友香の頭を掴んで激しく前後に揺すると、水音が更に激しくなる。
「ん!? んぅっ! んんんぅ!」
 じゅっぷじゅっぷじゅぷじゅっぷ……。
「や、やめろ!」
 綾が本応的に涼に飛びかかり、右の拳を顔面に向けて放つ。
 涼は素早く対応して綾の拳を捌くと、布地に守られていない腹部に裏拳を埋めた。
 我を忘れていたためか、綾は衝撃に対して何の防御も出来ず、綾は悲鳴を上げることも出きずに嘔吐いた。 
「!? か……ッはっ……」
「そうやってすぐに熱くなるのが貴女の悪い癖だ。すぐに終わるからそこで見ていなさい」
 綾は両手で腹部を押さえながら、両膝をカーペットに突いて苦痛に耐える。本当はすぐにでも反撃に出たかったが、的確に肝臓を貫かれていて身体の自由が利かなかった。
「ゆ……友香……」
 綾は祈る様な目で友香を見るが、友香の視線に綾の姿は入っておらず、ただ涼の男根を猫じゃらしを目の前にぶら下げられた猫の様に目で追っていた。
「ああぁ……先生……は、早く、ご奉仕させてください。それ……友香にしゃぶらせて下さい……」
「いや、ちょっと急用が出来たのでね。先にご褒美を上げましょう。親友の前でその堕ちた姿を存分にさらけ出しなさい。さあ、舌を出すんだ」 
「あ……ご、ご褒美……ぇあ…………」
 友香は言われた通りに舌を出して、薄目を開けて嬉しそうに涼を見上げている。親友のあまりの痴態に綾はただ首を振ることしか出来なかった。
「くっ……いやらしい顔をして……綾、見えますか? いまからこのだらしない友香の顔を、どろどろに汚しますよ。よく見ておきなさい」
 涼は友香の顔を狙って勢いよく男根をしごくと、何の躊躇いも無く友香の顔中に白濁をぶちまけた。
「くッ……ふっ……! 出るぞ……おぉっ!」
「ぷあっ!? あぶっ、えあぁ……」
「くぅッ! おおっ……」
 白濁は勢いよく飛び散り、友香の顔は見る見るうちに真っ白に染まっていた。口の周りを中心に目も開けていられないほど大量にかけられ、重力によって垂れた粘液は顎から床のカーペットにゼリーの様に溜まって行った。
「ふぅぅっ……ははっ、二週間前の君みたいだな。なぁ、綾?」
「友香……お前は……お前だけは、絶対に許さない!」
 綾は震える膝を押さえてようやく立ち上がると、涼に対して身構えた。涼はやれやれと首を振ると机の引き出しからタオルを出して友香の頭にかける。
「熱くなるなと言っているでしょう? ここは職員室も近いですし、大声を出すと他の教師や生徒に気付かれかねない。どうですか、体育倉庫に移動してみては? 貴女にとっても因縁の場所だと思いますが」
「望むところよ……」
 綾が力一杯拳を握りしめると、グローブがギチギチと音を立てて軋んだ。涼が唇だけを歪ませる嫌な笑みを浮かべると、机の引き出しから学校のマスターキーを取り出し、ドアの方へ歩いて行った。
「では、行きましょうか。この時間なら体育館は施錠されていますから、もう生徒は外の男子運動部しか残っていないはずです。時間はたっぷりありますから、楽しみましょう」
 涼が意味ありげな笑みを浮かべて部屋を出ると、綾もそれに続く。振り返ると、虚ろな目をして床に座り、カーペットにしみ込みつつある白濁を何ともなしに眺めている友香の姿が目に入った。
「待ってて友香……絶対に助けるから……」
 その声に友香はピクリと反応したが、すぐにもとの虚ろな表情に戻って行った。

皆様ご機嫌いかがでしょうか、number_55です。
まだ参加出来るか定かではありませんが、イベントの出し物やらIFストーリーの製作やらでてっきり更新が滞ってしまいました。
その間も毎日100を超えるアクセス、本当にありがとうございます。

さて、DL販売用に作成している綾編バッドエンドですが、文章はこちらで全て公開したいと思います(販売用は多少変更する可能性があります)。
文章のみでOKの方はこちらでお楽しみいただき、イラスト付きで読みたい方は後ほどDL販売にて購入して頂ければと思いますので、よろしくお願い致します。

基本的に正規ルートの綾編の途中から始まりますので、未読の方はそちらを読まれてからの方がいいかと思います。

ではどうぞ〜。







 涼は恍惚とした表情で綾の腹部に連続で拳を埋める。呼吸は既に獣の様な荒々しいものになり、トドメの一撃が綾の身体をビクリと跳ねさせると短い呻き声を上げた。
「うぅっ! くうぅぅぅ……たまらん……一回出すぞ……」
 涼は文字通り人間離れした力で綾の腕を拘束していた縄跳びを引きちぎり、目の前にひざまづかせた。そしておもむろにスラックスのファスナーを下ろすと一般男性の二周りほど大きい男根を取り出し、綾の顔の前で勢いよくしごきたてた。体勢的に真正面からそれを直視してしまった綾は、一瞬で何が起こるか、自分が何をされようとしているのかを理解する。
「えっ……? うそ……まさか……いや、いやぁぁ!」
「くぅぅ……たまらんな……その顔……。ほら、たっぷり出すぞ! 受け止めろっ!」
「あぶっ! なっ……ああああっ!」
 涼は何の躊躇いも無く綾の顔を目掛け、男根から信じられないほど大量の白い粘液を浴びせかけた。
 綾は本能的に嫌悪感を感じ顔を逸らそうとするが、涼は一瞬早く綾の頭を掴み正面を向かせたまま固定すると、どくどくと脈打つ様に異常なほど大量な白濁を浴びせ続けた。
「ほら、まだ止まらないですよ。ちゃんと舌を出してたっぷりと受け止めなさい」
「あ……あうっ……ぅぁ……えぅ……まら……れてる……」
 涼が命じると、度重なったダメージで朦朧とした意識の中、綾は素直に舌を出して多量の粘液を受け止めた。あどけなさの残る顔でうっとりと涼を上目遣いで見上げ、舌で白濁の粘液を受け止める様子はこの上なく背徳的で、涼の興奮は最高量に達していた。
 涼の放出は数十秒続き、綾の髪や顔中、口内や上半身までもどろどろに染め上げていった。
「えぅ……ああぁ……はっ……はぁあ……」
「ううっ……く……。こんなに大量に出るとは……興奮し過ぎましたか……。どうですか? 一番強力な特濃チャームの味は? たとえ貴女でも、もう身体の制御が効かないはずですよ?」
「あ……あぅ……あぁ……」
 綾はとても男性一人で放出したとは思えない量の白濁を顔で受け止め、真っ白にコーティングされた舌を出しながら光を失った目で涼を見上げ続けた。胸の前に差し出した両手にもなみなみと白濁が溜まり、口からこぼれて来る白濁を受け止めていた。
「さぁ、その口に溜まったものを飲みなさい」
「うぅん……ごくっ……ん……んふぅぅぅ」
「くくくく、素直で良いですよ。おいしいですか?」
「はぁっ……はぁぁ、う……わ……わからない……へ……変な味……」
「じきに虜になりますよ。さぁ、あなたが出させたのですから、責任を持ってこれを綺麗にしなさい。口いっぱいに含んで、尿道に残っているチャームも一滴残らず吸い出すんだ」
 涼は一歩前に出ると、放出したばかりだというのに硬度を保ったままの男根を綾の前に突き出した。綾は吸い寄せられるように涼の足下に跪くと、うっとりとした表情で男根を見上げる。
「こ……これ……口に……?」
「そうですよ。さぁ、早くしなさい」
 涼が綾の頭をそっと掴むと、ゆっくりと綾の顔を自らの下半身へと導いた。綾は戸惑いながらも小さく口を開けると、おずおずと男根を根元までくわえこんだ。
「んっ……んぐっ……じゅっ……じゅるっ……ごくん……んんぅ……じゅぶぅっ……ごくっ……」
 綾は戸惑いながらも必至に舌を絡め「これでいいの?」と訪ねる様に涼を上目遣いで見つめながら、言われた通りに男根に吸い付き、ストローでミルクシェイクを飲む様にチャームを吸引した。自然と舌や頬の密着度が高まり、放出したばかりで敏感になっている男根を締め上げた。
(なにこれ……? すごく濃い味……。でも……頭がぼうっとして……ドキドキする……)
 強すぎる快感に、涼が綾の頭を撫でる。綾は一瞬だけ戸惑った様な表情を見せると、頬を上気させたまま、教わってもいないのに吸引しながら舌先で尿道をチロチロとくすぐった。涼は身体を仰け反らせながら快感に喘ぐ。
「くっ!? くおぉぉぉ! す……すごいじゃないですか……くおおっ!? 天性のものがあるな……いつもそうやって彼氏を喜ばせているのですか?」
「ぷはっ……こ……こんなこと初めてに決まってるでしょ……か、彼氏なんて……出来たこと無いし……。で、でも……止められない……はむっ……じゅるっ……じゅぅぅっ……」
 綾は頬を赤くしながらも、一心不乱に頭を動かし、涼の男根に奉仕を続けた。顔からはいつもの強気で自信ありげな表情は消え失せ、目がとろんと蕩けただらしのない顔を涼にさらしている。
「うむっ……うむぅぅっ……。お……おいし……。あむっ……あ……ま、また……味が濃くなってきた……」
 涼は綾の奉仕を受け続け、歯を食いしばって放出を堪えていた。
 学校でもトップレベルの容姿を持つ綾が自分に対してかしずき、初めてだというフェラ奉仕を行っている。しかもその技量はかなりのものであり、栄養補給以外にも食物を摂取する様に日常的に女性と性交し、経験人数は千を超える涼であっても、少しでも気を抜けば途端に果てさせられてしまうほどのものであった。
「くうぅッ……くぉぉ……。いやらしくしゃぶりついて……そんなに俺のチャームが欲しいのか? 欲しければ……くれてやるぞ……」
「むぅっ……んふうぅ……ほ、欲しい……。い……いっぱい出して……濃くて熱いの……たくさん……あむっ……」
 最後のプライドだろうか、涼が綾に放出をねだらせる。涼は左手で綾の頭を掴んで乱暴に前後に揺すってスパートをかけると、背中に電気が走るのを感じて男根を一気に口元まで引き抜いた。
「むっ!? んぐっ!? んぐっ! んぐっ! んぐっ! んんんんっ!?」
「望み通り……出してやるっ! その小さな口に入り切らないほどたっぷりとな……くおおおおっ!!」
「むぅ? ん……んぅ? うぐっ!? うぶぅぅぅぅぅぅ!!」
 涼は放出の瞬間に一度口元まで男根を引き抜くと、尿道を綾の舌先に付け、喉を突き破りそうな勢いで白濁を放出した。粘液は綾の舌を舐める様に流れ、濁流は勢いよく食道を滝の様に落下して行った。綾は白濁のあまりの勢いに一瞬本能的に逃げようとするが、頭をがっしりと押さえつけられているために叶わず、両目を見開き、涙を浮かべながら放出に耐えるしかなかった。
 しかし、すぐにその表情は恍惚としたものに変わり、うっとりとしながら熱い白濁を嚥下し続けた。
「んんんんっ!? ごくっ! ごくっ! ごきゅっ! んふぅ……んんんっ……。ごくっ……じゅるっ……じゅるるっ!」
「ぐぅっ!? い……言ってもいないのに飲み干すとは……それに……また吸い込んで……くぅっ!」
 ちゅぽんと音を立てながら、強すぎる快楽のために涼はたまらず綾の口から男根を引き抜く。綾はまだ呆然と涼の男根を目で追っていた。
「はぁ……はぁ……ここまで私を責め立てるとは……。よく頑張りましたね。これはご褒美ですよ」
 涼はセーラー服のリボンを掴んで綾を立たせると、ピンポイントで胃を狙いを付け、下腹から鳩尾へ突き上げる様に拳を埋めた。拳によって収縮させられた胃から大量に飲まされた白濁が食道を駆け上り、滝の様に綾の口からこぼれ落ちる。
「ぐぶっ!? ぐぇぁああああああ!! ごぼぉっ!?」
 綾は両手で腹を抱えながら、生まれたての子鹿の様に膝を笑わせて腹部から襲って来る激痛と、嘔吐の苦痛に耐えていた。
 びちゃびちゃと綾の足下に白濁の水たまりが出来る。綾の意識は既に途切れかけ、最後の力を振り絞り顔を上げた瞬間に涼の膝が綾の腹部を突き上げた。
「ゔうっ!? あぁ…………」
「くくく……チャームが完全に身体に回り切る前に全て吐かせて差し上げましたよ。若干影響は残るでしょうがね。しばらく泳がせてあげますから、気が向いたらまた私の所に来なさい。女性としての屈辱を最大限与えてから、快楽の海へつき堕としてあげましょう」
 涼が背中を向けて去って行く姿を最後に、綾の意識は完全に途切れた。


「綾さん! 正門に車が来ていますから! もう大丈夫ですから!」
 暗闇に溶けてしまいそうなほど黒いウェットスーツの様なものを着た綾専属のオペレーター、衣笠 紬(きぬがさ つむぎ)は、綾に肩を貸してグラウンドを対角線状に横切っていた。
 時折防犯灯に照らされて浮かび上がる綾の姿は悲惨なもので、腹部には無数の痣が拳の形で痛々しく浮かび上がり、全身は白濁した粘液を頭から浴びせられた様にどろりと濡れていた。綾の性格を表した様な明るい茶色の髪の毛もべっとりと濡れ、まるで水死体のそれの様に綾の顔に貼り付いていた。
 ぼろぼろになった綾を半ば引きずる様に正門へと連れて行きながら、紬は血が滲むほど下唇を噛んでいた。
 綾との通信が途絶えて二時間ほど経過した後、居ても立ってもいられなくなった紬は綾の安否を確認するために誠心学園へ侵入した。身を隠しながらの偵察の後、不自然に灯りのともっていた体育倉庫の中で、散々酷使された後に打ち捨てられたぼろ雑巾の様に、うつ伏せになって倒れている綾を発見した。
 思わず叫びだしそうになった。
 綾は組織の階級、上級か一般か、戦闘員かオペレーターかの区別無く、誰とでも友達の様に接してくれた。もちろん紬にもだ。
 こんなに素晴らしい人がなぜこんな酷い目に遭わなければならないのかと思うと、涙と、人妖に対する怒りがふつふつと身体の底から沸き上がって来た。
 ようやく正門前まで到着すると、停まっている車から別のオペレーターが飛び出して来た。
「綾さん!? あぁ……なんて酷い……」
「相当ダメージを受けた後に、大量にチャームを飲まされてる。早く病院に運ばないと!」
 二人は綾の肩と脚を持って後部座席に寝かせると、アナスタシア総合病院へと車を走らせた。

↑このページのトップヘ